「帰還に関する考慮要件」評価シート(第1回) 【安全の確保】

「帰還に関する考慮要件」評価シート(第1回)
【安全の確保】
考慮要件
除染作業
評価対象
○除染の進捗
現状評価
取り組み・動向
※取り組みや動向の進捗具合と更なる進捗に向けた課題
◆除染の方針
・富岡町は、国が除染等の措置を実施する(国直轄除染)「除染特別地域」に指定され、平
成 25 年 6 月(平成 25 年 12 月一部改定)に環境省において「特別地域内除染実施計画」
(除染計画)が策定。
除染方針と除染計画
○国直轄除染を実施する地域として、追加被ばく線量年間1ミリシーベ
ルトを長期目標とした除染計画が環境省において策定されている。
・除染計画において、長期的な目標として追加被ばく線量年間 1 ミリシーベルトを目指すと 除染の進捗
○除染計画に基づく除染作業は、先行除染を含め概ね 90%以上の進捗が
している。
見られ、帰還困難区域や国有林の一部を除いた地域における住居、事
◆除染対象とスケジュール
・帰還困難区域や国有林の一部を除いた地域における住居、事業所、公共施設等の建物等及
び建物等近隣の農用地・森林については、平成 27 年度内の除染完了を目途に実施。
・帰還困難区域や国有林の一部を除いた地域における残りの農用地、道路及びそれらの近隣
の森林については、平成 28 年度内の除染完了を目途に実施。
◆除染の実施状況
業所、公共施設等の建物等及び建物等近隣の農用地・森林については、
平成 27 年度内にほぼ完了し、残りの農用地、道路及びそれらの近隣
の森林についても、平成 28 年度内の完了が見込まれる。
除染の検証
○国直轄除染の分析・検証を行う目的に町が独自に設置した「富岡町除
〔先行除染〕
・平成 24 年 3 月から、除染計画に基づく本格除染に先立ち、除染活動の拠点となる施設(役
場、公民館等)、除染を行う地域にアクセスする道路や除染に必要な水等を供給するイン
フラ施設などを対象とした除染を先行して実施。
・平成 23~24 年度において、23 の公共施設の除染を実施。
〔本格除染〕
染検証委員会」の中間報告においては、除染対象地域全体の空間線量
率について除染前を基準にすると約 54%にまで低減している一方で、
除染未実施の個所や除染後も線量が高い個所が存在するなどの課題も
確認されているとしている。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
・除染計画に基づき平成 26 年 1 月から実施。
今後は、帰還困難区域における夜の森地区の先行除染や空間線量が局
・平成 28 年 3 月 31 日現在において、同意が得られていない場所を除きほぼ終了。
所的に高い箇所に対する再除染・追加除染、「利用者や作業者が日常
※除染同意取得率:富岡川南地区 99.3%、富岡川北地区 98.8%
的に立ち入る森林(里山)」に対する除染など、放射線量のさらなる
※作業進捗の状況(平成 28 年 3 月 31 現在)
低減に向けたより実効性ある確実な対応が求められる。
対象
対象数量
完了数量
進捗率(%)
6,397 件
5,899 件
92.2
4,931,408 ㎡
4,412,821 ㎡
89.5
農地
7,520,101 ㎡
7,036,206 ㎡
93.6
森林
5,522,865 ㎡
5,067,351 ㎡
91.8
道路
1,637,127 ㎡
1,623,597 ㎡
99.2
宅地
【安全】- 1 -
考慮要件
評価対象
現状評価
取り組み・動向
※取り組みや動向の進捗具合と更なる進捗に向けた課題
◆国直轄除染の検証
〔富岡町除染検証委員会〕
・国直轄除染の作業効果を専門的に分析・検証する目的で、平成 27 年 9 月 1 日に「富岡町
除染検証委員会」を設立。
・現在まで6回の検証委員会を開催し、2度の中間報告と緊急提言を発出(第1回目:平成
27 年 12 月 22 日、第2回目:平成 28 年 5 月 20 日)。
〔除染の効果〕
・環境省では、公表している除染前後の空間線量で比較すると、除染対象地域全体の地上 1
mの空間線量率が平均で 1.90μ㏜/h から 0.87μ㏜/h へと約 54%(平成 28 年 3 月末時点
