「痕」 ID:93231

「痕」
実柚
︻注意事項︼
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小説の作者、
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土方になります。あまりエロはありません
品を引用の範囲を超える形で転載・改変・再配布・販売することを禁
じます。
土方から銀時
︻あらすじ︼
近藤
×
た。そんな中、万事屋に相談して⋮⋮。
お妙さんのかわりに抱かれる土方、嫌気がしながらも股を開いてい
夜な夜な土方の部屋に通う近藤。
が、グロがあります。近藤さん酷い人です。
×
目 次 ﹁痕﹂ ││││││││││││││││││││││││││
1
﹁痕﹂
﹁トシ、いいか
﹂
このところ、夜になると近藤さんが部屋にやって来るようになっ
た。決まってあの女の所に行った日に⋮⋮⋮。
キャバ嬢がつける香水と酒の臭いをプンプンさせながら俺を抱き
に来る。
自分の気持ちに嘘を付いてまで抱かれるように
あの女と同じ黒髪の俺を⋮⋮⋮。
﹁あぁ。﹂
いつからだろう
なったのは⋮⋮。
いプンプンさせてくるんだよ。﹂
﹂
金貰ってさっさと別れようかなぁ
って思ってんだよね。﹂
﹁でさぁ、マジあり得なくない。今から、抱くって言うのに別の女の匂
い相手を誘ってしまう。
こんな自分が嫌で、吐き気さえ覚えるも干したての布団の上で、つ
?
﹁それって、身体だけの関係じゃねぇ
﹁でしょ
?
?
見回りで外を歩いていると、前からクレープを食べながら歩いてき
てる女の子たちの会話が耳に入ってきた。
﹂
まるで俺のことだと思った。このままの関係続くのかと思うと嫌
気がさす。
﹁多串くん
1
?
﹁それ、別れるべきじゃん。早い方がいいって⋮⋮。﹂
?
彼女たちの会話に夢中になってると、目の前に万事屋がいた。
?
﹁なにぼーっと歩いてるの
あぶねぇよ
﹂
?
さぁ
﹂
﹁ね ぇ ∼ 今 夜 呑 ま ね ぇ
﹂
﹂
の
人
の
人
﹂
俺の話聞いてますか
音
副長さん
俺は、今万事屋に何を言われてるんだ
?
け止めてくれたから⋮⋮だから、俺は⋮⋮⋮⋮
﹁⋮⋮⋮⋮オイ
?
て言ってるんだけど、具体的に言わせんなよ。﹂
!
なんの事だ
?
ホテルに行こうっ
そんなのイヤだ。万事屋がいたから⋮⋮こんな気持ち悪い俺を受
れが今、無くなろうとしている。
い行為にも、近藤さんが好きだから我慢できた。それなのに⋮⋮⋮そ
あ
たから近藤さんに抱かれ続けることが出来た。嫌な思いしか残らな
あ
た。今まで、どんなに惨めな思いをしても万事屋という捌け口があっ
それまで、ガヤガヤと五月蝿かった他人の話し声が聴こえなくなっ
雑
万事屋が頼んでいたおでんを食べていると、急に言われた。
﹁今日で最後にしたいんだよね。﹂
﹁ん
﹁俺ってさぁ、お前の話し聞くのもさぁ⋮⋮⋮。﹂
つもはカウンターだが、今日は座敷らしい。
先に呑んでいたらしく、頬を赤らめながら手招きして呼んでる。い
﹁こっちこっち∼♪﹂
その日の夜、俺は万事屋との待ち合わせ場所に向かった。
俺の返事を待たずに万事屋は去っていった。
﹁いつもの店でな。﹂
を聞いて貰う仲になっていった。
いつの頃からか、こいつは俺と近藤さんの仲を勘づいてたまに愚痴
﹁湿気た面してるってまたなんだろ
﹂
ち ょ っ と、お 金 入 っ た ん だ よ ね。奢 る か ら
いつもならここでなにか言うけど、今はそんな気分になれない。
?
﹁奢るって、お前より俺の方が奢ってる回数多いと思うけど
?
?
﹁へ
ほてる
?
2
?
?
?
?
?
﹁ハァ∼、やっぱり俺の話聞いてなかったろ。俺さぁ、お前の事⋮⋮⋮
好きになっちゃったんだよね。だから、あんなゴリラ忘れてさぁ、俺
のもんになっちゃえよ。﹂
そういって、向かいに座っている俺の頬を撫でた。その手は、異様
な ま で に 気 持 ち よ く て ⋮⋮⋮ 俺 が 落 ち る の に そ う 時 間 は か か ら な
かった。
気がつくと、ダブルベッドの中央に寝かされていた。枕元のピンク
色の照明、ドア付近から聞こえてくるシャワーの音。すぐにここがラ
ブホだと理解できた。
なんとも言えない酒を呑んだ後の浮遊感に目を細めた。
﹁起きたみたいだな。﹂
の
人
髪を拭きながら、ベッドに上がってくる万事屋は何故かカッコよく
見えた。
あ
﹁ここまで運んでくるの大変だったんだからな。感謝しろよ。﹂
髪を撫でられ、ひどく安心する自分がいた。このまま、近藤さんを
忘れられるなら⋮⋮⋮
気がつくと、自らkissしてた。酒の匂いとピチャッピチャッと
響く水音に興奮して万事屋の首に手を回す。バランスを崩した万事
屋が俺の上に股がり、太ももに固く熱いものがあたる。
こんな俺に、欲情しているのかと思うと嬉しく思えた。
﹁よろずや⋮⋮﹂
酸素不足で頭の回らない中、無意識に呟いていた。
﹁お前さぁ、こういう時は名前言えよ。﹂
﹁ぎんとき⋮⋮﹂
目に涙が溜まっているのか、よく顔が見えない。
﹁いいよ。泣きたいだけ泣けば。﹂
抱き締められ、涙が溢れてくるも必死に押さえた。
﹁抱いて⋮⋮俺が泣いても止めなくていいから。﹂
相手に自分の気持ちを伝えると、楽になった。
﹁了解、お姫様〃〃﹂
3
まるで腫れ物に触るような優しいkiss。そこで俺の意識は途
切れた。
﹁っん⋮⋮⋮﹂
目を擦り身体を起こす。
眩しくて目を覚ますと、隣に銀時はいなかった。身体もベタついて
ない。銀時が洗ってくれたのか
﹁おはよう。ほら、水。﹂
﹂
それと、ヤってねぇからな。﹂
﹁銀時、帰ったんじゃないのか
﹂
﹁ほたって帰るわけねぇだろ
﹁へぇ
﹂
ヤってない
﹁なんで
?
