「貧困の子 自治体が見守る」朝刊27面

朝日新聞2016年5月14日朝刊
貧困の子 自治体が見守る
生活困窮者自立支援法が施行されて1年。子どもの将来が生まれた環境で左右され
ないよう、県内の自治体でも「子どもの貧困」対策への取り組みが広がりつつある。
無料で勉強を教えるなどの学習支援に加え、子どもたちをどう見守るか、にも知恵を
絞る。
名鉄三河高浜駅前にある高浜市いきいき広場の一室。10人ほどの子どもたちが机
を囲み、今年度の目標を熱心に考えていた。「苦手な教科を克服する」。そう紙に書
く子もいる。
◆大学生らが先生
市が取り組む学習支援事業「ステップ」。生活保護や就学援助を受給している生活
困窮世帯の中学生や高校生らが対象で、毎週土曜日(夏休みは週3回)に、5~7人
のボランティアの大学生らが無料で勉強を教えている。
昨年7月に中学生を対象に開校。市から委託を受けた教育関係のNPO法人「アス
クネット」(名古屋市)が運営する。昨年度は毎回平均16人の生徒が参加。今春か
らは事業を拡大し、高校生や高校中退者、不登校の生徒らにまで門戸を広げた。
内容は学習支援だけにとどまらない。生徒が社会に出ていくための力を身につけら
れるよう、さまざまな体験学習を用意しているのも特徴だ。これまで絵本作家による
ワークショップや3Dプリンター体験、留学生との交流などが開催された。
「数学が苦手で、これまで分からなかったところは飛ばしていたけど、大学生に教
えてもらってわかるようになった」と中2の女子生徒(13)は笑顔を見せた。「自
分たちで考えて実行したハロウィーンやクリスマス会がいい思い出です」
◆ランチ1食100円
1食100円で昼食も提供している。食育
ボランティアなど地域の16団体が協力し、
寄付された食材などを使って栄養バランスに
配慮した食事を作り、子どもたちと一緒に食
べている。
市地域福祉グループの安蒜丈範主幹は「子
どもたちには支えてくれる大人がいることを、
地域の人には困窮した子どもたちが地域にい
ることを知ってもらえたら」と話す。
◆今年度は19市で
(略)
(中野龍三、森山敏男、百合草健二)