耐震設計

振動工学
第13回 耐震設計法
ー限界耐力計算法を中心としてー
耐震設計法の変遷(その1)
建築基準
1920
地震被害
市街地建築物法(100尺規制)
1923
大正関東地震
1924 市街地建築物法に地震力規定導入 本郷の東大に設置されてい
水平力=建物重量W×震度K ※1
震度K=0.1
安全率を含む部材許容応力度
1950 建築基準法
1968
その他
震度=0.2
材料強度の安全率は1/2
(安全率は削った)
1978
た地震計から推定される加
速度が0.1G程度
東京下町の揺れを本郷の3
倍と想定
十勝沖地震
宮城県沖地震
1981 新耐震設計法
霞が関ビル(武藤清、
1968)振動解析、柔構造
東北大学9階の強震
計が約1Gを記録
1次設計、2次設計
2次設計:必要保有耐力Qi=Dsi・Fesi・Z・Rt・Ai・C0・Σwi
基本震度はC0=1.0
層あるいは建物の保有耐力設計
構造特性係数Ds=0.25~0.55
地盤条件Rt、剛性率・偏心率,Fesi,高さ方向の増幅Ai etc
※1 佐野利器(1961)の震度法の基づく
動的な応答(増幅)
が考慮されていない
→地動の加速度を
そのまま建物の加
速度としている
動的な応答を考慮し
て、基本震度が引き
上げられた
1
新耐震(1980)の主要変更点
2点のみ取り上げると…


必要保有耐力Qi=Dsi・Fesi・Z・Rt・Ai・C0・Σwi
基本震度はC0=1.0
構造特性係数Ds=0.25~0.55
地盤条件Rt
構造特性係数Ds(=0.25~0.55)が導入されて、変形能力に応じた必要保
有耐力が設定された

設計震度が0.2から1.0に引き上げられたのに伴い、緩和処置としてDsが導入
されたわけではない

構造特性係数Dsにより、変形能力の大小に係らず一様な耐震性能を確保す
ることが目指された
振動特性係数Rtにより、地震動の周期特性の重要な性質が取り入れら
れた
2
構造特性係数Ds背景にある考え方

Qi=Dsi・Fesi・Z・Rt・Ai・C0・Σwi
地震エネルギーの等価説:Newmark(1960)

非線形系の吸収エネルギー(OCDE)
1
1
Q y y   u   y Q y  Q y 2 u   y 
2
2
1
 Q y y 2   1
2
ここに、= u  y : 塑性率

弾性系の吸収エネルギー(OAB)
Q
1
1
1 2 y
Qe e  Qe  e  y  Qe
2
2
Qy
2
Qy

両者を等値すると
Qe
Qy
O
A(終局)
C
D(終局)
B
δy
δe
E
δu=μδy
1 2 y 1
Qe
 Q y y 2   1
2
Qy 2
Qy
Qe

1
2  1
3
実際には、構造特性係数Dsはどう与えられたか?
靭性大
靭性大
WA
壁
柱・梁
脆い
βu≦0.3
WB
WC
WD
0.3<βu
0.3<βu
0.3<βu
0.3<βu
0.7<βu
0.7<βu βu≦0.3
0.7<βu βu≦0.3
0.7<βu βu≦0.3
≦0.7
≦0.7
≦0.7
≦0.7
脆い
FA
0.30
0.35
0.40
0.35
0.40
0.45
0.35
0.40
0.50
0.40
0.45
0.55
FB
0.35
0.40
0.45
0.35
0.40
0.45
0.35
0.45
0.50
0.40
0.50
0.55
FC
0.40
0.45
0.45
0.40
0.45
0.50
0.40
0.45
0.50
0.45
0.50
0.55
FD
0.45
0.50
0.55
0.45
0.50
0.55
0.45
0.50
0.55
0.45
0.50
0.55
RC構造の場合
エネルギー等価則に基づいて、変形能力の大小に係らず一様な耐
震性能を付与
思 想
例えば、何故WD(せん断壁)100%の建物のDsが0.55なのか?
=
一方で、
疑問も
降伏と同時に耐力を失う(μ=1)
4
新耐震(1981)の地震力
必要保有耐力Qi
地盤種別
卓越周期
T c (秒)
Ci  Dsi  Fesi  Z  Rt  Ai  C 0


