2012年度前期試験 / 269KB

【設問1】地中海に派遣された第二特務艦隊に関する以下の文章のうち、誤っているものはどれか。符号で答えよ(4点)
。
あ)マルタ島に到着し、拠点とした。
い)ドイツの同盟国オーストリア=ハンガリーの地中海に面する軍港サロニカを攻撃した。
う)イギリス海軍地中海艦隊の指揮の下に入った。
え)駆逐艦「榊」が大破した。
お)マルタ島に日本海軍戦死者の墓碑が建造された。
【設問2】パリ講和会議に関する以下の文章のうち、誤っているものはどれか。符号で答えよ(4点)。
あ)日本は史上空前の規模である総勢106人の代表団をパリに派遣した。
い)日本は国際連盟設立に関する議論の引き延ばしを図ったが、失敗した。
う)アメリカ代表はウィルソン、フランス代表はクレマンソー、イギリス代表はロイド・ジョージであった。
え)日本は人種差別撤廃を主張したが、ウィルソン大統領の「全会一致が必要」との主張により阻まれた。
お)1919年6月、パリ講和条約を締結して終了した。
【設問3】ワシントン会議に関する以下の文章のうち、誤っているものはどれか。符号で答えよ(4点)
。
あ)中国に関する九国条約を締結し、中国における治外法権を撤廃し、中国に関税自主権を認めた。
い)対英米6割を定めた海軍軍縮条約を締結した。
う)日英同盟の廃棄を決めた。
え)山東半島の中国への返還を決めた。
お)太平洋に関する日米英仏四国条約を締結した。
【設問4】関東軍による張作霖爆殺後、息子張学良はどのような政治的行動を取ったか。以下のうちから正しいものを選び、符号で
答えよ(4点)
。
あ)父親を陰謀により爆殺したのは日本軍であることを知ったが、自らの軍閥基盤を守るため、やむを得ず関東軍に協力した。
い)父親を殺害した日本軍に抵抗するため、満洲北部に移って軍事活動を指揮した。
う)南京の国民政府に忠誠を表明した。
え)華南にあった中華ソヴィエト共和国と連携し、地方軍閥としての生き残りを図った。
お)いったん長城線内に撤退したため、蒋介石率いる国民革命軍との軍事衝突を起こした。
【設問5】
「関東軍」に関する以下の文章のうち、誤っているものはどれか。記号で答えよ(4点)
。
あ)日露戦争の結果として得た権益を守るために生まれた軍隊である。
い)張作霖爆殺事件を引き起こした軍隊である。
う)柳条湖事件を引き起こした軍隊である。
え)南京事件(1937年12月)を引き起こした軍隊である。
お)
「満洲国」の皇位継承に介入した軍隊である。
【設問6】満洲事変と国際関係に関する以下の文章のうち、誤っているものはどれか。符号で答えよ(4点)
。
あ)幣原喜重郎は、列国との協調、国際連盟重視、北伐への不干渉などを内容とする協調政策をとっていた。
い)昭和天皇は「田中、おまえの最初にいったことと違うじゃないか」といって田中を叱責し、田中内閣は総辞職した。
う)田中隆吉は、関東軍首脳から「上海で列強の注意をそらして欲しい」と頼まれて上海事変を引き起こした、と述べている。
え)犬養毅は幣原の後を継いで、同じく協調政策をとり、満洲事変の平和的解決を求めた。
お)リットン調査団は、満洲国は住民の自発的な意志による建国ではなく、日本軍の行為に基づくものと判断した。
【設問7】ヒトラーの外交思想に見られないものはどれか。符号で答えよ(4点)
。
あ)ダーヴィンの自然科学的・生物学的進化論は人間社会には妥当しないと考えていた。
い)日本人はものまねが得意だが、文化を創造することはできないと考えていた。
う)自由主義や社会主義に反対していた。
え)ドイツ人には東方に生存権を獲得する権利があると考えていた。
お)将来の戦争に備え、イギリスと同盟を組む必要があると考えていた。
【設問8】コミンテルン第7回大会の記述で正しいものはどれか。以下の中から一つ選び、符号で答えよ(4点)
。
あ)ファシズムに関してようやく統一的な見解(「ディミトロフ・テーゼ」)を提出した。
