今年の取り組み

のワークショップ
きらめきのジュエリーとガラス。箱根ラリッ
ク美術館は、フランスの工芸作家ルネ・ラリッ
クの作品を鑑賞できるところです。
大人のための施設と思われがちですが、実は、
お子さまも十分に楽しめる場所です。箱根での
旅行は、子ども連れで行けるところを探すのに
ひと苦労と言われていますが、箱根ラリック美
術館は、隠れた“穴場”なのです。
9月25日までは、「ラリック先生と遊ぼう!
「ぷちぷちジュエリー」製作例
自然となかよしワークショップ」も開催してい
入館しますと、まず小学生以上のお子様には、
ワークシート「お勉強ノート」を配布していま
す。クイズに答えたり、お気に入りの作品を模
写したりしながら、館内を巡ることができます。
ます。
「お勉強ノート」でも、作品をよく観察して
昆虫や自然の草花が数多く登場するラリック
考えるという作業をしますが、この「ぷちぷち
作品。それを超える傑作を子どもたちに作って
ジュエリー」では、ラリック的な美しさを持っ
もらう、楽しいワークショップです。
た作品を自分で作るという体験ができます。
子どもだけでなく、ご両親からお爺ちゃん、
美術館で目にした作品を超えるものを作ろう
お婆ちゃんまで、三世代で楽しむご家族も少な
と、参加した子どもたちは、自分だけのジュエ
くありません。
リー製作に没頭しています。
「ラリックさんの作品で、いちばん怖くて変だ
今年の取り組み
なぁと思った作品を描いてみよう」のコーナー
では、なんと2時間も作品の前で描き続けてい
普段、美術館へ行かない小さな子どもたちに
たお子さんもいたくらいです。
も、作品と向き合って、何かを感じて帰ってほ
時間が経つのも忘れて、この「お勉強ノート」
しい。今年のワークショップは、その願いを込
に夢中になる子どもたちも大勢いらっしゃいます。
めて考案しました。
最後までがんばった子は、ごほうびにスタンプ
ラリックのジュエリーは、左の作品のように
がもらえます。
美しい七宝が施されたものが多く見られます。
その美しさをまず自分の目で確かめてもらうた
めに、ワークショップ会場にも実作品を数点展
「紙皿スイング」製作例
示しました。
その他にも、ラリックのカーマスコット(昔
案内役のスセット
お勉強ノート(2冊でワンセット)
作り方ガイダンスより
お勉強ノートでは、ラリッ
クが実際に飼っていたネコ
「スセット」が案内します。
楽しみながら、美術館での
お行儀も学べます。
そして、この七宝の美しさを工作で体感する
の車の先端に付けられていた装飾品、写真上、
ために、今年度、考案したのが「ぷちぷちジュ
奥)を紙皿で作る「紙皿スイング」(写真上、
エリー」です。
手前)や、ラリック作品にしばしば登場する昆
緩衝材のエアパッキンに油性ペンで自由に彩
虫を色紙で製作する「ぱたぱたチョウチョ」や
色を施し(左図)、底の部分にアルミホイルを
「3Dくわがた」などのプログラムも用意して
敷いて七宝的な輝きを持ったジュエリーを作り
います。
ます(画像右上)。
ただ単に工作をして作品を持ち帰るだけでな
く、箱根ラリック美術館で感じたことを形にす
る作業を通して、子どもたちに美術のすばらし
さを知ってもらいたいと願っています。