都 城 市 中 心 市 街 地 の 概 要

都 城 市 中 心 市 街 地 の 概 要
平成 28 年 3 月
都城市中心市街地活性化タウンマネージャー
都城商工会議所
0
二宮
啓市
都城市中心商業地区の変遷
都城市の中心市街地は、ナカムラデパート・寿屋百貨店・都城大丸百貨店・都城大丸
新館センターモールを核とした地域の中心商業地であった。
平成 7 年ナカムラデパートの業態変更(デパート→ホテル)・平成 14 年寿屋百貨店の
倒産閉店・平成 22 年都城大丸新館センターモール・平成 23 年都城大丸百貨店の倒産
閉店により、商業の核を失い中心商業地としての輝きを失ってきた。
現在、中心市街地には中央通りのアーケード街・千日通り・オーバルパティオ・東上
町通り・円頭庵通り・C-PLAZA などの商業集積があるが、空き店舗率は 20%前後で推
移している。また、店舗数も減少の一途をたどっている。
モータリゼーションの進行、ライフスタイルの変化により中心市街地の売り場面積
1,000 ㎡を超える大規模小売店舗は、オーバルパティオ・コスモス薬品大王店・ドラ
ックストアモリ西都城駅前店のみであり、それ以外の 40 店舗はすべて郊外にあり、
そのうち 5 店舗が 10,000 ㎡を超える大型店である。また、ほとんどの大規模小売店
舗が、平面の無料駐車場を完備している。
1
中心市街地のリノベーションまちづくり
中央通り、東上町通り、円頭庵通り、千日通り、オーバルパティオ、CPLAZA 等の既存商店街の活性化に向けて、リノベーションの手法で既存の
空きビルを再生していくことを目的としたプロジェクトである。(プロジ
ェクトの範囲は概ね右図の赤ラインの地域とする。)
現在空きビルになっているビルは、自家営業用に建てられたものがほとん
どであり、賃貸を想定していないために内階段で1棟を一括でしか使えな
い。もともと2階以上に自宅があったため、1階にトイレがない等の問題
が散見される。また、面積が 50 坪を超える店舗もあり、物品販売での新規
創業者が出店することは難しい。さらに、現状が閉店したままの状態であ
るところが多く、内装・エアコン・備品什器の処分については出店者側の
負担になることも想定され、ルール化していく必要があると思われる。
2
都城市の商業環境(人口)
(3 月 1 日住民基本台帳調べ)
中心市街地人口推移
都城市の人口は約 168,000 人(平成 28 年 1 月住民基本台帳)
である。旧 4 町合併時には約 174,000 人であり、10 年間で 5%
減少した。都城市の予測値では、平成 37 年には 156,000 人ま
8,200
8,000
で減少するといわれている。
102.00
7,961
100.00
7,904
98.00
7,756 7,753
7,800
中心市街地の人口を見ると平成 18 年 6,910 人から 10 年間で
635 人減少して 6,275 人となった。減少率は約 10%であり、都
城市全体と比較すると、倍のスピードで減少している。
96.00
7,624
7,600
7,540
7,431
7,471 7,433
7,406
7,400
94.00
7,304 92.00
90.00
7,200
88.00
7,000
86.00
6,800
世帯数については、市全域では増加傾向にあり、中心市街地で
は横ばいである。人口が減少していることを考慮すると単身世
帯が増加していると推察される。
84.00
H18
H19
H20
H21
中心市街地人口
H22
都城市
H23
H24
駅前地区
H25
H26
H27
中央地区
H28
中心市街地
中心市街地世帯数推移
高齢化率は市全域では 28.89%であるが、駅前地区 29.53%であ
るのに対して中央地区では 34.89%と高齢化の進行が著しい。
4,000
3,929
3,950
平成 23 年に中央地区で人口・世帯数が大幅に減少している
3,900
が、この年は都城大丸が閉店した年であり、この影響が出たも
のと考えられる。
3,924
3,882
3,877
3,880
3,865
3,889
3,915
3,938 3,952
105.00
3,850
100.00
3,800
95.00
3,750
*各年の 3 月 1 日の住民基本台帳の数値に基づいている。
*折れ線グラフは平成 18 年を 100 とした場合の指数を示す。
*中央地区は、八幡町・松元町・牟田町・蔵原町・天神町・上町・中町の合計。
駅前地区は、前田町・平江町・小松原町・中原町・栄町・北原町の合計。
