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 中 西 部 太 平 洋 ま ぐ ろ 類 委 員 会 ・ ス テ ー ト メ ン ト 第 12 回 北 小 委 員 会 2016 年 8 月 29 日 ~ 9 月 2 日 : 日 本 ・ 福 岡 市 ピュー・チャリタブル・トラストと国際環境 NGO グリーンピースは、第 12 回中西部太平洋ま
ぐろ類委員会(WCPFC)北小委員会(NC12)への参加の機会が得られたことを歓迎する。持続的な管
理措置を採択及び実施する最終的な責任は委員会メンバーにある一方、北小委員会は北部資源
に対する適切な管理措置を決定し委員会に対しこれら管理措置の採択を勧告する重要かつ不可
欠な役割を有している。残念ながら太平洋クロマグロに関する現行の管理措置は、そのような
責任を果たすに満たない。数十年にわたる乱獲の末、太平洋クロマグロの資源量は歴史的最低
水準にある。太平洋クロマグロ資源が著しく減少した状態にあることは明白であったにもかか
わらず、資源を健全な水準に回復させる方策を実施すべきであるとの度重なる声は退けられ続
けてきた。以上のことから、わ た し た ち は WCPFC に 対 し 、 乱 獲 を 直 ち に 終 わ ら せ る た め 、
太平洋クロマグロの全ての商業的漁獲を 2 年間停止する措置を直ちに実施するよう求め
る。この停止措置は、太平洋クロマグロ資源が健全かつ持続的な水準に回復するための
資 源 回 復 計 画 が 太 平 洋 全 域 に お い て 採 択 さ れ る ま で 実 施 さ れ る べ き で あ る 。 2016 年に公表された最新の資源評価によると、太平洋クロマグロは百年近くにわたり現在も
行われている乱獲の結果、資源量は初期資源量比 2.6%に激減している。科学者の予測によると、
現行の管理措置と加入状況の下では、資源量を 60%以上の確率で 2024 年までに 42,592 トンに
回復させるという WCPFC で決定された目標を達成することはできず、2034 年までに資源が健全
な水準に回復する可能性は 1%に満たない。近年の加入量推定値は記録された過去最低水準に近
く、このことは太平洋クロマグロ資源の状況をさらに脅かすものとなっている。 資源がかつてないほどの水準に減少していることから、将来に向けての資源回復プロセスを
開始するため、北小委員会は WCPFC 及びそのメンバーが全ての商業漁獲の 2 年停止を実施する
よう勧告すべきである。必要な場合、そのような停止措置は WCPFC が以下を行うまで延長され
るものとする。 •
8 年(最善事例に即し 2 世代)以内に資源量を 20%SSBcurrent, F=0 に回復させ、少なくとも
2030 年までに資源量を 40% SBcurrent, F=0 の目標基準値に回復させる太平洋全域での資源回
復計画の実施。 •
太平洋クロマグロに対する少なくとも 20%SBcurrent, F=0 及び これに関する Flimit に設定し
た限界基準値の採択。限界基準値は、この基準値を下回った場合、資源量が同基準値に
回復するまで漁獲は停止され科学モニタリングが実施されるものとして規定されるべき
である。 •
資源が限界基準値を下回ることを回避するに十分な余裕を確保するため、太平洋クロマ
グロに対する少なくとも 40%SBcurrent, F=0 及び これに関する Flimit に設定した目標基準値
の採択。 •
資源が限界基準値を下回る可能性が 5%未満となり、目標基準値の達成確率が 90%以上と
なる漁獲管理ルールの採択。 さらなる措置が実施されない限り、太平洋クロマグロ資源が回復することはない。以上に述
べた措置が 2018 年までに実施されない場合、ワシントン条約(CITES)附属書掲載を通じた国際
取引禁止が、太平洋クロマグロを救う唯一の残された選択肢として追求されるべきである。 太平洋クロマグロに関し今年もまた何らの行動も実施されないという時間的な余裕は残され
ていない。わたしたちは本年の会合において、北小委員会が科学的知見に基づく持続的な管理
措置を本委員会に勧告し、以て本委員会にその責務を果たさせ、太平洋クロマグロ資源が健全
な水準に回復させるよう、北小委員会のメンバーに対し求める。