Adani社炭鉱開発への環境保護団体の異議申し立て

豪州:連邦裁、Adani 社の炭鉱開発に対する環境保護団体の異議申し立てを却下
2016 年 9 月 8 日掲載
8 月 30 日付け地元紙によれば、連邦裁判所は、Carmichael 炭鉱の開発認可に対する環境
団体「Australian Conservation Foundation(ACF)」からの異議申し立てを却下した。同
炭鉱開発はインドの Adani 社が QLD 州の Galilee Basin において計画するプロジェクトで
あり、同炭鉱からの石炭の生産量は 6,000 万 t/年が予定されている。
ACF は、連邦政府の環境大臣が石炭燃焼による環境影響を考慮していないとして、連邦裁
判所に異議申し立てをしていた。ACF によれば同炭鉱のマインライフの間に気候変動に係る
47 億 t の汚染物質が排出され、Great Barrier Reef 等においてサンゴの白化現象が引き起こ
されると主張していた。しかし今般、連邦裁は ACF 側の主張する内容は証明が出来ないと
して申し立てを却下した。
今回の裁判所の判断について連邦政府の Josh Frydenberg 環境・エネルギー大臣及び Matt
Canavan 資源大臣は歓迎の意を表明した。Canavan 大臣は、同プロジェクトは 36 件の環境
に係る厳格な条件の下に認可されていると述べ、また、同プロジェクトは豪州の経済成長や
途上国のエネルギー安全保障に資するという利益があるにも関わらず、環境団体はスタンド
プレーを行い、イデオロギーを振りかざし続けていると批判している。なお、資源業界団体
の QLD 州資源協会(QRC)によれば、同プロジェクトに対しては更に 3 件の異議申し立て
が行われている。
(シドニー事務所
山下 宜範 )
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