中国地方 女性登用に対する企業の意識調査

2016/8/29
広島支店 情報部
広島市中区中町 7-41 広島三栄ビル 5F
TEL: 082-247-5930
URL:http://www.tdb.co.jp/
特別企画: 中国地方 女性登用に対する企業の意識調査
女性管理職の登用、
「10%未満」の企業が 80.1%
前回調査から 3.4 ポイント改善も、女性管理職ゼロが 5 割超
はじめに
生産年齢人口の減少により日本経済の先行きが危惧され
るなかで、安倍政権では、女性の積極的な社会進出を経済
活性化につなげるため、
『2020 年までに指導的地位に占め
る女性の割合を 30%とする』
『25 歳から 44 歳の女性就業率
■女性管理職の割合
20%以上
30%未満
4.4%
30%以上
5.4%
10%以上
20%未満
7.3%
77%』などの数値目標を掲げ、
「女性の活躍」を中核と位置
づける成長戦略を押し進めている。
今年 4 月 1 日に、女性活躍推進法案(女性の職業生活に
分からない
2.8%
5%以上
10%未満
7.5%
5%未満
22.5%
0%
(全員男性)
50.2%
おける活躍の推進に関する法律)が施行され、労働者が 301
10%未満
80.1%
人以上の国や地方公共団体、民間企業に対して基本方針・
行動計画の策定並びに進捗状況の公開を義務づけている。
女性の社会進出への障害となっている、待機児童の解消、介護や子育て後の再就職・起業など
の諸問題の解決と環境整備が急がれる中、企業はこの動きをどう捉えているのだろうか。
帝国データバンク広島支店では、女性登用に対する現状と今後の対応などの考え方について調
査を実施した。女性登用に関する調査は 2013 年 7 月、2014 年 7 月、2015 年 7 月に続き 4 回目。
調査期間は、2016 年 7月15 日~31 日。調査対象は中国地方に本社を置く企業1231 社で、有効回答
企業数は 574 社(回答率 46.6%)
。
調査結果(要旨)
1.女性の管理職の割合、
「10%未満」が全体の 80.1%。2015 年調査から 3.4 ポイント改善。
「0%(全員男性)
」は依然 5 割超える
2.女性管理職、
「過去 5 年間で増加した」企業は 19.3%。
「今後増加を見込む」は 22.1%、
「変わらない」が 6 割を占め、女性登用にクリアすべき課題多く
3.女性登用を進めている企業は 46.7%。進めた効果、「男女にかかわらず有能な人材を生
かすことができた」が 6 割超える
4.女性の活躍促進に向けた行動計画、
「従業員 301 人以上」の企業で 8 割が策定
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
1
2016/8/29
特別企画: 中国地方 女性登用に対する企業の意識調査
1.女性管理職の割合、10%未満が 80.1%、前回調査から 3.4 ポイント改善
自社の管理職(課長相当職以上)
■女性管理職の割合
に占める女性の割合を尋ねたところ、
20%以上
30%未満
30%以上
「0%(全員男性)」と回答した企業
が 574 社中 288 社、構成比 50.2%で
最多となった。次いで、「5%未満
(0%を除く)」が同 22.5%(129 社)
、
2014年
4.9 2.9 4.7
2015年
5.8 3.3 5.7
10%以上
20%未満
10%未満
(0%除く)
0%
(全員男性)
30.9
分からない
53.6
30.4
平均
5.3
2.9
1.7 5.6
53.1
「5%以上 10%未満」が 7.5%(43
社)で続き、これらをあわせると、
2016年 5.4 4.4 7.3
女性管理職が「10%未満」の企業が
30.0
50.2
2.8 6.3
注:母数は有効回答企業574社(2015年7月調査は601社、2014年7月調査は653社)。
全体の 80.1%(460 社)にのぼった。
以下、
「10%以上 20%未満」が 7.3%(42 社)
、
「20%以上 30%未満」が 4.4%(25 社)
、
「30%以
上 50%未満」が 3.0%(17 社)
、
「50%以上 70%未満」が 1.9%(11 社)
、
「100%(全員女性)
」が
0.3%(2 社)
、
「70%以上 100%未満」が 0.2%(1 社)の順となり、概ね女性管理職の割合が高く
なるほど構成比は低くなった。なお、全体での女性管理職の割合は 6.3%となった。
2015 年調査と比較すると、
「10%未満」では、2015 年調査(83.5%)より 3.4 ポイント低下し、
「30%以上」
では同
(5.8%)
より 0.4 ポイント低くなった。
なお、
全体での女性管理職の割合
(6.3%)