中心市街地は、中央地区+駅前地区。
3,711
3,700
90.00
3,650
85.00
3,600
3,550
80.00
H18
H19
中心市街地
3
110.00
H20
H21
都城市
H22
H23
H24
駅前地区
H25
H26
中央地区
H27
H28
中心市街地
都城市の商業環境(人口)
前述したように中央地区の高齢化率は高く、この原因は 40
~49 歳の団塊ジュニア世代の人口比率が駅前地区に比べて
中央地区人口ピラミッド
50
150
250
350
100歳~
小さい。その結果として、その子供世代(20~29 歳)の人
口比率も小さくなっている。
90-99歳
80-89歳
70-79歳
中央地区では 60 歳未満の人口比が低いところから、今後も
一層の高齢化が進むと考えられる。
60-69歳
50-59歳
40-49歳
30-39歳
20-29歳
10-19歳
0-9歳
350
250
150
50
男
女
駅前地区人口ピラミッド
50
100歳~
90-99歳
80-89歳
70-79歳
60-69歳
50-59歳
40-49歳
30-39歳
20-29歳
10-19歳
0-9歳
350
4
250
150
50
男
女
150
250
350
都城市の商業環境(歩行者通行量)
平成 3 年の休日の歩行者通行量は、都城大丸前では 5,000 人を超えていた
が、平成 13 年に寿屋閉店、イオンショッピングセンターの開店により、休
日でも都城大丸前で 1,000 人を切る状況となってきた。
平成 23 年に都城大丸が閉店すると、休日でも 500 人程度の歩行者通行量と
なった。
都城市中心市街地にあった 3 つの商業核施設の閉店による影響は、甚大で
あった。現在では、平日の歩行者通行量の方が多く、消費目的よりもビジ
ネス・公共機関利用目的や通院のための来街者が大半と考えられる。
5
都城市の商業(商圏)
平成 21 年度の宮崎県・鹿児島県の消費動向調査によると、都城市の
商圏は一次商圏としては、三股町・高原町・旧財部町(曽於市)・
旧末吉町(曽於市)・旧小林市(小林市)・串間市・旧松山町(志
布志市)・旧須木村(小林市)・旧末吉町(曽於市)である。
二次商圏は野尻町・旧大隅町(曽於市)・旧日南市(日南市)・え
びの市である。
第三次商圏は、旧福山町(霧島市)・旧北郷町(日南市)である。
影響商圏は、旧有明町・旧南郷町(日南市)・旧志布志町(志布志
市)である。
商圏内人口は約 329,000 人であるが商圏購買人口は、約 272,000 人
であり、広域型商圏と考えられる。
商圏区分
基
準
一次商圏
商圏核市町村への流入率が 30%以上ある市町村
二次商圏
商圏核市町村への流入率が 20%以上 30%未満である市町村
三次商圏
商圏核市町村への流入率が 10%以上20%未満である市町村
影響商圏
商圏核市町村への流入率が 5%以上 10%未満である市町村
都城市の商圏(買い物出向率)
旧延岡市
佐土原町
東串良町
旧内之浦町
旧串良町
旧高山町
都農町
旧宮崎市
旧輝北町
五ヶ瀬町
西米良村
旧霧島町
旧田野町
高岡町
清武町
旧志布志町
旧南郷町
旧有明町
旧北郷町
旧福山町
えびの市
旧日南市
旧大隅町
野尻町
旧末吉町
旧須木村
旧松山町
串間市
旧小林市
旧財部町
高原町
旧高崎町
旧高城町
三股町
旧都城市
旧山田町
旧山之口町
0.6
1.4
1.4
1.7
1.7
1.9
2.0
2.5
2.8
2.9
3.2
3.5
3.3
4.8
4.8
5.9
6.1
8.1
12.5
12.9
三次商圏
25.8
27.8
28.8
29.5
34.3
37.5
39.6
45.3
二次商圏
一次商圏
55.4
63.5
75.0
78.1
88.5
98.7
98.9
100.0
100.0
0.0
6
影響商圏
20.0
40.0
60.0
80.0
100.0
都城市の商業(商圏)
都城は日豊本線・吉都線・志布志線の結節点として霧島盆地の中心とし
て、商業・行政・教育の中心であった。現在でもその位置づけは変わりな
い。しかし、移動手段の大きな変化や高速道路の開通により、超広域商圏
となっているとともに、宮崎市や鹿児島市への商圏購買人口の流出が依然
として続いており、商圏内市町村も三股町を除いて人口は減少傾向にあ
る。
旧須木村
えびの市
旧小林市
野尻町
特に百貨店がなくなったことにより、高級ブランド品の商品ラインナップ
が激減し、富裕層での流出が止まらない状況である。
