幻臭と知覚障害を呈した32歳の男性(※PDF)

3
2歳の男性が、幻臭、左側の一時的な感覚脱失と知覚障害、および右側頭葉の腫癌を主訴
に外来にきた。入院の約 1年前まで元気であったが、悪心とともに幻臭O
が進んでいた。
症状は、数日ごとに発症し、約 2分程度継続した。この評価の約 6週間前、日々の一時的
な左側の感覚脱失と知覚障害が始まった。
他院で施行された神経検査の結果は、正常であった。頭部制 R
Iは、右側頭葉の内側で、部
分的に増強した腫癌を認めた。
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L
A
I
Rで島と大脳基底核に異常の広がりを認めた。レベチ
ラセタムは、限局的な痘撃を疑うときの治療として処方されていたので、評価のために入
院を勧めた。この患者は右利きである。また、(歯根菅まで計画された)左大臼歯の虫歯に関
連した痛みと
ADHDがある。彼は、皮}曹、視野、関節痛、口渇感、流涙、呼吸症状に変化
はないと話した。子供の頃、怪我したあと、左目に眼科的手術をした。服薬は、レベチラ
セタムとデキサメタゾンである。アレノレギーはない。一人暮らしで事務所で働いている。
0年以上前に一時的にタバコを吸っていた。違法な薬は使ってい
アルコールは少しのむ。 1
ない。アフリカ系アメリカ人とカリプ人を先祖にもち、アメリカで生まれ、カリプへの渡
航歴はない。自己免疫疾患、悪性腫療、偏頭痛の家族歴はない。
身体診察上、左の瞳孔に手術後の変化を認めた。右の瞳孔は、光に反応した。視野、視力、
眼球の共同運動、バランスを含む身体診察は、正常だったと記録されている。血液検査{血
球数、電解質、カルシウム、グルコース、凝題、腎機能}、尿検査は正常であった。心電図
は、正常な洞調律で、前胸部誘導で左心室肥大の所見が見られる。胸部レントゲンは正常
である。
頭部
M
R
Iは造影剤の有無にかかわらず有効である。不規則な境界で、造影される小結節影
が右脳脚の隣接した組織に広がり、右中大脳動脈に隣接して、右側頭葉の内側に沿って認
められる。
F
L
A
I
Rでは、造影効果のある病巣に隣接した脳実質内に中程度の異常信号が認
められた。矢状断と冠状断の像でも、右橋部下縁に沿い、延髄の右側に沿った造影効果の
ある髄軟膜の小結節が認められる。それに加えて、還流画像と
MRスベクトロスコピーが
施行された。スベクトロスコピーの結果は異常はなく、還流画像は診断の一助とならなか
った。
診断法が行われた。
32歳の男性に 1年前からの一時的な幻臭、 6週間前からの左側の感覚の脱失があった。
腫癌が右側頭葉に見つかった。
私のディスカッションでは、腫癌病変の鑑別診断を中心に話を進めていく。
まず、病歴に焦点をあて、画像所見の結果に焦点をあてる。
幻臭は、鈎に生じた局所産撃を示唆している。
脳の腫癒は、腫癖性か非腫癖性が原因である。
側頭葉腫痛のある約 50%の患者で、極撃が生じる。これらの患者の約半分が複雑部分発作
/
3で初発症状である。約時%の患者さんで、
になる。また、産筆は、側頭葉腫癌の患者の 1
臭いと味の前兆があり、鈎に広がる側頭葉内側腫癌が時々見られる。
側頭葉内側腫癌が、症状が起こる前に、かなりのサイズに成長する。
この患者さんには、虫歯があった。頭蓋内に感染が広がっていることを示しているかもし
れない。海綿静脈洞の塞栓と脳腫療の 2つが考えられる合併症である。
一つ目の可能性は、身体診察と画像から考えにくい。腫痛の像も、膿擦の診断を支持する
ものではなかった。
虫歯は二次的なものである可能性が最も高い。
患者には、全身症状はなかった。
赤血球沈降速度は、診断の一助となるが、問題なかった。病歴から、乾燥症候群が考えら
れる。乾燥症候群では、口腔乾操と眼球乾燥を含んでおり、シェーグレン症候群とサノレコ
イドーシスが普通は考えられる。しかし、症状はどちらの疾患ではあっても欠けている。
シェーグレン症候群は、第ーまたは第二に他の結合組織疾患、たとえば、 SLE、関節リウ
マチ、強皮症または神経学的障害が権患者の約 20%に見られる。
中枢神経を含む再発寛解の兆候、症状はしばしば、多発性硬化症に起因されると誤診させ
る。また、 MRI で散在性白質病変も認められる。シェーグレン症候群の患者は時として、
脳内に隆起性病変を認め、この症例では否定できない。
サルコイドーシスは、乾燥症候群の原因となりうる。サノレコイドーシスの患者は全身の兆
候や症状なしに、脳実質内または脳実質外に時々軟膜病変を認める。年の発症率は、黒人
系アメリカ人の聞では、白人系アメリカ人に比べて約 3倍である。
CTで認められた腫蕩のため、はじめの診断検査は T2とガドリニウム造影 T1醐 R
Iでおこな
った。コントラスト促進法で BBBの破綻の兆候が見られた。このケースでは、腫癌の不完
全な造影が低分化性のグリオーマと矛盾しなかった。しかし、この結果は、特異的ではな
いものの、非腫蕩性疾患が考えられる。
拡散強調画像の結果と見かけ上の拡散係数が補完する。(?)
