中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)①

中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)①
施工フローおよび管理項目
5
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)②
施工手順と管理項目
①下杭、中杭、上杭にスクリューを挿入し上杭にヤットコ取付
杭構成図
スクリューおよびヤットコ
セット完了状況
SC杭
PHC杭
【基礎杭】
6
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)③
施工手順と管理項目
②下杭の建込み、③スクリューとオーガー機の接続
・相判クレーンで下杭を杭芯位置近く
まで旋回移動した後、杭打機のオー
ガー機と下杭のスクリューをジョイ
ントピン位置で接続する。
・排土ホッパーを降ろし、杭頭部を
チャッキングする。
下杭の建込み状況
オーガー機とスクリューの接続状況
・杭とスクリューを巻き上げ、逃げ芯から検尺棒を当て杭を杭芯にセットする。
・傾斜計を杭に当て微調整しながら、杭を鉛直に建込む。
【管理項目】
●杭芯合せ(30㎜以内)
●鉛直度(1/300以内)
検尺棒のマーキングと
逃げ芯の離れを計測
傾斜計を使用して鉛直
度を確認
検尺棒
マーキング
逃げ芯
下杭下端
逃げ芯
杭芯
7
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)④
施工手順と管理項目
④下杭の沈設
・杭打機リーダーの鉛直度を修正し杭が拘束されるまで観
測しながら沈設。
・杭の沈設は自沈及び強制圧入をして継手作業の出来る位
置まで沈設。
杭打機
リーダー
トランシットで2方向から杭を
観察し、杭の鉛直度を保つ。
・スクリューによる先行掘りは、杭先端から1m以内に保つ。
・掘削速度は1∼2m/分を保つ。
おもりをこの範
囲内にとどめる
ことで先行掘削
1.0mを管理
杭先掘り長さ
【管理項目】
1m以内
スクリューの先行掘削(1.0m以内)
杭径以下
排土ホッパーに1.0mと1.6mの位置で
マーキングし、チェーン先端のおもり
で先行長の確認をする。
【管理項目】
掘削速度(1∼2m/分)
統合型管理装置でモニター監視する。
8
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)⑤
施工手順と管理項目
⑤スクリューとオーガー機の切離し
・継手作業の出来る位置まで杭を沈設したら排土ホッパーを巻上げる。
排土ホッパー
・下杭のスクリューとオーガー機を繋ぐジョイントピンを抜き、オーガー機
を巻上げる。
・杭打機を溶接作業に支障の無い方へ旋回し、排土ホッパー内の掘削土を排
除する。
排土状況
⑥中杭(上杭)の建込み
・相判クレーンで中杭(上杭)及びスクリューを
吊上げる。
・吊上げた杭を下杭(中杭)の位置まで旋回移動
させ、スクリュー接合部を嵌合する。
・上下スクリューをジョイントピンで接続する。
・下、中杭(中杭、上杭)の継手接続部を清掃し
密着させる。
上下スクリュー接続状況
9
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)⑥
施工手順と管理項目
【管理項目】
●くい違い量(2㎜以内)
⑦継手部の溶接
●ルート間隔(4㎜以下)
・継手部を密着させ、上下杭のくい違い・ルート
間隔を確認する。
・溶接箇所の外観を目視検査、欠陥箇所がない事を確認する。
【管理項目】
溶接ゲージ
浸透探傷試験(カラーチェック)
溶接表面に生じた割れや
ピンホールなどの微細な
欠陥に浸透液を染み込ま
せ、現像液を吹き付ける
ことで赤く模様が形成さ
れるので、それを目視観
察しきずの判定をする。
・半自動溶接機をセットし、アース線を設置する。
・継手開先部を所定のど厚まで溶接する。
【管理項目】
●余盛り高さ(3㎜以内)
●アンダーカット(0.5㎜以下)
10
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)⑦
施工手順と管理項目
⑧スクリューとオーガー機の接続(③スクリューとオーガー機の接続(P7)参照)
・オーガー機と排土ホッパーを巻上げ、杭頭部へ杭打機本体上部を旋回する。
・杭打機のオーガー機と杭のスクリューをジョイントピン位置で接続する。
・排土ホッパーを降ろし、杭頭部をキャッチングする。
【管理項目】
鉛直度(1/300以内)
傾斜計を使用して鉛直度を確認。
(中3杭まで)
・杭施工管理者は杭の垂直性を確認・修正する。
⑨中杭(上杭)の沈設(④下杭の沈設(P8)参照)
・根固め液の注入位置まではスクリューによる先行掘りを1.0m以内に
保つ。
・掘削速度は1∼2m/分を保つ。
・オーガー機を上下反復し、排土・掘削を繰返し圧入・沈設をする。
・排土ホッパー内の掘削土は作業毎に作業に支障の無い場所へ排出する。
【管理項目】
スクリューの先行掘削(1.0m以内) 掘削速度(1∼2m/分)
排土ホッパーに1.0mと1.6m
の位置でマーキングし、
チェーン先端のおもりで先行
長の確認をする。
統合型管理装置でモニ
