平成28年度 産業財産権制度各国比較調査研究等事業 模倣被害に対する主要各国による措置及び対策に関する実態調査 仕 様 特許庁 書 1.件名 平成28年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業「模倣被害に対する主要各国に よる措置及び対策に関する実態調査」 2.調査研究の目的 我が国企業等の特許製品又は登録商標等の模倣被害は、近年、複雑化・広範化してお り、これらの被害は我が国企業にとって潜在的市場の喪失、消費者に対するブランド・ イメージの低下、製造物責任を巡るトラブルの増加等の悪影響を及ぼすため、その対策 に積極的に取り組む必要がある。 特許庁では、政府支援策のあり方の検討や企業での模倣品対策に資するべく、平成8 年度以降毎年、日本国内外で我が国企業が受けている模倣被害の状況を統計的に調査し て、その結果をとりまとめているところ、これまで、模倣被害に対し、日本以外の国々 では、どのような措置や対策を行っているのかについて具体的かつ詳細な調査を行って いない。 本調査研究は、模倣被害に対して主要各国が実施している措置及び対策の内容につい て具体的かつ詳細に調査し、その結果を取りまとめることで、模倣被害に対して我が国 が行うべき施策検討の参考とすることを目的とする。 なお、我が国製品等の模倣品の対策には、官民が協同してそれに取り組むことが必要 であり、当該調査の実施は、当該官民協同による対策の検討の参考にもなるものである。 3.調査研究 (1)調査対象国 <以下調査項目①の対象国> 米国、EU、英国、オーストラリア、カナダ、チリ、メキシコ、ペルー、ニュージー ランド、中国、韓国、台湾、ASEAN諸国、UAE、トルコ <以下調査項目②及び③の対象国> 米国、英国、オーストラリア、中国、韓国 (2)調査項目 ①調査対象国におけるエンフォースメント(水際措置等)に係る制度の内容及び運用 状況 1)水際措置の内容及び実施状況(統計等の数値情報を含む。) ・特許権、実用新案権、意匠権、商標権、著作権、それぞれについて、税関 登録制度、輸出、輸入及び通過における申立差止及び職権差止の有無及び国 内担保法(政令、省令等も含む) ・差止から廃棄までの手続き(フロー)及び廃棄権限を有する当局 ・費用負担について ・税関と権利者との連携(情報共有等)について 1 2)刑事措置の内容及び実施状況(統計等の数値情報を含む) ・営業上の秘密の不正取得に対する刑事罰の有無及び国内担保法(政令、省 令等も含む) ・商標を侵害しているラベルや包装(不正ラベル、不正包装)の故意に使用 に対する刑事罰の有無及び国内担保法(政令、省令等も含む) ・映画盗撮に対する刑事罰の有無及び国内担保法(政令、省令等も含む) 3)民事措置 ・法定損害賠償制度、追加的損害賠償(懲罰的損害賠償を含む)制度の有無 及び国内担保法(政令、省令等も含む) ②調査対象国内外での模倣に対する各国政府・団体等による措置・対策の状況及びそ の内容 <調査例> ・模倣を止めさせるための関係国への働きかけ(交渉)の進め方・内容 ・模倣に対する消費者意識の改善を図っている場合、その実施方法及び内容(例えば、 キャンペーンなどの啓発活動やセミナーを通じての教育など) ・模倣被害への対策、及び模倣被害が発生した場合の相談体制や相談内容 ③調査対象国内外での模倣被害の実態把握の状況 ・国内・国外での模倣被害の実態把握の方法(アンケート調査の実施等) ・国内・国外での模倣被害による損害額の推定方法(計算式等) ・被害を受けた各企業の損害額の推定方法 ・調査対象国の企業等が受けた模倣被害による総損害額の推定方法 (3)調査研究手法 ①文献等調査 書籍、論文、及びインターネット情報等を利用して、3.(2)で挙げた各項目に 関する情報収集をし、整理する。調査対象国の政府の内部資料等も可能な限り入手す るとともに、公表の可否について確認する。 同じ資料が複数の言語により公開されている場合又は複数の言語で併記されている 場合は、日本語に翻訳する基礎資料としていずれか一の言語を選択すること。