日本犯罪心理学会 第 54 回 大 会 プ ロ グ ラ ム 2016 年 9 月 3・ 4 日 東洋大学 ごあいさつ 犯罪は、刻々と動いている社会事象のネガティブな表出先であり、社会を紐解く有力 な指標と考えられます。一方、人間の行動や心理の研究においては、背景理論にも結び つく基本的な挙動や傾向を、明確に示す変数であるとも言えるでしょう。 しかしながら、これまで日本では、より限定的なエリア内にて研究がなされ、それら の成果を社会全体に提供するということが、あまりなされていませんでした。また、他 の心理学領域との連携やアプローチも、積極的に行われているとは言い難いように思わ れます。 そこで我々準備委員は、 「これからの犯罪心理学を考える」をメイン・テーマとし、昨 今の犯罪心理学を取り巻く諸事情を鑑み、2つのシンポジウムと4つのワークショップ を企画いたしました。 まず、岡本吉生会長に犯罪心理学における社会貢献などについてご講演をお願いいた しました。お二人の若手研究者、永房典之先生と山本麻奈先生とのやりとりを通じて、 緩やかな変化のきっかけを模索するシンポジウムを企画したところです。次に、 「東洋大 学 21 世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センター(HIRC21) 」のご協力を 得て、New York から社会心理学者である Emanuele Castano 氏をお招きし、反社会的行 動などをお話しいただきます。このシンポジウムでは、国内外の社会心理学会、犯罪心 理学会にてご活躍著しい尾崎由佳先生と原田隆之先生に、Castano 氏の基調講演を踏ま えた話題提供もお願いしています。 また、企画側とフロアーとのディスカッションが深まることを期待し、これまでの「ミ ニ・シンポジウム」を「ワークショップ」の名称に変更したところです。準備委員会の 委員でもある各企画者が、女性犯罪、面接者の無力感、大学研究者の独自性など昨今の 重要なテーマを取り上げ企画しました。これらシンポジウムなどの企画は、我々が構築 すべきこれからの犯罪心理学の在り方に関し、多くの示唆を与えてくれるものと考えて います。 なお、本学会において初の試みとして、犯罪心理学研究で使用される多変量解析など の統計分析デモンストレーションを実施予定です。ぜひ、ご活用ください。 以上、我々大会準備委員は、本大会にご参加していただくみなさまに、新たな情報と 経験を得ていただき、なによりも研究を通じて旧交を温めていただけるよう、大会の準 備を続けて参りました。日本のこれからの犯罪心理学が、益々盛り上がるきっかけとな れば幸いです。有意義な 2 日間をお過ごしいただけるよう願っております。 第 54 回大会準備委員長 —2— 桐生正幸 ◆ 会場へのアクセス ◆ ・都営地下鉄三田線「白山」駅 ・JR 山手線「巣鴨」駅 A3 出口から「正門」徒歩 5 分 ・都営地下鉄三田線「千石」駅 南口から「正門」徒歩 20 分 ・東京メトロ南北線「本駒込」駅 A1 出口から「正門」徒歩 7 分 1 番出口から「正門」徒歩 5 分 正門 正門 —3— 5 号館 2 階 ・口頭発表:事例1、2 5208 5202 販売・展示 受付 5204 5209 5201 大会本部 ・口頭発表1、4 5203 ・ワークショップ1 クローク 5 号館 3 階 ・ポスター発表1、2 5306 5309 デモンストレーション 5303 休憩室1 5310 5302 ・口頭発表2、5 ・ワークショップ2 —4— 5 号館 4 階 テラスに喫煙所が ございます。 ・口頭発表3 ・ワークショップ3 5403 休憩室 2 5404 研究委員会 5401 編集委員会 5 号館地下1階 ・ワークショップ4 5B12 1 号館 1 階 大会企画シンポジウム 大会企画公開シンポジウム 学会総会 1102 —5— 大会スケジュール —6— 大会参加者へのご案内 1.大会受付 大会両日ともに 8 時 30 分より 5 号館 2 階 5202 教室にて受付を行います。 2.大会諸費用 大会参加費 懇親会費 正会員(一般)・臨時会員(一般) 7,000 円 正会員(学生)・臨時会員(学生) 3,000 円 *受付に学生証提示のこと 会員種別問わず 4,500 円 *参加証・領収書は、会員区分に関わらず、大会当日に受付にてお渡しします。 *名誉会員の大会参加費・懇親会費は、無料です。 *大会企画公開シンポジウムにのみご参加の方は無料です。 *臨時会員の方は、口頭発表(事例)に参加できません。 3.クローク 5 号館 2 階 5201 教室にて、お荷物をお預かりいたします。お預かり時間は、第 1 日目は 8時30分~18 時45分まで、第 2 日目は8時30分~16 時 15 分までとなっております。 貴重品は必ずご自身でお持ちください。 4.参加証 会場内では、必ず、参加証(ネームプレート)をお付けください。 5.発表会場など ポスター、口頭発表、ワークショップの各会場は 5 号館の各教室となります。 また、各種シンポジウムは 1 号館 1 階の 1102 教室です。 6.打合せ、休憩、販売・展示コーナーなど ワークショップ、一般発表の打合せ、ご休憩には 5 号館 3 階 5309 教室、5 号館 4 階 5403 教室をご利用ください。販売・展示コーナーは 5 号館 2 階の 5204 教室です。 また、犯罪心理学研究の多様な統計分析に関するデモンストレーション(SAS Institute Japan 株式会社)を、ポスター会場にて実施いたします。日ごろの調査や研究における、統 計に関する疑問やアイディアなど、お気軽にご相談ください。 —7— 7.昼食、喫煙所 大学近隣のコンビニエンスストア、飲食店等をご利用ください。お弁当などご持参の方は、 休憩室をご利用ください。喫煙は、キャンパス内の喫煙指定個所をご利用ください。 8.総会 第1日目の 12 時 30 分から 13 時 30 分まで 1 号館 1 階 1102 教室にて開催いたします。 9.懇親会 第 1 日目の 18 時 50 分より 2 号館 16 階スカイホールにて開催いたします。事前にお申込 みをされていない方は、大会受付にて 4,500 円をお支払いください。みなさまのご参加をお 待ちしております。 10.大会本部 大会本部は 5 号館 2 階 5203 教室にございます。緊急のご連絡の際には、本部にお越しい ただくか、お近くのスタッフにお声掛けください。 また、大会本部では資料の印刷・複写などは受け付けておりません。必要な方はあらかじめ ご用意ください。 11.発表原稿の提出、大会抄録集 発表抄録原稿は、2016 年 8 月 19 日(金)必着で、「日本犯罪心理学会第 54 回大会抄録 受付係」宛てに原則として PDF ファイルをメールに添付して提出してください。ただし、こ の提出方法が困難な場合は事務局にご相談ください。 ※大会会場での提出は受け付けませんのでご了承ください。 ※期限までに抄録原稿の提出がない場合は、正式な学会発表とは認められません。 ※抄録原稿作成要領に従って原稿を作成してください。作成要領は、学会ホームページ上に掲 載するほか、発表申込締切後に別途メール添付でご送付いたします。 抄録原稿提出・問い合わせ先 日本犯罪心理学会第 54 回大会抄録原稿受付係 〒169-0075 東京都新宿区高田馬場 4-4-19(株)国際文献社内 E-mail: [email protected] Fax: 03-3368-2830 なお、臨時会員で大会後に刊行されます本大会の抄録集の購入を希望する方も、上記までお 問合わせください。 —8— 口頭発表のご案内 1.口頭発表(一般) 座長 2 名が司会進行をおこないます。1 件あたり 15 分を割り当て、発表を 12 分、質疑応 答を 3 分とします。時間をお守りいただき、座長の指示にしたがって発表を進行させてくださ い。会場スタッフによる合図は以下のとおりです。 1 鈴 発表終了 2 分前(10 分経過) 2 鈴 発表終了(12 分経過) 3 鈴 質疑応答終了(15 分経過) 2.口頭発表(事例) 口頭発表(事例)は正会員のみ参加の会場となりますので、ご注意ください。座長 1 名が司 会進行をおこないます。1 件あたり 30 分を割り当て、発表を 20 分、質疑応答を 10 分とし ます。時間をお守りいただき、座長の指示にしたがって発表を進行させてください。会場スタ ッフによる合図は以下のとおりです。 1 鈴 発表終了 2 分前(18 分経過) 2 鈴 発表終了(20 分経過) 3 鈴 質疑応答終了(30 分経過) 3.機材 口頭発表会場(一般・事例)に用意されている機材は、液晶プロジェクターと Windows7 パソコン(PowerPoint2013 インストール済)です。USB フラッシュメモリをお持ちいた だき、セッションの最初の発表開始前に各自でデータをパソコンに移し、動作確認を行ってく ださい。また、大会運営の都合上、ご自身のパソコンの持ち込みはご遠慮願います。 4.配布資料 配付資料は 120 部程度を各自でご用意ください。大会本部では配布資料の印刷は行いません。 5.発表成立の要件 セッション全体に参加し、口頭発表を行い、討議に参加することと、期限までに発表原稿抄 録を提出することにより、発表が成立したと認められます。 6.責任発表者、連名発表者、発表の取り消し プログラムで○印が付いている方が責任発表者です。責任発表者が欠席した場合は発表取り 消しとみなします。