小児科学卒業試験復元(問題のみ)

小児科2015(408担当)
<Ⅰ>
小児科
<2015 年度>
15-Ⅰ-66.
誤っているものを選べ。
a.くる病と甲状腺機能低下症では大泉門の閉鎖が早まる。
b.体重は出生後 1 年で約 2 倍になる。
c.手根骨の中心化骨の出現は10歳まではほぼ年齢に沿う。
d.乳児の体液量は体重の約 6 割である。
e.身長は出生後五年で約 2 倍になる。
*類題
13 年度
・ 身長は出生後1年で約 1.5 倍になる。
・ 手根骨の中心化骨の出現は年齢の約2倍である
・ 生後二ヶ月までの哺乳行動は全て反射による
12 年度
・生後6か月までの哺乳は全て反射による。
09 年度
・成熟児の生下時身長は約 50cm である。
・成熟時の生下時体重は約 3000g である。
・生後 1~3 ヶ月の児の一日体重増加量は約 20g である。
15-Ⅰ-67.
6ヶ月の乳児。掻痒を伴う慢性の左右対称の湿疹が2ヶ月持続している。こ
の疾患について誤っているものはどれか。
a.発症の要因として皮膚のバリア障害が重要である。
b.皮膚炎の原因・悪化因子としての食物の影響は乳児期で大きい。
c.皮疹は乳児期には顔面に多く、幼少期には四肢に多い。
d.特異的 IgE 抗体の存在は診断に必須ではないが、有用な所見である。
e.生後1ヶ月頃の脂漏性湿疹が初発症状である。
15-Ⅰ-68.
2才女児。上気道炎で受診した際に眼球結膜黄染を指摘され、精査依頼があ
った。眼瞼結膜に軽度貧血が見られる。リンパ節腫大は認められない。父親も健康診断で
軽度貧血を指摘されている。
この疾患で当てはまるものひとつ選べ。
a. 一過性赤芽球減少症が疑われる
b. 直接 Cooms 試験陽性
c. 網赤血球が低下する
d. 脾腫を認めない
e. 伝染性紅斑の感染に注意が必要
15-Ⅰ-69.
消化器疾患と症状の組み合わせとして誤っているものひとつ選べ
a. ロタウイルス-灰白色便
b. カンピロバクター-血性水様便
c. 潰瘍性大腸炎-粘血便
d. 腸重積-タール便
e. Meckel 憩室-出血(血便?)
15-Ⅰ-70.
下記の文章で正しいものを 1 つ選びなさい。
a. 新生児とは生後 28 日未満のことである。
b. 正期産は 36 週~42 週である。
c. 胎外で生活できるのは 24 週以降である。
d. 低出生体重児は 2000g 未満である。
e. 極低出生体重児は 1000g 未満である。
<Ⅳ>
15-Ⅳ-1.28 週 0 日、1200g 出生体重。出生後、多呼吸、陥没呼吸、伸吟を認めた。胸部 X
線画像を示す。誤りを選べ。(IRDS)
a.呼吸困難の原因は肺サーファクタントの欠如である。
b. 診断にはマイクロバブルテストが有用である。
c. 前期破水、子宮内感染が発症増悪因子である。
d. 治療は人口サーファクタントの気管内投与である。
e. 治療後に動脈管開存症の悪化に注意する。
15-Ⅳ-3. 2800g で出生。妊娠中に発熱、発疹、耳頸部リンパ節腫脹のエピソード有。4か月
で心雑音を指摘された。関係のないものを選べ
a.眼底検査
b.心エコー
c.聴力検査
d.血液培養
e.頭部 MRI
15-Ⅳ-4.(皮膚科の問題ではないか??)アトピー性皮膚炎に用いる外用薬を 2 つえらべ。
a.ステロイド軟膏
b.タクロリムス
c.サリチル酸ワセリン
d.イソコナゾール
e.活性化 Vit.D3 軟膏
15-Ⅳ-5.新生児マススクリーニングで、フェニルアラニン 35 兄はフェニルケトン尿症。親
への説明で不適切なものはどれか。
a.兄と同じ病気の可能性
b.フェニルアラニン制限食で、知能低下を防げる
c.尿検査でケトン体が陽性になる
d.ガーゴイル顔貌
e.メラニンが欠乏するので色白になる。
15−Ⅳ−6 小児科
生後 4 ヶ月の乳児。健診で著明な肝腫大を指摘された。頚定がみられず、あやしても反応
に乏しい。母乳栄養であるが、身長、体重ともに増加が不良で平均値より−2.5SD のレベル
にある。
この病気の診断を進めるためにまず行うべきことはどれか。
a.直ちに肝臓の病理検査を行う
b. このまま経過観察し 1 か月後の再受診させる
c.生下時からの身長、体重、胸囲、頭囲の成長曲線を調べる。
d.染色体検査(G バンド)を行う。
