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第 65回 日本医学検査学会
第 63回 日本臨床検査医学 会 学 術 集 会
ランチョンセミナー 5
~リパーゼの新しい測定試薬の紹介~
日時
2016年
会場
第
9月2日 金
12 : 10~13 : 10
8 会場
(神
神戸国際
神戸国際会議場5階
戸国際
504+505会議室 )
司会
⽮冨 裕 先生
( 東京大学大学院 病態診断医学講座
臨床病態検査医学分野 教授 )
講演者
前川 真⼈ 先生
( 浜松医科大学 医学部 臨床検査医学講座 教授 )
当セミナーは整理券制です。整理券は以下の配布場所でお受け取りください。
●配布時間:9月2日(金) 8:00~11:40
●配布場所:神戸国際展示場 2号館1F
※整理券の枚数は限りがございます。あらかじめご了承ください。
(なお、事前参加登録をされ、ランチョンセミナーの事前予約を行なった方は、
別途運営事務局よりご案内いたします。)
共催 :
第65回 日本医学検査学会
第63回 日本臨床検査医学会学術集会
~リパーゼの新しい測定試薬の紹介~
前川 真人 先生
( 浜松医科大学 医学部 臨床検査医学講座 教授 )
急性膵炎の発症者は近年増加傾向にあり、 特に男性に多く、 また中高年層が最も
多い。 原因は、 アルコールが最も多く、 次に胆石、 特発性と続く。 症状は、 膵臓
が腫れるだけの比較的軽症なものから、 多臓器不全を起こし、 死亡する重症例まで
ある 。 2011年の全国調査によると、 急性膵炎全体に占める重症急性膵炎患者の
割合は20%前後と高く、 死亡率は全体の2%、 重症例の10%であった。 従って、
早期発見/早期治療が重要である。
急性膵炎の症状としては、 腹痛は90% 近い患者に認められるが、 腹痛のない、
無症状の急性膵炎患者もいることに留意する必要がある 。 従って、 腹痛がなくとも
他に消化器症状のある症例では、 鑑別診断として急性膵炎を念頭におくことが大切
である。 問診、 理学所見、 アミラーゼやリパーゼなどの血液検査、 腹部単純X-P、
腹部超音波検査、CTなどの画像所見から、 以下の臨床診断基準に基づき急性膵炎
の診断を迅速に行う。
1) 上腹部に急性腹痛発作と圧痛がある。
2) 血中、 または尿中に膵酵素の上昇がある。
3) 超音波、CTまたはMRIで膵に急性膵炎に伴う異常所見がある。
上記の3項目中2項目以上を満たし、 他の膵疾患および急性腹症を除外したものを
急性膵炎と診断する。 ただし、 慢性膵炎の急性発症は急性膵炎に含める。
膵酵素は膵特異性の高いもの (膵アミラーゼ、 リパーゼなど) を測定することが望ま
しいとされている。
この診断基準の2) にあげられる血清の膵マーカー候補としては、 これまでにも各種
の分解酵素や酵素インヒビター が挙げられてきた 。 他に特異性の高い検体検査が
少ない領域でもあり、 膵アミラーゼやリパーゼが検診や人間ドックの膵機能検査にも
含まれている。 膵アミラーゼに比較して、 リパーゼは急性膵炎の発症後4~8時間で
増加し 、 24時間前後 で ピークになる。 膵アミラーゼよりも長期間 (1週間くらい)
高値 を 持続し、 2週間以上高値を持続する場合は予後不良、 もしくは仮性嚢胞の
形成を疑うとある。 また、 慢性膵炎や膵癌でもアミラーゼよりも高頻度で高値を示し、
アルコール性膵炎 では アミラーゼ より高値傾向を示し 、 膵外分泌能が荒廃すると
アミラーゼよりも遅れて低下するとのことである。
リパーゼの測定法は、大きく2とおりある。 1つはジオレオイルグリセロール (DODG)
を基質とするカラーレート法、 もう1つはリゾルフィン基質 (DGGMR) を用いた合成
基質法である。 現在IFCCで勧告法を策定中である。
最近、 合成基質であるリゾルフィン基質 (DGGMR) を用いたリパーゼ測定試薬の
改良型がシノテスト社から上市された。 そこで、 急性膵炎の血清酵素診断に焦点を
あてながら、 本試薬の基本的性能についても紹介する。