【FOCUS 路線価】駅再開発で「ホテル用地」が急騰 地方都市は

5
0
の地方の
地価が下
落 し、 上
昇地点は
・6%減
の481に
とどまった。
沖縄は上
年に比べ縮小した。大都市圏で地
ていない。
を算出し
昇地点数
上昇地点は福岡が最多に
価が上昇し、地方との二極化が進
7
都市圏と地方の二極化進む
たものの、うち 県で下落幅が前
29
8
24
16
1
む一方、地方では地価低下が緩や
29
7
1
8
地点で上昇。前年比9・2%増え
6県の下落率は、鹿児島が1・ かになる傾向もみられた。
%、佐賀が1・6%、宮崎1・1%、 7県で前年から上昇した地点が
増加した。福岡が最多で3444
方 ㍍ 当たり560万円( 前 年 比
天神
ている。特に佐賀は前年のマイナ
大 分は9・3倍の103、佐 賀は
位が
年連続で福岡市中央区
丁目の「渡辺通り」
。 平
プラス %)だった。 位は福岡
1
丁目の「住
だった。また、鹿児島は前年のゼ
吉 通 り 」で同330万 円( 同 プ
市 博 多 区博 多駅 前
幅は全国最大になった。都道府県
ラス ・ %)
、 位が熊本市中
・7%増の 、宮崎が9倍の
2
2
ロから に増加した。一方、長崎
ス3・5%から1・9㌽上昇、縮小
36
2
別では東京、愛知、沖縄など 都
36
12
84
61
路 線 価 は、
大きかった。ただ、マイナス幅は
た。熊本は ・5%増の980、
1
29
長崎0・9%、大分0・6%の順で
いずれも縮小し、改善傾向が続い
7
道府県で上昇した。 県で下落し
14
は過疎化が進む離島や県都以外
16
3
3
央 区手 取 本町の「 下 通り」で同
18
5
表参照=だった。
上昇目立つ博多駅周辺
〝ミニバブル化〟
懸念も
目 立ったのはJR博 多 駅 周 辺
の地価 上昇である。福 岡 市の不
58
Zaikai Kyushu / SEP.2016
県都など中心部と郊外で
〝2極化〟
進む
国税庁が 月 日、 年の路線価を発表した。九州・沖縄8県
の平均変動率は、前年と比べて福岡、熊本、沖縄3県が上昇し、ほ
か5県は下落した。上昇した3県の上昇率は福岡が ・ %、熊
本は ・ %、沖縄は ・ %だった。県別でみると熊本が 年ぶ
り、福岡が 年ぶりにプラスに転じた。残る 県もマイナス幅が
縮まった。ただ、
一部には取引相場を大きく超える地点もあり、ミ
ニバブルを指摘する声もある。
0
税務署
別の最 高
1
33
119万円(プラス3・ %)=
駅再開発で
「ホテル用地」
が急騰
地方都市は
〝下げ止まり〟
傾向に
FOCUS
路線価
博多駅周辺は再開発を機に高値で取引されるケースが増えている
坪
動 産 関 係 者は「駅 周 辺の土地の
取 引 価 格は過 熱している。
1000万円前後が当たり前にな
っており、数年前には考えられな
い状況だ」と説明。それを象徴す
るのが、無料通話アプリを展開す
るLINE(ライン)がJR九州
に譲渡した駅近くの福岡本社建設
建設を予定している
でトレンドが変化、 年後初めて
鳥栖市本通町1丁目の「本通
筋商店街」は人口増や企業の進出
面の朝日ビル裏にハ
イホテルズも同駅正
ループのエフ・ジェ
ため、下げ幅が2・1㌽拡大。武
里玉屋が昨秋に閉店を発表した
新天町の「伊万里大通り」は伊万
横ばいになった。一方、伊万里市
(200室以上)の
ほか、福 岡 地 所 グ
イエンドの客層を狙
雄市武雄町富岡の「県道
号通
った「フォルツァ」
ビジネス街だった同駅周辺には出
めている。また、米国の利上げ見
国人への影響を懸念する声も出始
画が相次いでいることや、オフィ
ただ、英国のEU離脱を機に為
スビルの需要が旺盛なため。元々、 替が不安定になっており、訪日外
た。
たものの、その幅が0・9㌽縮小し
1・9%下落した。唐津は下落し
の建設を進めている。 り」は武雄市図書館のブームが沈
張のビジネスマンを対象にしたホ
送り観測も出ており、さらなる円
しかし、ここ数年は訪日外国
人が激増し、市内ではイベント
見極めながら、慎重な土地取得と
デベロッパーは今後、為替動向を
高の進行を指摘する向きもある。
続調査地点2114地点は、上昇