e.復元できず。
15-Ⅳ-7 全身性エリテマトーデスについて誤っているものを選べ。
a. WBC 低下
b. 抗 dsDNA 抗体上昇
c. 赤沈亢進
d. CRP 亢進
e. 血清補体価低値
15-Ⅳ-8
8 歳女児。咽頭痛と発熱を主訴に近医受診。感冒といわれていた。翌々日夕方より戦慄を伴
う 39℃台の発熱を認めたため、NSAIDs を服用。翌日朝には解熱した。しかし、同日夕方
より再び 39℃台の発熱と関節痛、上腕、頚部を中心とした発疹が生じたため、再び近医を
受診。抗菌薬を処方され内服したところ翌朝に解熱した。しかしその後も夕方に発熱翌朝
に解熱というエピソードが 10 日間以上持続したため、精査目的に当院紹介受診。
血液データ WBC 14800 CRP14.2 ESR105
診断として最も適切なものは。
a.若年性皮膚筋炎
b.シェーグレン症候群
c.全身型若年性特発性関節炎
d.全身性エリテマトーデス
e.PFAPA 症候群
15-Ⅳ-9 Wisskott-Aldrich について誤っているものを選べ
a.汗のナトリウム濃度は正常
b.補体は正常である
c.好中球は正常である
d.血小板数・容積の減少
e.免疫グロブリンの低下
[類似]
13-Ⅳ-10
6 か月男児。難治性の湿疹、血便を訴えて当院に来院した。中耳炎の反復も見ら
れる。原発性免疫不全と考えられる。当てはまるものを選べ。
a 補体の低下
b 好中球の減少
c 汗のナトリウム濃度上昇
d 血小板数・容積の減少
e 免疫グロブリンの低下
15-Ⅳ-10
2 歳 6 ヶ月の男児。発熱と吸気性呼吸困難を認めた。CRP は高値を示し、好中球優位の白
血球上昇を認めた。
誤っているものを 2 つ選べ。
a. thumb print sign
b. steeple sign
c. Hib が原因
d. 気管切開と挿管の準備
e. β2 刺激薬を使う
15-Ⅳ—11 ワクチンについて
a.生ワクチンは細胞性免疫と局所免疫を誘導する
b.生ワクチンは不活性より安価
c.生ワクチンの副反応は24から48時間以内
d
e.不活化ワクチンは追加の接種が必要
15-Ⅳ−12 髄膜炎について
a 脳圧亢進であっても早期診断確定のために髄液検査をすべき
b 日本では、 HSV の定期接種がある(義務化?)
c 重積てんかん発作でベンゾジアゼピン系は禁忌である
d 乳幼児は a 群溶連菌と大腸菌が高頻度
e 髄膜炎の発症初期にけいれんが見られても予後不良ではない。
[類似問題]
13-Ⅰ-69
髄膜炎について正しいものを選べ。
a.髄膜炎にけいれんを合併しても予後には関係ない。
b.(復元失敗)
c.新生児期は A 群溶連菌、大腸菌が多い。
d.髄膜炎菌ワクチンは定期接種である。
e.頭蓋内圧亢進が疑われるが、髄液検査を行う。
15-Ⅳ-13 発疹を伴うウィルスについて正しいものを1つ選べ。
a.伝染性紅斑の原因ウィルスは骨髄内の赤血球系細胞で増加する。
b.ワクチンにより百日咳、ジフテリアは日本でほとんど発生しない。
c. 突発性発疹は口腔内のコプリック斑が特徴的である。
d.水痘を起こす原因ウィルスは高齢者で帯状疱疹を起こす。
e.手足口病はすべての発疹が痂皮化していたら感染が消失したと考えてよい。
15-Ⅳ-14
生後 3 か月。1 週間前から噴水状嘔吐。体重減少にて来院。確定診断のために行うべきこと
一つ
a.注腸造影
b.腹腔穿刺
c.腹部 CT
d.腹部エコー
e.腹部 MRI 撮影
15-Ⅳ-15
生後 3 ヶ月の男児。チアノーゼ、心雑音と低酸素発作で来院。今は雑音はおさまり、チア
ノーゼが強くなっている。対応として誤っているのはどれか。
a.触らず何もしない。
b.酸素投与
c.輸液
d.モルヒネ
e.β遮断薬
15-Ⅳ-16 先天性心疾患について正しいものを 1 つ(2つ?)選べ
a.
酸素投与で肺血管抵抗が低下する。
b.
ダウン症では先天性心疾患が少ない。
c.
右左シャントでは、保温で(体温を上げることで?)症状改善する。
d.
ASD において B-T シャント術を行う。
e.
PDA がないと生存不可能な疾患がある。
15-Ⅳ-17
次のうち誤りを 1 つ選べ
a.
再生不良性貧血—免疫抑制剤
b.
遺伝性球状赤血球症—脾摘
c.
血小板無力症—免疫抑制剤
d.
