生体エビデンスデータを活用したデザイン検証システム システムデザイン学部インダストリアルアートコース 教授 笠松 慶子 システムデザイン学部知能機械システムコース 教授 池井 寧 研究概要 大都市東京の道案内のためのサインシステムとして、ICT(Information and Communication Technology) を活用し、迷うとい う不安感を感じず、心地よく目的地に り着ける案内サインを生体情報に基づいて検討します。 先行研究として、新宿駅や南大沢文化会館において行動観察、感情、視線の動き、心電図から調査し、迷うパターンを明らかに しています。また、 顕在意識としてストレスを感じていなくとも身体的にはストレスが現れる状態があることを明らかにしました。 ユーザを心地よく案内できるサインとして ICT として AR や VR を取り入れた次代の案内サインを提案し、ユーザエクスペリエ ンスおよび生理・心理的側面から評価・検証を行います。 視線計測装置 心電図計測装置 視線計測装置では、視線の移動の軌跡や停留データ を計測することができ、どこをどれくらい見ていた か、どのような順序で見ていたかを明らかにするこ 本研究では、新しいサインシステムの提案のために新宿駅における経路探索行動から見た迷うパターンを考察しました。まず「迷う」こととはどのよ とができます。 うな状況なのかについて議論を行いました。それにより、結果として目的地にたどり着いたとしても、たどり着くまでの過程で不安要素があれば「迷っ 心電図を計測し、分析することによって、ストレス ている」に近い意識であると仮定し、その状況を調査することとしました。そのため、移動のプロセスにおいて場所、行動の観察、感情、視線の動き、 を感じているか、不安になっているかどうかを評価 心電図を調査し、これらを時系列的に重ね合わせ、UXMap を作成し、問題点を明らかにしました。 することができます。 「さまざまな体験の生成と評価のプラットフォーム」 今後の展望・期待される効果 ・オリンピックを始めとし、国内外からの訪問者が迷うとい う不安感を感じることなく、東京を楽しんでもらえ、また 訪問したいという気持ちを誘発することができます。 ・人の生体データという客観的データを用いたデザイン検証 を行うことができます。 ・屋外の道案内だけでなく、屋内の店舗などの案内にも応用 でき、サービスとの連携も期待できます。 バーチャル身体技術とは、他者の行動を記録して五感に再生提示することにより、 疑似能動的に追体験を 楽しむための技術です。コンテンツとして「ミラノ(観光地) の散歩」や「人類最速の身体感」などがあります。 笠松研では、人がものやシステムをどのように使用するのか、心地よく使用する 池井研では、五感に対して情報を提示することにより、バーチャル旅行をリアル にはどのようなことが必要か、をユーザの行動・行為、気持ちを観察、調査する に追体験したり、身体感覚をバーチャル化することにより、通常では体験できな ことによりデザインに必要な役割を研究しています。そのため、ユーザの経験を い身体運動や環境を臨場感高く生成するための方法論を探求しています。 調査し、UX Map を作成したり、実験を行いデータを収集・評価し、データや知 超臨場感を生成するために様々なデバイス / インタフェースを 統合した「五感シ 見からデザインのための共有・評価・意思決定のための情報の見える化手法を研 アター (FiveStar)」を構築しています。五感シアターの要素技術の研究として、 究しています。つまり、根拠に基づいたデザイン、エビデンスベースドデザイン 立体映像、空間音響、モーションシート、脚足駆動装置、ボディソニック、風・ を行っている研究室です。 香りなどの提示手法を開発しています。 施策提案発表会 2016
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