都城市
旧北郷町
旧日南市
旧南郷町
旧有明町
串間市
商圏核都市(都城市)
二次商圏
7
一次商圏
三次商圏
影響商圏
都城市の現状
都城市中心市街地の商業の 1 階レベルでの現状について業
種・業態について分類したものが右図である。
空店舗の傾向として、一軒空き家や商売を辞めると、買い物
客の導線が変わるところから、連鎖的に空店舗化することも
一つの原因と推測される。
アーケード内でも駐車場にするところが多く見られる。特に
中央通り 3 番街の東側はアーケードの半分以上が駐車場にな
っている。同様に中央通り 45 番街も鹿児島銀行の南側の区
画は駐車場と空きビルである。
また、業務系の事業所が多く見られるのが特徴である。一
方、店舗兼用住宅の専用住宅化が進むとともに、共同住宅の
進出が見られる。
8
都城市の現状(45 番街周辺)
45 番街は、郵便局・IT 産業ビル・鹿児島銀行
等の業務系施設、都城大丸跡地及びセンター
モール跡の空店舗が特徴的である。現在営業
している店舗は僅かである。一方、円頭庵通
りと C-PLAZA の 1 階は比較的買い回り性の高
い高級店や美容室が集積し、一定の顧客を確
保しているようである。円頭庵通りには人気
のフルーツパーラーもある。
業務系の集積がみられる割には、昼型飲食店
が少ない。IT 産業ビル裏の牟田町界隈の夜型
飲食店が集積している。
今後大丸跡地での施設整備が進められるが、
この波及効果をどのように取り込めるかが課
題となる。当職もこの件については近隣での
商業者や都城市担当部局と共に勉強会等を開
催して問題を共有していくつもりである。
9
都城市の現状(3番街周辺)
東側にある東上町通りは、有床の病院とその
専用駐車場が目立ち、物販店舗は菓子店 2 店
と食肉・惣菜の店がある。薬局が 2 店舗ある
が、1 店舗は調剤薬局で一般客対象ではな
い。もう 1 店舗は市販薬と化粧品を併売して
いる。空き店舗は廃院した病院が一軒のみで
あるが、それ以外は駐車場となっている。
3 番街東側は、間口の 2/3 以上を病院の駐車
場が占めており、南日本銀行の南側は、瀬尾
ビル 1 階の生花店があるのみで、商店の連担
性が完全に失われている。
3 番街西側は、メインホテル・宮崎銀行で間
口の半分を占めている。東側同様に商店街の
連担性が薄れており、空き家となっている店
舗も多い。比較的大型の空き店舗も多く、マ
スターリース・サブリースの家守の手法を用
いた店舗開発が必要と考える。
10 号線を挟む 3 番街全体を見ても、現在営
業している店舗は 10 店舗程度しかない。ま
た、10 号線を挟むことで東西の両アーケー
ド街が、3 番街としてコミュニティを維持し
ていくことが困難になってきているように感
じる。抜本的な対策を講じる必要性を感じる。
10
都城市の現状(3番街周辺)
3 番街西側にある千日通りは、商店街としては手頃な道路幅員であ
るが、3 番街西側の千日通りでは、現在営業しているのはパチンコ
店・たばこ店・青果店・中華料理店と夜型飲食店のみである。
メインホテルと立体駐車場の間は昼間でも薄暗く、その南側は空き
店舗が3軒、軒を連ねている。そのうちの1軒は倒壊の危険性もあ
り、対策が必要と考える。
元焼き肉店の空き店舗については、来年度リノベーションスクール
等を通じて再生に向けた行動を起こしていきたいと考える。
利便施設としての駐車場については否定するものではないが、病院
で診療の無い日や銀行の休日で駐車場のアーケードに面する部分の
3~5m の幅の貸し出しをお願いしてみたい。現在ひまわり薬局の
駐車場は、可動式のバリカーになっているので、管理・運営・条件
が整えば可能と考えるが、飯田病院や宮崎銀行の駐車場はフェンス
になっているので、これを可動式バリカーに変えるには費用的な問
題もある。私有地の利用であり、道路使用許可を取得する必要もな
く、また、都城ぼんち市(朝市)やコマーソウル都商の開催等が想
定され、商店街の賑わいづくりにも資すると考える。
11
都城市の現状(12 番街周辺)
12 番街東側の東上町通りは、物販店と
しては、電器店・かまぼこ店・金物店各
1 店舗と質屋が 2 店舗ある。
残りは生活サービスのコインランドリー
(無人)・写真館・スポーツジム各 1 店
舗と、クリーニング店が 2 店舗ある。
空き店舗は 2 店舗のみであるが、店舗兼
用住宅の店舗部分をガレージに改造し専
用住宅にした家屋が 4 軒ある。
事務所や倉庫が散見され、商店街として
の連担性が損なわれている。