 
 

第1種地盤
0.2秒以下
0.4
Wi : i 層より上の部分の建物重量の和
第2種地盤
0.2~0.75秒
0.6
第3種地盤
0.75秒以上
0.8
Qi  Ci  Wi
構造特性
地震動の外力
C 0 : ベースシア係数(1次設計0.2, 2次設計1.0)
Z : 地域係数(0.7 ~ 1.0)
Rt : 振動特性係数
Ai : 層せん断力分布係数

1
2

T


Rt  1  0.2   1
 Tc


1.6Tc
 T

1.2
1  Tc
Tc  T  2Tc
2Tc  T
力=質量×加速度なので、Rtは地震動の
加速度応答スペクトルを表している
Rt 1種地盤
Rt 3種地盤
Rt 3種地盤
1.0
0.8
Rt(g)

0.6
0.4
0.2
0.0
0
1
2
3
固有周期T(s)
5
耐震設計法の変遷(その2)
建築基準
1995
その他
地震被害
兵庫県南部地震
死者6434人
神戸海洋気象台で848Gal
(建築基準法の想定の約3倍)
RC造の建物被害※
小破以上681棟
中破以上325棟
ただし、新耐震の建物は被害
が少なかったとされている
米国からの非関税
障壁の撤去の要求
建築基準法の性能規定化に向けた見直し
2000 建築基準法改正
仕様規定から性能規定へ
性能規定型設計法と言われている
地震動が応答スペクトルで与えられた
(Rtの読み直し)
地震動レベルは引き上げられなかった
限界耐力計算法の導入
応答計算の要素を取り入れる
※ 日本建築学会近畿支部RC構造部会による中央区、灘区、東灘区の3991棟全数調査による
6
2000年改定:応答スペクトルで地震動の規定
基盤の加速度応答スペクトル(告示波:極稀)

T  0.16
 320  3000 T

2
0.16  T  0.64
S a T h  0.05 (cm/s )  800
 512
0.64  T

 T

新耐震(1981)の1種地盤のRtと対応
1.2
Tc=0.40
Tc=0.60
Tc=0.80
告示基盤*1.23※
1.0
0.8
Rt(g)

0.6
0.4
0.2
※ 全質量/等価質量の概算値
0.0
0
1
2
3
固有周期T(s)

表層地盤増幅

簡易Gs→2種・3種地盤のRtを踏襲

詳細Gs:2層地盤近似による計算法が法律に示されているが、実際
にはほとんど使われない
7
限界耐力計算法の学習の進め方


1自由度系による基本概念の理解

応答スペクトルのSa-Sd表記

入力地震動の応答スペクトル
=要求スペクトル(Demand Spectrum)

建物の復元力特性
=耐力スペクトル(Capacity Spectrum)

非線形履歴による等価減衰

減衰による応答低減係数

遷移曲線による求解
本講義内で説明
多自由度系への適用
結果のみ紹介

モーダルアナリシスの応用

多自由度系の耐力スペクトルの作成方法
8
応答スペクトルのSa-Sd表記
しばらく1自由度系
応答スペクトルの一般的な表記
Sa-Sd表記
Sd  Sa  2
500
Sa
0
0
 S a 2 T 
最大応答変位Sd(cm)
2
最大応答加速度Sa(cm/s 2)
最大応答加速度Sa(cm/s 2 )
T=1.2s
1000
1
2
1000
要求スペクトル
500
Sa
2
0
0
3
Sd10
20
30
40
最大応答変位Sd(cm)
50

40
Sa-Sd に復元力特性Q-Δを重ね書くことがで
きる
30
Sa=QB/m
m
20
10
Sd
0
0
1
2
3
Sa
力を加速度に変換する
Δ
QB
耐力スペクトル
固有周期T(s)
Δ
9
要求スペクトル・耐力スペクトルと応答値
要求スペクトル(Demand Spectrum)と耐力スペクトル(Capacity
Spectrum)の交点が応答値?
最大応答加速度Sa(cm/s2 )