低い見かけ上の拡散係数は、高い細胞充実度を示唆している。これは、リンパ腫か転移が
考えられる。グリオーマは、低い細胞充実度であり、わずかに高い見かけ上の拡散係数で
ある。しかし、グリオプラストーマと重複しており、これは、低い見かけ上の拡散係数で
あるが、腫鹿内てばらつきがある。
拡散テンソル画像は、位置を示し、腫壌に置換された自質路の全体が見え、グリオ}マの
浸潤の端の輪郭を示す一助となる。
M Rスペクトノミー(磁気共鳴分光法)で腫癌内の代謝産物を推測することができる。グリオーマでは、コリンに高
いピークがあり(コリンが細胞膜の代謝に関わるため)、 N-アセチルアスパラギン酸のピークは低いか Oである。乳酸
のピークが高いと嫌気性代謝を反映し、脂質のピークが高いと細胞のネクローシスを意味する。そして、これは多型
のグリオプラストーマで見られる。 M Rスペクトミーは、著しい所見であれば悪性新生物と他の腫癌病変を鑑別する
のに役立つが、役に立たないことの方が多い。この患者の場合、 M Rスベクトミーの結果はほとんど役に立たず、非
特異的な所見は腫療の診断と一致するもので、はなかったが、完全には否定できない。
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濯流画像法)により、領域ごとの脳血流量や脳血液関門が完全なものであることががわかる。
この症例において、この結果は診断に繋がらない。
未分化な形質転換が FDG-PETで知ることができ、新しいトレーサーが腫壌の鑑別診断に役立つ可能性がある。
この症例の場合は FDG-PETは行われていない。
この症例の画像診断における最後の手がかりは石灰化であり、これが鑑別を狭める助けとなるかもしれない。約
90%の乏突起神経腰腫が石灰化するが、 lowg
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aで石灰化が起こることの方が頻度が高く、グリア細胞
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e1では石灰化を示す癌の長いリストを上げて
の腫蕩に石灰化があることは最も共通性があることを示している。 T
し1る
。
〈サマリー〉
この患者には腫療があるのか?腫蕩の画像診断における所見は非特異的なものであった。橋前部の輝度の高い領域
はは炎症のあることを示しており、腫療とは大いに異なる所見である。多発性硬化症や急性散在性脳脊髄炎、サルコ
イドーシス、神経ベーチェット病、結核、真菌感染、梅毒性ゴム腫などの炎症性疾患により、非腫療性の脳病変は隆
a
b
l
e2に並べている。
起性で輝度が高くなる。悪性腫虜のような頭蓋内病変は T
この患者では、腫癌は非連続性の髄膜疾患と関連しており、肉芽種の診断となる。この側頭葉の腫癌の不規則な造
影剤の取り込み方は、おそらく石灰化によるものであり、この特徴は肉芽腫症に矛盾しない。そして、おそらくそれ
は初めに髄膜内に生じる。
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c
a症候群である。患者は黒人であり、
診断を狭める他の手がかりは何だろうか?病歴の中に隠れた手がかりは、 S
白人よりもサノレコイドーシスになりやすい。石灰化と髄膜を巻き込んだ橋前部の領域ということを考えると、中枢神
経サルコイドーシスという診断にまとまる。
画像診断で脳腫癌の確定診断をすることは常に困難であり、病理診断が必須である。通知された推定診断が証明さ
れた後でさえ、組織検査の結果に驚くこともある。生検は必須である。
DrNagagopalVenna
皮膚病変・ぶどう膜炎・関節炎・耳下腺や涙腺の肥大・ S
i
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c
a症候群といったサノレコイドーシスの診断を支持する古典
的臨床所見がこの患者にはなかった。これらの所見がないことで、臨床的に脳腫療を疑うことになった、この患者同
様、神経症候群が臨床的に異常を検出した際は、縦隔やリンパ節の門部、肺によく見られる神経外領域を検査するの
に感度が高いので、胸腹部と頚部の高解像度の PET-CTを施行すべきである。それから生検によって確定診断を得る
ことができる。
DrWilliamT
.Curry (脳神経外科)