12 番街は長く「かっぱ元気市」を開催
するとともに、イルミネーションについ
ても積極的に参加している。
アーケード街には業務系のオフィスビル
と信用金庫本店とその別館がある。
物販店舗も菓子店・婦人服各 2 店舗、紳
士服・靴店・書店・制服専門店・理髪店
が各 1 店舗ある。今春、老舗金物店が移
転し、その跡地に共同住宅が竣工する。
12
都城市の現状(12 番街周辺)
東上町通りでも見られるように、今後、商業地から都市型住宅街へ変貌して
くる可能性もある。
一方、同庁舎に隣接する 12 番街のアーケード内に 3 件の業務施設があるが、
1 軒は司法書士事務所で、残り2軒はイベント事務局である。空き店舗を有
効に活用することは良いことであるが、管理・運営の問題もあろうが、昼間
に人を集める工夫を考える必要がある。
空き店舗は5店舗であるが、うち1店舗についてはセルフリノベーションを
実施している。
合同庁舎向かいの10号線沿いには、印鑑
店・紳士服店・婦人服店各1店舗と、業務施
設が2軒ある。空き店舗は3店舗(右写真)
であるが、何れも大型の空き店舗である。
昨秋、写真左のカフェがセルフリノベーショ
ンでオープンした。内階段ビルで2階以上の
利用が問題であったが、マスターリースをし
た会社が自社事務所として使用することでこ
の問題を解決した。
今後この事例を紹介し、都城でのリノベーシ
ョンまちづくりを推進していきたい。
13
都城市の現状(12 番街周辺)
12 番街西側のサンロード千日通りは、物販店は和菓子店・仏具店・文具
店が各 1 店のみで残りの店舗はすべて飲食店である。
昼間も開けている飲食店も多く、業務施設のランチタイムを支えている
ものと思われる。また、夜型飲食店も数店舗ある。
和菓子店や仏具店は、西日本最大の信徒衆を誇る攝護寺の山門前にある
が、周囲は宮崎銀行の業務施設や駐車場に囲まれている。宮崎銀行の建
物の周囲は公開空地及び駐車場になっている。営業日以外については、
参拝客向けのイベント等に利用をさせていただく方策を考えてみたい。
現在、千日通りの商店主と昨秋 12 番街でリノベーション手法を用いてカフェを出店した事業者
が、都城市空き店舗改装補助金と家守の手法により、3 階建ての小規模ビルを 1 棟マスターリー
スし、3 人の新規出店者へ 1 フロアずつサブリースしてビル再生を行っている。
1 階・美容室、2 階・セレクトショップ、3階・ペット用品店として、4月にはオープン予定で
ある。
家守手法やリノベーションの考え方を浸透させて、1軒でも空き店舗のシャッターを開けるため
には、空き店舗オーナーの理解と、新規出店者のニーズを的確につかむことが重要であるため、
新規出店者へのアプローチを今後も続ける。
14
エリア価値の向上に向けて
地方都市では、地価はバブル崩壊以降一貫として下落傾向
にある。しかし、ここ数年では下げ止まる都市も出てき
た。商業地での地価の形成は、歩行者通行量・売上高・家
賃で形成されると言われている。
右図は都城大丸周辺の地価の推移である。都城市中心市街
地の商業の中心であった都城大丸前は、長く都城市の最高
地価のポイントであったと考えられるが、都城大丸が閉店
した平成 23 年まではその地位を維持したが、平成 24 年に
は、牟田町基ビル前と同額となり、平成 25 年には、円頭
相続税路線価の推移
120
100
80
庵通りにも並ばれ、平成 26 年には両地点からも抜き去ら
れた。
60
これは、平成 23 年以降長く空き店舗があったために、歩
行者通行量が落ちたこと、エリアの売り上げが落ちたこと
が原因であると考えられる。
40
土地・建物のオーナーにとって土地は大切な財産である。
その価値の低下を防止するには、リノベーションによる空
き店舗の再生によるエリア価値の向上しかない。そのため
には、しばらくの間、家賃等の相談に乗っていただき新規
出店者の誘致を進めていくことが重要となる。歩行者通行
量が回復すればエリア価値が向上し家賃の値上げも可能に
なる。
20
0
H18
H19
大丸前
15
H20
基ビル前
H21
H22
H23
飯田病院前
H24
H25
円頭庵通り
H26
H27
宮銀ATM前
エリア価値の向上に向けて(参考)
平成 23 年の都城大丸の閉店以降中央通りの商業地としてのエリア価値が
低下し、牟田町の飲食街や円頭庵通りへと中心市街地のエリア価値の中心
が移動してきた。これをビジュアル的に見るため、次葉以降へ平成 17
年・平成 22 年・平成 27 年の路線価断層図を作成した。
16