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平成28年度
水 稲 生 育 診 断 情 報 No.4
(次回は 8/22 頃の予定)
(平成 28 年 7 月 26 日)
(情 報 作 成 )滋 賀 県 農 業 技 術 振 興 センター
近江八幡市安土町大中 516 (TEL:0748-46-4391)
現在の生育状況
◎各品種とも生育は平年より早い。(農技センター5月 10 日移植
「コシヒカリ」の出穂期は7月 25 日)
管理のポイント
【病害虫防除】
◎斑点米カメムシ類については注意報が発表されており、適期に
確実に防除を行う。
◎葉いもちの発生ほ場率は平年よりもやや高く、今後の気象条件
に よ っ て は 多 発 す る 心 配 が あ る の で 、必要に応じて防除する。
【水管理】
◎出穂期前後各3週間は常時湛水を行う。ただし、無駄な入水
がないよう留意する。
◎収穫5日前までは落水しない(早期落水防止)。
☆ =「み ず か が み 」栽 培 だ よ り = (P6 ) も ご 覧 く だ さ い 。
農業技術振興センターホームページの「みずかがみ」コーナーもご参照ください。
※ 高温が続くので、熱中症に注意して作業を行う。
1 気 象 の経 過 と予 報
( 1 ) 気 象 の 経 過 ( 近 江 八 幡 市 安 土 町 大 中 で の 観 測 、 平 年 は 過 去 10 年 間 の 平 均 )
要素
最高気温
最低気温
日照時間
降水量
上旬
やや高い
やや高い
かなり多い
やや少ない
中旬
やや低い
平年並
平年並
かなり少ない
期間
7月
※ 梅 雨 明 け は 7 月 18 日 頃 ( 平 年 よ り 3 日 早 い ) 。
( 2 ) 近 畿 地 方 1 か 月 予 報 【大阪管区気象台7月 21 日発表 ( http://www.jma.go.jp/jp/longfcst/106_00.html)】
■平年に比べ、晴れの日が少ない見込み。
■ 向 こ う 1 か 月 の 降 水 量 は 、 平 年 並 ま た は 多 い 確 率 と も に 40% 。
■ 日 照 時 間 は 、 平 年 並 ま た は 少 な い 確 率 と も に 40% 。
■ 週 別 の 気 温 は 、 1 週 目 は 、 平 年 並 ま た は 低 い 確 率 と も に 40% 。 2 週 目 は 、 平 年 並 の
確 率 50% 。 3 ~ 4 週 目 は 、 平 年 並 ま た は 高 い 確 率 と も に 40% 。
- 1 -
2 生育状況
【農業技術振興センター水稲作況調査(7月 20 日時点)による。表1、表2および後掲グラフ参照。】
■草丈は、「コシヒカリ」では平年よりやや長く、「秋の詩」では平年並であった。
■茎数は、「コシヒカリ」では平年より多く、「秋の詩」では平年並であった。
■ 葉 数 は 、 両 品 種 と も に 平 年 よ り 0.6 枚 多 か っ た 。
■ 「 コ シ ヒ カ リ 」 の 幼 穂 形 成 期 は 7 月 2 日 で 平 年 よ り 4 日 早 く 、 出 穂 期 は 7 月 25 日 で
平年より4日早かった。
■ 「 秋 の 詩 」 の 幼 穂 形 成 期 は 7 月 13 日 で 平 年 よ り 5 日 早 か っ た 。
7月 20 日時点の「コシヒカリ」
茎数 563 本/㎡(25.4 本/株)
表1
平成 28 年(2016 年)
水稲作況調査
7月 20 日時点の「秋の詩」
茎数 556 本/㎡(25.1 本/株)
生育調査結果
滋賀県農業技術振興センター(近江八幡市安土町大中)
基準日
品種名
月/日
7/10
本年 平年
比
茎 数(本/㎡)
葉 色(SPAD 値)
主稈葉数(枚)
前年 本年 平年
比
前年 本年 平年
比
前年 本年 平年 較差 前年
コシヒカリ 84.9 79.4
107
78.7
605
625
97
708
34.7 36.2
96
36.3 12.0 11.2
0.8
10.9
74.4 70.0
106
67.4
582
651
89
628
38.1 43.4
88
42.0 11.4 10.9
0.5
10.5
コシヒカリ 94.5 90.7
104
91.3
563
532
106
582
34.8 35.5
98
34.8 13.2 12.6
0.6
12.4
80.2 81.1
99
81.3
556
563
99
608
35.9 37.0
97
35.9 12.5 11.9
0.6
11.7
秋の詩
7/20
草 丈(cm)
秋の詩
※移植日:5月 10 日(播種日:4月 20 日)、栽植密度:22.2 株/㎡、植付本数:4本/株
基肥 :N 成分 3kg/10a、追 肥:N 成 分2 kg/10a、 穂肥 :N 成分 4kg/10a(N 成 分 2kg/10a を 2回 分施 )。
表2
水稲作況調査
生育ステージ
「コシヒカリ」
本年
平年
平年との較差
前年
幼穂形成期
7月2日
7月6日
-4日
7月5日
出 穂 期