の速報値)、宅地全体の地上 1mの空間線量率が平均で 1.92μ㏜/h から 0.71 へと約 63%
(平成 28 年 3 月末時点の速報値)の低減がみられており、除染対象地域全体としては、
除染の実施による空間線量率の低減が確認できたとしている。
〔除染の課題〕
・富岡町除染検証委員会において次の課題を提言。
①居住制限区域と帰還困難区域の境界付近の空間線量率低減と町内帰還困難区域全体の
除染実施計画の早期策定。
②局所的に線量が高い箇所の徹底したフォローアップ除染の実施。
③地元の要望を踏まえた範囲の森林除染による空間線量率の低減。
④土壌調査の結果を踏まえた農地等の追加除染。
◆今後の対応
〔除染・解体等推進会議〕
・除染作業の加速化を図るため、関係機関(環境省・復興庁・内閣府・町)により進捗管理、
課題の共有、課題の解決について検討・協議。
・現在まで平成 28 年 7 月 7 日・14 日・28 日に開催又は開催予定(以後定期的に開催)。
〔居住制限区域と帰還困難区域の境界付近の除染〕
・国は、今年 6 月に、夜の森地区の桜並木と夜の森公園、桜並木への主要接続道路に沿った
道路の端から概ね 50m範囲の除染を実施するとし、一部境界付近に対して除染を実施す
ることが示された。
・平成 28 年秋頃より、一部境界付近を優先に除染着手見込み。
〔帰還困難区域全体の除染実施計画〕
・国は、平成 28 年夏に帰還困難区域の除染方針を示すとしている。
【安全】- 2 -
考慮要件
評価対象
現状評価
取り組み・動向
※取り組みや動向の進捗具合と更なる進捗に向けた課題
〔フォローアップ除染〕
・事後モニタリングの結果等を踏まえ、再汚染や取り残し等の除染の効果が維持されない箇
所が確認された場合に、個々の現場の状況に応じて原因を可能な限り把握し、合理性や実
施可能性を判断した上で実施することを基本とする。
・居住制限区域においては、周囲と比較して明らかに放射線量が高い場合に、その原因とな
っている箇所に限定して、事後モニタリングを待たず本格除染後に、個々の現場の状況に
応じたフォローアップ除染を実施する。
・平成 28 年 3 月から富岡川以北の地域より順次開始。
〔森林除染〕
・利用者や作業者が日常的に立ち入る森林(里山)については、国において、利用の実態を
把握し、これに応じて、効果的・合理的な除染の範囲・対象を適切に検討した上で、除草、
堆積有機物の除去等を実施するとしている。
放射線量の推 ○空間線量の ◆屋外モニタリングの状況
移
低下
・町は、平成 26 年 6 月から、車載型の空間線量計を用いて町内の道路上の空間放射線量を
測定(自動車走行サーベイ)。測定値の推移及びマップをホームページにより公表。
・町は、町内 142 地点の空間線量率を定点観測(平成 28 年 4 月から測定地点増)。直近と
6 ヶ月前の測定結果をとみおか広報に掲載。
放射線量の推移(自動車走行サーベイ)
○平成 26 年 6 月から開始した自動車走行サーベイによると、除染前後
の町内空間線量率の平均は、同月(除染前)の 1.287μSv/h(測定ポ
イント数 4,230 点)から平成 27 年 12 月(除染後)の 0.602μSv/h
(測定ポイント数 4,839 点)に低減している。
◆町内空間線量率の推移
・P10「町内空間線量率の推移と放射線量マップ」、P11「屋内外の放射線量」、P12「除 放射線量の推移(定点観測)
○町内 142 地点の定点観測においても、平成 28 年 5 月の測定値は 6 ヶ
染前後の町内空間線量の状況」参照。
月前の平成 27 年 11 月の測定値と比較して大幅な変動は見られない
(両者とも除染後の測定値)。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
今後は、国や県、町などが行う各種モニタリングの結果を集約・整理
して放射線量の状況をきめ細かに精査するとともに、町民に対する正
確な情報発信に努めることが求められる。
【安全】- 3 -
考慮要件
評価対象
現状評価
取り組み・動向
放射性物質に
○仮置場での ◆放射性物質汚染廃棄物の処理計画
汚染された廃
管理
棄物の管理・
○仮置場から
処分
の搬出
※取り組みや動向の進捗具合と更なる進捗に向けた課題
