DSC測定による凍結乾燥コイ筋原繊維の貯蔵安定性の

Japanese Sooiety
Japanese
Society for
for Cryobiology
Cryobiology
and
Cryotechnology
and
Cryoteohnology
(50 )
41 No .2 93 − 96 1995.
Cryotechnology
〕 Vo1 .
and
Cryobiology
低 温 生 物工 学会 誌 〔
DSC 測 定
,
,
,
,
よ る 凍 結 乾 燥 コ イ筋原 繊 維 の
貯 蔵 安 定 性 の 予 測
に
’
水 産 庁 中央水 産 研 究所 , 東 京 水 産 大 学 食 品 生 産 学 科
松 田 由 美子
大 熊 ちさ と
,
高 井 陸雄
*
,
鈴木
*
,
徹
*
Estimationfor Storage Stability
of
−
Freeze Dried Carp Myofibri置s by DSC M [ethod
Yumiko
銘 z加
*
Toru SUZUKI
and
舵 廰 ∫
ε
θ
that glass transitions
occur
years a possibility
*
,
*
dur{ng food processings has been
,
.And devitrificationsat high
’
,
Science
,〃 勿 空 勿 げ Agricatlture
,
Foresti3 and 跳 勉 露磯 Kantzzawa 一
肋 ,Yokohama
236 .
一
Tokyo Universily
q プ F 乞ぬ師 亀 Minato 肋 ,Tokyo ヱ08
realized
’
In recent
,ChisatoOHKUMA
MATSUDA
’ 1〜esear ‘h Instituteげ 恥
嬲
Rikuo TAKAI
temperature
region
were
observed
during a process of
On the other hand ,
studies of fish
meat
temperature of foods presented in glassy state .
ascending
activities have been carried out with AIaska pollack ,
powder having gel forming and biological
ca 叩
and
.The
sardin
gel forming ability of
the powder
was
using
these myofibrils
preservability
of was
made
deterrnined by using
by adding
obtained
lyophilization
.These fish血 eat powder
inglassy state .In the present paper ,
therefore ,
the relationship
sugars
and
of
might be presented
betweenglass transitionand food
the differentia1
scanning
like
stabilizers
myofibrils
calorimetry
DSC ),
(
freeze−dried
with sucrose ,
raffinose ,
dextrin
sorbitol ,
ovalbumin
etc .
,
,
of each sort which
is
known as a material
effected on transition
into
Carp myofibrils
were
as a representative
,and
vitrification
As the results
of
intopowder ,and then inducedto DSC
ground
around
ガ ラス
hand endo
thermic
heat peaks of DSC
研 究が 活 発 に 行 わ れ て
言
to denaturations
(
DSC >に よ る
っ
こ
れ ま で ,ゲ
ル
1〕
.ガ
る
い
て 研 究 を行
パ
っ
活性
,
と
ラ ス 状 態は 保存性 と
2)
.
る
い
形 成 能 の あ る鮮 肉性 魚粉 の 製 造 な ら
て きた が
,こ
.
3)
コ
イ
,
4)
マ
5
イ ワ シ )に
れ ら鮮 肉 性 魚 粉 は 糖 等
ク安 定 剤 を添 加 後凍 結 乾燥 す る こ と に よ っ て
得 ら れ る.鮮 肉性 魚粉
DSC pattem ,Glass transition,Lyo−
パ
Sugars,
Denaturation ;DSC
philized myofibrils ,
タ ーン
ガ ラ ス 転 移 ,凍 結 乾 燥 筋 原 繊 維 糖 類 ,変 性 〕
い
び に 貯 蔵 に 関 し て ス ケ トウ ダ ラ
第 41 回低 温 生 物 工 学会 研 究 報告 2 .
,
patterns
深 い 関 わ りが あ る と考 え られ て
転移が 起 こ る可 能性が 認め られ ,
the DSC
seemed
の タン
:
found on
at 110℃ .
