平成 24 年度水道事業会計 企業決算審査特別委員会(H25 年 10 月 9 日)意見概要 過日の企業決算審査において、平成 24 年度水道事業会計が認定されました。努力の評価をいただ くとともに、意見・要望もいただきましたので、以下意見概要としてまとめたものです。 1 総論 ・今後ますます水需要が減少する中で、経年化した浄配水施設の改良費等で多大な財政支出を要 するという厳しい経営環境。そうした中において、吹田市の水道事業が今後も安定し安心安全の 水道を市民の皆さまに提供できるよう強く要望。 ・公営企業法にある経済性を発揮し市民福祉の増進を図る努力を評価しつつ一層の努力を。 ・収益的収支において純利益を計上されたが、今後水需要減少や更新工事、耐震化工事等により 厳しい状況が見込まれる。更に未収金の回収に努め、また不納欠損についても基準を明確。今後 とも地域の水道として安心安全な水を安定し継続して供給を。 ・大変厳しい水道事業経営環境の中で、職員全員が一体となり市民サービスと安心・安全な水の 提供に取組まれていると理解した。今後も引き続き努力されることを期待する。 ・自分たちがうけている厚遇状況を民間との差も踏まえた上で認識を。自分たちが恵まれている ことを再認識し、市民へのお返しということをしっかり考えていただきたい。 2 施設整備・災害対策 【マスタープラン】マスタープランについて、まだ具現的なものがない状況ではあるが、考えて おられることは大変に理想的であり、自然の流れである水は上から下に落ちていくということは、 大変効率よく、ベストであると大変評価する。これを実現していくための一つのアイデアとして、 自己水源だけではなく依存水に対する考え方、認識等を改めて、依存すべきものは依存すべきで ある。老朽化等の対策、改修等ではなく一から構築しなおすぐらいの考え方をもって、マスター プランの実現に努めていただきたい。 【施設更新】管路の耐用年数が 40 年だが、現実の更新率はそれには程遠く、年 1%未満で推移 している。この結果、経年化管路率は毎年増高し、平成 24 年度は 33.9%と 1/3 を超えるまで になっている。現在アセットマネジメントに取組んでいるようだが、市独自の更新基準を持ち、 それに至らない部分は長寿命化策を計画的に行い、一方で配水網の見直しやダウンサイジング等 を図るなど、計画的なコスト平準化やライフサイクルコストの削減を図るべき。また、必要な建 設改良や修繕に見合った引当や積立になっていない所が見受けられる。厳しい B/S になることも やむを得ない。早急に持続可能な財務諸表を検討ください。 【耐震化】施設、管路の耐震化については評価する。配水池への送水管の耐震化率が 23%であり 大きく遅れているので引き続き努力を。 【工事】道路を掘削する工事の時に、できるだけ一緒にやる、そこに市民のニーズを如何に盛り 込んでいくというのは、水道部や道路公園部等の吹田市の関係部局、また関係事業者、NTT、ガ ス等、埋設物等の関係事業者等とも綿密に打合せし、よりよい形で市民が納得いくような、見た 目も綺麗なすっきりした整備を目指していただきたい。協力を密にして行っていただきたい。市 民のニーズに応え、市民が喜んでくださるような工事を進めてくださることを強く求める。 【企業団施設】震災対策を進めているが、一方で企業団の計画、千里浄水池や千里幹線の二重化 は古くからの懸案であり、怠りなく進むよう点検ください。 【災害時体制】災害対応について、東日本大震災時の応援に多くの職員の方々が応援をされたお 話もあった。想定外の災害時においてお互いが助け合いの精神であたらなければならないことも 起きる。とりわけ技術職員の力が不可欠になると思う。今後も対応可能な策を十分検討していた だきたい。 3 人材確保 【技術職員】3年間も職員の新規採用をしないというのが市の方針ですが、水道部においては今 後技術系職員の人材不足が懸念されます。継続的に水道事業を支える人材育成と技術継承は最重 要であり、その観点から見ても3年間も若い優秀な人材を採用しないというのは市にとって大変 な損失であると考えます。