「痕」 実柚 ︻注意事項︼ このPDFファイルは﹁ハーメルン﹂で掲載中の作品を自動的にP DF化したものです。 小説の作者、 ﹁ハーメルン﹂の運営者に無断でPDFファイル及び作 土方になります。あまりエロはありません 品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁 じます。 土方から銀時 ︻あらすじ︼ 近藤 × た。そんな中、万事屋に相談して⋮⋮。 お妙さんのかわりに抱かれる土方、嫌気がしながらも股を開いてい 夜な夜な土方の部屋に通う近藤。 が、グロがあります。近藤さん酷い人です。 × 目 次 ﹁痕﹂ ││││││││││││││││││││││││││ 1 ﹁痕﹂ ﹁トシ、いいか ﹂ このところ、夜になると近藤さんが部屋にやって来るようになっ た。決まってあの女の所に行った日に⋮⋮⋮。 キャバ嬢がつける香水と酒の臭いをプンプンさせながら俺を抱き に来る。 自分の気持ちに嘘を付いてまで抱かれるように あの女と同じ黒髪の俺を⋮⋮⋮。 ﹁あぁ。﹂ いつからだろう なったのは⋮⋮。 いプンプンさせてくるんだよ。﹂ ﹂ 金貰ってさっさと別れようかなぁ って思ってんだよね。﹂ ﹁でさぁ、マジあり得なくない。今から、抱くって言うのに別の女の匂 い相手を誘ってしまう。 こんな自分が嫌で、吐き気さえ覚えるも干したての布団の上で、つ ? ﹁それって、身体だけの関係じゃねぇ ﹁でしょ ? ? 見回りで外を歩いていると、前からクレープを食べながら歩いてき てる女の子たちの会話が耳に入ってきた。 ﹂ まるで俺のことだと思った。このままの関係続くのかと思うと嫌 気がさす。 ﹁多串くん 1 ? ﹁それ、別れるべきじゃん。早い方がいいって⋮⋮。﹂ ? 彼女たちの会話に夢中になってると、目の前に万事屋がいた。 ? ﹁なにぼーっと歩いてるの あぶねぇよ ﹂ ? さぁ ﹂ ﹁ね ぇ ∼ 今 夜 呑 ま ね ぇ ﹂ ﹂ の 人 の 人 ﹂ 俺の話聞いてますか 音 副長さん 俺は、今万事屋に何を言われてるんだ ? け止めてくれたから⋮⋮だから、俺は⋮⋮⋮⋮ ﹁⋮⋮⋮⋮オイ ? て言ってるんだけど、具体的に言わせんなよ。﹂ ! なんの事だ ? ホテルに行こうっ そんなのイヤだ。万事屋がいたから⋮⋮こんな気持ち悪い俺を受 れが今、無くなろうとしている。 い行為にも、近藤さんが好きだから我慢できた。それなのに⋮⋮⋮そ あ たから近藤さんに抱かれ続けることが出来た。嫌な思いしか残らな あ た。今まで、どんなに惨めな思いをしても万事屋という捌け口があっ それまで、ガヤガヤと五月蝿かった他人の話し声が聴こえなくなっ 雑 万事屋が頼んでいたおでんを食べていると、急に言われた。 ﹁今日で最後にしたいんだよね。﹂ ﹁ん ﹁俺ってさぁ、お前の話し聞くのもさぁ⋮⋮⋮。﹂ つもはカウンターだが、今日は座敷らしい。 先に呑んでいたらしく、頬を赤らめながら手招きして呼んでる。い ﹁こっちこっち∼♪﹂ その日の夜、俺は万事屋との待ち合わせ場所に向かった。 俺の返事を待たずに万事屋は去っていった。 ﹁いつもの店でな。﹂ を聞いて貰う仲になっていった。 いつの頃からか、こいつは俺と近藤さんの仲を勘づいてたまに愚痴 ﹁湿気た面してるってまたなんだろ ﹂ ち ょ っ と、お 金 入 っ た ん だ よ ね。奢 る か ら いつもならここでなにか言うけど、今はそんな気分になれない。 ? ﹁奢るって、お前より俺の方が奢ってる回数多いと思うけど ? ? ﹁へ ほてる ? 2 ? ? ? ? ? ﹁ハァ∼、やっぱり俺の話聞いてなかったろ。俺さぁ、お前の事⋮⋮⋮ 好きになっちゃったんだよね。だから、あんなゴリラ忘れてさぁ、俺 のもんになっちゃえよ。﹂ そういって、向かいに座っている俺の頬を撫でた。その手は、異様 な ま で に 気 持 ち よ く て ⋮⋮⋮ 俺 が 落 ち る の に そ う 時 間 は か か ら な かった。 気がつくと、ダブルベッドの中央に寝かされていた。枕元のピンク 色の照明、ドア付近から聞こえてくるシャワーの音。すぐにここがラ ブホだと理解できた。 なんとも言えない酒を呑んだ後の浮遊感に目を細めた。 ﹁起きたみたいだな。﹂ の 人 髪を拭きながら、ベッドに上がってくる万事屋は何故かカッコよく 見えた。 あ ﹁ここまで運んでくるの大変だったんだからな。感謝しろよ。﹂ 髪を撫でられ、ひどく安心する自分がいた。このまま、近藤さんを 忘れられるなら⋮⋮⋮ 気がつくと、自らkissしてた。酒の匂いとピチャッピチャッと 響く水音に興奮して万事屋の首に手を回す。バランスを崩した万事 屋が俺の上に股がり、太ももに固く熱いものがあたる。 