ただし、大会本部の了承を得て、連名発表者が発表を代行することができ ます。責任発表者の欠席や連名発表者による発表代行がある場合は、大会前は大会ヘルプデス クへ、大会期間中は大会本部へ連絡してください。 口頭発表において発表の取消しがあった場合、その後の発表スケジュールの繰り上げは行い ません。座長の指示にしたがって、討論や休憩等の時間にあててください。 —9— ポスター発表のご案内 1.掲示 ポスター発表の会場は、5号館3階の各教室にて行います。演題番号をご確認いただき、所 定のパネルにポスターを掲示してください。 掲示時間は第 1 日目が 9 時 30 分~11 時 30 分、第 2 日目は 13 時 30 分~15 時 30 分 です。ポスターの掲示は両日とも8時30分から可能ですので、発表開始前に作業してくださ い。画鋲は会場に用意します。発表終了後は、迅速に撤去していただくよう、ご協力をお願い します。終了時刻後も撤去されていないポスターは大会本部で撤去・廃棄することがあります。 2.ポスター形式 発表用ポスターは「縦 180cm×横 90cm」に収まるように作成してください。最上段に、 題目・氏名・所属を明記してください。 3.配布資料 120 部程度を各自でご用意のうえ配布してください。大会本部では印刷・複写は行いません。 4.発表成立の要件 ポスター発表では、ポスターを掲示し、これをもとに個別に討議を行っていただきます。掲 示時間は 2 時間で、責任在席時間は 1 時間です。下記の時間に、ご自身のポスターの前に在席 し、質疑応答を行うことと、発表抄録原稿を提出することにより、発表成立が認められます。 第 1 日目 第 2 日目 演題番号が奇数の場合 9 時 30 分~10 時 30 分 13 時 30 分~14 時 30 分 演題番号が偶数の場合 10 時 30 分~11 時 30 分 14 時 30 分~15 時 30 分 5.責任発表者、連名発表者、発表の取り消し プログラムで○印が付いている方が責任発表者です。責任発表者が欠席した場合は発表取り 消しとみなします。ただし、大会本部の了承を得て、連名発表者が発表を代行することができ ます。責任発表者の欠席や連名発表者による発表代行がある場合は、大会前は大会ヘルプデス ク、大会期間中は大会本部へ連絡してください。 — 10 — 大会企画シンポジウム 9月3日(土)13:40-15:10 1102教室 これからの犯罪心理学を考える1 犯罪心理学における社会貢献と資格問題 司 会:桐生 正幸 東洋大学 基調講演:岡本 吉生 日本犯罪心理学会会長・日本女子大学 話題提供:永房 典之 淑徳大学短期大学部 話題提供:山本 麻奈 国連アジア極東犯罪防止研修所 日本における経済、文化などの社会情勢やライフスタイルの変化とともに、犯罪及び 取り巻く状況も変わりつつある。例えば、殺人事件の認知件数は減少しているが、マス・ メディアは、日々、殺人事件を報道している。被害者が子どもや若い女性である殺人事 件のほうが、中年男性が被害者の時よりも多く放送され、それに同期して、情報の正確 さや恣意性を見極めることが難しいインターネット情報からは、極めて詳細な内容が放 出される。よって、無用な犯罪不安感だけが高まる。他方、性的犯罪の認知件数は減っ ていない。しかし、被害者及び加害者への科学的アプローチに対し社会的な認知は低く、 適切な制度、システムやネットワークも構築半ばである。このような現状には、複数の 理由が考えられるが、正確な知識と具体的な対策の欠如が、いずれにせよ理由の背景に あることは間違いないだろう。そして、その知識と対策を提供するのが犯罪心理学の役 割だともいえよう。 司法関係者や研究者以外、犯罪心理学がもたらす効果を知るチャンスは極めて少ない。 翻れば、犯罪心理学者である我々がそのチャンスを設けてこなかったことになる。マス・ メディアの偏りに不満を述べるだけでなく、個々の制作者に正確な知識と具体的な対策 を伝える努力が必要となってきたと言えよう。 以上を踏まえ、本シンポジウムでは、これからの犯罪心理学及び学会の在り方につい て、新たに学会会長になられた岡本吉生氏より基調講演をお願いした。これからの犯罪 心理学者は、どのような社会貢献が可能なのか、また、その活動に対し学会としてどの ような支援体制が出来るのか、犯罪心理学の資格問題も含めてお話しいただく。それを 受け、若手の犯罪心理学者として活躍が著しい永房典之氏と山本麻奈氏のお二人から、 忌憚のないご意見をお話しいただく。フロアーも含めて質疑および討論の時間を設け、 今後の犯罪心理学会の姿を模索していきたい。 — 11 — 大会企画公開シンポジウム 9月3日(土)15:30-18:35 1102教室 東洋大学 21 世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センター共同開催 これからの犯罪心理学を考える2 社会心理学とのクロスロード:反社会的行動と共感性 司 会:桐生 正幸 東洋大学 基調講演:エマニュエル・カスターノ New School for Social Research 話題提供:尾崎 由佳 東洋大学 話題提供:原田 隆之 目白大学 Emanuele Castano 氏 本シンポジウムは、犯罪心理学と社会心理学のクロスロードに焦点をあて、そこから 得られる研究的意義と実践的示唆の探索を目指している。 これまで日本の犯罪心理学の研究者は、社会心理学者のような他領域の研究者と共同 で研究する機会が少なく、社会心理学の豊富な知見や、研究手法を取り入れることもあ まりなかった。しかしながら、歴史を顧みると、犯罪捜査場面にて有用な「犯罪者プロ ファイリング」手法の開発をリードしたのは社会心理学者である D.カンターであったこ とがその一例として挙げられるように、犯罪心理学の研究および実践に有益な示唆をも たらしうるものとして社会心理学の分野は位置づけられるべきであろう。 そこで今回、 「反社会的行動」 「共感性」 「攻撃性」といったキーワードを軸に、国際的 に活躍する3名の研究者、エマニュエル・カスターノ(Emanuele Castano)氏、尾崎由 佳氏、原田隆之氏にお話しいただく。 カスターノ氏は New School for Social Research にて教鞭をとり、社会心理学/政治 心理学の研究・教育に携わっている。2013 年には Science 誌に研究論文 “Reading Literary Fiction Impacts Theory of Mind” が掲載された。今回の発表では、上記論 文のテーマである「読書(特に文学作品を読むこと)によって共感性が高められる」と いう知見を中心に、共感性と反社会行動・犯罪行為の関連について論じるとともに、米 国の更生施設における読書プログラムの取り組みとその成果についてお話しいただく。 — 12 — 尾崎氏は、東洋大学に所属し、実験社会心理学、特にセルフコントロールの領域を専 門とする。今回の発表では、社会的排斥(周囲の人間関係から疎外されること)を経験 した直後に共感性が一時的に損なわれ、またそれに伴って反社会的行動が発現しやすく なるという現象について、欧米での研究例をレビューするとともに、国内において自身 が実施した実験データを報告する。 原田氏は、目白大学・大学院において犯罪心理学、臨床心理学の研究・教育に携わっ ている。中でもエビデンスに基づく実践(Evidence-Based Practice)について、精力的 に情報発信を行っている。今回は、共感性と犯罪・非行の関連をレビューした上で、臨 床的観点から共感性の涵養、スキルとしての共感性について概観する。特に、共感性を 高めることによって犯罪・非行は抑制されるのかというテーマを中心に論じる。その際 には、自身がかかわってきた性犯罪者治療プログラムにおける共感性プログラムとその 成果についても紹介する。 上記の各発表後、フロアーも含めて質疑および氏との討論の時間を設け、これらの研 究知見についてより深い理解と示唆を導きたい。また、さらに大きな視点から、犯罪心 理学と社会心理学のクロスロードが今後いかなる意義を生み出しうるかについて議論す る場となれば幸いである。 注)カスターノ氏の発表および氏との質疑応答は英語で行われる。このとき、フロアーに は日本語の逐次通訳が提供される。 — 13 — ワークショップ1 9 月 4 日(日)9:30-12:30 5209 講義室 面接者の無力感と向き合う 企画者・司会 渡邉 悟 八王子少年鑑別所 話題提供者 里見 聡 小倉少年鑑別支所 話題提供者 門本 泉 東京少年鑑別所 話題提供者 川畑直人 京都文教大学 企画者は、昨年の日本犯罪心理学会第 53 回大会において、「気づきを促す面接」とい うミニシンポジウムを企画した。その質疑の際、フロアーから「面接者が工夫しても、 対象者に気づきを促すことができない場合、その無力感とどう向き合えばいいのか」と いう質問があり、それは、面接者の姿勢や技術の問題ばかりでなく、対象者の置かれて いる状況や特性等を背景にして、非行・犯罪臨床の面接に立ちはだかる難題として、引 き続き議論のテーマになるものと考えた。 実際、非行・犯罪臨床における面接は、査定や処遇を目的として行われるが、対象者 の自発性の乏しさや変化へのあきらめ、さらには面接者と対象者の関係性等から、気づ きを促すことはもとより、所期の目的すら十分達成することができず、面接者が無力感 を抱くことは多い。