DSC 製剤原料の 純度測定 製剤原料は、通常99.9%以上の純度で使用されるため、純度検査が不可欠で す。検査はしばしばHPLCを用いて実施されますが、HPLC分析が適切ではない 場合、他のメソッドが必要とされます。 このような場合にDSC1示差走査熱量分 析装置が信頼性のある代役となります。 純度測定は、目的物質の融解挙動の ルが、密閉されたアルミ製サ 分析により実施されます。 このメソッ ンプルパン中で融解したこと ドは、融点降下のvan t Hoff 式に基づ がわかります。図1の下部は p- いています。 ヒドロキシ安息香酸の詳細な 解析を示しています。 製 剤 原 料 を ゆ っくりと 加 熱 す る と、DSC カーブが得られます。主要 カーブは、 line ベースラインタイプ な融解ピークのピーク形状分析は を使って10 ∼ 50% のピーク高さの STAR eソフトウェアによって半自動 間で解析されました。物質の純度は、 的に行われます。図1は、標準的な測 さらにHPLCでも測定されました。結 定の解析を示しています。純 p- ヒド 果は表1の通りです。 ロキシ安息香酸とさまざまなエステ 測定された物質は、高純度を示して います。DCSとHPLC の結果は、測定 精度の限度内で同一であるとみなす ことができます。 e STAR } www.mt.com/dsc 図 1: 4-ヒドロキシ安息香酸とそのブチル(2)、 プロピル(3)、エチル(4)、 メチル(5)エステルの純度測定 物質 1 融点 214.3 融解エンタルピー 244 DSCによる純度 HPLCによる純度 100 99.90 2 125.8 173 3 115.8 160 4 96.4 5 152 69.1 160 単位 °C J/g 99.89 99.88 99.65 99.76 mol% 99.96 99.94 99.87 99.98 wt% プロピル(3)、エチル(4)、 メチル(5)エステルの純度 表 1: (1)4-ヒドロキシ安息香酸とそのブチル(2)、 METTLER TOLEDO PharmaNews 7 7
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