第3章 災害応急対策計画 第8節 医療救護計画 災害により医療及び助産の途を失った者に対する応急医療、助産又は突発的 な事故等のため、集団的に傷病者が発生した場合における福祉保健対策は、こ の計画に定めるところにより実施するものとする。 1 実施責任体制 災害のため、医療及び助産の途を失った者に対する医療救護は、主とし て市が佐伯市医師会、佐伯薬剤師会及び関係防災機関の協力を求めて、 福祉保健対策部が主体となり実施するものとする。ただし、災害救助法が 適 用 さ れ た 場 合 は 、大 分 県 地 域 防 災 計 画 の 定 め る と こ ろ に よ り 県 が 実 施 し 、 市はこれに協力するものとする。 2 医療救護の実施 (1) 医療の対象者 ア 災害のため、医療の途を失った者(り災の有無は問わない。) イ 応急的な医療をほどこす必要のある者 (2) 医療の範囲 ア 診察(疾病の状態を判断するもの) イ 薬剤又は治療材料の支給(傷病に伴う治療のため、直接又は間接に 必要な包帯、ガーゼ等の消耗品材料及び輸血用の血液等を支給するも のとする。 ウ 処置、手術、その他の治療及び施術 エ 病院又は診療所への収容 オ 看護 (3) 医療の実施期間 特別の事情のない限り、災害発生の日から14日以内とする。 (4) ア 医療のため負担する費用の範囲 薬剤又は治療材料の支給を行った場合 使用した薬剤、治療材料及び医療器具破損の実費 イ 病 院 又 は 診 療 所 等 に 収 容 し た 場 合 及 び 医 師 に よ る 診 察 、処 置 、手 術 を 受 け た 場 合 には国 民 健 康 保 険 診 療 報 酬 の 額 以 内 第3章 3 災害応急対策計画 助産の実施方法 (1) 助産の対象者 ア 災害のため助産の途を失った者 イ 災害発生の日の前後7日以内に分べんした者 (2) 助産の実施期間 特 別 の 事 情 が な い 限 り 分 べ ん の 日 か ら 7 日 以 内 の 期 間 と す る 。た だ し 、 災害発生の日前に分べんした者は、分べんの日から7日以内の期間が災 害発生の日から7日以内の期間と重複する期間の範囲とする。 (3) 助産の範囲 ア 分 娩 の 介 助( 陣 痛 の 開 始 か ら 胎 盤 排 出 ま で の 間 の 必 要 な 介 助 を い う 。) イ 分 娩 前 、及 び 分 娩 後 の 処 置( 出 産 前 の 準 備 及 び 処 置 並 び に 出 産 後 の 新 生児に対する「もく浴」を含む事後処理をいう。) ウ (4) ア 脱脂綿、ガーゼ、その他の衛生材料の支給 助産のための費用の負担の範囲 産 院 、そ の 他 の 医 療 機 関 に よ る 場 合 は 、佐 伯 市 に お け る 慣 行 料 金 の 8 割以内の額 イ 4 医療救護法による場合使用した材料の実費 医療機関、日本赤十字奉仕団佐伯支部、県等に対する協力要請 市は、応急的な医療救護及び助産を実施する場合は、医師会を通じ、市 内 の 医 療 機 関 の 協 力 を 求 め て 行 う も の と す る 。大 規 模 な 災 害 の 発 生 に よ り 、 市独自で医療及び助産の実施が困難となった場合は、県に応援を求めると ともに、必要に応じて日本赤十字奉仕団佐伯支部の協力を求めるものとす る。 5 災害救助法が適用された場合の医療救護措置 県(知事)の実施する医療及び助産措置について、次により協力するも のとする。 (1) 所属の救護班(福祉保健対策部)を出動させること。 (2) 臨時救護所の設置に関すること。 (3) 所属の医療機関に傷病者を収容すること。 (4) 他の機関の医療班又は救護班の受入れに関すること。 (5) その他医療救護に関し、必要なこと。 第3章 6 災害応急対策計画 集団的に発生した傷病者に対する救急医療対策 突発的に発生した大規模な災害によって、傷病者が集団的に発生した場 合には、次により医療救護を行ものとする。 (1) 事故を知った場合は、その内容をすみやかに最寄りの警察機関及び大 分 県 佐 伯 県 民 保 健 福 祉 セ ン タ ー に 通 報 し 、消 防 署 の 救 急 出 動 を 要 請 す る 。 (2) 不足する医療品、衛生用資機材の調達補給は、佐伯薬剤師会、県及び 日本赤十字大分県支部と協議して実施する。 (3) 必要に応じて現地対策本部を設置し、救急医療の実施について連絡調 整を図るものとする。 