は同(5.6%)より 0.7 ポイント高くなり、わずかに女性管理職の割合が高くなった。
全国との比較では、
「10%未満」が『全国』
(79.9%)を 0.2 ポイント、
「20%以上 30%未満」が
同(4.3%)を 0.1 ポイントそれぞれ上回った。他方、
「10%以上 20%未満」が同(7.4%)を 0.1
ポイント、
「30%以上」が同(5.6%)を 0.2 ポイントそれぞれ下回った。なお、平均女性管理職
割合は同(6.6%)を 0.3 ポイント下回った。
規模別でみると、
「10%未満」では、
『中小企業』の 78.9%(375 社)に対し、
『大企業』は 85.9%
(85 社)と7.0 ポイントも高かった。一方、
「30%以上」では、
『大企業』は4.0%(4 社)に対し、
『中
小企業』は 5.7%(27 社)と 1.7 ポイント高かった。
■女性管理職の割合
(構成比%、カッコ内社数)
30%以上
100%
(全員女性)
70%以上
100%未満
50%以上
70%未満
30%以上
50%未満
20%以上
30%未満
10%以上
20%未満
10%未満
5%以上
10%未満
5%未満
(0%除く)
0%
(全員男性)
分からない
平均女
性管理
職割合
合計
全国
5.6
(571)
0.3
(27)
0.6
(61)
1.8
(187)
2.9
(296)
4.3
(438)
7.4
(758)
79.9 (8,221)
8.8
(905)
21.2 (2,176)
50.0 (5,140)
2.9
中国
5.4
(31)
0.3
(2)
0.2
(1)
1.9
(11)
3.0
(17)
4.4
(25)
7.3
(42)
80.1
(460)
7.5
(43)
22.5
(129)
50.2
(288)
2.8
(16) 100.0
(574)
6.3
大企業
4.0
(4)
0.0
(0)
0.0
(0)
2.0
(2)
2.0
(2)
4.0
(4)
3.0
(3)
85.9
(85)
7.1
(7)
40.4
(40)
38.4
(38)
3.0
(3) 100.0
(99)
5.2
中小企業
(297) 100.0 (10,285)
6.6
5.7
(27)
0.4
(2)
0.2
(1)
1.9
(9)
3.2
(15)
4.4
(21)
8.2
(39)
78.9
(375)
7.6
(36)
18.7
(89)
52.6
(250)
2.7
(13) 100.0
(475)
6.6
うち小規模
12.5
(15)
1.7
(2)
0.0
(0)
4.2
(5)
6.7
(8)
5.0
(6)
7.5
(9)
67.5
(81)
1.7
(2)
10.8
(13)
55.0
(66)
7.5
(9) 100.0
(120)
10.4
農・林・水産
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
金融
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
14.3
(0) 100.0
(2)
50.0
(1)
0.0
(0)
50.0
(1)
0.0
(0) 100.0
(2)
3.8
(1)
71.4
(5)
0.0
(0)
42.9
(3)
28.6
(2)
14.3
(1) 100.0
(7)
3.8
建設
1.2
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
1.2
(1)
3.5
(3)
5.9
(5)
87.1
(74)
5.9
(5)
16.5
(14)
64.7
(55)
2.4
(2) 100.0
(85)
3.2
不動産
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
11.1
(1)
77.8
(7)
0.0
(0)
22.2
(2)
55.6
(5)
11.1
(1) 100.0
(9)
2.5
製造
2.2
(4)
0.0
(0)
0.5
(1)
0.5
(1)
1.1
(2)
4.9
(9)
9.9
(18)
79.7
(145)
8.8
(16)
20.9
(38)
50.0
(91)
3.3
(6) 100.0
(182)
5.3
卸売
6.3
(10)
0.0
(0)
0.0
(0)
3.1
(5)
3.1
(5)
1.9
(3)
4.4
(7)
85.6
(137)
8.8
(14)
25.0
(40)
51.9
(83)
1.9
(3) 100.0
(160)
5.6
小売
23.5
(8)
5.9
(2)
0.0
(0)
8.8
(3)
8.8
(3)
5.9
(2)
5.9
(2)
64.7
(22)
5.9
(2)
29.4
(10)
29.4
(10)
0.0
(0) 100.0
(34)