業施設などがある標準宅地の継
静化し、相場が平常に戻ったため
このように同駅周辺の土地取引
が過熱しているのは、訪日外国人
テルが多かった。
やコンサートが重なった時は客
地点(前年比 地点増)
、横ば
ホテル建設計画を進めていくこと
佐賀県内の平均変動率は前年
比1・6%のマイナス。 年連続で
61
14
倍の高値だった。
目当てのビジネスホテルの建設計
予定地(約1590平方㍍)
。総
24
室が足りず、福岡市外のホテル
【佐賀】
に宿泊する客も少なくなかった。 になりそうだ。
そのためビジネスホテルの建設
と建設計画が相次いでいるので
グインターナショナル」
(110
下落したものの、下落幅は1・9
マイス施設誘致の話もあり、
下落幅が縮小
伊万里玉屋閉店や
図書館の影響が影
室)
が5月に開業。近くには「ス
㌽縮小した。最 高 路線価は、
マイルホテル」
(110室程度)
年連続で佐賀市駅前中央1丁目
11
渡辺通り
住吉通り
下通り
天文館電車通り
浜市アーケード
明治通り
平和通り
四ケ町通り
中央通り
香椎セピア通り
国際通り
順位
(前年)所在地
1 (1) 福岡市中央区天神2
2 (2) 福岡市博多区博多駅前2
3 (3) 熊本市中央区手取本町 4 (4) 鹿児島市東千石町
5 (5) 長崎市浜町
6 (7) 福岡市早良区西新4
7 (6) 北九州市小倉北区京町3
8 (7) 佐世保市島瀬町
9 (9) 大分市府内町1
10 (10)福岡市東区香椎駅前2 ※沖縄 那覇市久茂地3
ある。
ざっと 見 渡 し て み て も、
ANAクラウンプラザホテル福
の建設も進んでいる。また、ワ
の「駅前中央通り」
。昨年同様1
岡の隣接地には「ホテルウィン
シントンホテルがその隣接地に
平方㍍あたり 万円だった。
21
額 億5000万円。実に相場の
5月にオープンしたホテルウィングインター
ナショナル
宿泊特化型の「R&Bホテル」
16
Zaikai Kyushu / SEP.2016
59
06
1
上昇と横ばいの地点が増加し、
下落地点は減少した。住宅や商
(路線価は1平方メートル当たり、単位・千円。変動率は前年比・%。
▼はマイナス)
50
路線価 変動率
5600 12.0
3300 18.3
1190
3.5
810
0.0
730
0.0
520
8.3
490
0.0
470 ▼2.1
380
5.6
255
8.5
630
5.0
2
九州7県の税務署別最高路線価の上位10位
市アーケード周辺も上昇が目立っ
いることが要因になった模様。浜
割の886地点を熊本市が占めた。
上昇地点数は前年より449
地点増えて980地点に。うち9
マイナス5・4%だった。
下落は1051点(同699地点
ており、大型クルーズ船の寄港数
同市中心部で大規模再開発が計
落となった。
下落率は前年より0・
調査対象となったのは3369
地点。前年に引き続いて調査した
み取引が活発だった。
は韓国人観光客向けの開発が進
や県南では下落が続いており、二
町で上昇地点が増える一方、県北
な東区が全体をけん引した。
【大分】
大分駅ビルの開業効果で
駅周辺が9年ぶりに上昇
大分県内で最も高かったのはJ
R大分駅前の「中央通り」で、
年 連 続トップの1平 方㍍当たり
万円だった。
「中央通り」は昨年4月にJR
60
Zaikai Kyushu / SEP.2016
い1002地点(同675地点増)
、 転などのプロジェクトが進行して
減)だった。
増加による外国人観光客の購買
万円。各管内の
1㌽低下し、5年連続で縮小した
3351地点のうち、上昇したの
極化がより顕著になっている。た
た。九州全体でも3位だった。ま
活発な中央区、住宅需要が堅調
画され、マンション用地の取引が
【長崎】
下落率5年連続縮小も
人口減で下落傾向続く
平方㍍当たり
が、人口減少の影響で下落傾向は
は481地点で前年の684地点
だ、今回の調査には4月に発生し
最高路線価は下落したが、対馬で
再開 発が計 画されている長 崎
市のJR長崎駅周辺の上昇が目立
から減 少した。全体の半 数 近い
じた。熊本市中心部で計画が進む
た、菊陽町光の森3丁目の「県道
