精神分析的心理臨床セミナー 2017 年度募集 本セミナーは「慶應心理臨床セミナー」の名称で 1988 年に慶應義塾大学の小此木啓吾先生を中心に、心理臨 床の世界で精神分析を活用するために創始されて 25 年以上の歴史を持ちます。2010 年に、心理臨床の基本的 な視座のうち、心理査定と心理療法、そしてさまざまな臨床領域への活用を軸に、精神分析的なアプローチの基 本を身につけることを主眼として、 「精神分析的心理臨床セミナー」と名称変更しました。 目的をさらに具体的、実用的にするために、今年度よりカリキュラムと料金体系を再設定し、構造化し直しま した。またこの度の再構成に伴い、長年顧問としてご尽力をいただいた馬場禮子先生に加えて、北山修先生にも ご協力をいただくことになりました。 基本的には 2 年間で知識を習得した上で、その後 3 年間の事例検討グループを設定しました。2 年間の知識 を実践に移せるように、最大 5 年の学習計画が企画されています。さらに今年からそれぞれの学習カリキュラム に従って、内容を 3 学期構成にして、 単発でそれぞれの講座を受講できるようにいたしました。 つまり、自分自身の経験と学習の必要性に応じて、単発でもセミナーを受講したり、少人数の事例検討会に参 加できます。また、本セミナー(慶應心理臨床セミナー、 精神分析的心理臨床セミナー)の修了者にも再学習の 機会があります。5 年間通年というわけではなく、受講希望者がご自分の事情や都合に合わせて、この学習の場 を活用してくださることを願っています。 精神分析的なセラピストになるには時間が必要です。 開講当初から、本セミナーは四半世紀以上にわたって木 曜日の夕方、定期的に、年間23回前後実は実施されてきました。 「継続は力」と言いますが、この毎週の体験は 心理療法のそれに近く、事例検討を中心として継続的に精神分析的アプローチを学ぶための最良の場となります。 できるだけ多くの方々がさまざまな心理臨床の場面で、精神分析的な理解とアプローチを活用できるようになる ことを私たちは心から望んでいます。 精神分析的心理臨床セミナー 馬場禮子(中野臨床心理研究室) 北山 修(北山精神分析室/白鴎大学) 乾 吉佑(多摩心理臨床研究室) :代表 深津千賀子(千駄ヶ谷心理センター) 中村留貴子(東京国際大学) 妙木浩之(東京国際大学) 北村麻紀子(桜ヶ丘記念病院) 以上 〈顧問〉 〈運営委員〉 精神分析的心理臨床セミナー カリキュラム 1. 心理臨床基礎コース 本セミナーの 1 年目基礎コースでは、精神分析に基づく心理臨床の全体像を描き出すことが目標です。大きく 分けて査定と心理療法の二つが把握できることです。第 1 学期では、精神分析を臨床場面に適用するために作ら れた「治療構造論」という枠組みについて、心理臨床の実践の中で使えるようになることが目標です。第 2 学期 は心の病を、いわゆる操作的な診断ではなく、事例の力動的査定に使えるようになることが目標です。第 3 学期 では、心理療法のために作られた精神分析的概念を、事例で自在に活用できるようになることが目標です(講義の 順番、講師は都合で変更になる場合があります) 。1 年目、2 年目ともに毎週木曜日 19 時から 21 時まで、第 1 学 期は 5 月、第 2 学期は 9 月中旬、第 3 学期は 1 月から開始します。 第 1 学期:総説 1 心理臨床と精神分析 2 治療構造論 3 精神分析の歴史と現況 4 現代の精神分析:自我・自己心理学、対象関係論、関係論 5 心の正常と異常 6 心理アセスメントその 1(心理面接から) 7 心理アセスメントその 2(心理検査から) 8 設定とマネジメント 9 事例研究(まとめとして) 10 春学期のまとめ 第 2 学期:力動的な精神病理の見方:力動診断・査定を中心に 11 葛藤と防衛:神経症 12 自己愛の臨床 13 対象喪失と抑うつ(メランコリー) 14 心身症 15 パーソナリティ障害論としての境界例 16 パーソナリティ障害のアセスメント 17 解離性障害 18 発達障害 19 精神病:統合失調症 20 DSM と ICD と力動的診断 21 事例研究(病理把握):力動フォーミュレーション 22 秋学期のまとめ 第 3 学期:心理療法の基礎概念 23 治療契約と治療同盟 24 心理面接の実際 25 抵抗 26 転移と逆転移 27 さまざまな転移:陰性治療反応や投影同一化 28 共感と解釈 29 終結 30 事例研究(心理療法プロセス);治療的介入 31 冬学期まとめ 乾 吉佑 中村 留貴子 馬場 禮子 妙木 浩之 深津 千賀子 吉村 聡 北村 麻紀子 北山 修 岩倉 拓 コメント馬場 禮子 運営委員 乾 吉佑 妙木 浩之 高野 晶 加茂 聡子 馬場 禮子 吉村 聡 岡野 憲一郎 木部 則雄 鳥越 淳一 白波瀬 丈一郎 野村 真睦 コメント妙木 浩之 運営委員 北村 麻紀子 妙木 浩之 深津 千賀子 馬場 禮子 吉村 聡 中村 留貴子 乾 吉佑 加茂 聡子 コメント藤山 直樹 運営委員 2.