第9節 食糧供給計画 災害に際し、住家の被害により、自宅での炊事等ができない罹災者、又は災害防止、 災害復旧及び救助等の緊急作業に従事する者に対する一時的な炊き出しや必 要 な 食 糧の供給は、この計画の定めるところにより実施するものとする。 1 責任体制 被災地の罹災者に対する食糧の供給は、福祉保健対策部が主体となり必 要 に 応 じ て 実 施 す る も の と す る 。た だ し 、甚 大 な 規 模 の 災 害 に よ っ て 、災 害 救 助 法 が 発 令 さ れ た 場 合 に は 、県 地 域 防 災 計 画 に 定 め る と こ ろ に よ り 県 知 事 が実施するものとする。 2 食料供給活動の概要 (1) 罹災者、応急対策従事者に対する食糧供給の必要性の判断 罹災者、応急対策従事者に対する食糧供給の必要性を判断するため、 以下の情報を収集する。 ア 避難者の状況 イ 医療機関、社会福祉施設等の状況 ウ 応急対策等従事者の状況 エ 電気、ガス、水道の状況 (2) 食糧供給の実施 ( 1)で 食 糧 供 給 が 必 要 と 判 断 さ れ た 場 合 、各 規 定 事 項 に 従 っ て 食 糧 の 供 給を行う。その際、高齢者、障害者、乳幼児等及び医療機関の入院患者、 社 会 福 祉 施 設 の 入 所 者 に 配 慮 す る 。ま た 、県 の 支 援 が 必 要 と 判 断 さ れ る 場 第3章 災害応急対策計画 合は県に支援を要請する。 3 食糧の供給種別 食糧の供給種別は次のとおりとし、それぞれ被災の状況に応じ必要な措置 をとる。 (1) 炊き出しの実施 (2) 主食の供給 (3) 野菜・魚介類・副食品・調味料等のあっせん 4 主食の応急供給 罹災者等に対する食料品等の配給は市長が災害の状況を判断して、次の 基準により行う。 供 給 を要 する事 態 供給品目 罹 災 者 に対 し、炊 き出 し等 による給 食 を行 原 則 として米 穀 、実 情 う必 要 がある場 合 により乾 パン麦 製 品 供給数量 1食 当 り精 米 換 算 200g の範 囲 内 で市 長 の定 める数 量 災 害 に より配 給 機 能 が混 乱 し 、一 般 の 流 通 業 を通 じないで配 給 を行 う必 要 がある 〃 1日 当 り精 米 400g 場合 救 助 作 業 、応 急 復 旧 作 業 、応 急 措 置 に従 事 する者 に対 し、給 食 を行 う必 要 がある場 合 1食 当 り精 米 換 算 300g 〃 の範 囲 内 で知 事 の定 める数 量 5 食糧の調達方法(食 糧 の 緊 急 引 渡 し ) 市長は、通信・交通の途絶により孤立したため、応急配給を受けられな い場合は、「災害救助法が発動された場合における災害救助用米穀緊急引 渡要領」にもとづき締結する「大分県下における災害救助用米穀等の緊急 引渡しに関する協定書」に従って、次の措置をとるものとする。 (1) 九州農政局大分農政事務所地域第二課に対して、緊急引渡しを要請す る場合。災害救助用米穀等引取要請書に、種類、品目数、数量等を記載 し、引渡しを受けたい旨の要請を行い、引渡しを受ける。 第3章 災害応急対策計画 (2) 緊急引渡しを受ける数量の基準については、応急配給数量の基準の範 囲内とする。 6 食糧等の供給措置 (1) 災害救助法の適用による炊出し、その他による食品の給与(県の委任 に基づく場合) ア 炊出しその他による食品の給与基準(被災者の範囲) (ァ) 避難所に収容された者 (ィ) 住家の被害が全壊(焼)、流出、半壊(焼)又は床上浸水等であ っ て 、炊 事 の で き な い 者 及 び 被 災 地 の 旅 館 宿 泊 人 並 び に 一 般 家 庭 の 来訪者。 (ゥ) イ 被災し、一時縁故先に避難する者で、食糧品を喪失した者 炊き出し、その他による食品給与の方法 (ァ) 炊き出しの実施方法 炊 き 出 し は 、食 糧 班 が 担 当 し 、必 要 に 応 じ て 市 内 の 赤 十 字 奉 仕 団 、 自治委員会、飲食店業者等の協力を得て実施するものとする。乳幼 児に対してはミルク等を給与するものとする。 (ィ) 主食の給与量 1 人 1 食 200g 以 内 と す る 。 な お 、 精 米 の 支 給 が 困 難 な 場 合 は 乾 パン又は麦製品を割り当てるものとする。 (ゥ) 炊き出し及び食品の給与期間 特別な事情がない限り、災害の発生の日から7日以内とする。た だし、被災者が一時縁故地等に避難する場合は、3日分以内を現物 支給するものとする。 (ェ) 野菜、魚介類、副食品、調味料等の供給あっせん 甚大な災害の発生により野菜、魚介類、副食品及び調味料等に不 足を生じた場合は、県に要請し、供給のあっせんを受けるものとす る。 (ォ) 費用の負担及び限度額 災 害 救 助 法 の 適 用 に よ り 、県 か ら 炊 き 出 し 、そ の 他 に よ る 食 品 の 給 与 を 委 任 さ れ て 、市 が こ れ を 行 っ た 場 合 の 費 用 は 、県 が 負 担 す る 。 (ヵ) 県(知事)への報告 県 の 委 任 に も と づ く 災 害 救 助 法 の 規 定 に よ る 炊 き 出 し 、そ の 他 に よ る 食 品 の 給 与 に 着 手 し た 場 合 に お い て は 、す み や か に そ の 概 要 を 第3章 災害応急対策計画 県に報告し、必要な指示を受けるものとする。 (2) 市が行う独自の炊き出し、その他の食品の給与(災害救助法の適用が な い 場 合 ) を 実 施 す る 必 要 が あ る 場 合 に お い て は 、 前 (1 )に 掲 げ る 給 与 基準、方法に準じて行うものとする。ただし、これらの費用は、市の負 担とする。 第 10節 公益事業対策計画 社会生活に欠かせない電気、ガス、水道、電話等の災害時の応急対策につい ては、この計画の定めるところにより実施するものとする。 1 水道施設対策計画 (1) 実施機関 施設の管理者 (2) 応急対策要員の確保 水道事業管理者は、災害応急対策活動に必要な人員を速やかに確保する た め 、平 素 か ら 非 常 配 置 に お け る 人 員 編 成 計 画 書 を 作 成 し 、動 員 体 制 を 確 立 し て お く 。な お 、災 害 の 状 況 に よ り 実 施 機 関 の み の 人 員 で 不 足 す る 場 合 は、管工事共同組合等に協力を求めて実施する。 (3) 応急対策用資機材の確保 配 水 の た め の 自 吸 式 ポ ン プ を 設 置 す る と と も に 、応 急 復 旧 を 実 施 す る た め に 必 要 な 最 小 限 度 の 資 機 材 を 確 保 し て お く 。な お 、被 害 の 状 況 に よ り 実 施機関のみの資機材で不足する場合は、指定工事店等から調達する。 (4) 応急措置 ア 施設が破損したときは、破損箇所から有害物質等が混入しないよう に処置するとともに、とくに浸水地区等で悪水が流入するおそれがあ る場合は、水道の使用を一時中止するよう一般に周知する。 イ 災 害 発 生 に 際 し て は 、取 水 、導 水 及 び 浄 水 施 設 の 防 護 に 全 力 を あ げ 、 給水不能の範囲をできるだけ少なくするようにする。 ウ 取水、導水及び浄水施設が破損し、給水不能または給水不足となっ た区域に対しては他系統の全能力をあげて給水するとともに施設の速 やかな復旧を図る。 エ 配水管の幹線が破損したときは、相当広範囲にわたり給水不能とな るので、給水車を出動させる等の方法により給水を確保する。 第3章 災害応急対策計画 (5) 給水の責任体制 被災地住民に対する給水は、市(市長)が実施する。災害救助法が適 用された場合は、県(知事)の補助機関として、県(知事)の委任にも とづき実施するものとする。 (6) 給水の方法 ア 災害救助法が適用された場合 県(知事)の委任にもとづき、次により市が実施する。 (ァ) 給水は、原則として消火栓から取水し給水する。 (ィ) 消火栓から取水が困難な場合は、配水池(水道用貯水施設)等を 利用する。 (ゥ) 被災地の状況により、給水車(撒水車、消防タンク車等)または 容器による輸送等により行う。 (7) 給水の実施 給水が必要と判断された場合、給水する水の水質確認については佐伯 県民保健福祉センター等に協力を求める。また、次の点に留意して給水 活動を行う。 ア 給水場所、給水方法、給水時間等について防災行政無線等を用いて 住民に広報する。 イ 医 療 機 関 、社 会 福 祉 施 設 に つ い て は 、臨 時 の 班 を 編 成 す る な ど 迅 速 、 的確な対応を図る。 ウ 自力で給水を受けることが困難な災害弱者を支援するため、ボラン ティア団体との連携を可能な限り図る。 エ 記 録 県の委任にもとづく給水を実施した場合は、次の帳簿等を備え、必 要な記録を行うとともに、これを保存するものとする。 (ァ) 救助実施記録簿 (ィ) 飲料水供給記録簿 (ゥ) 飲料水供給のための機械器具燃料及び浄水用薬品資材受払簿 (ェ) 飲料水供給のための支払証拠書類 オ 災害救助法の適用がなく、市が独自に給水を行う場合 必 要 に よ り 市 が 独 自 に 給 水 を 行 う 場 合 は 、災 害 救 助 法 が 適 用 さ れ た 場 合の給水に準じて給水を行うものとする。 