B-XRD 1053 MiniFlex300/600 D/teX Ultra を用いた短時間測定 はじめに 粉末X線回折装置はセラミックや鉱物などの無機材料から医薬品などの有機材料まで、多くの産業・研究分野で幅 広く用いられています。MiniFlexシリーズは、据え置き型粉末X線回折装置と比較して、本体体積が1/20、重量1/10、 AC100Vコンセント電源で動作可能なデスクトップ装置です。MiniFlexシリーズの最新機種として、最大定格出力 600Wの高出力タイプ(MiniFlex600)と、水道設備不要・省スペースの300Wタイプ(MiniFlex300)があります。 測定・解析例 1E+6 Log Intensity (CPS) MiniFlex300/600 では、強度を得るために、高速1次元X 線検出器 D/teX Ultraを搭載することができます。この検 出器を用いることで、シンチレーションカウンターと比較し て数十~百倍程度の強度を得ることができ、測定時間の 大幅な短縮が可能です。図1にシンチレーションカウンタ ーと高速1次元X線検出器 D/teX Ultraで得られた回折プ ロファイルを示します。 1E+5 D/teX Ultra 1E+4 1E+3 シンチレーションカウンター 1E+2 30 30.2 30.4 2θ (°) 30.6 30.8 図 1 シンチレーションカウンターと高速 1 次元 X 線 検出器を使用した時の X 線回折プロファイル 高速1次元X線検出器 D/teX Ultraを用いることは、迅速な測定だけではなく、微量成分の検出にも威力を発揮しま す。図2に1分間の測定時間で得られた鉱物試料のX線回折パターンと定性分析結果を示します。複数の成分が混 在している鉱物試料の定性分析も感度良く、かつ非常に短い測定時間で評価することが可能です。 600000 測定データ:正長石/Data 1 Orthoclase Quartz, syn Albite Intensity (CPS) 500000 400000 300000 200000 100000 0 10 20 30 40 50 60 70 2θ (°) 図2 鉱物試料の定性分析結果 測定条件 : MiniFlex600(ファインフォーカス管球 40 kV, 15 mA), 検出器 : D/teX Ultra(Kβフィルター使用), スリット系 : DS = 1.25°, SS = 8 mm, RS = 13 mm, 入射・受光ソーラスリット = 5°, 入射高さ制限スリット = 10 mm 測定条件 : 測角範囲 2θ = 10 ~ 70°, サンプリング間隔 0.02°, 走査速度 80° / min.(約1分) (K1114ja)
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