18.2
運輸・倉庫
3.3
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
3.3
(1)
0.0
(0)
6.7
(2)
90.0
(27)
3.3
(1)
23.3
(7)
63.3
(19)
0.0
(0) 100.0
(30)
3.2
サービス
11.3
(7)
0.0
(0)
0.0
(0)
3.2
(2)
8.1
(5)
12.9
(8)
8.1
(5)
64.5
(40)
6.5
(4)
24.2
(15)
33.9
(21)
3.2
(2) 100.0
(62)
11.0
その他
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
33.3
(1)
33.3
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
33.3
(1)
33.3
(1) 100.0
(3)
7.5
鳥取
6.1
(3)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
6.1
(3)
2.0
(1)
6.1
(3)
79.6
(39)
12.2
(6)
12.2
(6)
55.1
(27)
6.1
(3) 100.0
(49)
5.4
島根
6.1
(3)
2.0
(1)
0.0
(0)
4.1
(2)
0.0
(0)
10.2
(5)
8.2
(4)
73.5
(36)
10.2
(5)
18.4
(9)
44.9
(22)
2.0
(1) 100.0
(49)
9.7
岡山
6.9
(11)
0.0
(0)
0.6
(1)
1.9
(3)
4.4
(7)
3.8
(6)
7.5
(12)
78.1
(125)
5.6
(9)
28.1
(45)
44.4
(71)
3.8
(6) 100.0
(160)
6.9
広島
5.4
(12)
0.5
(1)
0.0
(0)
2.3
(5)
2.7
(6)
4.5
(10)
7.2
(16)
81.0
(179)
7.2
(16)
21.3
(47)
52.5
(116)
1.8
(4) 100.0
(221)
6.3
山口
2.1
(2)
0.0
(0)
0.0
(0)
1.1
(1)
1.1
(1)
3.2
(3)
7.4
(7)
85.3
(81)
7.4
(7)
23.2
(22)
54.7
(52)
2.1
(2) 100.0
(95)
4.2
注1:網掛けは、全体以上を表す
注2:全国の母数は有効回答企業1万285社。中国は574社
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
2
2016/8/29
特別企画: 中国地方 女性登用に対する企業の意識調査
2.女性管理職、5 年前より増加は 19.3%、今後増加は 22.1%にとどまる
(1)女性管理職の割合、5 年前に比べて 19.3%が増加
■5年前と比べた現在の女性管理職の割合
自社の女性管理職の割合は 5 年前と比較して、どのように変わ
分からない
4.7%
減少した
5.4%
ったかを尋ねたところ、割合が「増加した」と回答した企業は 574
社中 111 社、構成比 19.3%となった。一方、
「減少した」と回答
増加した
19.3%
した企業は 31 社、構成比 5.4%だった。
「変わらない」と回答し
た企業(405 社・70.6%)が圧倒的多数を占め、7 割以上の企業
変わらない
70.6%
では過去 5 年間で女性の管理職登用に変化がなかった。
全国との比較では、
「増加した」割合は『全国』
(20.3%)を 1.0
ポイント下回った。一方、「減少した」割合は『全国』(4.7%)
を 0.7 ポイント上回った。
規模別でみると、「増加した」割合は『大企業』(20.2%・20 社)が『中小企業』(19.2%・91
社)を 1.0 ポイント上回った。
(2)女性管理職の割合、
「今後増加する」は 22.1%、
「変わらない」は 6 割超
現在と比較して女性の管理職登用は今後どのように変わるかを
尋ねたところ、割合が「増加する」と回答した企業は 574 社中 127
社、構成比 22.1%となった。一方、
「減少する」と回答した企業は
■現在と比べた今後の女性管理職の割合
減少する
1.4%
分からない
15.7%
8 社、構成比 1.4%にとどまった。
「変わらない」と回答した企業
(349 社・60.8%)が 6 割を上回り、女性登用の進捗は鈍いといえ
増加する
22.1%
変わらない
60.8%
る。
全国との比較では、
「増加する」割合は『全国』
(23.5%)を 1.4
ポイント下回った。一方、
「減少する」割合も『全国』
(1.6%)を
0.2 ポイント下回った。