この無力感は、面接者の自信や意欲の喪失につながる反面、自身の 面接や心理臨床家としての在り方を見直すきっかけになるものであり、それとどう向き 合うかは非行・犯罪領域の面接者にとって大きな課題と言える。しかも、この無力感は、 経験の長短や面接技術の高低にかかわらず、初心者でもベテランでも直面する可能性が あるものであり、この領域の仕事を続ける限り、それと向き合う覚悟が求められる。 今回のワークショップは、こうした問題意識に基づいて企画したものであるが、前半 では、矯正施設の心理職と、短いながらも矯正施設での臨床経験があり、現在は、私設 の心理オフィスで精神分析的心理療法を行っている臨床家から、日常の臨床活動の中で、 面接で感じる無力感とどう向き合っているのか、スーパーヴィジョンでどう扱えるかな どについて話題提供していただく。後半では、前半の話題提供を踏まえつつ、模擬事例 を題材として、無力感との向き合い方をフロアーの皆さんとディスカッションできれば と考えている。 企画者としては、このワークショップが、参加した皆さんにとって、面接における無 力感と向き合い、そして、それと付き合いながら、臨床活動を続けていく上での何らか の示唆が得られる場となれば幸いである。 — 14 — ワークショップ2 9 月 4 日(日)9:30-12:30 5310 講義室 女性の犯罪と立ち直りを考える 企画者・司会 今村有子 高松矯正管区 話題提供者 佐々木彩子 北九州医療刑務所 話題提供者 平野貴子 栃木刑務所 話題提供者 大坪日出子 佐賀少年刑務所 指定討論者 稲田由紀子 栃木刑務所 指定討論者 武田 NPO法人のびの会 綾 最近の刑務所への入所者数を見ると、男子が減少しているのに対し、女子は高止まり のまま横ばい状態が続いており、入所受刑者全体に占める女子比については、平成 12 年 以降一貫して上昇している。 このことからは、男性とは異なる女性特有の犯罪のリスク要因があることが推測され る。また、現在、女子刑務所では、男子以上に急速に進む高齢化や、うつ、摂食障害等 の精神障害を有する受刑者への対応、女子受刑者の特性に応じた処遇の充実に加え、離 職率が高く、経験の浅い若年の職員が約半数を占める執務環境の改善などが、喫緊の課 題となっている。 このように、女子刑務所の抱える課題は多岐にわたっており、矯正局においても、平 成 26 年 1 月に女子刑務所の運営改善に関する総合的な対策を取りまとめ、その具体化に 取り組んでいるところである。本企画では、女子受刑者の処遇に携わっている実務家ら による実践報告を通して、女子刑務所の現状と課題について概観した上で、女子受刑者 を取り巻く環境や心理的ニーズに応じた立ち直りの道筋や方策を探り、出所後に繋げら れる支援について検討したい。 併せて、刑務所の教育への心理職としての関与や他職種との協働等について、長年の 経験から提言いただくとともに、福祉や医療の立場から、矯正への要望や期待、連携の 可能性等について発言いただく予定である。 — 15 — ワークショップ3 9 月 4 日(日)9:30-12:30 5404 講義室 大学における近年の犯罪心理学研究の展開と展望 企画者 板山 昂 関西国際大学 企画者・司会 入山 茂 東洋大学大学院 話題提供者 中田友貴 立命館大学大学院 話題提供者 板山 関西国際大学 話題提供者 中川知宏 近畿大学 話題提供者 吉澤寛之 岐阜大学大学院 指定討論者 若林宏輔 立命館大学 指定討論者 永房典之 淑徳大学短期大学部 昂 近年以前にも増して、犯罪心理学関連の講義が大学では関心の高い科目となっている。 警察や法務省等の公的機関による研究知見の教育は講義の主要な内容の 1 つとなってい るとともに、講義の中で学生が興味を示す内容でもある。 しかし、研究者が大学に所属し研究を行うことで、知見の生成を図りながら、後進を 育成していくことも大学の重要な役割であり、実際、多くの大学の研究者が工夫を凝ら している。 一方で、大学の研究者が実務に関わる機会は少なく、大学独自の研究法をさらに模索 していくことが今後の大学における研究の発展を考える上で肝要となる。 そこで本ワークショップでは、大学の研究者に焦点を当て、これまでの大学における 教育活動を含めた犯罪心理学研究の展開を明らかにする。そして貢献した点、今後より 取り組む必要のある点を再認識し、今後の犯罪心理学研究を担う若手研究者の視点から、 大学における犯罪心理学研究の展望を議論することを目的とする。 — 16 — ワークショップ4 9 月 4 日(日)9:30-12:30 5B12 講義室 犯罪生物学・神経犯罪学への接近 企画者・司会 桐生正幸 東洋大学 企画者 原田隆之 目白大学 話題提供者 田口真二 熊本県警察本部科学捜査研究所 話題提供者 新岡陽光 法政大学大学院 指定討論者 平 福山大学 伸二 140 年前、それまでの古典的な犯罪論や刑罰論にかわり、実証主義的犯罪学が登場する。 1876 年、イタリアの法医学者チェーザレ・ロンブローゾが、「生来性犯罪者」説を主張した 著書「犯罪人」を出版した。この「生来性犯罪者」の発想には、当時の科学的成果であった 人相学や骨相学が、またヨーロッパ社会に大きな影響を与えたダーウィンの自然淘汰の考え が、それぞれ大きく影響しており、またその実証方法として犯罪統計学が利用されていた。 37 年後、チャールズ・ゴーリングの著書「イギリスの受刑者」にて、この「生来性犯罪者」 の考えは否定されるが、ロンブローゾの犯罪学は、 「犯罪生物学」へと変容し研究が進められ ることとなる。犯罪者の家系や双子研究、犯罪性に関わる遺伝要因の検討などの試みから始 まり、脳の前頭前野や MAOA 遺伝子と暴力犯罪との関連に関する研究へと進展している。 このような犯罪生物学・神経犯罪学の研究史や研究成果に対し、日本の犯罪心理学者の興 味関心が高いとは言い難い。欧米の研究者が、生物学的要因と社会的要因や生育史との相互 作用を俯瞰しながら、犯罪行動や要因を検討しているのに比べ、日本の研究状況の遅れは否 めない。 そこで、本ワークショップでは、犯罪生物学・神経犯罪学の動向を踏まえながら、犯罪心 理学者がそれら研究知見を活かし、どのように研究を進めていけるのか、討議を進めて行く ことを目的とする。 まず、田口真二氏より性犯罪研究の視点から犯罪と生物学的要因について、次に新岡陽光 氏より前頭前野の測定からみた犯罪心理学研究の今後について、それぞれお話しいただ く。 中枢神経系と犯罪事象に詳しい生理心理学者の平伸二氏より指定討論をしていただき、 フロアーの皆さんと桐生、原田を交えて、自由な討議を進めていく予定である。本ワー クショップが、日本の犯罪生物学・神経犯罪学研究のスタートとなれば幸いである。 — 17 — ཱྀ㢌Ⓨ⾲㸦㸧ࠉ➨ ᪥ 㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦ᅵ㸧 㹼 0 座長: 浦田 洋(岐阜少年鑑別所) 9 : 30 ∼ J1-1 性的逸脱行為の再発抑止を目標とした心理療 ○辻 啓之(京都刑務所、京都精神 分析心理療法研究所) 法事例の検討 要旨 性的逸脱行為反復によって受刑に至った男性を対 象とした性的逸脱行為の再発抑止を目的とした心 理療法について、重視した視点や技法の特徴を中 心に検討する。 10 : 00 ∼ J1-2 半構造化短期力動的集団精神療法の成果と可 ○ジェイムス朋子(京都橘大学) 能性 辻 啓之(京都刑務所、京都精神 要旨 薬物依存症者を対象に実施した半構造化短期力動 分析心理療法研究所) 的集団精神療法事例について、集団風土の発達の 観点から成果を検討し、今後の可能性を探求する ことを目的とする。 10 : 30 ∼ J1-3 家族の再生に向けた加害者の心理教育∼親子 ○中村 大輔(兵庫県スクールカウン セラー、加 古 川 刑 務 間の性加害事例を通して 要旨 本研究は継父の娘への性加害発覚後、家族の希望 所、 宮 城 県 派 遣 ス で父親の心理教育をし、家族関係が修復した事例 クールカウンセラー、 である。家庭内暴力や窃盗事例と比較しながら 神戸臨床心理カウンセ 各々の葛藤や心理過程を考察する。 リングルーム研心音) 㸫 18 17 㸫 — — ཱྀ㢌Ⓨ⾲㸦୍⯡㸧ࠉ➨ ᪥ ᰝᐃ࣭ホ౯ 㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦ᅵ㸧 㹼 15 座長: 河合 弘靖・菅藤 健一 9 : 30 ∼ O1-1 若者の DV は予防できるか?第三者との関わ ○相馬 敏彦(広島大学) りという視点から 山中多民子(DV・虐待予防研究会) 要旨 本研究は、若年者を対象とする DV 予防プログラ 杉山 詔二(都立松沢病院) ムの効果性とその限界を明らかにするものである。 ここでは特に第三者との関わりという視点から報 告する。 9 : 45 ∼ O1-2 風景構成法における全体的評価の試み ○菅藤 健一(福島少年鑑別所) 要旨 描画を解釈する上で全体的な評価によることはき わめて大切である。風景構成法を定期的に実施し た事例において、描画内容の変化を全体的評価に よって検討したのでそれを発表する。 10 : 00 ∼ O1-3 虐待の被害によるストレスは「雨の中の私」 ○緒方 康介(大阪府岸和田子ども 家庭センター) に表現されるのか? 要旨 被害児の描画から虐待の影響を評価する方法を探 索した。虐待被害を測定し、「雨の中の私」を描画 させ、描画後の質問を行い、主観的評価と客観的 測度との関連性を検証した。 