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日本:鉱工業生産指数(2016年7月)
MRI Daily Economic Points
―生産指数は、横ばい圏内で推移―
August 31, 2016
評価ポイント
図表 鉱工業生産/在庫指数
110
105
(指数、2010年=100)
鉱工業生産指数(左軸)
製造工業生産予測指数(左軸)
鉱工業在庫指数(右軸)
(指数、2010年=100)
118
116
114
2016年7月の結果

2016年7月の鉱工業生産指数(速報)は、季調済前月比+0.0%の横ばい
となった。また、出荷指数は同+0.9%と2ヶ月連続で上昇した。

7月の生産の業種別内訳をみると、輸送用機械(同+1.2%)が挽回生産も
あり堅調な伸びとなった。またスマートフォン向けを中心に電子部品・デバ
イス(同+1.5%)が上昇、電気機械(同+1.6%)も上昇した。一方で、先月
大きく上昇した化粧品の反動減もあり、化学(同▲1.4%)が低下。また、は
ん用・生産用・業務用機械(同▲0.7%)も低下した。

7月の在庫指数は、季調済前月比▲2.4%となり、大きく低下した。高止ま
りが続いていた電気機械の在庫調整の進捗を主因に、3ヶ月ぶりの低下と
なった。

製造工業生産予測調査によると、8月は季調済前月比+4.1%と大きく上昇
した後、9月は同▲0.7%の低下を予測している。 8月の上昇には、情報通
信機械やはん用・生産用・業務用機械、電子部品・デバイスなどが寄与し
ている。経済産業省によると、 7-9月の鉱工業生産の先行き試算値は、予
測調査対比で下振れる傾向を踏まえ、季調済前期比同+0.1%の横ばいと
なっている。
112
100
110
108
95
106
104
90
102
1
3
5
7
9
11
1
3
5
2014
7
9
11
1
3
2015
5
7
9
2016
資料:経済産業省「鉱工業指数」、「製造工業生産予測調査」
図表 業種別の生産指数
120
(2010年=100)
はん用・生産用・業務用機械
115
110
電子部品・
デバイス
電気機械
基調判断と今後の流れ
105
100

生産は、年明け以降、一進一退で推移している。
95

生産の先行きは、内外需要の弱さや在庫調整圧力から、当面横ばい圏内
で推移するとみられる。しかし、年度後半以降は、海外経済が緩やかに持
ち直すこと、また雇用・所得環境の改善による消費の緩やかな回復も見込
まれることから、徐々に持ち直しに向かうだろう。

一方、年初来の円高が一段と進行した場合や、中国の経済成長が想定以
上に鈍化した場合、生産が下振れる可能性には注意が必要だ。
90
化学(除く医薬)
輸送機械
85
1
3
5
7
9
11
2014
1
3
5
7
2015
資料:経済産業省「鉱工業指数」
Copyright (c) Mitsubishi Research Institute, Inc.
9
11
1
3
5
2016
7
担当: 政策・経済研究センター 米良有加
TEL 03-6705-6087