1000
要求スペクトル
耐力スペクトル
500
★
応答?
0
0

10
20
最大応答変位Sd(cm)
30
非線形系の履歴による等価減衰定数による要求スペクトルの低減を考
慮する必要がある
10
非線形系の等価減衰定数

St.1:粘弾性系の減衰定数と履歴面積




減衰力は速度に比例するので、変位に比例する復元力に対して90度
の位相ずれを持つ
減衰力と復元力を合わせた荷重-変形関係は、履歴ループを描き、
履歴ループが囲む面積は吸収エネルギーを表す。
減衰定数hは吸収エネルギーすなわち履歴面積と関連付けられる
St.2:非線形系の等価減衰定数


構造物は、損傷を受けると履歴ループを描き、地震エネルギーを吸収
する
非線形ループの履歴面積と、粘弾性系の履歴面積を等値することで
、等価減衰定数が得られる
11
粘弾性系のエネルギー消費ΔWと減衰定数h (1)

c
h
2 m

地動y0を受ける粘弾性1自由度系の運動方程式
補 説
減衰定数の定義(復習)
m u  c u  k u   m y0
(a)
両辺をmで除して表記を整理すると、
u  2  h u   2 u  y0
 k m
Q
減衰による1周期あたりの吸収エネルギー
以下のように円振動数pの調和振動解を仮定する
u  a cos pt   
k
粘性減衰による1周期の吸収エネルギーは、
W   c  u du
 
0
udt

c  a2 p2
2
2 p

2 p
0
  c  a2  p
c  u dt  
2
2 p
0
a
c  a p sin  pt   dt
2
2
2
2 p

p2 
1
sin2 pt   
t 
2
 2p
0
1  cos2 pt   dt  c  a
2
(b)
弾性エネルギーは、
W
1 2
ka
2
(c)
12
粘弾性系のエネルギー消費ΔWと減衰定数h (2)
(前頁の繰り返し)
W    c  a 2  p
W
1 2
ka
2
(b)
(c)
p    k m の場合を考えると、(b)/(c)より、
W 2 c a 2  2 c
2 c
2 c




 4 h
2
2
W
ka
k
m
m
よって
heq 
1 W
4 W
13
u
非線形履歴の等価減衰定数(事例)

RC系部材の降伏後の典型的な履歴を考える
履歴面積(灰色部分)
Q
Qy

1
1 
2
W  4  Q y  r  2 k y r  2 k y 1 

2
 

r
k
弾性歪エネルギー
k

y
1
1
2
2
W  ke  2  y  k   y
2
2
y

以上より、
1 W 1 
1 
heq 
1

4 W
 
 
k e
k

: 割線剛性
r   y 
Qy
k

建築基準法では、次のように与えている

1 
   y 1 

 


1 
heq  0.25 1 
 0.05

 

14
減衰による応答スペクトルの低減

減衰と共振曲線の最大振幅


1
 Q値  (復習)
2h
減衰による応答スペクトル=減衰による最大応答値の低減係数F h
Fh  href h

理論式の第1因子※

建築基準法の算定式: Fh 
1. 5
1  10h
href は基準とする減衰定数(任意の値)
href  0.05
1000
最大応答加速度Sa(cm/s2)
応答低減係数Fh
1.0
0.8
0.6
0.4
建築基準法:
Fh=1.5/(1+10h)
0.2
理論式の第1因子:
Fh=√(0.05/h)
0.0
h=0.05
h=0.100
h=0.200
500
0
0.05
0.10
0.15
減衰定数h
0.20
0.25
0
10
20
30
最大応答変位Sd(cm)
※ 本講義の範囲を越えるが、ランダム振動論から理論的に導くことができる
15
非線形履歴減衰による要求スペクトルの低減

非線形履歴による等価減衰定数

1 
heq  0.25  1 
 0
.05

  粘性減衰


最大応答加速度Sa(cm/s2)
1000
非線形履歴減衰

応答スペクトルの低減係数
Fh 
1.5
1  10heq
μ≦1.0,h=0.05
μ=1.50 μ=3.00 500
Fh  S a
Fh  S d
0
0
10
20
30
最大応答変位Sd(cm)


heq  0.25  1  1 1.5  0.05  0.096
Fh  0.77
16
収束計算(2分法)による求解
素朴な方法
初回


1自由度系
降伏せん断力係数0.3(300Gal)
降伏変形δy10cm
入力地震動
告示波(レベル2:極稀)
要求スペクトルと耐力スペクトルの交点を応答値=次回仮定値とする
2回目以降


