第7回 社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会 座席表 日時:平成28年8月30日(火) 11:00~12:00 会場:全国都市会館 大ホール(2階) ○ 委 員 関 係 者 ○ ○ ○ ○ 審議官 保険局長 遠藤座長 清水 速記 ○ 仲野 髙橋 ○ ○ 杉田 幸野 ○ ○ 安田 飯山 ○ ○ 竹下 村岡 ○ 後藤 ○ 全 国 健 康 保 険 協 会 管 理 室 長 調 査 課 長 高 齢 者 医 療 課 長 総 務 課 長 医 療 課 長 保 険 医 療 企 画 調 査 室 長 医 政 局 医 事 課 長 ○ ○ ○ ○ ○ ○ ○ 厚生労働省 厚生労働省 報道関係者・一般傍聴者 委 員 関 係 者 あ - 1 28.8.30 社会保障審議会医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会 ○座長・有識者(5名) 遠藤 久夫 学習院大学経済学部教授 新田 秀樹 中央大学法学部教授 原田啓一郎 駒澤大学法学部教授 河野 宮崎県医師会会長 雅行 清水惠一郎 東京内科医会副会長 ○保険者等の意見を反映する者(6名) 髙橋 直人 全国健康保険協会理事 幸野 庄司 健康保険組合連合会理事 村岡 晃 高知市健康福祉部長 宮澤 誠也 新潟県聖籠町町民課長 飯山 幸雄 国民健康保険中央会常務理事 後藤 邦正 東京都後期高齢者医療広域連合保険部保険課長 ○施術者の意見を反映する者(4名) 仲野 彌和 公益社団法人日本鍼灸師会会長 杉田 久雄 公益社団法人全日本鍼灸マッサージ師会会長 安田 和正 社団法人日本あん摩マッサージ指圧師会会長 竹下 義樹 社会福祉法人日本盲人会連合会長 1 あ - 2 28.8.30 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費に関する議論の整理(案) 平成 28 年○月○日 医療保険部会 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費検討専門委員会 当専門委員会は、平成 28 年3月 29 日以降、中・長期的な視点に立ったあん 摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費(以下「あはき療養費」という。)の在 り方について検討を行ってきた。 平成7年の医療保険審議会柔道整復師等療養費専門委員会におけるあはき療 養費に係る意見の取りまとめから 20 年以上が経過し、あん摩マッサージ指圧、 はり・きゅうを取り巻く環境は大きく変化している。あはき療養費の支給額は 年々増加し、平成 25 年度においては国民医療費約 40 兆円のうち約1千億円を 占めている。 また、在宅医療・在宅介護を推進し、高齢者が住み慣れた地域で継続して生 活できるよう地域包括ケアシステムを構築する中で、あん摩・マッサージ・指 圧師、はり師、きゅう師の担う役割は重要である。 一方で、近年、療養費の悪質な不正請求事案の存在が指摘されている中で、 不正請求への対策を講じることは喫緊の課題である。 こうした視点を踏まえ、当専門委員会においてこの間行った議論について、 以下のとおり整理する。 1.支給基準の明確化 ○ あはき療養費の取扱いや支給対象となる疾病、施術行為等は、 「はり師、き ゅう師及びあん摩・マッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給について」 (平成4年5月 22 日付け保発第 57 号)、「はり師、きゅう師及びあん摩・マ ッサージ・指圧師の施術に係る療養費の支給の留意事項等について」 (平成 16 年 10 月1日付け保医発第 1001002 号。以下「留意事項通知」という。)や質 疑解釈(事務連絡)によって示されているが、その取扱いや支給の判断に迷 う事例が多く、統一的な運用とするために支給基準の更なる明確化を図るべ きとの意見があることを踏まえ、厚生労働省に照会のあった事例について、 事務連絡(Q&A)を発出し、周知を図るべきである。また、追加すべき事 1 例があった場合については、随時、事務連絡(Q&A)を発出し、周知を図 るべきである。 2.施術所の登録管理・指導監督、受領委任制度の検討 ○ 国及び都道府県等が施術所に対して療養費の支払いに関する指導監督権限 を有するためには、現行法上、受領委任等の協定・契約を介することが必要 であると解される。 ○ 保険者の委任を受けた地方厚生(支)局・都道府県が施術者と協定・契約 する仕組み(以下「受領委任制度」という。)を導入することについては、施 術者側から、患者の利便性や施術所に対する指導監督権限の付与、個別の代 理受領契約と比べた場合の制度の安定性の観点から、導入を求める意見があ った一方で、保険者側から、そもそも療養費払いが原則であることや、不正 請求の発生や地方厚生(支)局による指導監督の実効性に対する懸念、給付 費が増えることの懸念、導入に反対する保険者がいる状況の中で個別の代理 受領契約ではなく受領委任制度を導入することの必要性の観点から、反対す る意見があった。 ○ このため、受領委任制度の導入については、引き続き厚生労働省において 関係者と調整を行いつつ、具体的な制度の導入に向けた在り方や課題につい て検討を行い、平成 28 年度中に結論を得ることとする。 ○ また、不正事例が判明した場合において、保険者からその事例と施術者の 情報を厚生労働省に対して連絡し、厚生労働省から他の保険者に情報提供す る仕組みを設けることについては、一保険者による判断が全体の保険者に及 ぶことから、不正の事実認定に関して慎重な手続きと判断が求められるなど 課題が多く、必要性の有無も含め、今後の検討課題とする。 3.往療料の在り方 ○ あん摩マッサージ指圧に係る療養費では、その総額のうち往療料に係る費 用が6割を占めている現状について、段階的に是正すべきである。 2 ○ また、患家の求めがあって、治療上真に必要があると認められる場合に定 期的・計画的に行う往療については、往療料の支給対象となることを明確に するべきである。