化 が観 察 され る な ど, 示 差走査 熱 量 計
words
.
study
not
ガ ラ ス 状 態 の 食 品 で は 昇 温 過程 で 高 温 域 で の 脱 ガ ラ ス
Key
〔
緒
近年 食品 で
to devitrification
was
these powders .
On the other
observed
transition seemed
any
were
関連 し て
の ゲル
,こ の
お り
形 成能 は 筋 原 繊 維 の 生 物
よ うな 活 性 を持 つ 鮮 肉 性 魚
.従
て ,こ こ で
粉 は ガ ラ ス 状 態 に あ る と考 え ら れ る
6>
は 高温域 で
貯 蔵安定性 との 関
の
脱ガ
ラス
化 を観 察 し
,
っ
93
一
NNII-Electronic
工 工 Eleotronio
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for Cryobiology
Cryobiology
and
Cryotechnology
and
Cryoteohnology
(51 >
係 を 調 べ る こ と を 目的 に して 基 礎 的実 験 を試 み た .
実 験 方 法
材料
活
コ
イか ら 筋 原 繊 維 を 抽 出 し,二 糖 類 の
ク
ラフ
ィ
ン
,甘
糖ア
ル
ル
ブ ミ ン な ど ガ ラ ス 化 に 影 響 を 与 え る と知 ら れ る 物 質
ロ
味
少 な
の
い
ノ ース ,多糖 類 の デ キ ス
コ ール の ソ ル ビ トール
ス
ース ,三 糖 類 の
,
トリ
卵 ア
を 添 加 後 ,凍 結 乾 燥 し ゼ粉 末 と し た .無 添 加 の 筋 原 繊
い 対照 と した.
ー
RH )40 %に 調 整 し
貯 蔵 塩 類 の ス ラ リ で 相 対 湿 度 (
ー
ー
た デシ ケ
タ
中 に 粉 末 試 料 を 入 れ ,温 度 35 ℃ で 2 週
た
間貯 蔵 し 試 料 を作 成 し,貯 蔵 試 料 と した .
維 につ
DSC
ル
測 定 貯 蔵 前 と貯 蔵 後
上 記 の 試 料 を耐 圧 型 ア
の
島津 DSC50
ミ セ ル に 密 封 し,
DSC
囲
て も同様に行
い
測定 を 行 っ た .加 熱 速 度
:室
を用
:
い
,
高温 域
で の
5.
0℃ /min ,温 度 範
〜200 ℃ .
温
の
を急 速 に 冷 却 し,再 度 昇 温 す る こ と を 繰 り返 し て い
る
.こ れ
状
態に ある
パ
ーン 2 , 3 に
タ
も脱 ガ ラ ス 化 を 示 す 転 移 点 は 明 確 に
は
認 め られ なか
た
ずれ
い
1及び 2
Fig .
DSC
タ ーン
パ
転移 点
7
)
は
料 の DSC
に
Dsc
昇 温 カ
乾燥試料
ス
を示 す.い ず れ
の
っ
た.
Fig.
3は
ターン を示 し て
い
ス
クロ
ース
添加 試
る が ,一度昇 温 し た も
試料
っ
作 を行
っ
た が,
.
DSC
の
と
パ
タ ーン で も脱 ガ ラ ス 化 を示
同様 な 手順 で 調 整 した 筋 原 繊 維 の
ー
ト ル
な らび に ソ ル ビ
燥処
を添 加 し た 試 料
クロ
,b ) DSC 測 定 時
た . c )次 に 述 べ
ま れ た ,等 が 考 え ら れ る た
と,ガ ラ ス 状 態 を 保 持 で き な か
の
の
ー
’
Tg が 乾
ス
理 温 度 よ り か な り低 い 点 に あ っ た こ と を 考 え る
操作条件
るタン
パ
が
最適化
されて い
ク 変性 点 に 組 み 込
め 更 に検 討 した
い
っ
なか
た
っ
.
