平成 28 年度病害虫発生予察 注意報 第 2 号 平成 28 年 8 月 1 日 大分県農林水産研究指導センター 農業研究部 対 象 作 物:夏秋トマト 対象病害虫:すすかび病 1 対象地域 県内全域 2 発生面積 多い 3 発 多い 4 発表の根拠 生 量 (1)本年度のすすかび病は、5 月の多雨傾向により平年より早く初発生が認められ、また 6 月 4 日の梅雨入り以降は降水量が平年より多く経過したことなどから発生が増加した。 そのため 6 月 30 日付で「病害調防除技術情報第 2 号(梅雨期における農作物の各種病 害虫対策について)」を発表して注意喚起を行ってきたが、病害虫対策チームが 7 月中 下旬に行った巡回調査の結果、平均発病葉率、発生圃場率とも本病の集計を始めた平成 21 年度以降で最も多い発生が認められている(図)。 (2)本病は感染してから発病するまでの潜伏期間が 2 週間程度と長く、未発生圃場でもすで に感染が成立している可能性が十分考えられる。また、すでに発生が認められている圃 場では感染が広がっているおそれがある。 (3)トマトの生育が進み、下葉がマルチと接して薬液がかかりにくくなったり、葉が混み合 って通気性が悪くなるステージを迎えていることに加え、農薬散布に費やす時間が取り にくくなる時期でもあり、発生の増加が懸念される。 (4)本病は多湿条件で発生が助長されるが、気象予報によれば降水確率は平年並の確率が 40 %と予想されている。 すすかび病 100 80 発生圃場率 前年 15 発 病 葉 率 60 発病葉率 本年 10 % 発病葉率 平年 発病葉率 前年 40 20 5 0 0 5月 6月 7月 8月 9月 調査月 図 病害虫発生予察巡回調査におけるトマトすすかび病の発生推移 ( ) % 20 発生圃場率 本年 発生圃場率 平年 ( ) 発 生 圃 場 率 25 5 防除対策 (1)本病は多湿条件で発生しやすくなるので、圃場の換気を良くして過湿防止に努める。 (2)適切な肥培管理で植物体が過繁茂にならないようにする。また、適度な整枝や葉かきを 行い、通気をよくするとともに殺菌剤がかかりやすくなるようにする。 (3)発病葉は伝染源となるので、発生初期であれば見つけ次第ハウス外に持ち出し、土中に 埋める等の処分を行う。 (4) EBI 系(DMI 剤)及びストロビルリン系(メトキシアクリレート)、ベンズイミダゾー ル系の薬剤は、薬剤感受性が低下するおそれがあるため、他系統薬剤とのローテーショ ン(輪番)使用を行う。 (5)夏秋トマトではオンシツコナジラミの多発生にも注意が必要なので、本病に対する殺菌 剤を散布する際には混用しても問題の無い殺虫剤でコナジラミ類も防除すると効率的で ある。 (6)薬剤によっては高温時に薬害を生じやすいものがあるため、散布時刻や天候、使用する 展着剤の種類等に十分注意した上で散布を行う。 (7)防除薬剤は、大分県農林水産研究指導センター農業研究部病害虫対策チームのホームペ ージ内にある「大分県主要農作物病害虫及び雑草防除指導指針」を参照し、農薬使用基 準(使用時期、使用回数等)を遵守する。なお、薬剤によっては、指針の更新日以降に 登録内容が変更されている場合があるため、薬剤のラベルに従って使用すること。 ホームページアドレス http://www.jppn.ne.jp/oita/ 病害虫対策チームホームページ
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