奉仕は神のみのために - Tokyo Camii

東京ジャーミイ金曜日のホトバ
2016 年 08 月 12 日
奉仕は神のみのために
兄弟、姉妹の皆様!
イスラームの光が、ようやくマッカの地を照らし
始めたばかりの頃のことです。預言者(彼の上に
平安あれ)がバイトゥッラー(「神の館」
、すなわち
カアバ神殿)近くのサファーの丘に立ち、マッカ
の人々にこう語られました。「もしも私が、敵方
の兵士たちが谷に潜み、あなた方を攻撃しようと
企んでいると告げたなら、あなた方は私を信じる
だろうか?」。するとマッカの人々は、口を揃えて
こう答えました。「もちろん信じますとも、何故
ならあなたが、真実以外のことを口にするのを見
たことがないのですから」。すると栄光の主のみ
使いは、「私はあなた方に対する、おそるべき懲
罰の警告者である」と告げられ、マッカの人々の
眼前で、神のしもべとなり、タウヒードを受け入
れるよう全人類を招かれたのでした。
尊敬すべき信仰者の皆様!
ホトバの始まりに引用した(クルアーンの)章句に
おいて、全能の主は以下のように命じておられま
す。「かれらの命じられたことは、ただアッラー
に仕え、かれに信心の誠を尽くし、純正に服従、
帰依して、礼拝の務めを守り、定めの喜捨をしな
さいと、いうだけのことであった。これこそ真正
の教えである」。
兄弟、姉妹の皆様!
この章句が私たちに教えているのは、服従と奉仕
はただ神のためにのみあるということです。実際
に、私たちの預言者が亡くなられた時、そのこと
を信じなかった教友たちに対して、アブー・バク
ルが以下のように警告しています。「あなたがた
のうち、誰であれムハンマドを崇拝していた者に
とり、ムハンマドは亡くなられたのである。しか
し誰であれ神を崇拝する者にとり、神は生きてお
られ、決して亡くなられることはありません」
。
兄弟、姉妹の皆様!
私たちの偉大なる書物、聖クルアーンの最初の章
であるアル=ファーティハ(開扉の章)には、イス
ラームという明白な宗教における崇拝とは何であ
るかが、はっきりと述べられています。私たちは
この章を、一日に五回の礼拝の中で復唱し、自ら
の信仰と、全能の主に対する服従を繰り返し誓っ
ています。私たちはこう祈ります。「主よ!私たち
はあなたのみを崇拝し、またあなたのみに加護を
求めます。私たちを、正しい道へとお導きくださ
い」。ここで問われている「正しい道」が、クル
アーンと、神のみ使いの道であることは言うまで
もありません。私たちの預言者(彼の上に平安あ
れ)は、ハディースを通して私たちにこう告げて
おられます。「言葉のうち最も真理であるものと
は神の書であり、導きのうち最も優れたものとは
ムハンマドの導きである」。この道こそは、イス
ラームのウンマ(共同体)が十四世紀に渡って従っ
てきた道であり、人類の模範として下された道で
あります。この道こそは、人類を光明へと導く、
救済への唯一の道であります。この道を歩む人々
は、全能の主による永遠の祝福を授かる人々であ
ります。
愛すべき兄弟、姉妹の皆様!
恩寵ゆたかなこの道を歩むには、何よりもまずム
スリムとしての自覚と人格が、正しく築かれてい
なくてはなりません。そのために私たちは、私た
ちの書物と預言者による導きを大いに尊重するの
であります。そこにある清らかで優美なメッセー
ジを、私たちの心と思考において、また一生を通
じて成就しようと努めるのであります。人類の一
生に対して、全能の主から私たちに託されたこの
祝福にどう感謝するべきか、またどれほど価値が
あるかも、私たちは知っています。私たちは自分
の思考を他人の思考に、自分の心を他人の心に、
また自分の道義を他人の道義に隷属させたりしま
せん。永遠の救済を保証するのはただ神と、神の
御同意にのみよるということを、私たちは承知し
ています。救済の保証を約束すると持ちかけてき
たり、真実を所有するのは自分たちだけだと主張
したりする人々を、私たちが相手にすることはあ
りません。私たちは自らの存在を私たちの主にこ
そ捧げるのであり、やがては消滅する何ものかに
対してではありません。永遠の真理にこそ捧げる
のであり、一時(いっとき)の利益や期待に対して
ではありません。
兄弟、姉妹の皆様!
この輝ける道を歩む兵として、私たちは無知や不
和、また煽動の炎や、他人が燃やそうとしている
害悪に対しては慎重にふるまいます。そして自分
自身に対しても、自らの内なる「谷」と信仰を、
注意深く見守っています。それが堕落し、無意味
なものとなるような行為やふるまいを避けて過ご
し、私たちの偉大なる宗教に、聖なる書物に、預
言者に対する忠誠こそが、その他のいかなるもの
への忠誠にも優るということに感謝します。
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