第3章 2 災害応急対策計画 電気 九州電力(株)佐伯営業所との協力体制及び緊密な連絡により、被災地 に 対 す る 電 力 供 給 に 努 め 、緊 急 事 態 に 迅 速 に 対 処 す る も の と す る 。な お 、電 力 設 備 の 復 旧・予 防 対 策 は 九 州 電 力( 株 )佐 伯 営 業 所「 非 常 災 害 対 策 部 運 営 基準」によるものとする。 また、電気事故防止のため、電気供給設備に次のような異常を発見した 場合は、九州電力(株)佐伯営業所に通報するものとする。 (1) 電柱が倒壊・折損・傾斜しているとき。 (2) 電線が断線、垂れ下がっているとき。 (3) 樹木、テレビのアンテナ、煙突等が倒れて電線に触っているとき。 (4) 電気設備から火花、音響、煙等が出ているとき。 3 電話 西日本電信電話株式会社大分支店と の 協 力 体 制 及 び 緊 密 な 連 絡 に よ り 、 緊 急 事 態 に 迅 速 に 対 処 す る も の と す る 。な お 、電 信 電 話 設 備 の 復 旧 対 策 は 西日 本電信電話株式会社大 分 支 店 「 災 害 等 対 策 細 則 」 に よ る も の と す る 。 4 ガス 災害のため、LP(プロパン)ガス施設等に被害が発生し、又は発生す る恐れがある場合、その応急措置及び二次災害防護措置を講ずるため、消 防署及び大分県エルピーガス協会佐伯支部との協力体制及び緊密な連絡に より、緊急事態に迅速に対処するものとする。 第 11節 衣料、生活必需品等物資の供給計画 災害時の被災者に対し、日常生活に欠くことのできない被服、寝具、その他 の生活必需品の一時的な給与又は貸与は、この計画の定めるところにより実施 するものとする。 1 給与又は貸与の実施責任体制 被災者に対する救助物資の給与又は貸与については、要援護者支援班が 行 う も の と す る 。 ただし、災害救助法が適用された場合には、大分県地域防災 計画の定めるところにより県知事が実施する。 第3章 2 災害応急対策計画 給与又は貸与の基準(対象者) 災害により、全壊(焼)、流出、半壊(焼)及び床上浸水等の被害を受 け、被服、寝具等の生活上必要最少限の家財をそう失した者で、市長が必 要と認めた場合とする。 3 給与又は貸与品目 (1) 寝具 就寝に必要な最少限の毛布及び布団類等 (2) 外衣 作業着、婦人服、子供服等 (3) 肌着 シャツ、パンツ等 (4) 見廻品 (5) 炊事道具 (6) 食器 (7) 日用品 (8) 光熱材料 (9) その他 4 タオル、靴、傘等 鍋、釜、包丁、コンロ、バケツ等 茶わん、汁茶わん、皿、はし等 石鹸、ティッシュペーパー、歯ブラシ、歯みがき粉等 ライター、ローソク、薪、木炭、プロパンガス等 日常生活に欠くことのできないと認められるもの 調達の方法及び配分 災害の程度及び罹災者の数に応じ、速やかに救助物資の購入計画を立て、業者 より購入する。 5 給与又は貸与の基準 罹 災 者 に 対 し 、給 与 又 は 貸 与 す る 衣 料 、生 活 必 需 品 、そ の 他 物 資 の 品 目 、 数量及び限度額の基準は次のとおりとする。 (1) 災害救助法が適用される場合 災害救助法施行細則に定めるとおりとする。 (2) 県内規の適用基準に該当する場合 大分県の小災害に対する救助内規に定めるとおりとする。 (3) 小災害の場合 災害救助法及び大分県が定める小災害に対する救助内規に該当しない 場合には、災害の程度及び罹災者の被害状況、り災人員、世帯構成員を 基礎として、その都度市長が定める。 第3章 6 災害応急対策計画 物資及び救援品等の配分方法 り災世帯のり災程度、世帯構成の状況により配分計画を立て、自治会長 等を通じてり災世帯に配分する。 7 物資の配給期限 特 別 の 事 情 の な い 限 り 、 災 害 発 生 日 か ら 10日 以 内 と す る 。 8 帳簿等の整備 罹災者に対し、救援物資を給与又は貸与した場合には、次の帳簿等を備 え、必要な記録を行うとともに、これを保存しなければならない。 (1) 物 資 購 入 ( 配 分 ) 計 画 表 (2) 物 資 受 払 簿 (3) 物 資 購 入 及 び 支 払 証 拠 書 類
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