2 に 示 し た 多 く の DSC パ タ ーン に は
110℃ 近 辺 に 吸 熱 ピ ー ク が 認 め ら れ た .Fig .
3による
と
タ ーン 1 で 認 め ら れ た 吸 熱 ピ ー クは
タ ーン 2
1及
Fig.
び
パ
3で
及び
に お い て も 脱 ガ ラ ス 化 を 示 す典 型 的 な
見出せ なか
パ
ーブ
の
と 考 え られ る た め に こ の 操
す転 移 点 が 観 察 さ れ な か っ た 原 因 と して は,a )凍結
,
結 果 及 び 考 察
は 脱 ガ ラ ス 化 状 態か ら 急冷 し た もの は ガ ラ ス
パ
は 認 め ら れ ず ,こ れ は タ ン
パ
ク 変 性 点 と思 わ
ピ ー変 化 △ H
.こ の 熱 変 性 に 要 す る ン タ ル
を求
め た .△ H を求 め る た め の 線 引 き は 人 為 的 誤 差 が 入 る
た .対 照 と比 較 す る と
が ,大 凡 Table 1 の よ うに な
れ た
エ
っ
い
ずれ の
△
H
も高 い 値 を示 した .た だ しデ キ ス ト リ ン
DSC
DsG
酬
12.
0
10.
0
100
↓
081dnE
End.
6.
O
5.
0
4,
0
50.
OD
100,
00 150,
00
申
Temp[O]
Fig .1.
DSC heating curves
2eo.
OO
lyophilized carp
of 5D,
OO
myofibrils
containing
100,
00 . 150.
oe
Te¶P [C]
200,
0G
different additives .
一 94 一
一
NNII-Electronic
工 工 Eleotronio
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for Cryobiology
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Cryoteohnology
(52 )
DSC
Dsc
le.
10、
1
↓
.
End、
5
dnE
5.
0,
50.
00
100.
OO °
150
.
00
200、
OO
50.
00
丁■ P [C]
Fig.2.
DSC heating
curves
of lyophllized
carp myofibrils
containing
at relative
humidityof 40% and tenlperature of 35℃ ,
weeks
H
添 加 試 料 で は 読 み と れ な い もの も あ っ た .△
が
もの
タン
で
相 対 湿 度 40% ,温 度 35℃
な い もの と に つ
こ ろ
く
か
,
クロ
つ
ス
の
後 で ATPase
い
て△
H
mW2
.0
で
い
る と考
え られ
る
.
2 週 間 貯 蔵 し た もの
とし
を比 較 し た と こ ろ ,△ H は 貯
試料 に
ース
つ
い
ATPase
て
活 性 を調
1.
5
た と
べ
↓
と ラ フ ィ ノ ース 添 加 試 料 で は 貯 蔵 前
dnE
活 性 は 変 わ ら ず ,い ず れ も高 い 値 を示 し
た . し か し,対 照 と デ キ
ス
トリン 添 加試 料 で は,
ATPase 活 性 は 初 め 高 か た が 貯 蔵 中 に 激 減 し た .
△ H と ATPase 活性 と の 関係 を調 べ る こ と を試 み
た が ,対 照 の △ H は
ず れ も小 さ く,デ キ ス ト リ 単
1.
O
っ
い
独 添加 試 料 で は △
ATPase
こ の
for 2
after storing DSC
高い
蔵 の 前 後 で 変 化 しな い か , あ るい は貯 蔵 後 に減 少 した.
い
additives
different
200.
oe
あ り,上 記 の 結 果 か ら す る と糖 等 の 添 加 は ,
ク 質 の 安 定 性 を助 け て
パ
日
Temp
匚O]
値 を 示 す こ と は ,試 料 グ未 変 性 で あ っ た こ と を 意 味 す
る
100.
00 150,
00
H
ン
は
読み
とれ な
い
な ど
,△ H
活性 と の 関連 は 明 瞭 に は 認 め ら れ なか
点 に 関 して は 更 に 検 討 し た
い
.
っ
と
た
.
0
.
5
50 .