・平成 23 年 12 月に「汚染廃棄物対策地域」に指定され、国が処理計画(平成 24 年 6 月
策定)に基づき、町内の災害廃棄物や除染廃棄物の処理を実施。
・災害廃棄物・除染廃棄物のうち焼却可能なものについては、減容化施設において焼却・粉
砕した後、10 万 Bq/㎏超のものは中間貯蔵施設へ搬出、10 万 Bq/㎏以下のものは既存の
管理型処分場で埋立処分。
・除染廃棄物のうち焼却不可能なものについては、中間貯蔵施設へ搬出。
◆仮置場の確保状況
第一仮置場
(津波浸水域)
全体面積
予定面積
約 46ha
約 20ha
供用面積
使用中面積
約 20ha
約 6ha
第二仮置場
(小良ヶ浜・深谷)
第三仮置場
(深谷国有林)
約 105ha
約 80ha
約 12ha
約 10ha
約 80ha
約 74ha
約 10ha
約 1ha
称
○国において放射性物質汚染廃棄物の処理計画が策定され、災害廃棄
物・除染廃棄物のうち焼却可能なものについては、減容化施設におい
て焼却・粉砕した後、10 万 Bq/㎏超のものは中間貯蔵施設へ搬出、10
万 Bq/㎏以下のものは既存の管理型処分場で埋立処分。除染廃棄物の
うち焼却不可能なものについては、中間貯蔵施設へ搬出する処理方針
が示されている。
中間貯蔵施設への搬出
・町内 3 か所に仮置場を設置。
名
放射性物質汚染廃棄物の処理方針・計画
搬入物
災害廃棄物・除染廃棄物
(焼却が可能なもの)
除染廃棄物
(土壌など焼却不可なもの)
除染廃棄物
(土壌など焼却不可なもの)
◆仮置場の管理
○中間貯蔵施設への搬出は、昨年度の試験輸送を踏まえ、今年度から実
施される方針が示されている。
○本町仮置場から中間貯蔵施設への搬出は、今年度において①搬出元:
第一仮置場(津波被災地)、②輸送量:8,500 ㎥程度、③輸送期間:
平成 28 年 7 月から概ね 4 か月程度と示されている。
管理型処分場への搬出
○管理型処分場の埋立事業は、県及び富岡・楢葉両町が既存の管理型処
・仮置場は、放射性物質を遮蔽したり、周囲に放射性物質が漏れないようにしたりするなど
の安全対策を講じて管理。
分場の活用を容認し、平成 28 年 6 月 27 日、県、富岡・楢葉両町及び
環境省が、管理型処分場の周辺地域の安全確保に関する協定書を締結
・取りのぞいた土などは、フレキシブルコンテナや大型土のうなどに入れ、水を通さない遮
した段階であり、搬入開始には至っていない。
水シートなどを下に敷き、上部を遮水シートなどで覆い管理。
・仮置場の設置後は、定期的に敷地境界での空間線量率を測定。また、定期的に地下水を採 仮置場の管理状況
○中間貯蔵施設又は管理型処分場への廃棄物搬出までの仮置場の状況に
取し、放射性物質の濃度を測定。
・仮置場への運搬作業時におけるモニタリング調査は除染事業者が実施し、仮置場の管理に
ついては、除染・解体作業等の進捗に必要な十分な用地が確保されて
いるとともに、放射線の遮蔽措置や定期的なモニタリングなどの環境
係るモニタリング調査は管理事業者が実施。
対策が講じられている。
◆仮置場からの搬出
〔中間貯蔵施設〕
・本格施設(受入・分別施設、土壌貯蔵施設、仮設焼却施設)について、平成 28 年度から
整備に着手。用地取得を加速化し、施設を順次、拡張・展開。
・平成 28 年度の輸送量(15 万㎥程度)に対応する道路補修等の対策を 27 年度中に実施し、
平成 28 年度輸送を開始。
・本町においては、平成 27 年 3 月~平成 28 年 3 月まで試験輸送を実施。平成 28 年度に
おける本町仮置場からの搬出は、①搬出元:第一仮置場(津波被災地)、②輸送量:8,500
㎥程度、③輸送期間:平成 28 年 7 月から概ね 4 か月程度。
【安全】- 4 -
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
今後は、仮置場の徹底した管理を継続するとともに、中間貯蔵施設や
管理型処分場への対応を踏まえた仮置場の縮小に努めることが求めら
れる。
考慮要件
評価対象
現状評価
取り組み・動向
※取り組みや動向の進捗具合と更なる進捗に向けた課題
〔管理型処分場〕
・国が本町に立地する既存の管理型処分場(フクシマエコテッククリーンセンター)の活用を計画。
