第42号 - 安全振興会

PTA等共済法だより
第42号
2016/7/31発行
(毎月末発行)
文部科学省生涯学習政策局
社会教育課PTA等共済室
(編集:吉谷 正)
■法人設立を完了し、共済事業認可申請へ~三重県PTA安全互助会の事例~
平成28年7月20日、三重県PTA安全互助会の臨時総会及び一般社団法人三重県PTA安全互助
会の設立総会が行われ、役員等の選任の他、法人化・共済事業認可に関する準備委員会(沼口義昭
委員長)(以下、「準備委員会」という。)でこれまで5回にわたって検討してきた共済規程や事
業計画・収支予算が承認されました。現在は、認可申請に向けて必要な書類の準備をしているとこ
ろです。これまで中心となって準備を進めてきた沼口委員長にお話しをお聞きしました。
①法人化や共済事業認可へ向うことになった背景を教えて下さい。
県レベルで、世の中の変化に対処できる、堅固で開かれた組織、将来に渡って持続可能な事業体に
準備委員会での討議の様子
なることがPTAの急務だと感じています。今は少子化や貧困などが問題視されていますが、子ど
もたちの安心安全に寄与できると確信しています。
②実際に、共済規程を策定する過程を振り返り、いかがでしたか。率直な感想をお願いします。
文科省で作成した「モデル共済規程」がありましたので、大変役立ちました。また茨城や岩手など他県の例もおおいに参考とさ
せていただきました。当会のこれまでの事業内容を踏まえつつ、仔細な事柄から組織のあり方まで事務局や先輩方や現役のPTA
役員さんらで議論をして、理想の共済規程にしようと意気込みました。一つ一つの事柄が子どもたちやPTA会員さんたちのセイ
フティネットとなりえているか、すべて再点検し決めていきました。
③事業開始に向けての意気込み、そしてこれから認可申請へ向かう団体に一言お願いいたします。
たくさんの皆さんに助けられ支えられてきました。制度の周知徹底を行い、また安全教育についてもしっかり計画し準備をして
いきます。今までもしっかり共済事業をしてきたPTAですが、これからも子どもたちやPTA会員さんたちの安全かつ安心して
活動できる団体で有り続けることは非常に重要だと思います。共済事業によってPTAの活動を広げる可能性もあります。様々な
メリットを現在と将来の子どもたちやPTA会員さんが享受できるよう、皆さん是非検討してみてはいかがでしょうか。
■共済法基礎講座(第4回)
New!
第4回は、前回の公益法人の制度の続きのお話です。一般社団法人や一般財団法人等の新公益法人制度は、「一般社団法人及び一般
財団法人に関する法律(以下、「一般法人法」という。)」の法人運営に関する規定に基づき、運営することとなっています。
法人の1年間の行事予定
PTA等共済法に基づく共済事業の認可を受け事業を
評議員会
実施する団体の年間行事予定のイメージは左図参照。
理事会・社員総会/評議員会
法人としての理事会は四半期に一度、評議員会(社団の
場合は、社員総会)が定時評議員会が年1回、必要に応じ
て臨時評議員会を開催しています。評議員会や社員総会
は、法人の最高議決機関です。ここでは、事業報告や決算
報告の他、次年度の役員の選任、事業計画や収支予算等重
要な事項が決定されます。各団体においては、重要な事項
繁忙期
を決める会議として、最も重要視し、注意深く対応してい
るものと思います。
これらの理事会や評議員会/社員総会は、一般法人法、定款や内部規程に従い運営されるべきものになります。新公益法人制度では、
理事や評議員は本人の出席が必要になる等、これまでと違う対応が必要な場合もあります。
実施事業とその他事業
ところで、旧公益法人から新公益法人に移行した法人では、法人移行の過程又は公益目的支出計
画を定める過程において、見舞金給付事業を「実施事業」とした団体と、「その他事業」とした団体があります。「実施事業」に分類した
場合は、公益のために行う事業として公益目的支出計画を実施していくため、それまでに蓄積された正味財産を減らしていく(事業
としては、赤字としていく)必要があります。一方で、共済事業は毎年一定規模の掛金収入もあり、また「収支相等の原則」があるので、
正味財産を減らしづらいという判断から「その他事業」に分類している団体が多いように思います。
共済規程の変更等については、この年1回開催される評議員会/社員総会の決議が必要となりま
共済規程の変更
す。(法第6条第4項)行政庁では、変更承認における審査に標準処理期間を定めている場合もありますので、適用開始日やこれらの日
程を十分に確認しながらすすめる必要があります。行政庁と相談しながらすすめるのが良いかと思います。
・今年度に役員向け研修会やコンプライアンス研修会等を予定している団体で講師派遣が必要な場合は、日程調整
が必要になる場合がありますので、お早目に御相談下さい。
・教育委員会において、立入検査等の事前相談、同行等のサポートが必要な場合もお早目に御相談下さい。
・認可申請に向けた御相談も随時受け付けております。認可までのスケジュールを決め計画的に進めていく必要があります。
■ おしらせ
認可後の運営や共済事業の見直し、指導や監督等について御相談がありましたら、お気軽にPTA等共済室まで御連絡ください。
認可申請についての御相談もお待ちしております。一緒に解決していきましょう。
<次号の発行予定:8月31日>
■ 隣の芝生は青い~事務局長・職員に聞いてみた~ New!
一般社団法人岩手県PTA連合会
~
樋下事務局長に聞きました!