10 : 15 ∼ O1-4 非行少年のバウムテストの特徴(3)―形式 ○河合 弘靖(京都市教育委員会) 分析の側面からの考察― 元吉 誠(京都少年鑑別所) 要旨 少年鑑別所に初回入所した非行少年に実施したバ ウムテストの特徴を形式分析(所要時間、筆圧、 ライン、幹高、樹冠高、幹の太さ、木の種類等) の側面から検討し、考察した。 10 : 30 ∼ O1-5 非行少年のバウムテストの特徴(4)―ASD ○元吉 誠(京都少年鑑別所) と診断された非行少年のバウムテストの特 河合 弘靖(京都市教育委員会) 徴― 要旨 少年鑑別所に入所した少年に実施したバウムテス トを ASD と診断されたものと、そうでないもので 比較し、ASD と診断された非行少年のバウムテス トの特徴を考察した。 㸫 19 18 㸫 — — 10 : 45 ∼ O1-6 少年鑑別所における知能判定についての一考 ○菅原 達也(高松少年鑑別所) 察(2) 服部 広正(高松少年鑑別所) 要旨 本研究では、CHC 理論の立場から非行少年の知的 福場 和雄(高松少年鑑別所) 能力の傾向を結晶性知能に注目して調査・検討し、 少年鑑別所における包括的な知能判定や臨床評価 の難しさについて考察する。 11 : 00 ∼ O1-7 個別式知能検査のフィードバック・セッション 要旨 個別式知能検査のフィードバックに関する研究を 精査した上で、フィードバックの手続きを考案・ 実 施 し、 面 接 記 録 等 を グ ラ ウ ン デ ッ ド・ セ オ リー・アプローチを用いて分析する。 㸫 20 19 㸫 — — ○林 秋成(東京少年鑑別所) ཱྀ㢌Ⓨ⾲㸦୍⯡㸧ࠉ➨ ᪥ ᰝᐃ࣭ホ౯ 㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦ᅵ㸧 㹼 15 座長: 須藤 明・竹田 収 9 : 30 ∼ O1-8 非行犯罪面接(仮称)の開発に関する研究 (1) ○工藤 晋平(NPO 法人風の家、 京都大学学際融合教 要旨 アタッチメントの観点にもとづいて、再非行・再 育研究推進センター) 犯および予想される支援者との関係を査定する半 竹田 収(大阪矯正管区) 構造化面接の開発について、質問項目と分析枠組 西岡 潔子(法務省矯正局) みの理論的背景を報告する。 工藤 光恭(さいたま少年鑑別所) 髙村 一葉(大津少年鑑別所) 9 : 45 ∼ O1-9 非行犯罪面接(仮称)の開発に関する研究 ○竹田 収(大阪矯正管区) 工藤 晋平(NPO 法人風の家、 (2) 要旨(1)の半構造化面接について、コーディング体系 の 構 成 プ ロ セ ス を 報 告 し、 試 用 事 例 を も と に、 京都大学学際融合教 育研究推進センター) コーディングを行って語りを分析することの効用 西岡 潔子(法務省矯正局) に関する考察を加える。 工藤 光恭(さいたま少年鑑別所) 髙村 一葉(大津少年鑑別所) 10 : 00 ∼ O1-10 健常大学生における自閉症スペクトラム傾向 ○山脇 望美(名古屋大学大学院) 河野 荘子(名古屋大学大学院) と攻撃行動との関連 要旨 健常大学生の自閉症スペクトラム傾向は、攻撃性 やアレキシサイミア傾向を媒介することにより攻 撃行動と関連した。 10 : 15 ∼ O1-11 法務省式適応資源尺度(MJAR)の活用及び ○神戸真由子(東京少年鑑別所) 髙橋 智晃(東京少年鑑別所) 解釈に関する一考察 要旨 MJAR について、他の法務省式心理検査や鑑別資 林 秋成(東京少年鑑別所) 料などを用いて比較・分析を行い、MJAR の効果 小山 明子(東京少年鑑別所) 的な活用方法や解釈の着眼点について検討し、更 井上 彩弥(東京少年鑑別所) なる活用の在り方を探る。 10 : 30 ∼ O1-12 情状鑑定と犯情の評価−少年法 20 条 2 項事 件を通して 要旨 情状鑑定は、刑事裁判における量刑判断の考慮要 素となる犯情評価にどこまで踏み込むことが可能 なのか、少年法 20 条 2 項事件を素材に法的枠組の 観点及び家裁段階の社会調査や心身鑑別との比較 検討を通じて考察する。 㸫 21 20 㸫 — — ○須藤 明(駒沢女子大学) 10 : 45 ∼ O1-13 心理技官の成長過程に関する質的分析(1) ○井上 由希(小倉少年鑑別支所) 要旨 少年鑑別所で勤務する心理技官に質問紙調査を実 岸本 一貴(小倉少年鑑別支所) 施し、採用後に心理技官として成長をしていく過 里見 聡(小倉少年鑑別支所) 程にどのような要因が寄与しているのかについて 質的分析を行って検討する。 11 : 00 ∼ O1-14 心理技官の成長過程に関する質的分析(2) ○岸本 一貴(小倉少年鑑別支所) 要旨 少年鑑別所で勤務する心理技官に質問紙調査を実 井上 由希(小倉少年鑑別支所) 施し、採用後に心理技官として成長をしていく過 里見 聡(小倉少年鑑別支所) 程にどのような要因が寄与しているのかについて 質的分析を行って検討する。 㸫 22 21 㸫 — — ཱྀ㢌Ⓨ⾲㸦୍⯡㸧ࠉ➨ ᪥ ≢ண 㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦ᅵ㸧 㹼 00 座長: 門本 泉・三浦 公士 9 : 30 ∼ O1-15 受刑者の再犯予測Ⅰ∼再犯の実態 要旨 日本の受刑者の再犯の有無を予測するため、海外 9 : 45 ∼ ○三浦 公士(札幌矯正管区) 田畑 賢太(法務省矯正局) の研究も参考にして、強力な予測因子である静的 門本 泉(東京少年鑑別所) な変数を中心にした調査を実施する。 出口 貴子(府中刑務所) O1-16 受刑者の再犯予測Ⅱ∼初犯、累犯別にみた男 ○鈴木 清登(府中刑務所) 鍛治 龍男(府中刑務所) 子受刑者の特徴 要旨 全国の刑事施設において収集された男子受刑者 三浦 公士(札幌矯正管区) データについて、初犯者、累犯者に分けて、それ 田畑 賢太(法務省矯正局) ぞれの特徴を明らかにする。 10 : 00 ∼ O1-17 受刑者の再犯予測Ⅲ∼再犯の有無別に見た男 ○松嶋 祐子(府中刑務所) 出口 貴子(府中刑務所) 子受刑者の特徴 要旨 全国の刑事施設において収集された男子受刑者 三浦 公士(札幌矯正管区) データについて、再犯の有無別に分けて再犯者の 田畑 賢太(法務省矯正局) 特徴を探り、再犯リスク要因を検討する。 10 : 15 ∼ O1-18 受刑者の再犯予測Ⅳ∼リスク要因別の生存分析 ○門本 泉(東京少年鑑別所) 要旨 男子受刑者の再犯の有無を予測するため、全国の 鈴木 清登(府中刑務所) 刑事施設においてデータを収集した。生存分析を 松嶋 祐子(府中刑務所) 行った結果を、海外におけるリスク要因との比較 田畑 賢太(法務省矯正局) を含めて分析する。 10 : 30 ∼ O1-19 受刑者の再犯予測Ⅴ∼女子受刑者の再犯率と ○渡邉 則子(府中刑務所) 神藤 彩子(府中刑務所) 特徴 要旨 全国の刑事施設において収集された女子受刑者 データについて、再犯率を明らかにするとともに、 髙須 克幸(東京矯正管区) 田畑 賢太(法務省矯正局) 女子受刑者の再犯に関わる特徴を検討する。 10 : 45 ∼ O1-20 受刑者の再犯予測Ⅵ∼クラスター分析による ○神藤 彩子(府中刑務所) 渡邉 則子(府中刑務所) 女子受刑者の類型化 要旨 全国の刑事施設において収集された女子受刑者 髙須 克幸(東京矯正管区) データについて、再犯リスクになると考えられる 田畑 賢太(法務省矯正局) 変数を用いて、女子受刑者の類型化を試みる。 㸫 23 22 㸫 — — ཱྀ㢌Ⓨ⾲㸦㸧ࠉ➨ ᪥ 㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦᪥㸧 㹼 00 座長: 吉村 雅世(京都少年鑑別所) 13 : 30 ∼ J2-1 少年受刑者グループにおける音楽療法の活用 ○松本佳久子(武庫川女子大学) ―語りの変化に着目して― 小西 好彦(奈良少年刑務所) 要旨 音楽療法を導入した少年刑務所の少年受刑者グルー 井上 慎(奈良少年刑務所) プの事例における語りの変化に焦点をあて、内容や 文脈の分析並びに心理検査を通じて検討する。 14 : 00 ∼ J2-2 法務教官と法務技官(心理)が連携して取り ○樋口 雅明(鳥取少年鑑別所) 組んだ地域援助の相談事例 要旨 小学校の依頼により、法務教官と心理技官が連携 して児童、家族及び学校に対して援助を行った事 例を取り上げ、地域社会で少年鑑別所が発揮し得 る専門性について検討する。 14 : 30 ∼ J2-3 思春期の 2 事例から考察する臨床場面での受 ○服部 広正(高松少年鑑別所) 容と直面化の難しさ 菅原 達也(高松少年鑑別所) 要旨 非行臨床において、受容と直面化は非行少年の改 善と成長に大きな影響を与えるが、その進め方に よって経過は大きく異なる。本研究では、心理的 援助の組立て方について検討する。 㸫 24 23 㸫 — — 福場 和雄(高松少年鑑別所) ཱྀ㢌Ⓨ⾲㸦୍⯡㸧ࠉ➨ ᪥ ྛ✀≢⨥࣭ᤚᰝ㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦᪥㸧 㹼 53 座長: 東山 哲也・渡邉 和美 13 : 30 ∼ O2-1 捜査面接における警察官のラポール形成戦略(3) 要旨 警察官等が捜査面接の中で、被面接者とラポール を形成するために重視している戦略が、被面接者 ○山本 渉太(北海道大学大学院、 北海道警察本部科学 捜査研究所) の属性や協力的態度の差異によって異なるのかに 仲 真紀子(北海道大学大学院) ついて、調査した結果を報告する。 