第25回 三重・家庭医療学セミナー

第 25 回
三重・家庭医療学セミナー
※本会は大学院セミナーとして登録されております
日本の統合医療の誤解
〜日本の Integrative medicine 事情〜
「統合医療」は、残念ながら非常に怪しい言葉になりつつあります。その背景には大きな誤解が存在します。
誤解1:統合医療とは補完代替医療のことである という誤解
誤解2:統合医療とは西洋医学を否定するものである という誤解
誤解3:なにかしらの補完代替医療を利用しなければ統合医療とはいえない という誤解
誤解4:統合医療では自然科学に反する療法でさえ信じなければならない という誤解
誤解5:エビデンスのある補完代替医療だけが統合医療で取り扱われる という誤解
これは EBM の誤解に非常に構造が似ています。
日本の統合医療の種々の事情を(オフレコなキワドイ情報も含めて)ご紹介し、
世界の統合医療との決定的な違いをご説明します。
日
場
8 10
時:2016 年
月
日(水) 18:00~19:30
所:探索医学研究棟2階
家庭医療学/総合診療科 (内線 5287)
演者:
織田
聡
先生
医師・薬剤師・医学博士
一般社団法人日本統合医療支援センター代表理事
多職種連携支援システム「みんなのカルテ」開発統括ディレクター
バーチャル経絡経穴人形 3D Acupoint 開発ディレクター
アリゾナ大学統合医療アソシエートフェローシッププログラム修了
内科認定医、日本東洋医学会専門医、日本統合医療学会認定医
40 歳で肺癌で亡くなった父親が、疑心暗鬼のなか怪しい補完医療に手を出さざるをえなくなっていくのを傍で見てき
た一方、補完医療の良い側面も実体験する。当時はまだ病名告知が一般的でなく、西洋医学と補完医療は互いにいが
みあう構造であり、患者がその狭間で苦悩するのを見て、双方を繋ぐ仕事がしたいと思うようになる。30 年前はまだ
統合医療という概念がなく、医師でも使っている伝統医学「漢方」に注目して薬学に進み、臨床を知る為に鍼灸学校
に入学するが、繋ぐ仕事をするためには医師になるしかないと医学部に再入学する。統合医療の世界的なパイオニア
であるアリゾナ大学医学部のアンドルーワイル博士に師事し、フェローシッププログラムを修了。
平成 25 年一般社団法人日本統合医療支援センターを設立し、鍼灸業界をはじめ様々な補完医療の業界と主に開業医
との連携構築を支援する活動を開始する。現役の臨床医として救急外来、在宅訪問診療、漢方専門外来に従事しなが
ら、保険外サービスをも包括する情報共有基盤として「みんなのカルテ」を開発、補完医療の業界の西洋医学的知識
の底上げのためにセミナーを全国で開催し、顔の見える連携構築のために統合医療他職種連携研究会を主宰、補完医
療を医療介護資源として医療介護現場に引っ張りだすための活動をつづけている。
主催:三重大学大学院医学系研究科家庭医療学/医学部附属病院総合診療科
未来医療研究人材養成拠点形成事業
後援:三重プライマリ・ケア会