心理臨床(シニア)臨床コース 2 年目は、基礎的なものを習得している人たちが心理臨床で起きるさまざまな出来事を、精神分析的に理解でき るようになることを目標とします。現代の心理臨床では病院だけではなく、学校、福祉施設、あるいは産業場面な ど、さまざまな臨床領域で、精神分析的なアプローチを応用、活用できるようになることが求められています。精 神分析はもともと開業場面で開発されて発展してきた技法であるため、他の臨床場面で直接的に適応することが 難しく、適応の拡張 widening scope が必要です。2 年目はそうした視点をもって実践できる臨床家が育つことを 目指します。第 1 学期は、年齢に沿った発達論的で力動的な理解を目標にします。第 2 学期では査定と心理療法 の二つを深め、第 3 学期ではさまざまな臨床領域で精神分析的なアプローチができることを目標にします。 *経験のある臨床家(主に 5 年以上臨床をしていて、指導的な立場を目指している臨床家)は、2 年目の臨床コー スから参加することができます。 第 1 学期:発達に基づく理解 1 発生論と発達論 2 子どものアセスメント 3 乳幼児観察 4 タヴィストックの児童治療 5 乳幼児精神医学:その臨床と母子相互作用の研究 6 子育て支援と親面接 7 ライフサイクルと青年期 8 思春期 9 中年期と老年期 10 事例研究:子どもの治療 11 まとめの会 第 2 学期:事例理解の深化:心理テストと治療関係 12 事例検討 2 グループ 13 事例検討 2 グループ 14 心理テストと心理療法 15 心理査定における精神病的なもの 16 事例における抵抗と転移-逆転移 17 事例における退行:分離不安と対象喪失 18 描画による心理査定と心理療法 19 病態水準による治療関係の違い 20 事例の全体的な理解、読み方 21 事例研究:力動的な治療 妙木 浩之 木部 則雄 鈴木 龍 脇谷 順子 濱田 庸子 深津 千賀子 藤城 有美子 中村 留貴子 乾 吉佑 妙木 浩之 コメント深津 千賀子 運営委員 A:深津・B:北村 A:妙木・B:中村 小野田 直子・北村 麻紀子 吉村 聡 馬場 禮子 深津 千賀子 妙木 浩之 中村 留貴子 乾 吉佑 太田 百合子 コメント中村 留貴子 第 3 学期:さまざまな臨床場面への応用 22 治療構造論再考 中村 留貴子 23 マネジメントとアセスメント 北村 麻紀子 24 心理療法の実際(教育相談) 宮崎 洋子 25 心理療法の実際(学生相談) 貞安 元 26 心理療法の実際(スクールカウンセリング:SC) 岩倉 拓 27 心理療法の実際(医療場面) 北村 麻紀子 28 心理療法の実際(家族療法) 近藤 直司 29 心理療法の実際(産業場面) 妙木 浩之 30 心理療法の実際(集団療法) 嶋田 博之 31 修了式 運営委員 *2 年目の臨床コースを修了すると、事例検討のための事例検討(アドバンス)グループコースに参加できます。 事例検討グループコースは、事例検討のために少人数のグループを組織して、運営委員と顧問を中心として事例 のコンサルテーションを行うもので、臨床コース修了者に対して提供されます。 3. 事例検討(アドバンス)グループコース 精神分析は開業場面の毎日分析から始まり、日本でも精神分析的心理療法という場合、最低限毎週 1 回の頻度 で長期的な治療関係を守るのが普通です。ただ実際の臨床場面、例えばスクールカウンセリングや産業カウンセ リングの場面で、そうした枠組みを守るのは難しいし、本来の精神分析を実践するのは困難です。治療構造論は、 そうした場面にも精神分析的、精神力動的な発想を持ち込むことが可能な道具として開発されました。本セミナ ーでは、治療構造論を用いて、どのような臨床場面のどのような事例でも、精神分析的な理解とアプローチができ るようになることが目標です。 その意味で、事例検討グループは本セミナーの中心的な役割と機能を果たしています。