7月25日
7月29日
-4日
7月29日
本年
平年
平年との較差
前年
幼穂形成期
7月13日
7月18日
-5日
7月17日
出 穂 期
未
8月12日
-
8月10日
「秋の詩」
※ 移植日:5月10日
- 2 -
3 今 後 の管 理
(1)適正な水管理《出穂前後各3週間の常時湛水・早期落水防止》
■出穂期前後は、水稲の一生の中で最も多くの水を必要とする時期であり、水が不足す
ると稲が十分に光合成できず、白未熟粒の発生や籾の充実不足が助長されるため、出
穂前後各3週間は常時湛水管理を行う。
■落水時期の目安は収穫の5日前であるが、収穫作業に支障がない限り出来るだけ遅ら
せ、根や葉の活力を収穫直前まで維持させる。
※用水利用にあたって、掛け流しや深水管理等、必要以上の取水に
ならないよう、こまめな水管理を徹底する。
間断かん水
図1
図
(2)適期収穫
■ 近 年 、 出 穂 後 の 気 温 が 高 く 、 登 熟 日 数 が 短 く な る 傾 向 に あ る の で 、 早 生 品 種 (「コ シ ヒ
カ リ 」等 )だ け で な く 、 中 生 品 種 (「日 本 晴 」、「秋 の 詩 」等 )で も 、 出 穂 後 30 日 を 過 ぎ た ら
収穫できるよう準備を整えておく。
■ 収 穫 時 期 が 近 づ い た ら ほ 場 に 入 っ て 、穂 (籾 )を し っ か り 確 認 し 、 黄 化 籾 が 85~ 90% に
な っ た ら 収 穫 を 開 始 す る ( 目 安 は 、 籾 黄 化 率 50% 程 度 で 収 穫 7 日 前 ) 。
☆登熟日数の比較(作況試験データより)
年次
\
品種名
コシヒカリ
日
昭 和 61年 ~ 平 成 15年 3 7 日 (32~ 40日 )
平 成 16年 ~ 25年
※(
本
晴
4 1 日 (34~ 49日 )
秋
の
詩
-
3 3 日 (30~ 37日 ) 3 7 日 (32~ 40日 ) 3 9 日 (34~ 44日 )
) 内 は 各 期 間 の 最 小 ~ 最 大 日 数 。 「 日 本 晴 」 の 平 成 16~ 25 年 は 平 成 16~ 22 年 の 7 年 間 。
- 3 -
この期間は急速に籾の黄化が
進むので、ほ場に入って穂を
確認する。
図3
成 熟 期 前 の 籾 黄 化 率 の 推 移 (農 業 技 術 振 興 セ ン タ ー 2008 年 「コ シ ヒ カ リ 」)
注)調査方法:黄化籾の標準見本色を基準に黄化籾と青籾を目視で計数。
【 適 期 収 穫 の ポ イ ン ト 】 ★葉色に惑わされず、ほ場に入って穂をしっかり確認する。
収穫適期
の 目 安
① 上から3~4本目の枝梗につく籾が全て黄化した頃
② 籾黄化率85~90%
★収穫7日前の目安:籾黄化率50%程度
・・・収穫適期判定板を活用
(3)病害虫防除
7 月 20 日 発 表 の 「 病 害 虫 発 生 予 報 第 7 号 」 (http://www.pref.shiga.lg.jp/g/byogaichu/yoho/
yoho28/yoho07.html)
を参照
予報第7号より抜粋 ・
穂いもち(発生時期:平年並、発生量:平年並)
① 7 月 19 日 発 表 の 「 防 除 情 報 第 8 号 」 を 参 照
( http://www.pref.shiga.lg.jp/g/byogaichu/bojoinfo/2016/2
016bojo08.html)
穂いもち
- 4 -
紋枯病(発生時期:平年並、発生量:やや多)
①前年の発生が多かったほ場では特に注意する。
②防除の目安は、極早生・早生品種では発病を認めた場合、中生・晩生品種では
出 穂 20 日 前 の 発 病 株 率 が 15~ 20% 以 上 。
③病勢進展初期(幼穂形成期~穂ばらみ期)に株元までよくかかるように薬剤を
散布する。
斑点米カメムシ類(発生時期:やや早、発生量:やや多)
① 7 月 14 日 発 表 の 「 注 意 報 第 3 号 」 を 参 照
( http://www.pref.shiga.lg.jp/g/byogaichu/tyuui/tyuui/2016tyuui3.html )
(斑点米カメムシ類の写真)
写 真 1 .ホ ソ ハ リ カ メ ム シ
写 真 2 .ト ゲ シ ラ ホ シ カ メ ム シ
写真3. アカスジカスミカメ
【参考サイト】
農業技術振興センター
http://www.pref.shiga.lg.jp/g/nogyo/
病害虫防除所
http://www.pref.shiga.lg.jp/g/byogaichu/
彦根地方気象台
http://www.jma-net.go.jp/hikone/
異常天候早期警戒情報
http://www.jma.go.jp/jp/soukei/
- 5 -
◎「みずかがみ」の成熟期予想
<4月下旬~5月上旬移植の場合>
8 月 19 日 前 後 の 見 込 み 。
<5月中旬移植の場合>
8 月 26 日 前 後 の 見 込 み 。
◎生育が早まっているため、収穫時期の見極めには注意が必要!