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eであれ h
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eであれ、グリア細胞の腫療の可能性を懸念しており、診断と潜在的な治療を兼ね
我々は l
て手術の準備をしていた。右側頭開頭術を行い、前側頭切除術を行った。まず内側にアプローチするために右側頭葉
前方の新皮質を取り除いた。顕微鏡を用いて側脳室の側頭角を同定し、その領域は固く弾性があり、紫がかった色を
していた。予想通り、その病変は肉眼的には浸潤性ではなかった。数種類の腫蕩があると考えられたため、生検組織
を取った。凍結組織による最初の検査は診断に繋がらなかったため、幾っか追加で生検して病理解析に送った。
く臨床診断〉
側頭葉の腫療
く
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.Michael>
大脳肉芽腫、おそらくサノレコイドーシスによるものだが、他の原因を除外できていない
く病理診断〉
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.Matthew
術中診断で送られてきた標本は、わずかなグリア細胞の灰白質で構成されていた。追加の検体は融合した集団様の病
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e2A) 幾つかは中心性壊死が見られた。 (
F
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e2B) 肉芽腫は最も密
変を形成した、大量の肉芽腫であった。 (
な構造で、中心には大きな大きな組織マクロファージがあって、軽度の線維化を伴ったリンパ球の多い領域に固まれ
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e2C)
ていた。 (
肉芽腫は、脳実質の孤立性の小さい病変として出現し (
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e2D)、主に血管周囲に存在し
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e2
E
)血管炎の証拠はなかった。肉芽腫を含んだ複数のブロックに対し
てグリア細胞の反応を軽度に誘発した。 (
て行った微生物特殊染色では、感染因子の存在は不明であった。
徴密な非乾酪性肉芽腫と血管周位に優位な分布に
加え、これらの陰性結果は、限局性のサルコイド肉芽腫性脳炎により顕在化する中枢神経サノレコイドーシスと一致す
るものである。
サルコイドーシスとは、 C
D4+Tcell優位で、 T
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1
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lの反応の特性のある肉芽腫性炎症反応の過程であり、サイト
カインや介在物質(l
L-2と IFN-γ) が上昇し、マクロファージの TNF-α 産生が増加する。発表された研究のメタア
ナリシスにより、サノレコイドーシス病変の約 25%に微生物の核酸が検知されたことが示された。ニューヨークの World
TradeCenterの場所のカピや細片のような物質を吸入することも、サノレコイドーシスが進展するリスクファクターと
l
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s1、 E領域や他の遺伝子領域の寄与を含め、疾患リス
して指摘されている。 MHC(主要組織適合遺伝子複合体) c
クに遺伝子の寄与が多系統のエピデンスにより指摘されている。一部の遺伝要因は疾患リスクに寄与し、他は臨床経
過について有益な情報でありうるが、神経系を含んだリスクを予測できそうなものはない。
神経系と関連のあるものはサノレコイドーシスの患者の 515%に報告されているが、検死により神経系の病変が指
・
摘される頻度はそれより高いだろう。神経系合併症は多様な種類が記述されているが、集団ベースのデータがないの
で、その相対度数を評価することは難しい。最もよく報告される異常は、(顔面神経を巻き込むことが多い)脳神経障
