平成 29 年度産婦人科専門医制度概略 1.平成 29 年度に研修を開始する産婦人科専攻医のための専門医制度; 学会への入会、修了要件の一つである講習会等の点数、専攻医の採用方法、 専門医試験の実施方法などは現制度で行う。専攻医指導施設の分類、地域医療 研修、募集人数、研修プログラム管理委員会の役割などについては、これまで の改革の議論に基づいて現制度を一部改訂して行う。平成 29 年度から研修を開 始する専攻医は、全体として現制度改訂版として研修を行うことになる。詳細 については 4 に記載。 2. 現制度改訂版において新たに追加された地域医療対策; 地域医療への悪化を防ぐように改革の議論の中で工夫してきたが、それに加 えて、次の追加対策を講じ、確実に地域医療を守るようにした。1)指導医がい ない施設での地域医療研修は 6 カ月から 12 カ月まで認めることにする。2)指導 医を新たに 481 名認定し、それにより 39 施設の連携施設を増やす。3) 医師配 置の地域間格差の解消を重要な課題としているので、各研修プログラムの採用 人数が確定した段階で、大都市部とそれ以外の地域のバランスに配慮し、学会 主導の対応策を講じる。 3.現制度改訂版における基幹施設と連携施設との関係 基幹施設は連携施設とともに施設群を形成し、研修プログラムに基づいて専 攻医研修を実施する。専攻医の採用、修了要件の確認など重要な案件は、基幹 施設のプログラム統括責任者、連携施設の担当者が集まる研修プログラム管理 委員会で決定される。つまり、基幹施設であっても連携施設であっても、専攻 医を採用することができる。現制度と異なり、単独施設で全期間の研修を行う ことはできない。専攻医修了要件の確認は、基幹施設のプログラム統括責任者 または連携施設の担当者が行うことになっており、同様に、研修プログラム管 理委員会に提案することができる。基幹施設、連携施設ともに 24 カ月までの研 修を自施設で行うことができる。異なるのは、基幹施設での研修 6 カ月以上が 義務づけられていることである。また、プログラム統括責任者は、地域医療研 修など研修期間全体の責任を負うことになる。 4.現制度改訂版と現制度との比較 A.現制度とほぼ変更なしの部分 1. プログラム制。従来と同様に研修プログラムによって、専攻医研修を行う。 2. 研修開始報告と学会への入会;専攻医研修を開始する時点で、日本産科婦人 科学会会員になる必要がある。専門医試験を申請する段階で 3 年間の会員歴 が必要である。 3. 専攻医修了要件における講習会など;従来どおり、専門医試験申請時に学会、 講習会での 90 点の研修が必要である。ただし、機構専門医のためのポイン ト制で 50 ポイント獲得した場合でも認める。 4. 研修プログラムとしての募集であるが、基幹施設であっても、連携施設でも 募集できる。 5. 専攻医採用のための試験の実施や採用方法は研修プログラムで決める。 6. 専門医試験の実際;申請、一次審査(地方委員会において)、二次審査など すべて現行どおり。 7. サイトビジットは必須とはしない。 B. 現制度を一部改変した部分 1. 研修記録には、研修手帳は用いないで、研修登録システムで入力する。 2. 研修修了要件には、腹腔鏡下手術助手や体外受精立ち会いなどを追加した。 3. 評価は、専攻医研修の最後の計1回を、年1回で計 3 回とした。 C. 現制度改訂版で新たに採用する部分 1. 施設分類を、基幹施設、連携施設、連携施設(地域医療)、連携施設(地域 医療—生殖)とした。基幹施設には 2 名、連携施設には 1 名の指導医を置く ことにした。専攻医指導施設は現制度よりも大幅に増加する。基幹施設+連 携施設だけでも現制度に比べ 97 施設増加するが、さらに平成 28 年 8 月 1 日 の指導医追加認定により、39 施設追加する予定で、計 136 施設増加する。 2. 地域医療研修を必須とする。 3. 各研修プログラムの募集人数を決めた。都会にはより厳しく設定されている。 4. 研修プログラム管理委員会を年 1 回、 基幹施設が連携施設を集めて開催する。
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