積立目的 経営基盤に影響を与える将来的な費用に備えること 積立目標額 500 , 000千円 積立基準 毎期決算の状況に応じて○○千円を積み立てる 取崩基準 経営基盤に次のような事象が発生した場合、その影響額 の範囲内で必要額を取り崩す ①会計基準変更等により多額の損失が発生したとき ②固定資産の減損損失により多額の損失が発生したとき ③農林年金制度完了に伴う一括費用処理が発生したとき 積立残高 450 , 000千円 基盤に大きな影響を及ぼすようなリ スクが発生した際の対応として、目 的積立金の取り崩しと配当の制限に ついての考え方を掲載いたします。 当期損失金 当期首繰越剰余金 目的積立金取崩額 当期未処分剰余金 (単位:円) 150 , 000 , 000 150 , 000 , 000 0 1.当期未処分剰余金 2.剰余金処分額 出資配当金 3.次期繰越剰余金 〔注〕出資配当金は年1%の割合とする。 300 , 000千円 50 , 000千円 400 , 000千円 150 , 000千円 【剰余金処分案】 ︻当期未処分剰余金の 損益計算書記載内容︼ 目的積立金を定められた目的に 沿って取り崩す場合は、理事会にお 【損益計算書】 いて決定できますが、当期剰余金 ︵当 期損失金︶には反映されず、損益計 算書上は、取崩額を当期首繰越剰余 金の次に記載し、当期未処分剰余金 に加算します。 ︻目的積立金取り崩しの考え方︼ 積み立てる際に取り崩し基準を決 定していますので、その基準に準拠 することになります。 例 で は、 ﹁ 事 象 が 発 生 し た 場 合、 その影響額の範囲内で必要額を取り 崩す﹂とあります。取り崩す目的が 減損損失発生による損失に当てるた めであり、また、取り崩す額がその 損失発生額の範囲内にあります。 よって、現在積み立てしている額 から四億円を取り崩すことは、目的 に沿った取り崩しとして扱うことが できます。 ︻法令上の事業分量配当上限額︼ 農協法上では、事業分量配当の上 限額は ﹁定款で定めるところによる﹂ と定められています。 本県版定款例第六十六条による と、事業分量配当金の上限額は、 ﹁毎 事業年度の剰余金の範囲内において ︵中略︶ これを行う﹂ とされています。 この毎事業年度の剰余金とは、損 益 計 算書上の当期剰余金を指しま す。 ︵ 繰 越 損 失 金 が あ る 場 合 は、 て ん補後の残額となります︶ 例では、当期剰余金が発生してい ませんので、事業分量配当はできな いことになります。 ︵中央会経営対策部︶ ︻法令上の出資配当上限額︼ 農協法上では、出資配当の上限額 は、 ①農業協同組合においては、年七 分以内︵法第五十二条第二項 施行令第二十八条︶ ②事業年度終了の日における純資 産の額から次の金額を控除して 得た額 ・出資総額 ・利益準備金及び資本準備金 ・当該事業年度において積み立 てを要する利益準備金の額 ・教育情報繰越金 ・貸借対照表の﹁その他有価証 券評価差額金﹂及び﹁土地再 評価差額金﹂の項目に計上し た額︵法第五十二条第一項 施行規則第百九十九条︶ と定められています。 例では、右記②について詳細を示 しておりませんが、仮に計算した結 果が出資配当予定額の一億五千万円 を超えていれば配当に問題はありま せん。 また、出資配当については、事業 分量配当のような当期剰余金を上限 とする制限はありません。 15 絆 2016 . 7 目的積立金の取り崩しと 配当の制限について 【既存のリスク管理積立金の状況】 近年、各J Aでは財務基盤強化に 向け、優先的・計画的に内部留保の 増強・充実が図られています。特に、 会計基準の変更や施設の統廃合、農 林年金制度完了に伴う一括費用処理 等のリスクに備える意味で、経営基 盤安定化に関連する目的積立金が増 加している傾向にあります。 そこで、今回は、今後J Aの経営 【例】 今期決算において、400 , 000千円の減損損失が発生し、当期損失金 を300 , 000千円計上した。(当期首繰越剰余金50 , 000千円)その対応と して、既存のリスク管理積立金のうち400 , 000千円を取り崩すことを 理事会で決めた場合
© Copyright 2024 ExpyDoc