・平成 27 年 12 月 4 日、町は、地元への丁寧な対応、安全・安心の確保及び地域振興策へ
の責任ある対応を国に申し入れたうえで、県及び富岡・楢葉両町が管理型処分場の活用を
容認。
・平成 28 年 6 月 27 日、県、富岡・楢葉両町及び環境省が、管理型処分場の周辺地域の安
全確保に関する協定書を締結。
放射線モニタ
○食品や水道
◆食品
リングの実施
水、土壌、屋
〔食品放射能簡易測定装置による簡易測定〕
内外の放射線
量測定体制
食品等のモニタリング実施状況
・食品放射能簡易測定装置8台による自家消費農作物の簡易測定を受付。
(今年度の実績)※非破壊装置:検体を細かく刻まずに測定することが可能
設置場所
設置台数
平成 28 年 4 月現在
前年度
大玉出張所
1台
2
27
郡山事務所
1台
0
5
三春出張所
1 台※
2
84
富岡町役場
3台
0
0
いわき支所
2台
3
8
7件
124 件
合計
〔ゲルマニウム半導体式核種分析装置による放射性セシウム濃度測定〕
・町内で採取した一般食品や水などに含まれる放射性物質の状況を把握するための極めて有
感な装置1台を用いた測定受付。
(今年度の実績)平成 28 年 4 月 6 件
※基準値超過検体:タケノコ、タラノメ(最大値 565.8 ㏃/㎏、王塚)
◆水道水
・富岡町関根浄水場(富岡川)において、水道水の測定を毎日実施。
・平成 28 年 5 月 31 日現在において、ヨウ素 131、セシウム 134、セシウム 137 は不検出。
・今年度から蛇口から採取した水道水の検査を実施予定。
◆土壌
・平成 26 年度から町内公共施設等の土壌調査を実施。
・平成 26 年度の調査結果は、広報とみおかで公開。
・平成 28 年度においても調査実施予定。
【安全】- 5 -
○食品、水道水、土壌、農地、屋内の放射線量の測定が継続的に実施さ
れている。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
今後は、非破壊装置の増設や測定結果の速やかな公表、基準値の分か
りやすい周知など、町民が日常生活において利便的に食品等の安全を
確認できる環境整備に努めることが求められる。
考慮要件
評価対象
現状評価
取り組み・動向
※取り組みや動向の進捗具合と更なる進捗に向けた課題
◆農地
・営農再開に向け、除染により土壌中の放射性物質が確実に減少したのかを確認。
・平成 27 年度
除染後農地
70 ヶ所(避難指示解除準備区域
21 ヶ所、居住制限区域
49
箇所)
・農地 5 ヶ所から 0~5 ㎝、5~10 ㎝、10~15 ㎝の 3 層を採取し、各層単位で 1 つの農地
の 5 ヶ所の土壌を等量混合
・平成 28 年度についても、農地除染の進捗状況により、20 か所の調査を実施予定。
◆屋内
・平成 26 年度から家屋内線量調査を実施。
・希望者に対して小型積算線量計(D シャトル)を貸し出し(3 台/家まで)、屋内線量を
2ヶ月程度測定し回収・積算線量を報告(申請 48 件
放射線影響へ ○放射線に対
の対応
134 台、報告書送付件数 18 件)。
◆放射線基礎知識の習得
放射線に関する知識の取得環境
する理解を深
・職員や親子を対象にした勉強会を開催(参加者 58 名)
める取り組み
・放射線リスクコミュニケーションリーダー育成勉強会を開催(郡山地区 8/28~29、いわ
き地区 9/3~4)。
○放射線に関する勉強会の実施や相談窓口の開設など、放射線に関する
知識を取得できる環境づくりが進められている。
放射線に関する情報の取得環境
◆個人線量計配布
・個人線量計(DOSE-e)(約 5,500 台)、小型積算線量計(D シャトル)(約 2,200 台) ○個人線量計の配布や情報サイトの整備など、放射線に関する情報が取
得できる環境づくりが進められている。
を貸与。
・特例宿泊期間中における被ばく線量管理のため、小型積算線量計の貸し出しを実
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
施。
(貸出世帯毎平均積算線量:3月
2.13~4.07μ㏜/日
4月
2.23~4.92μ㏜/日)