岩見 広一(北海道警察本部科学 捜査研究所) 13 : 45 ∼ O2-2 捜査面接の研修効果について 要旨 捜査面接研修の前後において、面接による獲得情 報量等を比較した結果、研修効果が見られた。 ○増田 明香(警察大学校 取調べ 技術総合研究・研修 センター) 和智 妙子(科学警察研究所) 14 : 00 ∼ O2-3 実際に体験したことは、どのくらい誘導され ○渡邉 和美(科学警察研究所) るのか―自己関与度との関連についての検 平間 一樹(科学警察研究所) 討― 和智 妙子(科学警察研究所) 要旨 実際に体験した内容の誘導されやすさが、自己関 大塚 祐輔(科学警察研究所) 与度の違いによって異なるかについて、一般の成 横田賀英子(科学警察研究所) 人男性を対象とした実験を通して検討した。 14 : 15 ∼ O2-4 性犯罪受刑者における性犯罪の意味に関する ○有野 雄大(川越少年刑務所) 一考察 要旨 性犯罪者が性犯罪という不適切な手段により満た そうとしたニーズについて分析を行い、再び犯罪 をすることなくその目的を達成するための指導や 支援の在り方を模索する。 14 : 30 ∼ O2-5 女性受刑者の万引きに関する研究 要旨 女性受刑者の罪名別構成比のうち、窃盗が最も多 くを占めており、その多くが万引きである。本研 究は、女性受刑者の万引きの特性、問題について 研究・考察を行うものである。 㸫 25 24 㸫 — — ○佐々木翔規(福島刑務支所) 武田 裕(福島刑務支所) 14 : 45 ∼ O2-6 「振り込め詐欺」に関与する若年受刑者の特 ○野上 智行(松本少年刑務所) 相澤 優(東京少年鑑別所) 徴について 要旨 いわゆる振り込め詐欺に関与した若年受刑者と同 東山 哲也(長野少年鑑別所) 事案に関与した非行少年等を、生育史や心理検査 等の観点から比較し、若年受刑者の特徴、処遇上 参考となる事項等を見いだす。 15 : 00 ∼ O2-7 「振り込め詐欺」に関与する少年の特徴につ いて(2) ○相澤 優(東京少年鑑別所) 東山 哲也(長野少年鑑別所) 要旨 いわゆる振り込め詐欺の少年について、心理検査 や法務省式ケースアセスメントツールを用いて、 安藤 友祐(盛岡少年刑務所) 野上 智行(松本少年刑務所) 資質の特徴や再非行リスクを分析し、有効な処遇 指針の策定に資する知見を得ることを目的とする。 15 : 15 ∼ O2-8 「振り込め詐欺」に関与する少年の特徴につ ○東山 哲也(長野少年鑑別所) いて(3)∼法務省式ケースアセスメントツー 相澤 優(東京少年鑑別所) ル(MJCA)による探索的研究 安藤 友祐(盛岡少年刑務所) 要旨 いわゆる振り込め詐欺の少年について、法務省式 ケースアセスメントツールの観点から、その特徴、 処遇指針作成上参考になる領域、項目等を見いだ すための探索的研究を行う。 㸫 26 25 㸫 — — 野上 智行(松本少年刑務所) ཱྀ㢌Ⓨ⾲㸦୍⯡㸧ࠉ➨ ᪥ ฎ㐝㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦᪥㸧 㹼 5 座長: 森田 展彰・大江 由香 13 : 30 ∼ O2-9 強みを生かす指導が非行からの離脱につなが ○大江 由香(八王子少年鑑別所) る可能性について―アイデンティティの変容 と成熟の観点から― 要旨 自分の強みを見つけ、生かす方法を探る過程が、 非行からの離脱に関連すると言われるアイデン ティティの変容と成熟につながる可能性について、 文献研究の結果を報告する。 13 : 45 ∼ O2-10 刑事施設での EMDR 活用の模索 2―矯正向け ○三島利江子(岐阜刑務所) RDI の作成と効果の検討― 要旨 模索 1 では、EMDR の RDI(資源の開発と植え付 け)という技法に着目し、その効果と可能性を検 討 し た。 模 索 2 で は、 矯 正 向 け に ア レ ン ジ し た RDI を作成し、効果や有効性を検討する。 14 : 00 ∼ O2-11 受刑者の反則行為に結び付く要因に関する調 査研究―反則を反復する者への着目― 要旨 反則行為を繰り返す受刑者に着目し、反則行為の ○鈴木 純一(札幌刑務所) 白川あずさ(札幌少年鑑別所) 三浦 公士(札幌矯正管区) 回数が比較的少ない者と比較をし、反則を反復す る要因ついて考察した。 14 : 15 ∼ O2-12 日本の性犯罪者処遇プログラムの効果―受刑 ○遊間 義一(兵庫教育大学) 金澤雄一郎(筑波大学) 者の異質性の検討 要旨 本研究は、日本の性犯罪者処遇プログラムの再犯 に対する効果を検証するものであり、受刑者の異 猪爪 祐介(新潟少年鑑別所) 松嶋 祐子(府中刑務所) 質性を考慮した生存分析を行った。 14 : 30 ∼ O2-13 刑事施設におけるマインドフルネス・プログ ○黒澤 良輔(徳島文理大学) 勝田 浩章(美祢社会復帰促進センター ラムの実施について 要旨 刑事施設においてマインドフルネス・プログラム を男性に対して実施した結果を、GHQ28 等の量 的データ分析及び参加者の発言・記述内容の質的 分析によって整理する。 小学館集英社プロダクション) 周布 恭子(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 受田 恵理(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 㸫 27 26 㸫 — — 14 : 45 ∼ O2-14 官民協働刑務所における受刑者に対する生活 ○森田 展彰(筑波大学) 向上スキルプログラムの開発: 感情対処や対 高田ゆり子(筑波大学) 人関係のスキルへの働きかけを中心に 坂田由美子(筑波大学) 要旨 犯罪の背景にある生活スキルの問題について支援 する「生活向上スキルプログラム」の開発につい て発表する。特に感情や対人関係に関する働きか けの効果に焦点をあてる。 受田 恵理(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 勝田 浩章(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 周布 恭子(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 神山 和也(喜連川社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 15 : 00 ∼ O2-15 工場就業を拒否する規律違反を起こす受刑者 ○小林 北斗(大阪刑務所) 木高 暢之(大阪刑務所) の特徴 要旨 刑務所の懲罰のうち、約半数は工場就業を拒否す 籔内 秀樹(大阪拘置所) る規律違反である。本研究では、工場配役が決 まった日から 18 か月間の規律違反を調べ、懲罰の 発生パターンを探った。 15 : 15 ∼ O2-16 刑執行開始時調査の段階における受刑意欲等 がその後の所内適応に及ぼす影響について ○小林 長(川越少年刑務所) 永井 智美(川越少年刑務所) 要旨 調査センター入所者を対象とし、調査センターに 加藤 美沙(川越少年刑務所) おける刑執行開始時調査時点での受刑意欲その他 川島 誠(川越少年刑務所) の要因が、その後の所内適応にどのように影響を 岡本 泰典(川越少年刑務所) 及ぼすのかについて検討する。 渡邉 篤(川越少年刑務所) 鬼頭 真澄(川越少年刑務所) 朝比奈牧子(川越少年刑務所) 鈴木 愛弓(八王子少年鑑別所) 㸫 28 27 㸫 — — ࣏ࢫࢱ࣮Ⓨ⾲ࠉ➨ ᪥ 㠀⾜࣭≢⨥ほ㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦ᅵ㸧 㹼 責任在席時間は、奇数番号の発表者は 9 : 30 ∼ 10 : 30、偶数番号の発表者は 10 : 30 ∼ 11 : 30 です。 P1-1 中学生の非行についての研究 ○徳山 敬枝(名古屋少年鑑別所) 要旨 ここ数年の少年鑑別所に入所する中学生にはどの 杉木 淳一(名古屋少年鑑別所) ような特性があり、また、どのような要因が非行 鈴木千登美(名古屋少年鑑別所) の早発に影響を及ぼしているかを、法務省式集団 心理検査を用いて検討する。 P1-2 社会的苦境場面における罪悪感、羞恥感、屈 ○岸本 瑞羽(駿河台大学大学院) 辱感の分岐要因 ―「集団帰属意識」および 「注意の適切性」に焦点を当てて― 要旨 罪悪感と恥は、同様の状況で生じ得るにも関わら ず社会適応に関して正反対の機能を有する感情で ある。本研究ではこれらの感情の分岐要因として 集団帰属意識と注意の適切性を取り上げその影響 力について検討を行う。 P1-3 非行少年・犯罪者の満たされない自己に関す ○谷川 雄一(松江少年鑑別所) る一考察 木高 暢之(大阪刑務所) 要旨「満たされない」感覚が非行や犯罪に向かう要因と 沼田 宙(大阪少年鑑別所) して指摘されている。本研究では、非行少年・犯 罪者の「満たされない」感覚に焦点を当て、質問 紙を通じて実証的な検討を行った。 P1-4 非行少年に対するイメージ・態度に関する調査 ○福田 理奈(駿河台大学大学院) 要旨 一般の人々が非行少年に対してどのようなイメー ジを抱き、非行少年の社会復帰努力に対してどの ような態度を取るのかに関する質問紙調査を実施 した。 