一方、治療上真に必要があると認められない場合や患家の 求めによらない場合に定期的・計画的に行う往療については、往療料の支給 対象外であることを周知徹底すべきである。 ○ 同一建物の複数患者への往療については、公平性や適正化の観点から、保 険者による判断や建物の形態によって往療料の算定に差異がある現行の支給 基準を改め、「同一建物居住者」(建築基準法(昭和 25 年法律第 201 号)第2 条第1号に掲げる建築物に居住する複数の者)であるか否かによって判断す るよう改めるべきである。 ○ 施術所が、集合住宅・施設の事業者等に対して金品を提供し、患者の紹介 を受け、その結果なされた施術については、健康保険法の趣旨からみて不適 切であり、療養費支給の対象外とすることを制度設計を含めて検討すべきで ある。 ○ 年に1回行っている頻度調査において、患者の疾病を分類する際に、 「その 他」として分類し、集計しているものについては、その内訳について、次回 調査の際にデータが取れるような工夫を行うとともに、往療料との関連につ いて精査すべきである。 4.その他 (1)支給申請書様式の統一 ○ 支給申請書様式は、留意事項通知において参考としての扱いになっている ため、実態として、保険者や施術所によって異なる様式が使用されているこ とから、留意事項通知の改正を行い、支給申請書様式の統一を図るべきであ る。 (2)長期患者の施術回数・施術期間の上限、施術に係る包括料金化 ○ 初療の日から1年以上経過している患者であって、週4回以上の頻回な施 術を行っている患者については、支給申請書に頻回の施術の必要性を記載さ せるべきである。 3 ○ また、初療の日から1年以上経過している患者であって、週4回以上の頻 回な施術を行っている患者については、支給申請書にその月の患者の状態の 評価と評価日を記載させ、データが取れるようにし、傷病名と合わせてその 結果を分析したうえで、施術回数の取扱いについて検討することとする。 ○ 一方で、あはき療養費は、慢性的な疾患や症例を支給対象としている性質 上、施術期間については上限を設けないことが適当である。また、一定の局 所数以上のマッサージの施術に係る包括料金化については、既に局所単位で 包括料金化されているため、更なる包括料金化は行わないことが適当である。 (3)医師の再同意書 ○ 現在3ヶ月ごとに必要な医師の再同意に関して、支給申請書への再同意書 の添付を義務化することについては、施術者側から、再同意書の添付を義務 化することは、患者にとって負担が大きいとの意見があった一方で、保険者 側から、適正化の観点から再同意書の添付を義務化すべきとの意見があった。 ○ 支給申請書への再同意書の添付を義務化することについては、患者にとっ て負担増となることや、昭和 57 年に老人保健法案の審議が行われた際の衆議 院・参議院社会労働委員会における付帯決議を受けて、患者に対する負担軽 減のための配慮として、医師の再同意の確認を簡素化した経緯があることを 踏まえ、当面、現行どおりの取扱いとし、引き続きの検討課題とする。 (4)柔道整復療養費との併給 ○ 柔道整復療養費との併給については、保険者の協力を得て、実態把握を行 うべきである。 4 あ - 3 28.8.30 あん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の改定について(案) 1.改定率 0.28% 平成 28 年度におけるあん摩マッサージ指圧、はり・きゅう療養費の改定 率については、診療報酬のうち医科の改定率等を踏まえ、政府において 決定したもの (参考)今回の診療報酬改定における医科の改定率 0.56% 2.基本的な考え方 あん摩マッサージ指圧に係る療養費の総額のうち往療料に係る費用が 6割を占めている現状を是正するため、往療距離加算の額を引き下げると ともに、基本的な施術料の上乗せを行う 3.改定の内容(案) ○ 技術料の引き上げ 【改定案(あん摩マッサージ指圧) 】 現行 引上額 マッサージ 275 円 10 円 変形徒手矯正術 565 円 10 円 【改定案(はり・きゅう)】 現行 施術料(1 術) 1,270 円 施術料(2 術) 1,510 円 引上額 30 円 10 円 改定後 285 円 575 円 改定後 1,300 円 1,520 円 ○ 往療について適正化を図るため、距離加算の見直しを行う 【現行】 【改定案】 往療距離加算 800 円 → 770 円 4.施行期日 平成 28 年 10 月 1 日 5.その他 適正化のための運用の見直し等については、制度論の議論と合わせて 別途検討する 1 2 ○往療距離加算 (2㎞毎に800円) → (2㎞毎に770円) ○往療料 1,800円 ※対象は6大関節 : 左右上肢(肩、肘、手関節)、左右下肢(股、膝、足関節) ○変形徒手矯正術 1肢につき 565円 → 575円 ・温罨法を併施+電気光線器具使用 1回につき 110円加算 ・温罨法を併施 1回につき 80円加算 ※局所の単位(頭から尾頭までの躯幹、右上肢、左上肢、右下肢、左下肢) ○マッサージ 1局所につき 275円 → 285円 あん摩マッサージ指圧師の施術に係る療養費の算定について 3 2回目以降 ○往療距離加算 (2㎞毎に800円) → (2㎞毎に770円) ○往療料 1,800円 ・電気針、電気温灸気又は電気光線器具を使用した場合 1回につき 30円加算 ○電療料 1回につき 1,510円 → 1,520円 ②2術(はり、きゅう併用)の場合 1回につき 1,270円 → 1,300円 ①1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合 ○施術料 1,660円 ②2術(はり、きゅう併用)の場合 1,610円 ①1術(はり又はきゅうのいずれか一方)の場合 ○初検料 初回 はり師、きゅう師の施術に係る療養費の算定について
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