共済事業で重要なことは何だと感じて
いますか。
事務局長の役割又は組織運営上配慮していることはあり
ますか。
学校職員や保護者に対する思いやり
と仕事に対する誠実さだと感じていま
す。
役割としては、様々な事例の中で困難となった事例の
対処と組織の円滑な運営ができるよう見守っています。
あとは働きやすい職場づくりを目指しているつもりです。
事業開始から5年目となりました。共済事業に携わってみていかがですか。
事務局の様子
共済事業担当者の緻密さや正確さはもとより、学校職員や保護者に対する対応の丁寧さが感じら
れ、事務局長として支えられた1年間(樋下事務局長は、今年で2年目)だったように思います。
貴会の課題等がありましたら、教えて下さい。
本連合会の事業は、法人事業と共済事業の2つの事業で運営し、法人化されている。そのため2つの事業を一つにした法人会計
のあり方などが自分自身の課題となっています。
~ 飯田理事長と山田事務局長に聞きました!
一般社団法人札幌市PTA共済会
札幌の共済事業は4年目となり前身の安全互助会から見ると長い経験となっています。
共済事業は地域性もあると考えますが、札幌では子供達の安全、健康を皆で見守り、支え合うという基本理念を骨格として共済に
具体化していこうと考えています。
当会の特長、心がけていることでは共済金は高額でなくとも出来るだけきめ細かく対応し、規定の範囲内で迅速に支払いをして
いきたいという姿勢でおります。また、共済金という形は事後の対応ですが、予防・安全啓発ということに、これからさらに力を
入れていきたいと考えております。役員,職員一同、知恵を振り絞っているところです。今後とも皆様と交流を持ち、知恵をお借
りしたいと思いますので宜しくお願いいたします。(飯田 宣充 理事長)
・さまざまなケガが報告される中で、子どもが痛い思いをしていると思うと、出来るだけ共済金を給
付してあげられるように考えています。
しかし、ごくごく一部、ケガというよりも明らかに疲労回復等で通院しているのではないかと思われ
る実態もあり、給付の判断に苦慮しています。
・学校管理下のケガはスポーツ振興センター、学校管理下外は共済会というように、24時間、子ど
ものケガに対応できるようにしています。
(山田 貢嗣 事務長)
審査会前の理事会の様子
PTA等共済室
□7月 4日(月)神奈川県PTA協議会安全互助会役員向け研修会(吉谷)
□7月 4日(月)全国高等学校等安全互助会連絡協議会(吉谷)
□7月 5日(火)~6日(水)三重県PTA安全互助会法人化・共済事業認可に関する準備委員会(吉谷)
□7月20日(水)三重県PTA安全互助会総会・一般社団法人三重県PTA安全互助会設立総会(吉谷)
□7月22日(金)~23日(土)日本PTA全国研究大会うずしお大会(徳島県)下見・打合せ等(吉谷)
□7月26日(火)神奈川県PTA協議会安全互助会役員向け研修会・臨時総会(吉谷)
神奈川県PTA協議会
安全互助会研修会
■FAQ
Q:私は、昨年から共済事業に従事しています。前任者から引き継いだ資料を見ると「特例民法法人」とか「特定保
険業(者)」等という言葉が出てきます。あまり聞いたことがない言葉ですが、一体、何のことを言っているのでしょうか。
A:特例民法法人とは、特例社団法人と特例財団法人の総称のことです。特例民法法人は、「一般社団法人及び一般財団法人に関
する法律及び公益社団法人及び公益財団法人の認定等に関する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」(公益法人三法
の一つ。以下、「整備法」という。)を根拠とした法人の一種で、新しい公益法人制度において、民法から新しい法律に移管する
際の経過措置として、整備法の中で規定された特例社団法人と特例財団法人の総称です。旧公益法人制度でいう「社団法人」と
「財団法人」のことです。現在は、法の施行によって、「一般社団法人/財団法人」「公益社団法人/財団法人」となっています。
平成17年保険業法改正の際に、現に行っていた無認可共済(根拠法のない共済事業)を「特定保険業」といい、事業を行ってい
た者を「特定保険業者」といいました。特定保険業を行う団体には、法人格を持たない任意団体も多く、改正保険業法が施行され
る日までの2年間、経過措置として、財務局へ届け出した上で、この特定保険業を継続して行うことが認められました。
■ 編集後記 子どもと一緒に過ごす時間・時期はあっという間に過ぎていくものです。都内の学校では、夏休みに入りましたが、
今振り返ると、子どもと一緒に出掛けるのは、小さいうちだけでした。小学校でも高学年位からは、サッカー部、夏季講習と、ほぼ
休みがない位に家にいませんでした。小さい頃は、時々オートキャンプに連れて行ったものです。密かな大人の愉しみで、ランタン、
コンロ、たき火の台、その他調理器具収集にまっていた時期もあります。キャンプサイトでキッチンを作るのが楽しかったです。で
も、今やそれらはタンスの肥やし・・・にもならない非常用設備になっています。非常時でも1~2週間過ごせそうです。昨年度から、
共済室にとっては、夏はPTAの全国大会の時期であるため、夏休みもそれが終わってからということになっています。少し涼しく
なってから、自分のために使おうと計画しています。ひとりでキャンプはできませんが、ゆっくりと露天風呂に浸かることはしたい
です。9月以降の研修会の依頼は、お早目にご連絡いただければと思います。
(PTA等共済室:わざわざ遠くに行かなくても近くに温泉施設ができたので露天風呂に手軽に入ることができる吉谷)