仮定値から、heq、Fh、Fh*Sa、Fh*Sdを求め、耐力スペクトルとの交点を応
答値とする
(仮定値と応答値)/2を次回に用いる仮定値とする
収束するまで
繰り返す
要求スペクトル:告示波(極稀)

T  0.16
 320  3000 T

S a T h  0.05 ( cm/s 2 )  800
0.16  T  0.64
 512
0.64  T

 T
第1回:μ=2.20 1000
最大応答加速度Sa(cm/s2)

例 題
建物
500
復元力特性
第2回:μ=0.95 第3回:μ=1.25 0
0
10
20
30
第4回:μ=1.38 最大応答変位Sd(cm)
17
遷移曲線を用いた求解
例 題
建物
1自由度系
降伏せん断力係数0.3(300Gal)
降伏変形δy10cm
入力地震動
告示波(レベル2:極稀)
もう少しエレガントな方法

遷移曲線の求め方
耐力スペクトル上の1点(A点)と原点を結ぶ直線と、要求スペクトルの
交点(B点)を求める
A点の塑性率から、heq、Fhを計算し、 FhをB点の応答に乗じて遷移曲線
上の1点(C点)を求める



応答値
要求スペクトル:告示波(極稀)
遷移曲線と耐力スペクトルの交点が応答値となる

最大応答加速度Sa(cm/s2)
1000
要求スペクトル
耐力スペクトル
遷移曲線
500
B
C
Fh
A
?
0
0
耐力スペクトル上の各
点(A点)について繰り
返す
10
20
30
最大応答変位Sd(cm)
耐力スペクトル
Sa
d
(cm) (cm/s2)
0
0
1
100
δy: 10
300
12
300
14
300
16
300
20
300
25
300
30
300

T  0.16
 320  3000 T

S a T h  0.05 ( cm/s 2 )  800
0.16  T  0.64
 512
0.64  T

 T
準備計算
μ
heq
Fh
ω
1.00
1.20
1.40
1.60
2.00
2.50
3.00
0.05
0.07
0.09
0.10
0.12
0.14
0.16
1.00
0.87
0.79
0.74
0.67
0.62
0.59
5.48
5.00
4.63
4.33
3.87
3.46
3.16
要求スペクトル
遷移曲線
Sa
Sa*Fh Sd*Fh
Sv
Sd
2
(cm/s) (cm/s ) (cm) (cm/s2) (cm)
80.0
438
14.6
438
14.6
80.0
400
16.0
349
14.0
80.0
370
17.3
294
13.7
80.0
346
18.5
257
13.7
80.0
310
20.7
208
13.9
80.0
277
23.1
172
14.3
80.0
253
25.3
148
14.8
18
多自由度系から1自由度系への縮約
N
mN
M : 等価質量
 N 1
m N 1

m2
 : 代表変位

2
1
m1
19
代表変位と等価質量

考え方



静的荷重増分解析で求めた各ステップの変形分布を、等価な1次モ
ードとみなす
モード合成法を応用して、1自由度系の変位と質量を求める
代表変位と等価質量(結果のみ)
N
   mi   i 2
i 1
N
 m 
 N

M    mi   i 
 i 1

i 1
2
i
耐力スペクトルの横軸
i
N
 m 
i 1
i
2
i
ベースシアQBを加速度に換算する際に用いる
耐力スペクトルの縦軸
20
耐力スペクトルの計算例:St.1静的荷重増分解析

Pi  Qi  Qi 1
P8
静的荷重増分解析を行う


地震力に相当する水平力を静的に漸増さ
せて骨組みモデルの非線形解析を行う
保有耐力や変形分布を求めるために行わ
れる
P7
P6
P5
荷重分布
P4
建築基準法では、i 層が負担するせん断力Qi
を次式で与えている
P3
Qi  Ci  Wi
Ci  Z  Rt  Ai  C0
N
 N