P1-5 少年鑑別所入所の効果検証に関する一考察∼ ○佐藤 香織(大阪少年鑑別所) 退所時アンケートの分析から 井川 彩(大阪少年鑑別所) 要旨 退所時アンケートを基に、少年鑑別所での生活が、 仲田 早希(大阪少年鑑別所) 少年に及ぼす影響を分析する。また、鑑別所生活 柚木 秀彦(大阪少年鑑別所) の受け止めや職員への評価により、予後等に差異 土中 幸宏(大阪少年鑑別所) を生じるかどうか考察する。 㸫 29 28 㸫 — — P1-6 最近の少年鑑別所入所少年の共犯関係の変化 ○小板 清文(法務省矯正研修所) とその特質 要旨 少年鑑別所入所少年の本件共犯率は、最近 10 年間 で約 18%上昇している。本研究では、こうした非 行時の共犯関係の変化を中心に少年非行の質的な 変化について考察する。 P1-7 ポジティブ・イリュージョンが怒り感情に及 ○藤村真美子(武庫川女子大学大学院) ぼす影響 玉木 健弘(武庫川女子大学) 要旨 自分の能力が感情の生起に影響していると考え、 自己の能力を過剰に評価する傾向であるポジティ ブ・イリュージョンが怒りやすさに及ぼす影響を 検討した。 P1-8 女子大学生における感情的 Well-being が自 己制御および攻撃性に及ぼす影響 要旨 本研究は、女子大学生を対象に、感情的 Well-be- ing が自己制御および攻撃性に及ぼす影響につい て検討を行った。分析の結果、3 変数間に有意な 差が見られた。 㸫 30 29 㸫 — — ○玉木 健弘(武庫川女子大学) ࣏ࢫࢱ࣮Ⓨ⾲ࠉ➨ ᪥ ฎ㐝ࠊྛ✀≢⨥࣭≢⨥⪅㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦ᅵ㸧 㹼 責任在席時間は、奇数番号の発表者は 9 : 30 ∼ 10 : 30、偶数番号の発表者は 10 : 30 ∼ 11 : 30 です。 P1-9 青少年の窃盗に関する新たな体系的な教育プ ○髙橋 護(四国少年院) ログラムの開発(2)―少年院在院者と一般 大久保智生(香川大学) の青少年の窃盗に関する意識の検討― 川田 佳亮(福岡少年院) 要旨 窃盗を繰り返す者に対する教育プログラム開発の ため、少年院在院者と一般の青少年の窃盗に関す る意識を検討した。その結果、窃盗に関する意識 に差異が認められた。 P1-10 女子刑務所における摂食障害患者(4) ○平野 貴子(栃木刑務所) 要旨 先行研究をもとに、食行動異常、自損行動、被害 伊藤 春香(栃木刑務所) 体験及び心理的特徴等から、女子受刑者の再犯に 関連する要因と処遇のあり方について検討する。 P1-11 非行少年の社会復帰支援に関する研究(1) ○坂野 剛崇(関西国際大学) ―更生保護施設職員に対するインタビュー調 廣井いずみ(奈良大学) 査から― 岡本 潤子(帝京大学) 要旨 更生保護施設の職員を対象に聴取り調査を行い、 最近の入所少年の特徴、更生保護施設における指 導の実情、社会復帰の実情等を分析し、支援のあ り様を検討した。 P1-12 矯正処遇に係る取り組みの効果に関する検証 ○大野 太郎(大阪人間科学大学) 報告 周布 恭子(美祢社会復帰促進センター 要旨 美祢社会復帰促進センターにおいて、平成 24 年か ら平成 25 年までの間に仮釈放を許可された者を対 象に、矯正処遇に係る取り組みの効果についての 概要を報告する。 小学館集英社プロダクション) 勝田 浩章(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 受田 恵理(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) P1-13 社会復帰支援が必要な受刑者における知的能 力の特徴について 要旨 刑務所出所時に福祉的な配慮が必要とされる初犯 男子受刑者の知的検査(WAIS- Ⅲ) 結果 を検 討 し、その知的能力の特徴に応じた社会復帰支援の 在り方について考察する。 㸫 31 30 㸫 — — ○久光 達也(山口刑務所) P1-14 生活向上スキルプログラム実施による受刑者 ○坂田由美子(筑波大学) の生活習慣、セルフエスティーム、心身の訴 高田ゆり子(筑波大学) えの変化 森田 展彰(筑波大学) 要旨 受刑者の生活と心身の健康の改善を図るために実 施した生活向上スキルプログラムについて、生活 習慣、セルフエスティーム、心身の訴えに焦点を あて効果検証を行い発表する。 神山 和也(喜連川社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 受田 恵理(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 勝田 浩章(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 周布 恭子(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) P1-15 生活向上スキルプログラム実施による受刑者 ○高田ゆり子(筑波大学) の参加後の感想からみた質的分析 坂田由美子(筑波大学) 要旨 受刑者の生活と心身の健康の改善を図るために実 施した生活向上スキルプログラムについて、プロ グラム終了時および 3 ヵ月後の自由記述による感 想の質的分析を行い発表する。 森田 展彰(筑波大学) 受田 恵理(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 神山 和也(喜連川社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 勝田 浩章(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) 周布 恭子(美祢社会復帰促進センター 小学館集英社プロダクション) P1-16 対人信頼感が社会とのつながりや受刑者の所 ○加藤 美沙(川越少年刑務所) 内適応に及ぼす影響について 永井 智美(川越少年刑務所) 要旨 調査センター入所者を対象とし、受刑者の対人信 川島 誠(川越少年刑務所) 頼感が社会にいる他者(家族や友人など)とのつ 小林 長(川越少年刑務所) ながりや、所内適応にどのような影響を及ぼして 岡本 泰典(川越少年刑務所) いるかを検討する。 渡邉 篤(川越少年刑務所) 鬼頭 真澄(川越少年刑務所) 朝比奈牧子(川越少年刑務所) 鈴木 愛弓(八王子少年鑑別所) 㸫 32 31 㸫 — — P1-17 性犯罪再犯防止指導におけるソンディテスト ○下髙呂慶成(神戸少年鑑別所) を用いた効果検証及び指導者交代による影響 についての一考察 要旨 性犯罪再犯防止指導において、受講開始前及び終 了後にソンディテストを実施し、指導効果ついて 検証した。また、プログラム途中で指導者が交代 したことが、受講者にどのような心響を及ぼした かについて考察を行った。 P1-18 性犯罪者のリスクテイキングについて ○坂口 晋一(人事院) 要旨 性犯罪再犯防止指導対象者に対して、アイオワ・ 有野 雄大(川越少年刑務所) ギャンブリングタスクを実施し、性犯罪者の意思 川島 誠(川越少年刑務所) 決定や、意思決定に影響を及ぼす要因について検 討した。 㸫 33 32 㸫 — — ࣏ࢫࢱ࣮Ⓨ⾲ࠉ➨ ᪥ ᰝᐃ࣭ホ౯㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦ᅵ㸧 㹼 責任在席時間は、奇数番号の発表者は 9 : 30 ∼ 10 : 30、偶数番号の発表者は 10 : 30 ∼ 11 : 30 です。 P1-19 Competing risk model を用いた非行少年の ○森 丈弓(甲南女子大学) 再犯分析 要旨 暴力再犯と非暴力再犯は片方が観測されればもう 片方が観測されない。これを競合リスク(compet- ing risk)状況と呼ぶ。本発表では競合リスク状況 の生存時間解析による分析例を示す。 P1-20 大学生の自己申告非行傾向と関連するロール ○浅野 正(文教大学) シャッハ変数についての予備調査 要旨 逸脱行動のリスク要因としての性格傾向を、自己 申告非行尺度と低自己統制尺度、さらにロール シャッハ変数との関連から探索する。大学生 40 名 程度という小規模サンプルでの中間報告である。 P1-21 SCORS-C の可能性と今後の課題 ○福冨 克哉(名古屋刑務所) 要旨 本研究では、TAT の評価方法のひとつである So- cial Cognition and Object relations Scale 中京大 学版(SCORS-C)について考察し、その使用感や 今後の展望について模索する。 P1-22 YLS/CMI による家庭裁判所係属少年の再犯 ○嶋田 美和(東京家庭裁判所) リスク査定(2) 森 丈弓(甲南女子大学) 要旨 前回の報告に 81 名を追加した上で、在宅事件とし て家裁係属した少年に対する YLS/CMI (Hoge & Andrews, 2002)の妥当性を検討した。 P1-23 TAT の分析枠組みに関する一考察∼状況分 析という視点からのアプローチ 要旨 TAT の分析・解釈に際して一般的に行われている 「逐語分析」の限界を指摘し、これまで発表した分 析手法を整理・統合した「状況分析法」を紹介し て、その有効性について検討を加える。 㸫 34 33 㸫 — — ○齊藤 俊郎(名古屋刑務所) P1-24 バウムテストに表れる MJPI の特徴について ○首藤 悠介(名古屋刑務所) 要旨 本 研 究 で は、MJPI と バ ウ ム テ ス ト を 取 り 上 げ、 MJPI の典型的なプロフィールを基に、一定の特徴 がバウムテストにも表れるのかどうかを比較検討 していきたい。 