基礎を共有した人、つま り上記の「心理臨床基礎コース」修了者は、事例検討グループに参加することができます。事例検討グループコー スは、グループメンバーの事例を持ち寄って、毎回一事例について検討します。シニアの臨床コースを修了した臨 床家が集まって、年に 25 回から 30 回、運営委員を中心に毎週木曜日に小集団で、それぞれの事例検討と指導を 行います。少人数のグループでの討議に積極的に参加することで、①臨床家としてのアイデンティティを育てる、 ②事例の臨床研究法を学ぶ、③精神分析的な事例理解をする、といった学習が可能になります。 事例検討(アドバンス)グループには、3 年間の在籍が可能です。在籍年次によって「アドバンス」 「スーパー アドバンス」 「卒後グループ」など、呼称は異なります。グループの組織は、その年の在籍者数によって変わりま す(基本 10 名以内) 。 4. 受講料について 受講料は基礎コース、臨床コースそれぞれ以下のようになっています。なお事例検討(アドバンス)グループコ ースは、グループ人数構成によって変わりますが、臨床コースに準じます。振込みは開講時に一括の場合、そして 各部(学期)の開始時に分納の場合とあります。また人数に余裕がある場合に限って、単発のコースの受講もでき ます。一度修了した人が単年で、あるいは単発で再学習のために履修する場合は「再受講」と呼びます。ただし再 受講の場合、人数の制限のため、年によっては受講できない場合もあります。 基礎コース 19 万円(分納時:一学期 7 万円、二学期 6 万円、三学期 6 万円) 臨床コース 21 万円(分納時:一学期 7 万円、二学期 8 万円、三学期 6 万円) 事例検討グループコース* 20 万円(分納時:一学期 7 万円、二学期 7 万円、三学期 6 万円) 基礎・臨床コース単発受講 一学期 10 万円、二学期 10 万円、三学期 8 万円 各コース単発再受講 基礎・臨床コースとも各学期 5 万円 基礎・臨床コース修了証をもつ人の再受講 *事例検討(アドバンス以降)グループコースは、基本的にはそれぞれのコースと同じ、あるいは近い料金が設定されま すが、在籍者数によって受講料が変わる可能性もあります。 5. ロールシャッハ・カンファランス・セミナー ロールシャッハテストをはじめ心理テスト、心理査定の技能上達のために、さまざまなセミナーやワークショ ップが計画されています。このセミナーは、臨床現場でテスター業務をおこなう上で必要となる様々な疾患のロ ールシャッハ法上の特徴を理解し鑑別に役立てるためのセミナーです。片口法と力動的解釈を用いて、講師によ るイントロダクションと、各テーマにもとづいた2事例のケース検討をおこないます。また毎年、特定の精神病理 学の主題を取り上げて、包括法の力動的解釈を含めた特別セミナーを行います。 6. 修了証の発行について それぞれのコースの 70 パーセント以上の出席で、修了証が発行されます。日本心理臨床心理士資格認定協会、 および日本精神分析学会の資格認定、資格更新申請等に役立ちます。単年コースおよび第一学期、第二学期、第三 学期の単発受講は可能ですが、その場合、出席回数に応じた証明書は発行しますが、修了証は発行されません。但 し単発受講を数年間かけて取ることは可能ですし、累積的に二年以上受講している方は、修了証を請求していた だくことは可能です(それぞれの受講証をなくさないでください) 。 7. 会場 AP 西新宿(新宿駅から徒歩 5 分。〒160-0022 東京都新宿区西新宿 7-2-4 新宿喜楓ビル 6F) 8. 申し込み a. 対象:精神分析的な心理臨床の理論と実践を学ぶことを志す方。 b. 受講資格:臨床心理士またはその近接領域の大学を卒業し、現在臨床場面をお持ちの方、または臨床心理系 大学院に在学中の方。なお受講資格確認のため履歴の書類を提出していだたきます。 c. 期間と日時:2017 年 5 月から 2018 年の 3 月まで、毎週木曜日、19 時から 21 時まで。 d. 募集人数:心理臨床基礎コース: 40 人(定員になり次第締め切ります) その他のコース、単発受講の場合:事務局にメール(keio-seminar@nifty.com)宛、直接お問い合わせください。 【申込・問合せ先】詳細はホームページ http://www.psychoanalyticpsychology.jp/をご覧ください。
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