また、 日本国特許庁が日本語の仮訳を作成・公表している資料については、当該日本語の仮 訳文書を用いること。 ②質問票調査 3.(1)で挙げた調査対象国における管轄機関等に対し質問票を送付して上記調査 項目について調査を実施し、その結果を取りまとめる。送付する質問票の内容は、事前 に庁担当者と協議をしたうえで、より詳細で有益な情報が得られるような質問内容とす る。また、記載した質問票案を庁担当者に提示の上、承認を得ること。 2 ③海外ヒアリング調査 上記①及び②の調査結果を踏まえて、より詳細な調査を行うため、3.(1)で挙 げた調査対象国のうち、米国、オーストラリア、ベトナム、フィリピンの計4か国の 管轄機関又は知見を有する弁護士事務所、団体等に研究員を派遣の上聞き取り調査を 実施し、その結果を取りまとめる。なお、ヒアリング先との連絡調整は研究員又は研 究員の管理・監督者が行うこと。また、必要に応じ、ヒアリング先に謝金を支払うこ と。 ④調査結果の分析・取りまとめ ・上記の各調査項目について、文献調査、質問票調査及びヒアリング調査で得られた 結果を調査対象国ごとに比較・分析し、模倣品に対する主要各国による措置及び対策 を総合的に取りまとめること。 ・調査結果の分析内容に基づき、調査対象国ごとの結果の相違を一覧できる概括表を 作成すること。 ・調査結果の分析・取りまとめに当たっては、庁担当者と事前に協議をして作業を進 めること。 <<過去の調査研究報告書の利用について>> 以上の調査に当たっては、以下に挙げる過去の調査研究報告書を参考としつつ、 以上の調査項目に関して最新の情報を詳細に調査すること。 ・平成16年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業(模倣品等取締りのための国 際協力に関する調査研究報告書)URL:https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/ chousa/zaisanken_kouhyou.htm (3)調査研究報告書 ①報告書の表題を「模倣品に対する主要各国による措置及び対策に関する実態調査」 とすること。 ②3.(2)④に従って調査研究結果について報告書にまとめること。なお、必要に 応じ、図表、グラフ等を使用して構わない。 ③報告書の要約(文章及び本調査研究を俯瞰する図表1)を報告書に含めること。 ④英語で記載された情報については、日本語の対訳を付し、日本語及び英語以外の言 語で記載された情報については、日本語の対訳を付すこと。 ⑤必要に応じ、著作権の取扱い等について報告書に記載すること。 4.人的体制 本調査研究に関して、調査を実施するとともに専門的な視点からの検討及び分析をす るために、本調査研究分野に専門的な知見を有する者(以下「研究員」という。)を配 1 調査研究を俯瞰する図表とは、報告書の内容を把握することができるよう総括された図表のこと(1 頁程度)。 3 置することが望ましい。研究員は、我が国の産業財産権を含む知的財産制度・運用に対 して十分な知見・実務経験を有するとともに、知財をめぐる国際的議論や諸外国の産業 財産権を含む知的財産制度・運用についても知見・実務経験を有している者が望ましい。 また、研究員は、海外におけるエンフォースメント(水際措置、罰則等)並びに模倣 の状況や模倣対策について十分な知見を有する学識経験者、法律家(弁護士、弁理士) それぞれ 1 名以上から、調査研究の各段階で監修・助言を受けること。なお、上記研究 員のうち少なくとも 1 名を庁担当者からの連絡・調整担当とし、庁担当者からの問合せ 等に直接的、迅速かつ的確に対応できる体制を整備すること。 5.調査研究に当たっての留意事項 (1)調査研究開始日から報告書納入日までの本調査研究にかかる全体スケジュール、 調査研究体制、実施機関の連絡体制等について、契約締結後、速やかに庁担当者 に書面にて説明すること。 (2)原則として、企画提案書にて提案した事項については、遵守すること。ただし、 調査の具体的内容については、庁担当者と十分な打合せをすること。 (3)調査研究進捗状況は、庁担当者の指示する形式・頻度にて報告すること。場合に より、庁関係者に対し、中間的な報告を実施することもある。 (4)調査研究内容については、庁担当者と十分な打合せを行うこと。 (5)打合せを行った場合は、打合せ議事録を作成し、2 実働日以内に庁担当者に提出し、 庁担当者の承諾を得ること (6)調査研究を進めるに際し、常に案を作成・提案し、必ず庁担当者の承認を得るこ と。また、調査研究の進捗に影響を与えうる何らかの変更が生じた場合は、速や かに報告し、庁担当者の指示に従うこと。 (7)庁担当者に提示する資料を用意すること。 (8)報告書の納入前において、本調査研究で得られた情報について、庁担当者が、必 要があると判断する場合には、その指示に従い、必要なデータを庁担当者に提供 すること。 (9)納入時に納入物及び提出物の報告書等の著作物の著作権は特許庁に帰属するもの とし、著作者人格権の行使は行わないものとする。ただし、報告書等を執筆した 者については、当該報告書等からの引用である旨付記することを条件に執筆部分 に限り複製、翻訳、翻案等の形で利用することを可能とする。 (10)報告書等に掲載する図面、写真、文章等を他の文献から転載する場合には、出 典を明記するとともに、著作権者から転載許諾を得ること。また転載許諾を得た 図面、写真、文章等の情報を一覧にまとめ、転載許諾書の写しとともに、特許庁 に提出すること。転載許諾等の手続がなされているものに関しての原著作物の著 作権は原著作(権)者が引き続きこれを有する。また、報告書等に掲載する図面、 写真、文章等を他の文献から引用する場合には、適切な著作権処理を行い、正当 な引用であることを庁担当者に報告すること。なお、これらに拠りがたい場合に は、庁担当者に報告し、承認を得ること。 4 (11)調査研究により知り得た情報を許可なく外部に漏らし、又は他の目的に使用し ないこと。 (12)調査の過程で、各資料の公表の可否について確認し、公表できない資料が含ま れる場合には、その旨を庁担当者に報告すること。また、電子ファイルについて 公表できる内容のみの場合と、公表できない内容も含む場合とで、2種の調査結 果を納入すること。 (13)納入物等を作成する際、「環境物品等の調達の推進に関する基本方針(平成2 7年2月3日変更閣議決定)」に配慮すること。 (14)その他、詳細については、庁担当者の指示に従うこと。 6.貸与物 平成16年度産業財産権制度各国比較調査研究等事業(模倣品等取締りのための国際 協力に関する調査研究報告書) 上記報告書は、以下の URL からも取得できる。 URL:https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/zaisanken_kouhyou.htm 7.提出物 (1)著作権転載許諾一覧及び転載許諾書の写し ※著作権者から許諾を得る必要があった場合のみ ・紙媒体 1 部 ・電子ファイル(CD-R 又は DVD-R のいずれかの媒体に収納した電子データ) PDF 形式 1部 (2)各調査の調査結果等 庁担当者の求めに応じ、各調査の調査結果等(中間成果物、アンケート結果、ヒアリ ング結果を含む。)を電子データ(MS-Word 形式、MS-Excel 形式)で提出すること(提 出方法については、庁担当者の指示に従うこと。) 7.納入物 調査研究報告書 ・紙媒体(両面印刷 A4、くるみ製本) 30部 ・電子ファイル(CD-R 又は DVD-R のいずれかの媒体に収納した電子データ)MS-Word 形 式(庁担当者の許可を得た場合、MS-Word 形式の一部を MS-PowerPoint、MS-Excel 形 式としてもよい。)、PDF 形式の両方 一式 ※納入に当たっては、テーマ名(件名)を報告書(表紙及び背表紙)、電子ファイル に記載すること。 8.納入期限 平成 29 年 3 月 24 日(金) 5 9.納入場所 特許庁総務部国際政策課国際班 6
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