P1-25 P1-26 雨中人物画に描かれる雨の評定 ○鍋島 宏之(神戸刑務所) 要旨 非行少年に実施した雨中人物画をについて、これま 石丸 素史(神戸少年鑑別所) で客観的な評価が難しかった描画上の雨の様態を 谷本 拓郎(広島少年鑑別所) 把握するために印象評定尺度を作成し、検討する。 中村真依子(神戸少年鑑別所) 少年鑑別所入所者の逆境的児童期体験と行動 ○渕上 康幸(小倉少年鑑別支所) 基準の関連について 要旨 少年鑑別所入所者の逆境的児童期体験(親の服役、 ネグレクト、DV、監督欠如等)と行動基準(自 分本位、仲間的セケン、地域的セケン、他者配慮、 公共利益)の関連を検討する。 P1-27 性犯罪者のバウムテストに関する一考察 ○馬場 中臣(大阪刑務所) 要旨 刑事施設に収容されている性犯罪者にバウムテス 土居 智輝(大阪刑務所) トを実施し、描画に表れる各種の指標と、性犯罪 井上 泰陽(大阪刑務所) 者調査等に見られる各性犯罪者の特徴との関連に ついて検討を行った。 P1-28 場面の「認識テスト」の達成度と関連性の高 ○中島 賢(高知少年鑑別所) い特性について 松下 友則(高知刑務所) 要旨 本研究では、文脈理解の適合度等を査定する「場 鍋島 宏之(神戸刑務所) 面の認識テスト」の回答傾向及び各種心理検査結 松下 玄(高知少年鑑別所) 果、発達障害の診断の有無などを分析し、「場面の 大江 由香(八王子少年鑑別所) 認識テスト」の特性、回答傾向の関連性の高い事 宮城マキ子(福岡少年鑑別所) 項を明らかにする。 髙村 一葉(大津少年鑑別所) 㸫 35 34 㸫 — — ࣏ࢫࢱ࣮Ⓨ⾲ࠉ➨ ᪥ 㜵≢࣭⿕ᐖ࣭ᆅᇦࠊᰝᐃ࣭ホ౯㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦᪥㸧 㹼 責任在席時間は、奇数番号の発表者は 13 : 30 ∼ 14 : 30、偶数番号の発表者は 14 : 30 ∼ 15 : 30 です。 P2-1 地域防犯活動への参加意図を規定する要因の ○荒井 崇史(追手門学院大学) 検討 要旨 本研究では、環境配慮行動に関する研究で示され ている知見を犯罪予防分野に応用し、地域防犯活 動への参加意図を規定する要因を検討した。 P2-2 警察による犯罪被害者政策: 遺族の立場から ○白岩 祐子(東京大学大学院) の実証的検討 小林麻衣子(明治大学) 要旨 1996 年から始まった警察の犯罪被害者政策が遺族 唐沢かおり(東京大学大学院) の評価にどのように反映されているのかを検討す るため、交通事犯や殺人などの遺族 244 名から協 力を得て、担当警察官による情報提供・配慮・捜 査および信頼度を尋ねた。 P2-3 地域性に着眼した非行少年の特性に係る広域 ○中村 亮介(甲府少年鑑別所) 研究Ⅰ 西田 篤史(甲府少年鑑別所) 要旨 大都市と地方では、少年を取り巻く生活環境等が 東山 哲也(長野少年鑑別所) 大きく異なるところ、地方の少年鑑別所に入所し 梅津 貴樹(長野少年鑑別所) た非行少年の特性について、大都市の非行少年と 猪爪 祐介(新潟少年鑑別所) の比較を通して明らかにする。 谷 知尋(新潟少年鑑別所) 相澤 優(東京少年鑑別所) 谷口 佳織(東京少年鑑別所) P2-4 地域性に着眼した非行少年の特性に係る広域 ○梅津 貴樹(長野少年鑑別所) 研究Ⅱ 東山 哲也(長野少年鑑別所) 要旨 大都市と地方では、少年を取り巻く生活環境等が 西田 篤史(甲府少年鑑別所) 大きく異なるところ、本研究では、ネットの使用 中村 亮介(甲府少年鑑別所) 状況の観点から、地方の非行少年と大都市の非行 猪爪 祐介(新潟少年鑑別所) 少年、一般の少年を比較する。 谷 知尋(新潟少年鑑別所) 相澤 優(東京少年鑑別所) 谷口 佳織(東京少年鑑別所) 㸫 36 35 㸫 — — P2-5 効果的な交通警ら活動の実施形態の検討―仮 ○中野友香子(科学警察研究所) 想シナリオ場面を用いた意識調査から― 岡村 和子(科学警察研究所) 要旨 運転中に交通警ら活動などを見かける複数の仮想 小菅 律(科学警察研究所) シナリオ場面を使い、各場面を想定した時の一般 藤田 悟郎(科学警察研究所) の自動車運転者の意識を比較し、効果的な交通警 ら活動の実施形態について検討した。 P2-6 店舗における万引き防止教育プログラムの開 ○大久保智生(香川大学) 発: 保安員とアルバイトは客の何を見ている のか 要旨 店舗向けの万引き防止教育プログラム開発のため、 万引き G メンと呼ばれる保安員とアルバイト学生 を対象とした質問紙調査を行った。 P2-7 若者の DV は予防できるか?当事者にならな ○山中多民子(DV・虐待予防研究会) いために 杉山 詔二(都立松沢病院) 要旨 本研究は、若年者を対象とする DV 予防プログラ 相馬 敏彦(広島大学) ムの効果とその限界を明らかにするものである。 ここでは特に被加害予防の視点から報告する。 P2-8 警察職員の運用が少年警察ボランティアの学 ○藤原 佑貴(科学警察研究所) 生に与える影響 宮寺 貴之(科学警察研究所) 要旨 少年警察ボランティアに関する質問紙調査につい 久原恵理子(科学警察研究所) て、担当する警察職員の運用がボランティアとし 小林 寿一(科学警察研究所) て活動する学生に与える影響を検討した結果を報 告する。 P2-9 少年警察ボランティアの運用担当者の認識に ○宮寺 貴之(科学警察研究所) ついて 藤原 佑貴(科学警察研究所) 要旨 全国の少年警察ボランティアに関する質問紙調査 久原恵理子(科学警察研究所) から、ボランティア運用担当警察職員の認識、及 小林 寿一(科学警察研究所) びその認識と実際の活動状況等との関連性を検討 した結果を報告する。 P2-10 電車内痴漢被害の要因の検討 要旨 若年女性約 70 名に電車内痴漢被害について面接調 査を行った。中学以降の居住地や電車通学の距離 などの環境要因や外見の印象が被害回数に影響す るかを検討した。 㸫 37 36 㸫 — — ○大髙 実奈(法政大学大学院) 越智 啓太(法政大学) P2-11 防犯カメラ設置前後による監視性と領域性の ○皿谷 陽子(福山大学) 変化―路上のごみの数を指標として― 平 伸二(福山大学) 要旨 防犯カメラ設置地区と未設置地区を対象として、 防犯カメラ設置前後のごみの数を調査した。その 結果、設置後のごみの数が、防犯カメラ設置地区 において有意に減少した。 P2-12 多変量解析を用いたストーキング被害類型の 縮約と回答者属性との関連 要旨 インターネット調査会社に登録した 18-39 歳の女 性 1 万人対象にストーキング被害に関する調査を 行った。回答者の 16% が被害を報告し、24 項目の 被害頻度の因子分析からは 5 因子が得られ、回答 者属性との関連がみられた。 㸫 38 37 㸫 — — ○島田 貴仁(科学警察研究所) ࣏ࢫࢱ࣮Ⓨ⾲ࠉ➨ ᪥ ྛ✀≢⨥࣭≢⨥⪅ࠊ㠀⾜࣭≢⨥ほ㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦᪥㸧 㹼 責任在席時間は、奇数番号の発表者は 13 : 30 ∼ 14 : 30、偶数番号の発表者は 14 : 30 ∼ 15 : 30 です。 P2-13 性犯罪者の成人愛着スタイルについて 要旨 近年、心理臨床のさまざまな場面で愛着 attach- ment が再び注目されている。受刑中の性犯罪者治 ○星 あづさ(名古屋刑務所、名古 屋大学大学院) 河野 荘子(名古屋大学大学院) 療もそのひとつであり、本研究では性犯罪者を中 心に成人愛着スタイルについて検討する。 P2-14 抑うつに耐える力は非行からの立ち直りとど ○河野 荘子(名古屋大学大学院) のように関係するのか 岡本 英生(奈良女子大学) 要旨 過去も現在も継続して非行をしている者は、過去 非行をしていたが現在していない者に比べて、抑 うつに耐える力は弱いのだろうか。調査結果に基 づき検討する。 P2-15 意図的な異物混入事件の犯人像と犯行特徴 ○大上 渉(福岡大学) 要旨 1990 年代以降、小売店や企業内等で発生した 100 件超の意図的異物混入事件を分析したところ、そ の混入物からある程度の犯人像に迫れることが明 らかになった。 P2-16 社会排斥に関する攻撃行動およびその影響要因 ○戴 伸峰(台湾国立中正大学) 要旨 本研究では共同作業メンバー選択法により実験参 加者を共同作業から排斥し、参加者の反応(攻撃 行動: 騒音攻撃、相手の表現に対する評価)を分 析することを目的とする。 P2-17 Gudjonsson 迎合性尺度と賞賛獲得欲求・拒 否回避欲求および特性不安の関係性 要旨 本研究では、取調べ迎合性と賞賛獲得欲求・拒否 回避欲求および特性不安との関係性を検討した。 その結果、拒否回避欲求と特性不安が高いほど迎 合性は高く、反対に賞賛獲得欲求が高いほど迎合 性は低かった。 㸫 39 38 㸫 — — ○丹藤 克也(愛知淑徳大学) P2-18 近赤外分光法(NIRS)を用いた情報の秘匿 ○新岡 陽光(法政大学大学院) の検出―特定の周波数成分に着目した個人識 越智 啓太(法政大学) 別― 要旨 本研究では、NIRS を用いた情報秘匿時の脳血流 動態反応の計測により、その時間特性、空間特性 を確認した。また、時系列波形に高速フーリエ変 換を施すことで情報秘匿の有無を識別できる可能 性を示した。 