こんな俺に、欲情しているのかと思うと嬉しく思えた。 ﹁よろずや⋮⋮﹂ 酸素不足で頭の回らない中、無意識に呟いていた。 ﹁お前さぁ、こういう時は名前言えよ。﹂ ﹁ぎんとき⋮⋮﹂ 目に涙が溜まっているのか、よく顔が見えない。 ﹁いいよ。泣きたいだけ泣けば。﹂ 抱き締められ、涙が溢れてくるも必死に押さえた。 ﹁抱いて⋮⋮俺が泣いても止めなくていいから。﹂ 相手に自分の気持ちを伝えると、楽になった。 ﹁了解、お姫様〃〃﹂ 3 まるで腫れ物に触るような優しいkiss。そこで俺の意識は途 切れた。 ﹁っん⋮⋮⋮﹂ 目を擦り身体を起こす。 眩しくて目を覚ますと、隣に銀時はいなかった。身体もベタついて ない。銀時が洗ってくれたのか ﹁おはよう。ほら、水。﹂ ﹂ それと、ヤってねぇからな。﹂ ﹁銀時、帰ったんじゃないのか ﹂ ﹁ほたって帰るわけねぇだろ ﹁へぇ ﹂ ヤってない ﹁なんで ? ? ﹂ ? から⋮⋮﹂ ﹁もう、あんな奴に抱かれんな。夜は俺んとこに来いよ。鍵開けとく 銀時の首に手を回し、顔を近づける。 ﹁あぁ、忘れさせてくれ。﹂ ﹁今から、するけど今更逃げねぇよな。﹂ そういうのが早いか、銀時に押し倒された。 合って欲しいし⋮⋮﹂ ﹁そ れ に さ ぁ ⋮⋮⋮ 名 前 呼 び な が ら し た い し ⋮⋮ 俺 と、本 気 で 付 き ベッドに腰掛け話しかけてくる。 意識ない奴とヤって気持ちいい訳ないだろ ﹁お前ってばモテそうなのに、そこら辺鈍感て言うか⋮⋮⋮あ・の・な、 ? そう言った銀時の顔は、誰よりも悲しげだった。 4 ? ? !? 銀時との関係を持ち、俺は近藤さんを避けるようになった。仕事以 外は極力逢うことも話すこともしなくなっていった。毎日、銀時の所 に行くのも気が引けて適当に外で朝になるまで時間を潰した。毎日、 朝帰りをする俺の事を隊士たちは快く思わなくなった。 今まで、仕事がなくても残業してたのにそれをしなくなったんだ。 陰では、結婚したからだとか変な噂がたってる。まぁ、男に抱かれて ると知られてないだけまだマシなのだが⋮⋮⋮。 その日もいつものように銀時に連絡をいれ、万事屋へと向かってい まま ると、口元に布を当てられクスリを嗅がされた。抵抗しようにも相手 の力も強く思うようにいかない。 薄れ行く意識の中、瞼に銀時の顔が浮かんだ。 ﹁っん∼﹂ 頭が酷く痛い、身体もだるく、瞼を開けることも儘ならない。やっ 5 との思いで、開けると辺りは真っ暗でなにも見えない。首を動かすと ジャラジャラと音がする。どうやら、繋がれているらしい。さほど寒 くはないので布団かベッドの上なのだろう。次第に目が慣れると、自 分の足元︵扉の方︶に人影が見えた。 こ い つ が、俺 を 監 禁 し た 人 物 ⋮⋮⋮。ど こ か 独 り 言 の よ う に 思 っ た。 その影が次第にこちらへと向かってくる。恐怖から逃げたくても 動く事も許されずに、ただ身体を強ばらせた。 影は、枕元に手を伸ばした。不意に辺りが明るくなり、電気を点け ﹂ たのがわかる。眩しさに目を細めるも次第に慣れ、影の輪郭がはっき りしてくる。 ﹁こ、近藤さん ジャラジャラと音を鳴らし訴える。 ﹁近藤さん、これ外して⋮⋮﹂ ﹁目が覚めたみたいだな。トシ。﹂ これで助かると思うも近藤さんの表情は固かった。 自分の目を疑った。犯人と思っていた影が近藤さんだったなんて、 ? ﹁なんで、俺を避けるんだ ﹂ トシ。﹂ ﹁避けて⋮⋮﹁避けてるだろうが ﹁うっ。﹂ 言葉を遮られ、腹を蹴られた。 耐える。 手を繋がれていて、擦ることも許されずただ前のめりになり痛みに ! ? ⋮⋮なんでだと コ ノ ヒ ト そんなのお前がよく知ってるんじゃないのか ﹁なんで、こんなことするんだよ。近藤さん。﹂ ﹁ッ ﹂ ? こ ? 顔があった。 ﹁⋮⋮⋮っん∼﹂ の ここはどこだ 人 なんで、身体が動かない な なんで 次に目が覚めると白い天井が目にはいる。俺は助かったのか ら、近藤さんは ? ? た。何に怒っているのかもわからぬまま見た先には近藤さんの泣き わからなくなってきた。近藤さんがこんなになるなんて知らなかっ 何度殴られたのだろう 腹も背中も足も腕も顔さえも痛いのすら ワカラナイ、ナンデ近藤さんガコンナコトスルノカ。 ! ? きた。 ガラガラと、ドアの開く音がしそちらに目線をやると銀時が入って はいない。 ⋮⋮⋮なんで⋮⋮⋮、幾つもの疑問が浮かぶもそれを応えてくれる人 ? 6 ? ﹁目覚めたんだな。﹂ 声を出したくても上手く発することが出来ない。 ﹁まだ、寝てていいからな。安心しな。俺が守るから⋮⋮﹂ 優しく頬を撫でられて、眠りについた。 7
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