00 100 .
00 150 .
00
°
Temp [ C ]
200
.
OO
Fig.3.
DSC heating
curves
myofibrils
ond
and
of lyophilized
carp
5 % sucrose .1.
First
2
Sec−
,.
3 .
Third ,
heating scan
Qf the same
sample
.
containing
一 95 一
一
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(53 )
Table 1.
Changes in
enthalpy
(△
H )by heat denaturation
of lyophilized
carp
myofibrils
different
containing
additives
1.
Before storage
Additives
Water Protein
Sample
Wefght
sample
mg )
(
)
(
〉
(
)
% %
9 /
gof
(
Contro工
SucroseRaffinose
0
6.
5
Total△ H
H △ H
protein)
△
(J )
(
J/9 ) (J/gof
Albumin
O.
8760
.
6180
.
6180
.
6180
.
6180
.
809
6.
18
.
78
.
58
.
67
.
38
.
0
27 .
118
.
6
Sorbito1& Sucrose 2.
5十 2 .
5
Sorbitol& Dexitrin 5 十 1
Sorbitol& Albumin 5 十 1
Sucrose& Dexitrin 5 十 1
Sorbitol& Albumin 5 十 工
0.
6180
.
5840
.
5840
.
5840
.
584
8.
210
4
37 .
4.
56
7.
38
33.
239
.
536
.
9
33Q9
015
2
ρ
0
匚
5.
175
.
416
.
08
匚
」
「
0
DextrinSorbitol
匚
」
51
2.After storing for 2 weeks
at relative
humidity of 40 %
Albumin
0.
8480
.
5980
.
5980
.
5980
.
5980
.
783
Sorbitol& Sucrose 2 .
5十 2.
5
Sorbitol& Dexitrin 5十 1
Sorbitol& Albumin 5十 1
Sucrose& Dexitrin 5 十 1
Sucrose& Albumin 5 十 1
0.
5980
.
5650
.
5650
,
5650
。
565
DextrinSQrbitol
文
,
二
”
alld
4
1。
095
.
154
.
38
1.
248
.
337
.
09
137332 6 .
002
.
88
」
temperatureof 35℃
218
5.
.
915
,
0
匚
」
ρ
05Q58153
1.
152
1.
364
.
902
.
59
.
854
.
33
ゾ
OO7
Q4G 9
32 .
516
.
6
3,
822
.
27
だ
Q2
80DO9
43.
4
4.
38
7.
32
23.
418
.
624
,
9
2.
791
.
682
.
15
4.
942
.
973
.
81
り
」 0416
811
11
3 )松 田
献
“
1 )Slade,
L .and H .
Levine:In Advances in Food
”
Research ,J.E .Kinsella,
ed ,
and Nutritional
,
Acadeniic
Press
San
Diego
1994
in
(
)
, press .
“
−
L ,
and H .
Levine In
FOod Structure
2 )Slade,
−
Evaluation
.
M
.
V
.
Blan
ItsCreationand
,J
and J.R .Mitchell
shand
,eds .
,Butterworths
,
p .
115 (
1988).
London ,
.
211
.
012
.
510
.
4
ControlSucroseRaffinose
0555519 .
5
6,
644
.
837
.
2
: 日水 誌
35,1110(
1969)
.
4 ) 松 田 : 日水 誌 ,45,737 (
1979).
Y .
Kozakai and K ,
Kakuda
5 ) Matsuda Y .
: Jn
“
Proceedings
the
XVIIIth
International
of
” VQI .
of Refrigeration ,
IV,
IIR,
Paris
,
Congress
.
1701
1991
.
(
>
p
6 ) Suzuki,
T .
and F .
Franks : J.
Chem .
Soc.
Faraday Trans,
,89,3283(1993).
7 ) 鈴 木 ,小 野 ,高 井 : 日 水 誌 ,61,389 (
1995).
、
,
,
,
一 96 一
一
NNII-Electronic
工 工 Eleotronio
Library Service
Library