規模別でみると、
「増加する」割合は『大企業』
(28.3%)が『中小企業』
(20.8%)を 7.5 ポイ
ントも上回った。
■5年前と比べた現在の女性管理職の割合
増加した
変わらない
(構成比%、カッコ内社数)
減少した
分からない
■現在と比べた今後の女性管理職の割合
合計
増加する
減少する
分からない
合計
全国
20.3 (2,089) 69.8 (7,179)
4.7
(482)
5.2
全国
23.5 (2,419) 58.6 (6,025)
1.6
中国
19.3
(111) 70.6
5.4
(31)
4.7
(27) 100.0
(574)
中国
22.1
(127) 60.8
(349)
1.4
(8) 15.7
(90) 100.0
大企業
20.2
(20) 65.7
(65) 10.1
(10)
4.0
(4) 100.0
(99)
大企業
28.3
(28) 56.6
(56)
2.0
(2) 13.1
(13) 100.0
(99)
中小企業
19.2
(91) 71.6
(340)
(21)
4.8
(23) 100.0
(475)
中小企業
20.8
(99) 61.7
(293)
1.3
(6) 16.2
(77) 100.0
(475)
(405)
4.4
(535) 100.0 (10,285)
変わらない
(構成比%、カッコ内社数)
(167) 16.3 (1,674) 100.0 (10,285)
(574)
うち小規模
12.5
(15) 77.5
(93)
3.3
(4)
6.7
(8) 100.0
(120)
うち小規模
13.3
(16) 65.8
(79)
1.7
(2) 19.2
(23) 100.0
(120)
農・林・水産
50.0
(1) 50.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(2)
農・林・水産
0.0
(0) 100.0
(2)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(2)
金融
57.1
(4) 28.6
(2)
0.0
(0) 14.3
(1) 100.0
(7)
金融
28.6
(2) 42.9
(3)
0.0
(0) 28.6
(2) 100.0
(7)
建設
14.1
(12) 77.6
(66)
4.7
(4)
3.5
(3) 100.0
(85)
建設
12.9
(11) 71.8
(61)
3.5
(3) 11.8
(10) 100.0
(85)
(0) 11.1
不動産
11.1
(1) 77.8
(7)
0.0
(1) 100.0
(9)
不動産
11.1
(1) 44.4
(4)
0.0
(0) 44.4
(4) 100.0
(9)
製造
18.7
(34) 70.9
(129)
6.6
(12)
3.8
(7) 100.0
(182)
製造
26.4
(48) 57.7
(105)
0.0
(0) 15.9
(29) 100.0
(182)
卸売
16.3
(26) 71.9
(115)
5.6
(9)
6.3
(10) 100.0
(160)
卸売
15.6
(25) 65.6
(105)
0.6
(1) 18.1
(29) 100.0
(160)
小売
26.5
(9) 67.6
(23)
5.9
(2)
0.0
(0) 100.0
(34)
小売
35.3
(12) 61.8
(21)
0.0
(0)
2.9
(1) 100.0
(34)
運輸・倉庫
20.0
(6) 76.7
(23)
3.3
(1)
0.0
(0) 100.0
(30)
運輸・倉庫
26.7
(8) 63.3
(19)
0.0
(0) 10.0
(3) 100.0
(30)
サービス
29.0
(18) 61.3
(38)
4.8
(3)
4.8
(3) 100.0
(62)
サービス
32.3
(20) 46.8
(29)
4.8
(3) 16.1
(10) 100.0
(62)
その他
0.0
(0) 33.3
(1)
0.0
(0) 66.7
(2) 100.0
(3)
その他
0.0
(0) 33.3
(1) 66.7
(2) 100.0
(3)
注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:全国の母数は有効回答企業1万285社。中国は574社
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
(0)
0.0
注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:全国の母数は有効回答企業1万285社。中国は574社
3
2016/8/29
特別企画: 中国地方 女性登用に対する企業の意識調査
