取扱説明書 シカジーニアス ® RNAプレップキット (植物用) 50回用

1.はじめに
本製品は、葉、茎、根のような様々な植物組織から簡便にトータル RNA
を精製するためのキットです。本製品は、最適化したバッファーシステム
とシリカベースのスピンカラムを組み合わせることで、様々なアプリケー
ションに適用可能な精製 RNA を調製することができます。
2.製品形態
製品名
シカジーニアス® RNA プレップキット(植物用)
(Cica Geneus® RNA Prep Kit (for Plant))
製品番号
容量
保管温度
3.構成試薬 (50 回)
個別名称
GeneAll Column type W
(コレクションチューブ付)
EzPure filter
(コレクションチューブ付)
1.5 mL チューブ
①Buffer RPL
②Buffer REL
③Buffer RBW
④Buffer RNW
⑤RNase-free water
⑥Buffer DRB
4.製品仕様
製品タイプ
最大サンプル量
カラムへの最大ローディング量
溶出量
カラムへの最大結合 DNA 量
08058-96
50 回分
室温(15 ℃~25 ℃)
容量
用途
50 個×1
DNA 結合
50 個×1
サンプルろ過
50 個×2
25 mL×1
25 mL×1
60 mL×1
60 mL×1
15 mL×1
5 mL×1
ろ液回収
植物組織溶解
植物組織溶解
RNA 結合促進
カラム洗浄
核酸溶出
DNase Ⅰ希釈用液
スピンカラム
100 mg
700 μL
30 μL
100 μg
5.保存条件
本製品は室温 (15 ℃~25 ℃)で保存して下さい。
6.使用上の注意
本製品の試薬は、皮膚や眼、気道に対して有害な刺激物を含んでいます。
本製品を扱う際は十分に注意し、手袋や保護メガネを着用して下さい。
万が一試薬が付着した場合は、速やかに大量の水で洗い、医師の診察
を受けて下さい。
①Buffer RPL、②Buffer REL と③Buffer RBW はカオトロピック塩を含ん
でいます。カオトロピック塩は漂白剤と混ざると反応性の高い化合物を生
じる可能性があります。本製品に漂白剤や酸性溶液が混入しないように
十分注意して下さい。
1)
植物組織サンプル(最大 100 ㎎まで)を乳棒と乳鉢を用いて液体
窒素を加え粉末状になるまで素早くすり潰します。その後、粉末状
のサンプルを 1.5 mL チューブ(別売り)に移し、350 μL の①Buffer
RPL を加えてボルテックスミキサーで激しく撹拌します。
*溶解物の凝固が見られる場合は、①Buffer RPL の代わりに
②Buffer REL を使用して下さい。
2) 室温で 3 分間インキュベートし、ライセートを EzPure filter に移しま
す。その後、室温で 30 秒間 10,000×g 以上で遠心します。
3) 2)の上清を新しい 1.5 mL チューブ(付属)に移し、清澄化したライセ
ートに等量の 70 %エタノール(通常は 350 μL)を加え、すぐにピペ
ッティングにより混和します。
4) 3)の混合液を GeneAll Column type W に移し、室温で 30 秒間
10,000×g 以上で遠心します。ろ液を捨て、同じコレクションチュー
ブに GeneAll Column type W をセットします。
5) 500 μL の③Buffer RBW を加え、室温で 30 秒間 10,000×g 以上
で遠心します。ろ液を捨て、同じコレクションチューブに GeneAll
Column type W をセットします。
6) (オプション:DNase I 処理)
GeneAll Column type W のメンブレンの中心に 70 μL の希釈した
DNase Ⅰ溶液を加え、室温で 10 分間インキュベートします。
7) GeneAll Column type W のメンブレンの中心に 500 μL の
③Buffer RBW を加え、室温で 2 分間インキュベートします。
8) 30 秒間 10,000×g で遠心を行い、ろ液を捨て、同じコレクションチュ
ーブに GeneAll Column type W をセットします。
9) 8)に 500 μL の④Buffer RNW を加え、30 秒間 10,000×g 遠心を
行います。ろ液を捨て、同じコレクションチューブに GeneAll Column
type W をセットします。
10) 手順 9)を繰り返します。
11) 室温で 1 分間 10,000×g で遠心し、チューブ内壁についた液を完全
に除去した後、GeneAll Column type W を新しい 1.5 mL チューブ
(付属)にセットします。
12) 11) の GeneAll Column type W のメンブレンの中心に 50 μL の⑤
RNase-free water を加え、室温で 1 分間 10,000×g で遠心し、RNA
を溶出します。
10.トラブルシューティング
現象
考えられる原因
対策
RNA の回収量が
少ない
サンプルの破砕が
不十分
スタートサンプル量
が多すぎる
サンプル中の RNA
量が低すぎる
細胞回収までの
工程が多い
RNA が
分解している
RNase のコンタミ
EzPure filter が
目詰まりする
RNA 溶液の保存が
不適切
サンプルの破砕が
不十分
8.その他の注意事項
本製品は試験研究用試薬として販売しております。医療や臨床診断用に
使用しないで下さい。
RNA 溶液中に
DNA が混入
オプションで DNase
I 処理を行う
9.プロトコール
実験を始める前の注意事項
別売りの DNase I(製品番号:11497-96)をご使用いただくことに
より、オプションで DNase 処理を行うことができます。その際は、
手順 6)の直前に 70 μL の⑥Buffer DRB に 2 μL の DNase Ⅰを
加えて下さい。
希釈した DNase Ⅰ溶液は使用するまで氷上で保管して下さい。
回収した核酸溶液
を用いた実験がう
まくいかない
7.必要な機器類
2 mL チューブ用遠心機、マイクロピペット、マイクロピペット用チップ、ウォ
ーターバス、マイクロホモジナイザー、1.5 mL チューブ、乳棒、乳鉢、ボル
テックスミキサー
エタノールの残存
Buffer RBW と RNW
の順序が逆になっ
ている
プロトコール 1)に従い、十分
に破砕を行って下さい。
スタートサンプル量を
減らして下さい。
スタートサンプル量を増や
す、またはプロトコール 12)
で⑤RNase-free water を減
らす(最少 30 μL まで)。
サンプル採取後、速やかに
プロトコール 1)へ移行して
下さい。
RNase フリーの試薬、実験
機器を使用して下さい。
精製した RNA 溶液は-70 ℃
で保存して下さい。
プロトコール 1)に従い、十分
に破砕を行って下さい。
GeneAll Column type W の中
心 に DNase Ⅰ 溶 液 を 加 え
る。
微量のエタノ-ルを除去す
るために、プロトコール 9)
後、追加で遠心を行って下
さい。
プロトコールを確認し、正し
い順序で洗浄を行って下さ
い。
その他アプリケーションデータにつきましては、弊社バイオ研究用試薬
ホームページ(http://www.kanto.co.jp/siyaku/baio.html)にて情報を公開
予定です。