害を伴った脳底部の髄膜合併症である。顔面神経の合併症は片側性・両側性のどちらもあり、両側の合併症では同時・
片方ずつのどちらの発症も有り得る。視神経のが合併症は単独か、他の病変を伴って起こりうる。限局性・びまん性
の軟膜の合併症は脳神経障害に随伴して起こることも、単独で起こることもある。視床下部一下垂体系の変化による内
分泌疾患により、下垂体漏斗茎部の疾患が起こっているのかもしれない。硬膜の合併症は髄膜腫様の分離した腫癌に
より明らかになるだろう。この症例に見られた脳実質の合併症のある中枢神経サノレコイドーシスは、髄膜合併症のあ
るものより頻度は低い。視床下部と下垂体は合併症のよく起こる部位であるが、サノレコイドーシスは脳のどの部位で
も起こる。
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サノレコイドーシスは典型的な全身性の疾患であるので、全身の合併症を同定する診察をしなければならない。副腎不
全や尿崩症、性腺機能低下症、甲状腺機能低下症といった内分泌欠乏症の証拠も、肝臓の合併症の証拠もなかった。
患者 yのアンギオテンシン変換酵素は正常値であった。ぶどう膜炎や視神経炎の証拠もない。頭頚部 MRIでは、唾液
腺の合併症も見つからず、 S
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a症候群はなかった。胸腹部・骨盤部 CTも行った。
DrHunter
胸部の高解像度 CTを造影剤投与後に行った。冠状断と矢状断の画像で右臓部にわずかなリンパ節腫脹の増強域があ
った。他の異常はなかった。
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Dr.Venna
グノレココノレチコイドを主とする免疫抑制剤は、どんな型の中枢神経サノレコイドーシスにおいても治療の根幹であるが、
TNF-α 限害薬といった生物製剤が現在の治療で重要な役割を持っている。臨床経験も幾つかの長期研究により、治療
の反応性と臨床症候群による生命予後がわかってきている。リンパ球性髄膜炎・顔面神経障害・多発脳神経障害・多
神経根神経障害は、相対的に短いグルココノレチコイドの経過で反応し、長期予後も良好で、一般的に衰弱せずに済む。
対照的に、脳・脊髄・脊髄円錐等の実質に影響を与え、視神経・視床下部・下垂体領域
の肉芽種性関与が考えられるサノレコイドーシスの患者は、しばしば経過が長引き、病態は
進行性である。このような患者たちは、メトトレキサート・アザチオプリン・ミコフェノ
ーノレといった免疫抑制剤に少し治療効果が期待できるが、長期の治療を必要とする。免疫
抑制剤は進行を遅らせ、停止させる可能性はあるものの、これらの疾患を治療することは
不可能である。
TNFα 阻害薬は、通常の免疫療法で、は不十分であったり、許容しがたい副作用との関
連が明らかである場合に有効である可能性がある。 TNFα 阻害薬使用に対する論理的根拠
は、サイトカイン TNFα というものが肉芽種を生成し、組織を損傷し、永続的に肉芽種性
のプロセスにより生成されるといったことである。最も一般的に使用されるのは、可溶性、
膜結合型の両タイプを阻害するキメラ抗体からなるインフリキシマブで、ある。
ケースレポートは、インフリキシマブが難治性の神経サノレコイド}シスに対して利益を
与え、しばしば脳、脊髄病変の劇的な改善、臨床症状に対する対応をもたらしたことを示
す。我々の経験から、この薬が数例の広範な縦方向性の脊髄炎において、注目すべき効果を
示している一方、この薬が糖質コルチコイド抵抗性で、重度の神経学的障害を引き起こす
傾向があることも事実である。インブリキシマブは、しばしば治療効果の鈍化する抗体の
産生を、最小限に抑える低用量メトトレキサートと併用される
現在利用可能な治療レジメンのいずれかがこの神経サルコイドーシスの患者を治療でき
るかどうかは明らかでではない。私たちの知る限りでは、どのような無作為化比較臨床試
験で、あっても、おそらくサルコイドーシス症候群の多様性と希少性のために患者の治療に
的を得ることが難しい。多施設共同研究、多国籍臨床試験を実施する明らかな必要性があ
ります。
80mg/日の用量のプレドニゾン療法が、この患者が病院から退院後に開始された。レベ
チラセタムの使用量は発作のコントロールのため一日に二回、 1000mgに増加された。生
検が行われた後 1
7 日間、患者はフォローアップのため我々の神経内科クリニックに来院