3.女性登用を進めている企業は 46.7%、有能な人材活用につなげる
(1)女性登用を進めている企業が 46.7%、進めていないを上回る
■自社における女性の活用・登用状況
自社において女性の活用や登用を進めているか尋ねたところ、
「進めている」と回答した企業が 574 社中 268 社、構成比 46.7%と
分からない
15.5%
なり、
「進めていない」
(37.8%・217 社)を上回った。なお、
「分か
進めている
46.7%
らない」は 89 社(15.5%)あった。
進めていない
37.8%
自社において女性の活用や登用を進めている 268 社に対して、社
内、社外の人材の活用・登用を進めているか尋ねたところ、
「社内人
材の活用・登用を進めている」と回答した企業が 254 社、構成比
注:母数は有効回答企業574社
44.3%となった(複数回答、以下同)。一方、「社外からの活用・登用を進めている」と回答した
企業は 45 社、同 7.8%にとどまった。
全国との比較では、「進めている」が『全国』
(47.0%)を 0.3 ポイント下回り、
「進めていない」
では『全国』
(37.3%)を 0.5 ポイント上回った。
規模別でみると、
「進めている」では、
『大企業』
(58.6%・58 社)が『中小企業』
(44.2%・210 社)
を 14.4 ポイント上回った。一方、
「進めていない」
では、
『中小企業』
(38.9%・185 社)が『大企業』
(32.3%・32 社)を 6.6 ポイント上回り、規模が小
さいほど女性の活用、登用が進んでいないことがわ
かった。
■自社における女性の活用・登用状況
(構成比%、カッコ内社数)
活用または登 社 内人 材の 活 社 外 か ら の 活
進めていない
用を進めている 用・登用を進め 用・登用を進め
ている
ている
合計
分からない
全国
47.0 (4,832)
42.5 (4,375)
37.3 (3,841)
15.7 (1,612)
-
(10,285)
中国
46.7
(268)
44.3
(254)
7.8
(45)
37.8
(217)
15.5
(89)
-
(574)
大企業
58.6
(58)
54.5
(54)
7.1
(7)
32.3
(32)
9.1
(9)
-
(99)
中小企業
11.1 (1,142)
44.2
(210)
42.1
(200)
8.0
(38)
38.9
(185)
16.8
(80)
-
(475)
うち小規模
30.8
(37)
27.5
(33)
5.0
(6)
45.8
(55)
23.3
(28)
-
(120)
農・林・水産
50.0
(1)
50.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
50.0
(1)
-
(2)
金融
71.4
(5)
71.4
(5)
0.0
(0)
0.0
(0)
28.6
(2)
-
(7)
建設
29.4
(25)
25.9
(22)
8.2
(7)
55.3
(47)
15.3
(13)
-
(85)
不動産
33.3
(3)
33.3
(3)
0.0
(0)
44.4
(4)
22.2
(2)
-
(9)
製造
48.9
(89)
47.3
(86)
8.2
(15)
34.1
(62)
17.0
(31)
-
(182)
卸売
44.4
(71)
43.1
(69)
3.1
(5)
40.6
(65)
15.0
(24)
-
(160)
小売
67.6
(23)
61.8
(21)
20.6
(7)
26.5
(9)
5.9
(2)
-
(34)
運輸・倉庫
53.3
(16)
43.3
(13)
16.7
(5)
40.0
(12)
6.7
(2)
-
(30)
サービス
その他
5人以下
6人~20人
従 21人~50人
業
員 51人~100人
数
別 101人~300人
301人~1,000人
1,000人超
54.8
(34)
53.2
(33)
9.7
(6)
27.4
(17)
17.7
(11)
-
(62)
33.3
(1)
33.3
(1)
0.0
(0)
33.3
(1)
33.3
(1)
-
(3)
26.9
(14)
25.0
(13)
1.9
(1)
44.2
(23)
28.8
(15)
-
(52)
38.9
(58)
35.6
(53)
4.7
(7)
45.6
(68)
15.4
(23)
-
(149)
48.8
(80)
46.3
(76)
12.8
(21)
38.4
(63)
12.8
(21)
-
(164)
51.4
(57)
49.5
(55)
7.2
(8)
33.3
(37)
15.3
(17)
-
(111)
55.9
(38)
54.4
(37)
8.8
(6)
29.4