◎収穫までは丁寧な水管理、適切な病害虫防除を心がける!
☆「みずかがみ」の生育状況
「みずかがみ」の出穂期と成熟期の予想および過去のデータ(近江八幡市安土町大中)
【参考】 過去の成熟期
出穂期
成熟期予想
移植日
平成28年
平成28年
平成25年
平成26年
平成27年
5月2日
7月17日
8月19日
8月20日
8月26日
8月19日
5月16日
7月24日
8月26日
8月26日
8月29日
8月27日
1)成熟期は、葉齢進展と過去の試験結果により予測。
2)移植日:平成25年は5月2日・15日、平成26年は5月2日・14日、平成27年は5月1日・15日。
☆今後の「みずかがみ」の栽培管理対策
<水管理>
■ 品質・食味向上のために、出穂前後各3週間は常時湛水管理を行う。
■ その後、収穫5日前まで間断かん水管理を実施する。
<カメムシ類対策>
■ 本年は斑点米カメムシ類の発生が多く、被害が多発することが懸念される。
■ 「みずかがみ」は他の品種より出穂期が早いため、遅れず適期に防除を行う。
<適期収穫>
■ 4月下旬~5月上旬移植の場合、盆明け早々に成熟期を迎えることが予想されるた
め、収穫・乾燥作業の準備を怠らずに実施する。
■ 収 穫 は 籾 の 黄 化 率 ( 約 85~ 90% ) を 確 認 し 、 適 期 に 実 施 す る 。 た だ し 、 早 刈 り は
青未熟粒が多くなり、等級が低下する危険性があるため、十分注意する。
○ 「 み ず か が み 」 の 生 育 状 況 ( 7 月 25 日 時 点 )
5 月 16 日 移 植
5月2日移植
- 6 -
平成28年(2016年) 水稲作期間半旬別気象図(近江八幡市安土町大中)
(℃)
【気温の推移(最高気温、最低気温)】
本年
平年
40
30
20
10
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
月/半旬
(hr)
【日照時間の推移】
本年:棒線
平年:折線
50
40
30
20
10
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
月/半旬
(mm)
【降水量の推移】
本年:棒線
平年:折線
160
140
120
100
80
60
40
20
0
4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
月/半旬
注)平年は平成18~27年の平均値.
5月,7月,8月,10月の第6半旬の降水量および日照時間は6日間の合計値.
- 7 -
平成28年(2016年) 水稲作況調査 生育調査結果
農業技術振興センター(近江八幡市安土町大中)
移 植:5月10日 (播種:4月20日)
栽植密度:22.2株/㎡、植付本数:4本/株
注)平年値のエラーバーは標準偏差。 生育調査の平年は平成18~27年(10年間)の平均値。
「コシヒカリ」
150
葉色
葉色(SPAD値)
草丈(cm)
120
50
草丈
90
60
本年
30
平年
40
35
30
5/31
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
5/31
7/30
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
15
1,000
茎数
12
葉数(枚)
茎数 (本/㎡)
本年
平年
0
800
45
600
400
本年
200
葉数
9
6
本年
3
平年
平年
0
0
5/31
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
5/31
7/30
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
「秋の詩」
50
150
葉色
草丈
葉色(SPAD値)
草丈(cm)
120
90
60
本年
30
平年
40
35
30
5/31
6/10
6/20 6/30
7/10
7/20
7/30
5/31
8/10
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
8/10
15
1,000
茎数
12
葉数(枚)
茎数(本/㎡)
本年
平年
0
800
45
600
400
本年
200
葉数
9
6
本年
3
平年
平年
0
0
5/31
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
5/31
8/10
- 8 -
6/10
6/20
6/30
7/10
7/20
7/30
8/10