ター監視する。
【支持層確認】
・土質調査の結果に基づき、各杭の沈設深さを確認する。
細砂
・沈設が支持層に近づいたら、掘削速度を一定(1∼2m/
分)に保ちオーガーモーター電流値の変化を統合型管理装
置のモニターで監視しながら、土質柱状図のN値と対比さ
せて支持層の確認をする。
・また、オーガー駆動装置の音や杭打機の振動による体感か
ら変化開始深度を記録する。
【掘削作業完了後】
・先端ビットの付着土砂を採取・観察し、土質標本試料およ
び土質柱状図の記事録から支持層を確認する。
支持層到達
シルト混り細砂
11
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)⑧
施工手順と管理項目
⑩ヤットコの沈設および杭定着
・杭の定着位置まで圧入、沈設する。
・杭自沈防止措置として、ヤットコに取付けた自
沈防止アームを杭受け台にのせ、設計高さで定
着させる。
【管理項目】
レベル測定器で排土ホッ
パー下端にある目盛を覗き
設計高さで定着。
●杭頭高さ(0∼-50㎜以内)
ヤットコ天端高を覗き
杭頭高さを確認
視準
ヤットコ定着状況
⑪根固め球根の築造(セメントミルク噴出攪拌)
・杭先端が所定の定着位置に近づいてきたら、セメントミルクを練り混ぜる。
【管理項目】
バッチャープラント及びセメントサイロ
セメントミルク練上り状況
【管理項目】
水セメント比(60%以内)
比重(1.73∼1.80以内)
自動計量器にてセメントと水の投
入量を確認する。
泥水密度計にて規格値内であるこ
とを確認をする。
バッチャープラント自動計量器
泥水密度計(マッドバランス)
12
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)⑨
施工手順と管理項目
⑪根固め球根の築造(セメントミルク噴出攪拌)
【圧縮強度試験用供試体の作成】
・1回の試験で作成する供試体の本数は3本とする。
直径50㎜のポリエチレン袋にセメントミルクを流し込み、長さ100㎜程度の円柱
形供試体とする。
・供試体の養生は直射日光を避け、物とぶつからない様に保管、養生する。
供試体が移動および切断可能な状態になるまで、吊るしたまま養生。
・圧縮強度試験の実施(σ28=20N/㎜2)
試験場に持ち込んだ後、直径50㎜×長さ100㎜の供試体に形成後水中養生し、
JIS A 1108(コンクリートの圧縮強度試験方法)に則り、試験を実施する。
圧縮強度は、3本の供試体の平均値で20N/㎜2以上発現していることを確認。
圧縮強度試験用供試体
・所定位置で先端ビットの拡大翼を拡翼する。
【管理項目】
先端ビット拡翼(φ520㎜→960㎜)
所定の掘削深度に達したら先端ビット
を拡翼し、噴出攪拌を開始する。
先端ビット閉翼、拡翼状況
13
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)⑩
施工手順と管理項目
⑪根固め球根の築造(セメントミルク噴出攪拌)
・拡翼を確認したら根固め液を注入し、噴出攪拌築造する。
・杭先端を球根の所定深度に定着させる。
この範囲でおも
りを上下させ噴
出攪拌の範囲を
管理
所定深度
【管理項目】
杭先端の定着
【管理項目】
先端ビットによる噴出攪拌(1.6m以内)
レベル測定器で排土ホッパー下端に
ある目盛を覗き設計高で定着。
排土ホッパーにマーキングした1.6mの位置とチェーン先
端のおもりで先端ビットの位置を確認をする。
杭先端根固め球根図
・先端ビットを閉翼後、根固め液の残量を杭内部に注入しながらスクリューを引き上げる。
・根固め液の注入後、洗浄水に切替え引き上げる。
520
【管理項目】
根固め液注入量(2060㍑)
統合型管理装置で注入量を確認。
【管理項目】
先端ビット閉翼(φ960㎜→520㎜)
所定の注入量の約8割が過ぎた段階で
先端ビットを閉翼し、残量を杭内部に
注入しながら引き上げる。
根固め液を注入しながら引
き上げることで、セメント
ミルクの蓋が出来、ミキシ
ングした球根がスクリュー
と一緒に共上りするのを防
ぐ役目を果たす。
また、根固め液を注入後、
洗浄水に切替え引き上げる
ことで、注入管の洗浄と合
わせて杭内部の水頭差を無
くし、セメントミルクおよ
び球根の共上りを防ぐ。
14
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)⑪
施工手順と管理項目
⑫ヤットコ取り外し、施工穴の養生
・杭沈設完了後、一定時間保持し翌日にヤットコの取り外しを行う。
・杭とヤットコを固定している長ボルトを緩め、杭と切り離す。
・杭と切り離したヤットコは、クレーンで吊上げ撤去する。
・ヤットコ取り外し後、現場発生土(良質土)で埋め戻す。
【管理項目】
杭とヤットコの切離し
長ボルトの取り外しは必ず人力で行い、ボルトが容易に緩まない時は、杭の
定着が不十分な恐れがあるため、無理に外さない。
【管理項目】
杭自沈の経過観測
橋台・橋脚ごとの試験杭にて、ヤットコ取り外し前および取り外し後、定期
的にレベル測量を行い、杭自沈の動向を調査し、本杭ヤットコ取り外し時期
の判断材料とする。
沈設完了後の状況
15
中掘り杭工法(セメントミルク噴出攪拌方式)⑫
根固め球根の築造
16