Wi   w j    m j  g 
j i
 j i

P2
P1
Aiは経験式
 1
 2T
W
Ai  1  
i 
i  i
 
 1  3T
W
i


Z : 地域係数 Rt : 振動特性係数
N
W   wj
j 1
補説
建築基準法における限界耐力計算の説明では、Pi
を与えるBi分布が示されているが、Ai分布を使って
Pi= Qi-Qi-1を数式で求めているだけで、式がいたず
らに煩雑なので、数値的に求めれば良い。
21
St.2:荷重-変形関係
3.0E+04
2.0E+04
層せん断⼒Qi(kN)
層せん断⼒Qi(kN)
3.0E+04
1F
2F
3F
4F
5F
6F
7F
8F
st.6
1.0E+04
st.6
0.0E+00
2.0E+04
1F
2F
3F
4F
5F
6F
7F
8F
st.6
1.0E+04
st.6
0.0E+00
0
4
8
12
0
20
層間変形δi-δi-1 (cm)
40
60
80
地動相対変位δi(cm)
限界耐力計算で用いられる、地動相対変位静的
による表示
実務で良く用いられる表記
※荷重増分解析求めた橙色の変形分布を、近
似的なモードとして用いる
22
St.3:等価質量と代表変位
加力st.6(荷重増分解析の1点)のQ-δによる計算例
C0=0.3
T=2.0
mi
Σmi
(t)
(t)
st.6の等価質量Mと代表変位Δ
Qi
δi-δi-1
δi
Qi
(kN)
(cm)
(cm)
(kN)
7482
2.0
35.2
7.9E+03 3.5E+04 1.2E+06
−
−
−
1000 2000 0.250 2.00 0.60 11760
3.0
33.2
1.2E+04 3.3E+04 1.1E+06
−
−
−
1000 3000 0.375 1.72 0.52 15160
4.0
30.2
1.6E+04 3.0E+04 9.1E+05
−
−
−
1000 4000 0.500 1.52 0.46 17904
5.0
26.2
1.9E+04 2.6E+04 6.9E+05
−
−
−
1000 5000 0.625 1.37 0.41 20075
5.6
21.2
2.1E+04 2.1E+04 4.5E+05
−
−
−
1000 6000 0.750 1.23 0.37 21719
6.0
15.6
2.3E+04 1.6E+04 2.4E+05
−
−
−
1000 7000 0.875 1.11 0.33 22862
5.6
9.6
2.4E+04 9.6E+03 9.2E+04
−
−
−
1000 8000 1.000 1.00 0.30 23520
4.0
4.0
2.5E+04 4.0E+03 1.6E+04
−
−
−
0.81
27.1
αi
Ai
Ci
1000 1000 0.125 2.54 0.76
miδi
M
miδi2
(t)
Σ 1.8E+05 4.7E+06 6475
縦軸
Q
Sa  B
M
横軸

 N

M    mi   i 
 i 1

2
N
N
 m 
i 1
i
M/Σmi
2
i
   mi   i 2
i 1
Δ
(cm)
N
 m 
i 1
i
灰色のセルからst.6に対応する耐力スペクトルの1点が計
算できる
23
i
St.5:多自由度系の応答を求める


荷重増分解析の各ステップについて、前頁の計算を行って耐力スペクト
ルを作成
1自由度系に戻って、代表変位応答を求める



遷移曲線を求める
遷移曲線と耐力スペクトルの交点を求める(横軸の値が代表変位応答)
代表変位応答が求まったので、対応する静的荷重増分解析のステップ
の変位分布から各層の応答を求める(必要に応じてステップ間で補間す
る)
24
まとめ


1自由度系について

応答スペクトルは、加速度Sa-変位Sd平面上に表記できる。

入力地震動の応答スペクトルを要求スペクトルと呼ぶ

建物の復元力特性はSa-Sd平面上に表示することができ、これを耐力スペクト
ルと呼ぶ

建物の応答は、非線形履歴減衰による低減を考慮した要求スペクトル(遷移
曲線)と耐力スペクトルの交点として与えられる

非線形履歴による等価減衰定数は塑性率の関数として与えられる

減衰による応答スペクトルの低減は近似的にFhで与えられる

以上を組み合わせると、図解法的に建物の非線形応答を求めることができる
多自由度系について

静的荷重増分解析で求めた変位分布を1次モードとみなすことにより、代表
変位と等価質量が計算できる
25