P2-19 人間が行う自由な配置に規則性はあるか? 要旨 本研究は、地理的プロファイリングの理論的検討 を目的とした基礎研究である。実験参加者が自由 に配置した 20 個の点に規則性があるか調べた。 P2-20 聴取者の態度・外見的特徴が事情聴取時の被 聴取者の協力的態度に与える影響(1) 要旨 事情聴取を通じて被聴取者から多くの情報を得る 方法を検討するために、本研究では、聴取者の態 度や外見的特徴、年齢、性別等が被聴取者の協力 的態度に与える影響について調査した。 P2-21 小サンプル数条件におけるカーネル密度推定 ○山本 直宏(山形県警察本部科学 捜査研究所) 小林 正和(宮城県警察本部科学 捜査研究所) ○菅 美知子(福井県警察本部科学 捜査研究所) 山本 渉太(北海道警察本部科学 捜査研究所) 山元 修一(宮崎県警察本部科学 捜査研究所) ○玉木 悠太(大分県警察本部科学 捜査研究所) 法の挙動観察 要旨 特定の犯罪者の犯行地点分布に対するカーネル密 度推定法(KDE)の適用方略を検討するため、シ ミュレーションを用いて小サンプル数条件下の KDE の挙動を観察する。 P2-22 女性の犯罪に焦点を当てた研究の動向―「犯 罪心理学研究」のレビュー― 要旨 本研究においては、1995 年以降の「犯罪心理学研 究」に掲載された文献のレビューを行ない、わが 国における女性の犯罪に焦点を当てた研究の動向 に関して報告する。 ○田中 佑樹(日本学術振興会特別 研究員、早稲田大学 大学院) 齋藤 彩乃(早稲田大学大学院人 間科学研究科) 神藤 彩子(府中刑務所) 門本 泉(東京少年鑑別所) 嶋田 洋徳(早稲田大学人間科学 学術院) 㸫 40 39 㸫 — — P2-23 侵入窃盗犯の環境認知とターゲット選択につ ○岩倉 希(日本大学) いて 宇梶 義一(静岡刑務所) 要旨 受刑中の侵入窃盗犯に対し、住宅画像を呈示して 羽生 和紀(日本大学) 環境評価実験を実施した。侵入対象となりやすい 家屋を選択させ、その評価に影響する環境要因に ついてインタビューした。 P2-24 死体損壊事件の特徴分析―損壊方法に関与す る要因の検討 要旨 死体損壊事件のうち、公表された判例を用いて、損 壊方法に影響する要因について分析した。とくに、 加害者情報に注目して分析した結果を報告する。 㸫 41 40 㸫 — — ○小俣 謙二(駿河台大学) ࣏ࢫࢱ࣮Ⓨ⾲ࠉ➨ ᪥ ྛ✀≢⨥࣭≢⨥⪅ࠊ㠀⾜࣭≢⨥ほ㸦 ㅮ⩏ᐊ㸧 ᭶ ᪥㸦᪥㸧 㹼 責任在席時間は、奇数番号の発表者は 13 : 30 ∼ 14 : 30、偶数番号の発表者は 14 : 30 ∼ 15 : 30 です。 P2-25 日本とミャンマーにおける刑罰観と犯罪観の ○板山 昂(関西国際大学) 差異 要旨 日本とミャンマーにおける司法への信頼や少年犯 罪の原因に対する認知などの差異について検討を 行う。 P2-26 中国における非行要因の分析 ○桐生 正幸(東洋大学社会学部) 要旨 中国では、「留守児童」による殺人事件や校内暴力 丁 可(東洋大学大学院) 動画ネット投稿など、多岐にわたり深刻な非行問題 池間 愛梨(東洋大学大学院) を抱えている。今回、中国の中学生に対し逸脱行動 入山 茂(東洋大学大学院) などに関する質問紙調査を行ったので報告する。 P2-27 出所者の居住地域と集合的効力感が再統合に ○中川 知宏(近畿大学) 及ぼす効果: 媒介要因としての犯罪不安 要旨 本研究は、自立準備ホームが建設されるという ディセプションを用いたうえで、建設地が参加者 の生活地域である場合、集合的効力感が犯罪不安 を抑制し、これが再統合を促すだろうという仮説 を検証した。 P2-28 日本の国内線定期便のハイジャックにおける ○入山 茂(東洋大学大学院) 目的と凶器の特徴―追加調査 池間 愛梨(東洋大学大学院) 要旨 日本の国内線定期便の航空機ハイジャック犯にお 桐生 正幸(東洋大学) ける目的と凶器の特徴については、入山・桐生 (2016) が 検 討 を 行 っ て い る。 本 研 究 で は、 入 山・桐生(2016)の調査データに新たなデータを 追加し、再分析を行った。 P2-29 ○横井 幸久(愛知県警察本部科学 連続犯のタイプ予測 要旨 連続犯罪の空間行動タイプについて、いくつかの 変数から予測することが可能かどうか検討する。 㸫 42 41 㸫 — — 捜査研究所) P2-30 住宅対象窃盗の連続犯における犯行地予測手 ○横田賀英子(科学警察研究所) 法の検討 平間 一樹(科学警察研究所) 要旨 我が国で過去に検挙された住宅対象窃盗の連続犯 大塚 祐輔(科学警察研究所) の犯行地点の緯度経度データを用いて、ホットス 和智 妙子(科学警察研究所) ポット分析による犯行地予測の手法の妥当性につ 渡邉 和美(科学警察研究所) いて検証した。 P2-31 住宅侵入盗における犯罪手口と拠点推定モデ ○真栄平亮太(沖縄県警察本部科学 捜査研究所) ルの精度との関連 要旨 住宅を対象とする侵入窃盗犯において、拠点推定 モデルの精度と関連する犯罪手口を検討した。 萩野谷俊平(栃木県警察本部科学 捜査研究所) 花山 愛子(青森県警察本部科学 捜査研究所) 蒲生 晋介(愛媛県警察本部科学 捜査研究所) P2-32 13 歳未満の児童が描かれたポルノコミック ○池間 愛梨(東洋大学大学院) に関する内容分析 入山 茂(東洋大学大学院) 要旨 本研究では女児を相手方とする、または女児によ 桐生 正幸(東洋大学) る性交または性交類似行為に係る児童の姿態が描 写されているコミックを用いて情報を収集し、女児 や行為者の属性、行為内容に関する分析を行った。 P2-33 少年の感情認知特性が怒り表現に与える影響 ○反中 亜弓(名古屋大学大学院、 瀬戸少年院) について 要旨 本研究では、アレキシサイミア概念を援用して 10 雨宮 靖樹(金沢少年鑑別所) 代の感情認知特性を捉え、一般少年と非行少年の 寺井 堅祐(福井赤十字病院) 差異について検討し、怒り表現に与える影響につ 梅沢 章男(放送大学福井学習セ いて分析した。 ンター) 㸫 43 42 㸫 — — 日本犯罪心理学会第 54 回大会賛助団体御芳名 <協賛> 東洋大学 21 世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センター <広告・展示> SAS Institute Japan 株式会社 株式会社 北大路書房 株式会社 有斐閣 株式会社 金剛出版 エメラルド・ジャパン 丸善出版 株式会社 株式会社 小学館集英社プロダクション 株式会社 誠信書房 株式会社 明石書店 株式会社 遠見書房 株式会社 金子書房 本大会を開催するにあたり、上記の機関・企業より多大なご支援を賜りました。厚く御礼申し 上げます。ここにご芳名を掲載し、感謝の意を表します。 2016 年 7 月 日本犯罪心理学会第 54 回大会準備委員長 桐生正幸 日本犯罪心理学会第 54 回大会準備委員会 委員長 桐生正幸 (東洋大学社会学部) 副委員長 永房典之 (淑徳大学短期大学部) 渡邉 悟 (八王子少年鑑別所) 越智啓太 (法政大学文学部) 今村有子 (高松矯正管区) 原田隆之 (目白大学人間学部) 佐藤史緒 (神奈川工科大学教職教育センター) 山本麻奈 (国連アジア極東犯罪防止研修所) 事務局長 東垣絵里香(東洋大学社会調査室) 入山 茂(東洋大学大学院) 池間愛梨(東洋大学大学院) 大高実奈(法政大学大学院) 丁 可(東洋大学大学院) 滝口雄太(山梨大学大学院) 河合崇志(東洋大学) — 44 — 表紙:井上円了(東洋大学創立者)について 東洋大学の創立者・井上円了は、安政 5(1858)年に新潟県長岡市浦の慈光寺に生れました。 東京大学に入学後、 「哲学」と出会い「真理は哲学にある」ことを確信し、哲学による日本人の新 たな「ものの見方・考え方」が必要と考え、明治 20(1887)年に哲学館を創立しました。明治 39 (1906)年に東洋大学となります。 彼の著書には、『心理摘要』 『通信教授 心理学』『東洋心理学』などがあり、『心理摘要』の「心 理学系統史略」は日本における心理学史の最初のものと指摘されています。さらに井上円了はそ の応用に着手し、『仏教心理学』 『心理療法』 『記憶術講義』『失念術講義』を発表しています。こ のうち『心理療法』は、日本の精神医学を代表する「森田療法」の成立に大きな影響を与えたと 言われています。 「東洋大学井上円了記念博物館」東洋大学白山キャンパス 5 号館 1 階 21 世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センター 東洋大学 21 世紀ヒューマン・インタラクション・リサーチ・センター(HIRC21)は、平成 25 年 度私立大学戦略的研究基盤形成支援事業に東洋大学大学院社会学研究科が申請し採択されたプロ ジェクト「社会的逆境後の精神的回復・成長をもたらす個人的および社会的資源」の研究活動を 担うセンターです。社会心理学、社会福祉学、社会学の研究者を中心に本学の教員 12 名と客員研 究員 7 名によって構成されています。 日本犯罪心理学会第 54 回大会プログラム 発行月 2016 年 7 月 発行者 〒112-8606 東京都 文京区 白山 5-28-20 東洋大学 白山校舎 2 号館 5 階 桐生研究室内 日本犯罪心理学会第 54 回大会準備委員会
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