スイーツセミナー 11:00 ~ 12:20 会場:4 号館 3 階 301 号 共催:簡易懸濁法研究会/協和化学工業株式会社 簡易懸濁法の基礎と実技研修 倉田なおみ 昭和大学薬学部社会健康薬学講座地域医療薬学部門 簡易懸濁法研究会認定指導薬剤師 ★本セミナーでは、簡易懸濁法に関してわかりやすく説明した後、実技セミナーを行います。実際に 簡易懸濁法を経験することで、今までやっていたことに疑問を感じると思います。慣れてしまえば、 圧倒的に簡易懸濁法のほうが簡単で、患者さんにとっても確実かつ安全です。簡易懸濁法を体験する 良いチャンスです。職種は問いません。簡易懸濁法を体験してみたいと思われる皆様と、楽しく研修 できることを楽しみにしています。 簡易懸濁法誕生のきっかけは、1997 年に薬剤部で受けた1本の電話です。「パナルジン細粒を胃瘻 から投薬したところ、詰まってしまって…、どうしよう!」と電話の向こうで看護師さんが必死の様 子でした。そこで消化酵素剤を酸性のシロップに溶かし注入することを提案したところ、運よく 2 日 目に再開通しました。その看護師さんが喜んで薬剤部に再開の報告をしに飛んできてくれた際に詰 まった理由を聞いたところ、パナルジン細粒はいつも詰まって困っているとのことでした。 ★薬剤師が提案した剤形変更でチューブ閉塞 「パナルジン錠つぶし」の処方に対し、いつも薬剤師は医師に確認したうえで、パナルジン細粒に 振り替えていました。なんの疑問も持たずに薬剤師によって当然のように振り替えられていた薬が チューブを閉塞させる原因になっていることを知り、愕然としました。 そこで、どの薬剤がチューブを閉塞させるのか、どの太さなら通過するのかを調べた結果、チュー ブの閉塞に関する情報に加え、閉塞以外でも問題を生じる薬剤が多いことが分かりました。これは医 療現場での重要な問題であるにもかかわらず、診療にあたる医師も、調剤する薬剤師も、投薬する看 護師も、薬がチューブを閉塞する原因であることを全く問題視していませんでした。 ★つぶし調剤に代わる経管投与法として「簡易懸濁法」の誕生 上記症例の経験から安全で確実な経管投薬法の検討を行い、 「簡易懸濁法」が誕生しました。 簡 易懸濁法とは、錠剤粉砕やカプセル開封をせずに、錠剤・カプセル剤をそのまま温湯(約 55℃)に 崩壊懸濁させて経鼻胃管、胃瘻、腸瘻より投与する方法です。 錠剤は消化管内で崩壊するように、カプセル剤は溶解するように製造されているので、あえて錠剤 をつぶしたり、カプセルを開封する必要はありません。この考えをもとに、従来の粉砕調剤に代わる 経管投薬法である「簡易懸濁法」を考案しました。 - 25 -
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