今後は、正確かつ速やかな、そして分かりやすい放射線情報の発信が
求められる。
◆放射線情報まとめサイト
・放射線情報を一括して閲覧できる情報サイトを整備中(今秋運用開始予定)。
◆放射線に関する相談窓口の開設
・相談窓口を設置(郡山事務所 6/10、7/8 いわき支所 6/20、7/15)。
【安全】- 6 -
考慮要件
評価対象
原子力発電所
○監視体制や ◆福島県
の安全対策
町民への情報 〔福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会〕
提供
現状評価
取り組み・動向
※取り組みや動向の進捗具合と更なる進捗に向けた課題
専門的な監視環境
・福島県において、関係 13 市町村と学識経験者で構成する「福島県原子力発電所の廃炉に
関する安全監視協議会」を平成 24 年 12 月 7 日に設置。
・福島第一原子力発電所 1~4 号機の廃止措置等に向けた中長期ロードマップ等に基づく国
及び東京電力の取組状況について、多角的、継続的に厳しい目線で安全を監視。
○県に設置された「福島県原子力発電所の廃炉に関する安全監視協議会」
や町議会に設置された「原子力発電所等に関する特別委員会」におい
て多角的・継続的な厳しい目線での安全監視が行われている。
町民目線での監視環境
○県、町、東京電力㈱において、ホームページや広報誌等を活用した情
〔情報提供〕
・原子力発電所の状況や県の取組状況等を福島県ホームページで情報提供。
報提供が行われ、町民が原子力発電所の安全を確認できる環境づくり
がなされている。
◆東京電力㈱
・毎月東京電力㈱の取り組みを町広報誌に同封し情報提供。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
◆町
・町議会に「原子力発電所等に関する特別委員会」を設置し、定例議会毎に東京電力から福
今後は、町民に対する情報発信を強化していく必要があることから、
島第一原発の廃炉措置等に向けた取り組み等の報告を受けるとともに、厳しい目線で安全
国、県、町、事業者がより連携して、福島第一原子力発電所の廃炉措
を監視。
置及び福島第二原子力発電所の管理状況の正確かつ速やかな、そして
・東京電力㈱エネルギー館を活用した福島第1・2原子力発電所に係る情報発信を東京電力
分かりやすい情報提供の環境づくりが求められる。
㈱に要望中。
防 災 及 び 防 ○防犯体制
犯・防火対策
◆双葉警察暑
双葉警察署の再開状況等
・双葉警察署本署の一部再開(平成 27 年 10 月 1 日)。
○警察署が町内で一部再開し、警戒警らが行われているほか、防犯カメ
・双葉地域復興治安推進本部の設置。
ラや町内巡回警備委託などによる防犯対策がなされている。
◆警察以外の防犯対策
・防犯カメラ導入による防犯強化事業(リース)の実施。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
・町内巡回警備事業の実施。
今後は、双葉警察署本署と連携したさらなる安全対策に努めることが
求められる。
○防火体制
◆富岡消防署
・富岡消防署臨時拠点(消防団第 1 分団第 2 班屯所の一部)の開設(平成 27 年 11 月 1 日)。
・富岡消防署の移転新築設計中。平成 29 年 4 月以降建築予定。
・各仮設詰所での警戒・点検の実施
◆富岡町消防団
富岡消防署の再開状況等
○消防署が町内で一部再開し、富岡町消防団と連携した火災発生時の初
動体制を整えている。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
・町内屯所修繕等設計業務委託(建替 1 件、修繕 6 件)。
・富岡消防署と連携した各地域での消防水利確認、点検の実施。
・町内(帰還困難区域も含む)パトロールの実施(毎日 8:00~16:00)。
・仮設住宅を中心とした避難先での夜警の実施(冬場)。
【安全】- 7 -
今後は、富岡消防署のできる限り早期の本格再開が求められる。
考慮要件
評価対象
現状評価
取り組み・動向
※取り組みや動向の進捗具合と更なる進捗に向けた課題
○有害鳥獣対 ◆イノシシ、ハクビシン等の捕獲対策
策
・〔町事業〕富岡町有害狩猟鳥獣捕獲隊による駆除(避難指示解除準備区域と居住制限区域)