した。彼は、嘆覚の異常は解決していたが、一日に何回か発生している左側のしひ、れのエ
ピソードはより頻繁になっていると報告した。彼はまた、手術以来絶えず続いている、ク
ロルプロマジン (
5
0mg)に反応しないしゃっくりや、同様にプレドニゾ、ンの開始以来続く気
分のむら、肩の痛み、食欲増加に伴う体重増加などを報告した。これらの症状のため、プ
レドニゾンの投与量は 60mg/日に減少した。しゃっくりとの痛みの管理のためガパベンチ
ン (
2
0
0mg1
1日x 3回)療法が開始された。 トリメトプリム・スノレファメトキサゾーノレは
ニューモシスチス変異肺炎予防のために開始され、同時に骨量減少の防止にカノレシウムと
ビタミン D の投与を開始した。
その患者はニューヨークに住んでおり、そこの医療センターで神経学的ケアを続けること
になった。彼は、神経科医と協議の結果、サルコイドーシス専門の呼吸器科で主に治療さ
れている。プレドニゾンは術後三か月でメトトレキサートに変更になった。発作のコント
ローノレのために、レベチラセタムはラモトリギンに変更になり、さらにそれは患者さんの
好みに従って術後 3 カ月で中止となった。気分のむらや神経過敏はプレドニゾンとレベチ
ラセタムの使用を中止した後、解決した。左側のしびれ、うずき、しゃっくりは、少なく
とも術後 3カ月以内に解決した。嘆覚異常が再発したが、以前より頻回ではなかった。患
者は、術後数ヶ月で、仕事に戻った。残念ながら、この会議の前の週、彼に錯乱と記憶喪失、
舌の自傷がみられた。この出来事は全身けいれんを示唆する。彼に呼吸器、皮膚、目、関
節炎やその他の症状はない。
頭部 MRIは、右側頭葉の病変の不変性を示したが、この会議の 1週間前に撮った 2度目の
頭部 MRIでは病変の拡大、脳幹への広がりを示した。この所見から、インブリキシマプの
導入で、患者の免疫抑制療法の調整を促すことになるだろう。
何かコメントはありますか?
私の患者の場合、プレドニンを毎日使用することにより副作用が生じた時,たいてい隔日
投与に切り替える。そして、 2倍もしくは 2倍近い量で隔日投与する。すると、副作用はた
いていなくなる。これはなかなか有用であると私は考える。
私たちの患者を紹介します。
患者:私はカリー先生、ベンナ先生をはじめ、世話してくれたすべての人に感謝したいです。
私の症例を違う観点から見て、最高の解決策を見出していただきありがとうございます。
私は以前検察官であり、とても強烈な仕事でした。今、個人の法律業務に自分の時間を割
いており、嘆覚障害のために働くことができないとき、私のパートナーが助けてくれてい
ます。先週は残念だったし、私はプレドニンに戻って、インブリキシマプを開始する必要
があるだろうと言われました。
博士ハンター、サノレコイドーシスを証明する胸写の正確さについて、そして、それらが疑
われた場合に CTと PET-CTを即座に実行することがベストなのか意見いただけますか。
この場合は、患者の胸写は正常だ、った。通常、画像診断におけるサルコイドーシスの初期
の兆候は、肺実質の亀裂の拡大といくつかの漠然とした黒色の球状影である。このような
所見は通常胸部レントゲン写真のそれよりも高い解像度で表示される。ただし、著名な肺
門リンパ節腫脹がある場合、胸部単純写真で、見られる可能性が高い。この場合、高分解能 CT
が微妙な肺門リンパ節腫大を識別するために必要だ、ったし、行ってさえ、肺実質に異常は
認められなかった。
新しい脳腫療へのアプローチを効率化し、我々が行う検査についてより選択的にするため
、全身 CTをとることはほとん
の近年の動きがあった。全身性疾患の疑いがない限り、 PET
どなくなった。胸部 CTは脳生検の必要性を未然に防ぐのか。我々は単純脳腫蕩に対する
日頃のプロトコールにおいてこれらのステップをなくすことが正しいのかどうか再考すべ
きである。
この場合、もし私たちが胸部 CTを行なったら、リンパ節の試料を得ることができるのか。
我々はおそらく血清カルシウムおよびアンジオテンシン変換酵素が正常であったかどう
かチェックしているでしょう。私の意見では、肺門リンパ節はそれらの生検サンプルを得
るために不十分であり、脳で何が起こっていたのか知ることを確実にしてくれる結果を得
るのに不十分である。私は、生検のいずれかの方法で確定診断することが義務づけられる
だろうと思います。
解剖学的診断
//
神経サルコイドーシス(焦点サノレコイド肉芽腫性脳炎