(20)
14.7
(10)
-
(68)
72.7
(16)
68.2
(15)
4.5
(1)
18.2
(4)
9.1
(2)
-
(22)
62.5
(5)
62.5
(5)
12.5
(1)
25.0
(2)
12.5
(1)
-
(8)
注1:網掛けは、全体以上を表す
注2:「活用または登用を進めている」は、「社内人材の活用・登用を進めている」「社外からの活用・登用を進めている」のいずれかを回答した
注2:全国の母数は有効回答企業1万285社。中国は574社
(2)女性の活用・登用の効果、有能な人材活用に結びつく一方で反発の声も
女性の登用・活用を「進めている」と回答した 268 社に、
■女性の活用や登用を進めた効果(複数回答)
構成比(%) 回答数(社)
男女にかかわらず有能な人材を生か
すことができた
その効果を尋ねたところ、「男女にかかわらず有能な人材を
1
生かすことができた」が 175 社、構成比 65.3%(複数回答、
2 女性の労働観が変化してきた
30.6%
82
3 従業員のモチベーションが上がった
24.6%
66
24.3%
65
19.4%
52
19.0%
51
以下同)で最も多かった。次いで、
「女性の労働観が変化し
てきた」
(30.6%・82 社)
、
「従業員のモチベーションが上が
った」
(24.6%・66 社)
、
「女性を登用したことで業務が円滑
に進んだ」
(24.3%・65 社)
、
「従業員同士のコミュニケーシ
ョンが活発になった」
(19.4%・52 社)が続いた。
他方、11 番目以下のマイナスの効果としては、
「公平な人
事評価・処遇が難しくなった」
(3.0%・8 社)
、
「女性従業員
女性を登用したことで業務が円滑に
進んだ
従業員同士のコミュニケーションが活
5
発になった
多様な働き方が促進され、労働環境
6
が改善された
4
7 採用活動等で有利に働いた
65.3%
175
11.2%
30
8 将来の人材不足に対応できた
9.3%
25
9 男性の労働観が変化してきた
7.8%
21
女性管理職比率が上昇した(目標に
近づいた/目標を達成した)
7.5%
20
11 公平な人事評価・処遇が難しくなった
3.0%
8
10
12 女性従業員からの反発があった
登用を望まない女性からの不満が高
まった
2.6%
7
1.9%
5
からの反発があった」
(2.6%・7 社)
、
「登用を望まない女性
13
からの不満が高まった」
(1.9%・5 社)
、
「男性従業員からの
14 男性従業員からの反発があった
1.1%
3
15 対外的なトラブル対処が難しくなった
0.7%
2
3.7%
10
反発があった」
(1.1%・3 社)などがあった。
その他
注: 母数は、女性の活用や登用を「進めている」企業268社
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
4
2016/8/29
特別企画: 中国地方 女性登用に対する企業の意識調査
4.女性の活躍促進に重要なこと、
「子育て支援」がキーワードに
今年 4 月 1 日により、女性が職業生活において、
その希望に応じて十分に能力を発揮し、活躍できる
■女性の活躍推進に向けた行動計画の策定状況(複数回答)
策定している
1 継続就業に関する取り組み
環境を整備することを目的とした「女性の職業生活
における活躍の推進に関する法律」
(女性活躍推進
法)に基づく、女性の活躍推進に向けた行動計画の
80.0
51.1
18.6
30.0
18.0
17.6
18.3
30.0
15.7
33.3
14.7
4 女性の再雇用や中途採用に関する取り組み
15.0
13.3
15.1
14.0
雇用形態や職種の転換に関する取り組み(パー
ト等から正規雇用へ、一般職から総合職へなど)
働き方の改革に向けた取り組み(長時間労働是
正など)
職場風土改革に関する取り組み(性別役割分担
8
意識の見直しなど)
7
その他
策定していない
ろ、
「策定している」企業は 574 社中 302 社、構成
52.6
3 女性の積極登用・評価に関する取り組み
6 配置・育成・教育訓練に関する取り組み
(従業員 300 人以下の企業は努力義務)
。
301人以上 300人以下
2 女性の積極採用に関する取り組み
5
策定が従業員 301 人以上の企業に義務づけられた
そこで、行動計画の策定状況について尋ねたとこ
(%)
全体
14.6
26.7
14.3
50.0
12.3
13.8
20.0
13.4
6.1
0.0
6.4
2.3
0.0
2.4
45.1
20.0
46.5
注: 母数は有効回答企業574社
比 52.6%となった。一方、
「策定していない」企業は 259 社、構成比 45.1%だった。