X 連鎖重症免疫不全症候群—造血幹細胞移植
e.
バーキットリンパ腫—化学療法
類題
12-4-19 疾患と治療の組み合わせで誤っているものはどれか
a) 再生不良性貧血―免疫抑制療法
b) 遺伝性球状赤血球―脾摘
c) 血小板無力症―免疫抑制療法
d) 重症先天性好中球減少症―造血幹細胞移植
e)復元なし
Ⅳ-18 次のうち正しい組み合わせを選べ
a、神経芽細胞腫-NSE
b、wilms 腫瘍-CA-19
c、骨肉腫-EWS/ERG
d、Yolk-sac-tumor-AFP
e、絨毛癌-CEA
類題
14-Ⅳ-22(11-Ⅳ-5、10-Ⅳ-5 類問)次のマーカーで間違っているものを1つ選べ。
(a) 胚細胞腫-β-HCG
(b) 神経芽細胞腫-NSE
(c) Willms 腫瘍-VIA
(d) ユーイング肉腫-EWS/ERG
(e) 肝芽腫-AFP
*類問
11 年度
神経芽細胞腫‐MYCN
ウィルムス腫瘍‐NSE
Yolk sac tumor‐AFP
絨毛がん‐β-hCG
Ⅳ-19 溶血性尿毒症症候群の病原微生物は何か?
a.黄色ブドウ球菌
b.腸炎ビブリオ
c.サルモネラ
d.カンピロバクター
e.赤痢
15-Ⅳ-21.小児の身長に関して正しいものを選べ。
a) 成長ホルモン分泌不全性低身長症候群では、出生児は正常である。
b) 成長ホルモン分泌不全性低身長症候群では、手の骨の数の成長は促進する。
c) 先天性甲状腺機能低下症では、手の骨の数の成長は促進する
d) ターナー症候群では、最終身長は正常である。
e) 思春期早発症では、最終身長は正常である。
15-Ⅳ-23
3 歳 2 ヶ月の女児。主訴:発熱、嘔吐、不機嫌。・・・復元不十分・・・。
発熱が出現した頃より、両耳下部の腫脹、嘔吐、不機嫌が出現したため、近医を受診した。
項部硬直を認めた。髄液検査は細胞数 1058(増加)(単核球↑、多核球→)、蛋白↑、糖→であ
った。
a)インフルエンザ菌による細菌性髄膜炎
b)髄膜炎菌による細菌性髄膜炎
c)ムンプスウイルスによる無菌性髄膜炎
d)エコーウイルスによる無菌性髄膜炎
e)結核性髄膜炎
15-Ⅳ-24
1 歳 1 ヶ月の男児。妊娠・分娩歴に特記すべきことなし。既往歴:?を食べた後に発疹が見
られた。現病歴:生後 8 ヶ月頃から、強い啼泣時にチアノーゼ、全身性けいれんが見られ
るようになった。間欠期は元気である。検査所見:血液検査、CT、心臓エコー検査、脳波
検査で異常を認めなかった。
この症例で考えられる疾患において正しいのはどれか、1つ選べ。
a) 好発年齢は 3~6 歳である。
b) この発作型は白色発作である。
c) この発作は迷走神経が刺激されることによっておこる。
d) 鉄欠乏性貧血との関連が指摘されている。
e) 予後は良好である。
15-Ⅳ-25
次の中から正しいものを選べ。
a) 広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)の男女比は 1 対 1 である。
b) 広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)の主症状は対人的相互反応の欠陥である。
c) チック障害は、注意欠陥多動障害や自閉症スペクトラムの二次障害である。
d) 注意欠陥多動障害の治療の第一選択は薬剤療法である。
e) 復元失敗
15-Ⅳ-不明
8 歳女児、発熱・咽頭痛で近医受診し総合感冒薬を内服し翌日解熱。翌朝再び 39 度の発熱、
翌々日には頸部、首に発疹・関節痛が出現。再び近医受診し抗菌薬内服し翌朝発熱と発疹
は消失。しかし翌日から 39 度の熱・発疹が 10 日間続いてため紹介受診。診断は?
a)若年性皮膚筋炎
b)復元失敗
c)復元失敗
d)若年性特発性関節炎
e)SLE
15-Ⅳ-3.先天性風疹症で調べない検査は何か?1 つ選びなさい。
a)血液ウイルス抗原検査
b)心エコー
c)眼底検査
d)聴覚検査
e)頭部 MRI
※この他に復元されなかった問題にミトコンドリア脳筋症の問題があったと思われます。
慢性進行性外眼筋麻痺(Kearns-Sayre 症候群)、MELAS、MERRF、Leigh 脳症について
基本的なことが聞かれていました。詳しいことまでは覚える必要はないでしょう。
※その他に復元されなかった問題に例年出題されている脳室周囲白質軟化症(PVL)につ
いての問題があったと思われます。過去問と選択肢もほとんど一緒であったので確認をお
願いいたします。