い)中国共産党と日本共産党の創設を決定した。
う)スターリンの「一国社会主義」とトロツキーの「世界革命」路線の対立に決着をつけた。
え)レーニンの指導権が確立した。
お)反ファシズム人民戦線結成の方針を放棄した。
【設問9】日独防共協定交渉を推進した日本側の代表者は誰か。以下のなかから選び、符号で答えよ(4点)
。
あ) 松岡洋右 い)吉田茂 う)大島浩 え)犬養毅 お)山本五十六
【設問 10】日中戦争までの中国情勢に関する以下の文章のうち、誤っているものはどれか。符号で答えよ(4点)
。
あ)満洲事変は1932年3月の「満洲国」成立で一応の終止符が打たれた。
い)日本軍は通州に傀儡政権(冀東防共自治委員会、のち冀東防共自治政府)を設立するなどして華北分離工作を進めた。
う)蔣介石は「安内攘外」路線に基づき日本との対決を二の次とし、共産党との戦いを進めた。
え)ドイツ軍事顧問団は、トーチカ戦術などを指導し、蔣介石の共産党に対する包囲戦を援助した。
お)ドイツ国防軍は、英米が共同で行動し、長期戦になる場合は、日本はシーレーンの遮断により敗北に追い込まれると判断した。
【設問11】日中戦争とドイツの関係に関する以下の文章のうちで、誤っているものはどれか。符号で答えよ(4点)。
あ)ヒトラーは、前年11月に締結された日独防共協定に基づいて日本の近衛内閣の政策を支持する態度を取った。
い)ヴァイツゼッカー外務次官は日本の中国での行動を「邪道」と批判した。
う)国防大臣ブロムベルクは中国政府の孔祥熙に「中国との交易を貫徹するため、あらゆる努力をする」と語った。
え)中国駐在ドイツ大使が「トラウトマン工作」と呼ばれる和平仲介工作をおこない、石原完爾ら日本の「不拡大派」がこれに呼
応した。
お)上海戦に投入された国民政府軍はファルケンハウゼンらドイツ軍事顧問団によって訓練されていた。
【設問 12】以下の史料はいわゆる「ホスバッハ覚書」である。空欄を埋めるのにもっともふさわしい国名(両方とも同じ国名)を
選び、符号で答えよ(4点)。
「
と、そして同時にオーストリアを打倒することが、我々の第一の目標でなければならない。この目的は、万が一
あり得るかもしれない、西方への進撃という事態がおこった場合に、(ドイツが)側面からの脅威を受けることのないようにす
ることにある」
。
「我々が
とオーストリアとを攻撃している間は、いずれにせよ西部の遮断工作を行うことが必要である」
。
「英帝国は諸々の困難を抱えている。またイギリスは、長期のヨーロッパ戦争に再び巻き込まれる可能性を恐れている。こうした
点は、イギリスがドイツに対する戦争に介入しない歯止めとして、決定的に作用する」。
あ)イギリス い)チェコスロヴァキア う)フランス え)ポーランド お)ソ連
【設問 13】1939年5月の「独伊鋼鉄同盟」はどのようなものとして成立したか。正しいものを選び、符号で答えよ。
あ)日独伊三国同盟の一環として成立した(4点)
。
い)同時に並行して進められていた日独同盟交渉と補完的な関係にあった。
う)独伊が日本を見限った結果として成立した。
え)後から日本が加わることによって日独伊三国同盟となる予定であった。
お)独ソ不可侵条約の前段階として構想された。
【設問 14】以下の史料1938年5月30日のヒトラーの「緑作戦指令」である。空欄を埋めるのにもっともふさわしい国名を選
び、符号で答えよ(4点)
。
「近い将来に軍事行動によって
を破壊することは、私の変わらぬことのない意志である」
「軍事行動の準備を10月2日までに整えよ」
「西部国境防衛のための要塞(ジークフリート線)建設計画を大規模に拡張せよ」
あ)イギリス い)チェコスロヴァキア う)フランス え)ポーランド お)ソ連
【設問 15】
「西安事件」にいたる過程と、その経過・内容・反響などについて、7行で論述せよ(14点)。