S-QUE 院内研修 1000’ 2016 年度 E ナース 第 12 回 老年看護 看護師のための認知症の人へのケアのポイント~病院で認知症の人を支える~ 鷲見 幸彦 氏(国立長寿医療研究センター副院長) (演習問題 全 5 問) Q1.新オレンジプランについて正しいものはどれか,2 つ選べ。 1.新オレンジプランは厚生労働省が単独で行う事業である 2.認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供が柱の一つである 3.研究開発の推進が柱の一つになった 4.若年性認知症対策は今回のプランからは除外された 5.本人の視点よりもその家族の視点を重視する Q2.以下の文で正しいものはどれか,2 つ選べ。 1.日本での認知症患者数は 400-500 万人と推測されている 2.認知症の人は医療には容易につながるが介護にはなかなかつながらないのが特徴である 3.急性期病院での認知症の人の受け入れ態勢は確立しており良好である 4.急性期病院では認知症の人をうけいれるための専門病棟を持っている施設が多い 5.入院中の管理困難な行動・心理症状には鎮静目的で抗精神病薬が使われている Q3.入院した認知症の人の対応について正しいものはどれか,2 つ選べ。 1.入院当初は認知症の診断は難しいことが多い 2.入院当日に全例、長谷川式簡易認知症スケールで評価することが重要である 3.認知症の人に対して声をかけるときは、前後左右様々な方向から声をかけることが大切である 4.睡眠覚醒リズムの把握は重要である 5.耳の遠い人も多いのでできるだけ大きな声で声をかけるほうがよい Q4.認知症対応多職種チームに関して正しいものはどれか,3 つ選べ。 1.チーム員は医師と看護師のみで構成する 2.対象者の把握は病棟からの依頼を待つだけでなく病棟へでむくことが必要である 3.過活動性の BPSD だけでなく低活動性の BPSD にも注意する 4.摂食障害や放尿は対応の難しい症状である 5.病棟スタッフには看護力向上のため厳しく注意・指導する Q5.せん妄について正しいものはどれか,3 つ選べ。 1.せん妄は意識障害である 2.臨床症状から認知症とせん妄を鑑別することは困難である 3.薬剤によってせん妄が出現することはまれである 4.セレネースを注射で使用する場合は筋注が安全ですすめられる 5.せん妄も治療には家族の協力は不可欠である 演習問題 S-QUE 院内研修 1000’ 2016 年度 E ナース 第 12 回 老年看護 看護師のための認知症の人へのケアのポイント~病院で認知症の人を支える~ 鷲見 幸彦 氏(国立長寿医療研究センター副院長) (演習問題 解答・解説) Q1.新オレンジプランについて正しいものはどれか,2 つ選べ。 1.新オレンジプランは厚生労働省が単独で行う事業である 2.認知症の容態に応じた適時・適切な医療・介護等の提供が柱の一つである 3.研究開発の推進が柱の一つになった 4.若年性認知症対策は今回のプランからは除外された 5.本人の視点よりもその家族の視点を重視する 解答:2,3 解説 1.誤り。厚労省を中心に 11 の省庁が協働して、省庁横断的に行う施策である。 2.正しい。 3.正しい。オレンジプランにはこの項目は含まれていなかった。 4.誤り。若年性認知症対策は今回も柱の一つである。 5.誤り。新オレンジプランでは本人の視点の重視が強調されている。 Q2.以下の文で正しいものはどれか,2 つ選べ。 1.日本での認知症患者数は 400-500 万人と推測されている 2.認知症の人は医療には容易につながるが介護にはなかなかつながらないのが特徴である 3.急性期病院での認知症の人の受け入れ態勢は確立しており良好である 4.急性期病院では認知症の人をうけいれるための専門病棟を持っている施設が多い 5.入院中の管理困難な行動・心理症状には鎮静目的で抗精神病薬が使われている 解答:1,5 解説 1.正しい。2012 年の調査では 462 万人と推定されている。 2.誤り。医療にも介護にも容易につながらない点が問題である。 3.誤り。受診そのものの拒否は減少していると思われるが、対応は不十分といわれている。 4.誤り。専門病棟はほとんどの急性期病院では存在しない。 5.正しい。適否は別として、多用されている。 Q3.入院した認知症の人の対応について正しいものはどれか,2 つ選べ。 1.入院当初は認知症の診断は難しいことが多い 2.入院当日に全例、長谷川式簡易認知症スケールで評価することが重要である 3.認知症の人に対して声をかけるときは、前後左右様々な方向から声をかけることが大切である 4.睡眠覚醒リズムの把握は重要である 5.耳の遠い人も多いのでできるだけ大きな声で声をかけるほうがよい 解答:1,4 解説 1.正しい。当初はせん妄が加わっていることが多く認知症の診断は困難である。 2.誤り。認知症の人にとってこれらのテストをうけることは大きな負荷である。また当日は環境変化による混乱もみられる。診断のための評価は症状 が安定してからがよい。 3.誤り。後ろから声をかけられると、反応しにくいことが多く、本人の視野に入る位置から声をかける。 4.正しい。 5.誤り。認知症の人は音に対して敏感なことが多い。不要に大きな声は怖がらせることにもなる。 解答・解説 1 Q4.認知症対応多職種チームに関して正しいものはどれか,3 つ選べ。 1.チーム員は医師と看護師のみで構成する 2.対象者の把握は病棟からの依頼を待つだけでなく病棟へでむくことが必要である 3.過活動性の BPSD だけでなく低活動性の BPSD にも注意する 4.摂食障害や放尿は対応の難しい症状である 5.病棟スタッフには看護力向上のため厳しく注意・指導する 解答:2,3,4 解説 1.誤り。医師看護師だけではなく。他の専門職と協働してチームを作ることが望ましい。 2.正しい。 3.正しい。無為や拒食、抑うつなどにも注意が必要である。 4.正しい。当センターの試みでは摂食障害は様々なアプローチを試みても改善は 50%以下であった。またことに男性の放尿は決定的な対応策が みいだせないでいる。 5.誤り。指導するよりも一緒に考える姿勢がもとめられる。 Q5.せん妄について正しいものはどれか,3 つ選べ。 1.せん妄は意識障害である 2.臨床症状から認知症とせん妄を鑑別することは困難である 3.薬剤によってせん妄が出現することはまれである 4.セレネースを注射で使用する場合は筋注が安全ですすめられる 5.せん妄も治療には家族の協力は不可欠である 解答:1,2,5 解説 1.正しい。 2.正しい。鑑別には発症様式がもっとも重要である。 3.誤り。しばしば薬剤によってせん妄が誘発される。 4.誤り。筋注では血中濃度が不安定なまま効果が遷延するためにせん妄状態を持続させる危険がある。静注がすすめられるが、投与時には不整 脈や血圧のモニターが必要である。 5.正しい。入院時からせん妄出現能可能性を説明するとともに、共に治療していくことを十分に説明する必要がある。 解答・解説 2
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