・〔国事業〕環境省が委託する事業者による駆除(帰還困難区域)
・〔捕獲実績〕平成 27 年度
196 頭、平成 28 年度(6 月時点)
66 頭
◆イノシシ捕獲等対策に関する情報連絡会
・避難12市町村、国及び県で生活環境及び農業両面の被害状況や取組状況を共有し、課題
の洗い出しを行い、今後の対策に役立てる。
有害鳥獣の捕獲対策
○継続的にイノシシ等の捕獲がなされている。
また、イノシシの捕獲等について避難12市町村が情報を共有し有効
な対策を検討するなど、有害鳥獣への対策の取り組みが進められてい
る。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
今後も、国・県・市町村が連携を図りながら情報を共有し、より効果
的な対策に取り組むことが求められる。
○災害発生時 ◆県道広野小高線
の避難に係る
施設
基幹避難道路の整備状況
・T.P.+12.0mに嵩上げ(仮置場状況により変動)
○県道広野小高線や富岡海岸と国道6号を結ぶアクセス道路、県道小野
◆アクセス道路
・県道広野小高線と国道6号線をつなぐ避難道路(県道広野小高線~曲田~国道 6 号)の整
備(県道広野小高線の開通に合わせ供用開始予定)。
※うち JR 常磐線の軌道と立体交差する道路橋は平成 30 年内完成予定。
◆主要地方道
・県道小野富岡線:上手岡地内の延長約 2Km の道路改良。
富岡線など、災害発生時の主要な避難道路の整備が進められている。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
今後は、県と町の連携をより強化して、広域幹線ネットワークの整備
を促進することが求められる。
(平成 30 年代前半の完了を目指す)
・常磐自動車道:一部区間の4車線化(いわき中央 IC~広野 IC、山元 IC~岩沼 IC)。
残る区間については、必要な個所に付加車線を設置。
○津波に対す ◆多重防御施設
る多重防御施
・富岡漁港以南の海岸堤防を T.P.+8.7mに嵩上げ(平成 30 年 3 月完了予定)。
設
・富岡川の河川堤防を海岸堤防と同程度に嵩上げ(平成 30 年 3 月完了予定)。
・海岸線延長 1,650m、面積約 33ha の海岸防災林を整備(平成 33 年 3 月完了予定)。
・渋川河川整備
協議中(県道広野小高線東側:福島県、同路線西側:富岡町)。
・紅葉川の河川堤防の改修(平成 29 年度完了予定)。
海岸堤防・河川堤防・防災林の整備状況
○計画調整に取り組まれているものの、海岸堤防の改修や河川護岸工事
に着手されている。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
今後は、県と町の連携をより強化して、進捗の加速化に努めることが
求められる。
【安全】- 8 -
考慮要件
評価対象
○災害発生時
現状評価
取り組み・動向
※取り組みや動向の進捗具合と更なる進捗に向けた課題
◆避難・誘導体制
の避難・誘導
・富岡町地域防災計画の改定(追加)(平成 28 年 9 月予定)。
体制
・富岡町広域避難計画の策定 (平成 28 年度内予定)。
防災計画の改定等の状況
○町防災計画の改定とともに、避難計画や避難所の開設準備が進められ
ている。
・避難所等の開設準備。
【さらなる帰還環境の整備に向けて】
今後は、改定作業の着実な進捗と広域避難計画の早期策定が求められ
る。
【安全】- 9 -
◆町内空間線量率の推移と放射線量マップ
町は、平成 26 年 6 月から、車載型の空間線量計を用いて、町内の道路上の空間放射線量を測定。
〔放射線量マップ〕
この測定値を基に、町内放射線量マップを作成、町ホームページにおいて公表。
〔町内空間線量率の推移〕
(富岡町 HP より)
(富岡町 HP より)
※
【安全】- 10 -
H26.1 月
本格除染開始
◆屋内外の放射線量
町内 142 地点を測定。
(平成 28 年 4 月からは測定地点を増)
町内の空間線量と 6 か月前の測定結果をとみおか広報に掲載。
【安全】- 11 -
◆除染前後の町内空間線量の状況(H27.7.11 第 6 回富岡町除染検証委員会 環境省資料より)
【安全】- 12 -