行動計画の策定が義務づけられている従業員 301 人以上の企業では 80.0%、努力義務とされて
いる 300 人以下の企業でも 51.1%となり、関心の高さがうかがえる。
次に、具体的にどのような取り組みに関する行動計画を策定しているか尋ねたところ、
「継続就
業に関する取り組み」が 18.6%(複数回答、以下同)で最も高かった。次いで、
「女性の積極採用
に関する取り組み」(18.3%)、「女性の積極登用・評価に関する取り組み」(15.7%)、「女性の再
雇用や中途採用に関する取り組み」
(15.0%)
、
「雇用形態や職種の転換に関する取り組み(パート
等から正規雇用へ、一般職から総合職へなど)
」
(14.6%)が続いた。
『従業員 301 人以上の企業』では、全体で 6 番目だった「配置・育成・教育訓練に関する取り
組み」が 50.0%で最も高く、
「女性の積極登用・評価に関する取り組み」
(33.3%)
、
「継続就業に
関する取り組み」
「女性の積極採用に関する取り組み」
(各 30.0%)が続いた。一方、
『従業員 300
人以下の企業』では、
「継続就業に関する取り組み」が 18.0%で最も高く、
「女性の積極採用に関
する取り組み」
(17.6%)が続き、概ね全体の順位に近かった。
■女性の活躍推進に向けた行動計画の策定状況(複数回答)
(構成比%、カッコ内社数)
雇用形態や職
種の転換に関
職場風土改革
働き方の改革
女 性 の 積 極 採 配 置 ・ 育 成 ・教
女 性 の 積 極 登 す る 取 り 組 み 女 性 の 再 雇 用 に関する取り組
継 続 就 業 に 関 に向けた取り組
策定している
用に関する取り 育 訓 練 に 関 す
用・評価に関す ( パ ー ト 等 か ら や 中 途 採 用 に み(性別役割分
する取り組み み(長時間労働
組み
る取り組み
る取り組み
正 規 雇 用 へ 、 関する取り組み 担 意 識 の 見 直
是正など)
一般職から総
しなど)
合職へなど)
その他
策定して
いない
全国
51.2 (5,267)
19.8
(2,038)
15.2
(1,568)
18.4
(1,889)
13.4
(1,378)
14.4
(1,481)
12.7
(1,302)
14.4
(1,486)
5.9
(608)
2.4
-
(10,285)
中国
52.6
(302)
18.3
(105)
14.3
(82)
18.6
(107)
13.8
(79)
15.7
(90)
14.6
(84)
15.0
(86)
6.1
(35)
2.3
(13) 45.1
(259)
-
(574)
大企業
61.6
(61)
25.3
(25)
26.3
(26)
21.2
(21)
16.2
(16)
24.2
(24)
18.2
(18)
13.1
(13)
4.0
(4)
3.0
(3) 35.4
(35)
-
(99)
中小企業
50.7
(241)
16.8
(80)
11.8
(56)
18.1
(86)
13.3
(63)
13.9
(66)
13.9
(66)
15.4
(73)
6.5
(31)
2.1
(10) 47.2
(224)
-
(475)
(120)
うち小規模
(245) 46.4 (4,773)
39.2
(47)
13.3
(16)
4.2
(5)
15.0
(18)
10.0
(12)
8.3
(10)
10.8
(13)
12.5
(15)
4.2
(5)
1.7
(2) 59.2
(71)
-
農・林・水産
50.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
50.0
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 50.0
(1)
-
(2)
金融
42.9
(3)
14.3
(1)
42.9
(3)
0.0
(0)
0.0
(0)
14.3
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 57.1
(4)
-
(7)
(85)
建設
38.8
(33)
12.9
(11)
3.5
(3)
18.8
(16)
10.6
(9)
10.6
(9)
9.4
(8)
11.8
(10)
5.9
(5)
2.4
(2) 58.8
(50)
-
不動産
33.3
(3)
11.1
(1)
0.0
(0)
11.1
(1)
0.0
(0)
0.0
(0)
11.1
(1)
11.1
(1)
0.0
(0)
0.0
(0) 66.7
(6)
-
(9)
製造
53.3
(97)
19.8
(36)
20.3
(37)
18.7
(34)
15.4
(28)
17.0
(31)
15.4
(28)
18.1
(33)
7.7
