デ コ - ネ 研修 - タ

第1回
コ -デ
イ
ネ - タ - 研修
7月15日:浜田合庁
[事業説明]「結集!しまねの子育て協働プロジェクト」
説明者:教育庁社会教育課 槙野 吉人 氏
島根県では、子どもの健やかな成長や地域活性化を願って、「ふるさと教
育」「放課後子ども教室」「学校地域支援本部事業」「親学P開発」等の事業を
それぞれ独自で進めてきました。しかしより成果をあげるための新たな仕組
づくりとして、平成24年度から「結集!しまねの子育て協働プロジェクト」が立ち上がりました。事業の枠を超え、地域
の人がいろいろな活動に参加し、地域全体で教育に取り組む体制づくりを進めています。コーディネート機能の充実、
個別の活動の総合化・ネットワーク化、ビジョンや目標の共有が大切です。そして「支援」から、学校と地域住民が
パートナーとしての「連携・協働」への意識改革が重要になっています。
[講義]家庭・学校・地域の「連携・協働の意義とコーディネーターのこれから」
講師:広島経済大学 教授 志々田 まなみ 氏
日本は、物質的な豊かさで言えばGDP(国内総生産)は世界3位です。けれども、国民の質的豊かさ
で言えばそうではありません。例えば、「より良い暮らし指標」(幸福度)では、OECD加盟36カ国中で
20位です。その中で「他人の手助けをしましたか」「友人たちと共に過ごしていますか」という設問では、
他国と比べ低い割合になっています。日本人は、幸福度に関係する「社会とのつながり」が弱いと言えます。
こうした背景には、雇用環境や生活環境の悪化から人とのつながりから脱落する「社会的排除」があると言えます。
一方で、国民一人一人を排除することなく社会の構成員として取り込む「社会的包摂」が世界では普及しています。
社会全体でこの制度に取り組み、全ての人たちにつながる力を育んでいくことが求められています。言い換えれば、
家庭・学校・地域が連携・協働する活動に参画する必要があるのです。
国が進める「次世代の学校・地域」創生プランでは、「地域とともにある学校」への転換が唱われています。島根県
でも、地域の教育力に目を向けて学校だけでなく、地域での体験活動や家庭支援などを進めています。
また、家庭・学校・地域が連携するためには、教員、保護者や住民同士がお互いに学びあう必要があります。チー
ム学校では、地域コーディネーターが様々な支援活動を組み合わせる役割が必要となります。具体的には、活動や
会議の重複を解消したり、活動の調整です。こうしたことを円滑に進めるためには、①ともに育てたい子ども像を共有
化しながら活動をすすめる②「話し合う・学ぶ機会」だけでなく「ともに働く機会」を創り出す③「活動」をともに企画・実
施・評価・改善するチームづくりが必要です。
地域で育てるということの大切さを感じ取った講義だった。
感
想
自分自身、社会とのつながりが少なかったことを
反省するとともに、これからは、児童クラブを通し
て、私自身が地域のいろいろな方々とつながりを
もって積極的に支援してゆきたい。
他の地域の方との意見交換をして、同じような想いや悩みを
共有できて良かった。“子どもの育ちを支えるパートナー”とい
う言葉が心に残った。
[演習・協議]「効果的な連携・協働を進める具体的な動きについて考える」
☆あるエピソードを聞いてあなただったらどうするか考えてください。
場面1:子どもや学校を核として活動の場面において、活動内容がマンネリ化しつつあることに
コーディネーターは悩むが、日々の対応に追われ、疲労感が表れはじめているケース
場面2:「地域で子どもの育ちを考える会」はあるが、形骸化している。何とか、目標やビジョンを
共有し、具体的な動きを作り出す会としたいが、どうしてよいかわからないケース
○ワーク1:エピソードを聞いて、コーディネーターが困っていることを個人で付箋に書き出す
○ワーク2:グループで、コーディネーターと一緒に今後できる具体的な動きを考える
<志々田先生からの講評>
二つのエピソードにはコーディネーターが、残念・悔しいと思っている姿があります。みなさんの中にも、こうあってほ
しいという姿があるのではないでしょうか。
場面1では、学校の先生は組織で対応しているので、地域も組織で対応してほしいという思いがあります。そのまと
め役・窓口がコーディネーターです。いろいろな団体の意見をまとめ地域の意見として学校へ伝えます。そのためには、
困った時に頼れる相手、相談できる相手を見つけ手を組むことも必要です。
場面2のでは、マンネリ化している会を活性化させ何かやってみたいと思う気持ちをおこすために、いろいろな人の話
を聴くことや、流行りやニーズに敏感になることが大事だと思います。目先が変わるとうまくいく場合もあります。
親は一人で子育てをしている訳ではありません。子どもは多様な人に育ててもらう事が大事です。良くも悪くも人との
関わりの中で成長していきます。みなさんには、一歩前へでた“お節介”、つまり積極的関与をしていただきたいです。