?
﹂
?
から⋮⋮﹂
﹁もう、あんな奴に抱かれんな。夜は俺んとこに来いよ。鍵開けとく
銀時の首に手を回し、顔を近づける。
﹁あぁ、忘れさせてくれ。﹂
﹁今から、するけど今更逃げねぇよな。﹂
そういうのが早いか、銀時に押し倒された。
合って欲しいし⋮⋮﹂
﹁そ れ に さ ぁ ⋮⋮⋮ 名 前 呼 び な が ら し た い し ⋮⋮ 俺 と、本 気 で 付 き
ベッドに腰掛け話しかけてくる。
意識ない奴とヤって気持ちいい訳ないだろ
﹁お前ってばモテそうなのに、そこら辺鈍感て言うか⋮⋮⋮あ・の・な、
?
そう言った銀時の顔は、誰よりも悲しげだった。
4
?
?
!?
銀時との関係を持ち、俺は近藤さんを避けるようになった。仕事以
外は極力逢うことも話すこともしなくなっていった。毎日、銀時の所
に行くのも気が引けて適当に外で朝になるまで時間を潰した。毎日、
朝帰りをする俺の事を隊士たちは快く思わなくなった。
今まで、仕事がなくても残業してたのにそれをしなくなったんだ。
陰では、結婚したからだとか変な噂がたってる。まぁ、男に抱かれて
ると知られてないだけまだマシなのだが⋮⋮⋮。
その日もいつものように銀時に連絡をいれ、万事屋へと向かってい
まま
ると、口元に布を当てられクスリを嗅がされた。抵抗しようにも相手
の力も強く思うようにいかない。
薄れ行く意識の中、瞼に銀時の顔が浮かんだ。
﹁っん∼﹂
頭が酷く痛い、身体もだるく、瞼を開けることも儘ならない。やっ
5
との思いで、開けると辺りは真っ暗でなにも見えない。首を動かすと
ジャラジャラと音がする。どうやら、繋がれているらしい。さほど寒
くはないので布団かベッドの上なのだろう。次第に目が慣れると、自
分の足元︵扉の方︶に人影が見えた。
こ い つ が、俺 を 監 禁 し た 人 物 ⋮⋮⋮。ど こ か 独 り 言 の よ う に 思 っ
た。
その影が次第にこちらへと向かってくる。恐怖から逃げたくても
動く事も許されずに、ただ身体を強ばらせた。
影は、枕元に手を伸ばした。不意に辺りが明るくなり、電気を点け
﹂
たのがわかる。眩しさに目を細めるも次第に慣れ、影の輪郭がはっき
りしてくる。
﹁こ、近藤さん
ジャラジャラと音を鳴らし訴える。
﹁近藤さん、これ外して⋮⋮﹂
﹁目が覚めたみたいだな。トシ。﹂
これで助かると思うも近藤さんの表情は固かった。
自分の目を疑った。犯人と思っていた影が近藤さんだったなんて、
?
﹁なんで、俺を避けるんだ
﹂
トシ。﹂
﹁避けて⋮⋮﹁避けてるだろうが
﹁うっ。﹂
言葉を遮られ、腹を蹴られた。
耐える。
手を繋がれていて、擦ることも許されずただ前のめりになり痛みに
!
?
⋮⋮なんでだと
コ
ノ
ヒ
ト
そんなのお前がよく知ってるんじゃないのか
﹁なんで、こんなことするんだよ。近藤さん。﹂
﹁ッ
﹂
?
こ
?
顔があった。
﹁⋮⋮⋮っん∼﹂
の
ここはどこだ
人
なんで、身体が動かない
な
なんで
次に目が覚めると白い天井が目にはいる。俺は助かったのか
ら、近藤さんは
?
?
た。何に怒っているのかもわからぬまま見た先には近藤さんの泣き
わからなくなってきた。近藤さんがこんなになるなんて知らなかっ
何度殴られたのだろう
腹も背中も足も腕も顔さえも痛いのすら
ワカラナイ、ナンデ近藤さんガコンナコトスルノカ。
!
?
きた。
ガラガラと、ドアの開く音がしそちらに目線をやると銀時が入って
はいない。
⋮⋮⋮なんで⋮⋮⋮、幾つもの疑問が浮かぶもそれを応えてくれる人
?
6
?
﹁目覚めたんだな。﹂
声を出したくても上手く発することが出来ない。
﹁まだ、寝てていいからな。安心しな。俺が守るから⋮⋮﹂
優しく頬を撫でられて、眠りについた。
7