(14)
0.5
(1) 46.2
(84)
-
(182)
卸売
58.1
(93)
16.9
(27)
11.3
(18)
18.8
(30)
11.3
(18)
18.1
(29)
16.3
(26)
10.0
(16)
8.1
(13)
3.8
(6) 38.1
(61)
-
(160)
小売
73.5
(25)
29.4
(10)
20.6
(7)
20.6
(7)
23.5
(8)
11.8
(4)
23.5
(8)
23.5
(8)
2.9
(1)
0.0
(0) 26.5
(9)
-
(34)
運輸・倉庫
43.3
(13)
6.7
(2)
6.7
(2)
16.7
(5)
6.7
(2)
13.3
(4)
16.7
(5)
20.0
(6)
3.3
(1)
3.3
(1) 53.3
(16)
-
(30)
サービス
54.8
(34)
27.4
(17)
19.4
(12)
22.6
(14)
21.0
(13)
19.4
(12)
12.9
(8)
19.4
(12)
1.6
(1)
4.8
(3) 40.3
(25)
-
(62)
その他
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0)
0.0
(0) 100.0
(3)
-
(3)
注1:網掛けは、全体平均以上を表す
注2:「策定している」は、「女性の積極採用に関する取り組み」~「職場風土改革に関する取り組み(性別役割分担意識の見直しなど)」のうち少なくとも1つを回答した企業
注2:全国の母数は有効回答企業1万285社。中国は574社
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
5
2016/8/29
特別企画: 中国地方 女性登用に対する企業の意識調査
【企業からの声】
・女性だからという理由で意識して地位を向上させようとは考えていない。もともと持っている
資質や訓練された結果をもって役職登用している
・女性の運転手を採用するか否か検討中
(岡山・鉄鋼製造)
(広島・運輸・倉庫)
・技術の必要な職種であるが、興味のある女性がいれば積極的に採用したい (岡山・サービス)
・育児休暇からの復帰後、始業時間を本人の希望にあわせることで働きやすい環境をつくり、給
与面でも不利にならないように配慮している。それにより新たに育児休暇を取得する社員の復
帰もスムーズになり、まわりの男性社員の理解も深まった
(岡山・機械製造)
・定着率の高い主婦層を中心に採用して事務を効率化し、男性営業マンのサポート内容を増やす
ことにより円滑な得意先対応を進めている
・人手不足の状況が継続している。男女の区別なく不足している
(広島・鉄鋼卸)
(山口・食品製造)
・将来性のある有望な女性でも、幼児から小学生までの子供の面倒をみなければならない立場の
母親であればパート勤務に配置転換せざるを得ないのが現状である
(広島・機械器具卸)
・女性従業員の扱いは過去にも難しい部分があり積極的な取り組みにならない(岡山・サービス)
・事務系の女性の管理職への登用にあまり抵抗はないが、本人が望まないケースが多い。責任と
同性に対する遠慮がある。現場作業での女性管理職の登用は考えていない(山口・運輸・倉庫)
・IRなどで目標を掲げて女性登用を実施した結果、無能な女性が登用されたり、有能な男性の
モチベーションが低下したりしている話をよく耳にする
(島根・その他卸)
・女性の社会進出がなければ経済発展がないような考え方はどうも理解できない (岡山・建設)
まとめ
中国地方の企業では、女性管理職が 1 割に満たない企業が全体の 8 割を占め、一人もいない
企業が 50.2%もあり、前回調査に比べて改善しているが、政府が目標とする数値には程遠い結
果となった。また、女性管理職が「今後増える」と考えている企業は 2 割強にとどまり、
「変わ
らない」と考えている企業が 60.8%を占めた。女性登用を進めている企業が 4 割を超えている
が、これまでの慣習や環境整備の遅れを指摘する声もあり、クリアすべき課題は山積している
といえよう。女性の活躍により、日本経済の将来を明るくするためには、現状をさらに細かく
分析したうえで、より具体的な施策の実現と企業、個人のライフスタイルに関する意識改革が
必要だろう。
当レポートの著作権は株式会社帝国データバンクに帰属します。
当レポートはプレスリリース用資料として作成しております。報道目的以外の利用につきましては、著作権
法の範囲内でご利用いただき、私的利用を超えた複製および転載を固く禁じます。
【内容に関する問い合わせ先】
株式会社帝国データバンク 広島支店 担当:藤井 俊
TEL:082-247-5930
©TEIKOKU DATABANK, LTD.
FAX:082-249-1242
6