桜町の再開発事業や、
住吉熊本 線」は、同プラス1・0
た。下落率が最も大きかったのは
予定のJR熊本駅ビル建設などの
が追い風になった。
人吉市九日町の「九日町通り」で、
%となり、8年ぶりの上昇となっ
地域別では、同市とその周辺市
駅前再開発事業への期待の高まり
19
今後も続く見通しだ。
った。駅周辺では九州新幹線西九
た熊本地震の影響は織り込んでお
税 務署別の最高路線価のトッ
プは、 年連続で熊本市中央区
出てきそうだ。
らず、今後の地価動向への影響が
1622地点で下落した。
熊本市と周辺で上昇顕著
地震の影響に注視必要
州(長崎)ルート開業や県庁舎移
長崎県内の平均変動率は前年
比マイナス0・9%で 年連続の下
最高路線価は長崎市浜町の浜
市アーケードで、前年と同額の1
が押し上げたようだ。
57年トップを守る
「下通り」
に上昇(前年比プラス3・5%)し
㍍当たり119万円で、8年ぶり
手取本町の「下通り」に。1平方
57
年着工
24
24
JR大分駅ビルの開業効果が大きかった
「中央通り」
73
熊本県内の平均変動率は0・1
%上昇し、 年ぶりにプラスに転
【熊本】
外国人観光客増も地価上昇の一因
38
24
昇地点数は前年の4から に増え
した。地価が上昇した全国 都道
前年比1・7%増で2年連続増加
9年ぶりに上昇に転じた。県内9
連続で宮 崎市 橘 通西3の「橘 通
た。県 内の最 高 路 線 価は、
府県のうち、沖縄は4番目に高い
大分駅ビルが開業し、その効果で
年
税務署別の最高路線価の中で前
たが、県内3140地点のうち、
方、平均変動率は0・6%下落し
標準宅地2354地点のうち、
上昇は 、横ばいは1433、下
ら横ばいに転じた。
落は885だった。上昇と横ばい
の地点が増加し、下落は前年の半
数に減った。
県内6税務署管内の最高路線
価は、宮崎、都城、日南が横ばいで、
延岡、小林、高鍋は下落した。小
り」の 万円で、5年続けて同額
だった。
「鹿児島中央駅・東口電
車通り」が 万円でこれに続いた。
下げ幅が最も大きかったのは「出
水市昭和町・市役所前通り」のマ
イナス6・1%。人口減少や企業の
撤退による雇用減退が要因となっ
ている。
【沖縄】
全国4番目の高水準に
観光客と物流が下支え
県内の最高路線価は 年連続
で那覇市久茂地3丁目(国際通
14
万円(前年比5・0%増)
。変動
り)のみずほ銀行那覇 支店前で
15
も上昇している。
市豊崎や浦添市西洲などの地価
施設の需要の高まりから、豊見城
好調な観光客の増加が地価の
上昇を下支え。加えて物流拠点
が増加した。
価は那覇、北那覇、沖縄の3カ所
る。県 内6税 務署別の最高 路線
覇市中心部で上昇傾向が続いてい
率は4年連続で上昇しており、那
63
大分市中心部など103地点で上
昇した。 【宮崎】
宮崎市と延岡市で上昇
小林市は下落率大きく
た模様。
林市は中心部から郊外の商業施
宮崎県全体の平均は 年連続
下落。1・1%のマイナスだったが、 設に消費者が流れている影響が出
下落幅は前年より1・4㌽縮小し
て改善の傾向がみられた。最高路
線価も8年ぶりに下げ止まり、上
鹿児島市を中心に上昇
天文館、
中央駅が高水準
鹿児島県内の平均変動率は前
年比マイナス1・7%と 年連続
で下落したものの、下げ幅は1・7
㌽縮小した。
上昇 地点は前 年はゼロだった
が、今年は再開 発計 画がある鹿
児島市を中心に 地点あった。調
査地点3727地点のうち、横ば
い1808地点(前年870地点)
、
沖縄県内3182地点の標準宅
地の評価基準額の平均増減率は
観光客増が地価上昇を下支え
最高路線価は 年連続で「鹿
児島市東千石町・天文館電車通
水準だった。
鹿児島中央駅周辺の上昇が目立つ
り」の 万円。8年ぶりに下落か
地点)となった。
24
年を上回ったのはここだけだ。一
40
36
24
下落1903地点(前年2848
Zaikai Kyushu / SEP.2016
61
16
80
23
36
【鹿児島】
最高路線価も8年ぶりに下げ止まった
81
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