新規採用せずに再任用やアルバイトで職員の穴埋めをするという体制 には限度があり、来年度は新規採用、特に技術系の新規採用を是非行うべきであり、市長部局に 強く申し入れるよう要望。 【人材育成】3年間職員採用凍結について。若い人材育成ができないこと、また市民生活に多大 な影響を与えつつあるので、ぜひ改善されるように市長部局に強く求めること。 【技術継承】人員の削減等における影響について、心配とされるのは技術継承である。効率的か つ合理的な供給体制をとっていくために、技術の継承がしっかりとできるような体制がとれるよ うに人材の確保すること。またノウハウを持っている人材の流出等も防いでいくこと。 4 水道料金・滞納整理等 【福祉的観点】水道料金の福祉減免制度の導入を強く求める。滞納者に対して生活福祉課と連携 するなどライフラインを預かる供給者としての責任と自覚をもった取組を。 【福祉的観点】セーフティネットの一翼を担う立場としての水道部というのを再認識し、給水停 止をするときにどれだけの確認をしていくのか、また福祉の窓口等々に対してしっかりと結びつ いていくようなものを考えて、福祉にも貢献するような事業体となっていただきたい。 【専用水道】大量の地下水を自己水源として使用する大手企業法人が増えており、公共水道から の離脱が社会問題となっている。資本力を持つものだけが、安価な地下水を勝手に利用するよう な抜け駆けは問題。国に規制を求めることや他市の例も参考にした負担金制度の導入などの検討 を。 【不能欠損】貸借対照表にて記載の未収金について、5 年が経過すれば不能欠損処理をしている 状態であること、そもそも不能欠損という処理が適切かどうか、不能欠損処理により毎年未収金 の額を減らしている行為、さらには、債権管理条例が制定されたにも関わらず、債権が整理され ている状況にないことなどが疑問。しかし、予算執行については正当な処理がされていることと、 不能欠損や未収金の処理は今後修正をするという発言を信じる。 【債権放棄】債権を放棄する時は、放棄する基準をつくっていただいて精査した上で行うよう強 く要望。 5 契約 【契約】中小企業の官公需発注の問題と、単独随意契約について、平成24年度物件で 20.3%、 工事で 8.6%、役務で 12.6%が中小企業への発注。引き続き改善を求める。 【契約】昨年来、太陽光パネル事件をふまえ、吹田市随意契約ガイドライン水道部版が作られた。 市長と特別の関係のある業者との随意契約について質したが、契約の過程における公正さ、市民 への説明責任を果たすことが必要と答弁された。引き続き真摯に取り組まれたい。 【契約】5号随契について、市民が見て本当に必要だと認められる場合にしか5号随契はできな い。いわば、想定外中の想定外のことが起こった時しか使えない。再度、そのような認識を。 6 将来計画・経営 【経営分析】世帯数や給水人口が増えているが、配水量が減っているという逆転現象の中で、ど のような原因、どのような状況があるのか、経営分析を再度綿密にしていく必要がある。 【経営理念】事業管理者から過去の建設の時代から維持保守の時代、そして今更新の時代となり、 職員のモチベーションをどう保つか向上させるかがより重要になったとの発言。トップから係員 までが共有できる経営理念を策定され困難な時代を乗り越えられるようお願いする。 【説明責任】水需要の減少と料金逓増制の効果から収益を圧迫しているとの説明。今後更新事業 が経営の負担となり、料金の見直しが必要となる。市民の理解を得るよう、アニュアルレポート などで経営状況が分かりやすく広報すべき。 【組織形態】水道部の将来像について、府内大阪市を除く 32 市の内 19 市が下水道部と統合し ている。吹田市の将来像を考えて、組織の体系、体制等についても再度検討し、どのような形が 一番いいのか、自分たちの都合だけではなく、オール吹田、そして市民の立場に立って市民の視 線からみた場合、そういう意識を持って再度検討して下さい。 【土地活用】阪急山田駅東側用地について、持ち主が吹田市でありながら、吹田市が賃料を払っ ている。吹田市の持ち物は吹田市民の持ち物。また、吹田市のお金というのは市民のお金です。 市民にとっては自分の土地に対して自分で家賃を払ってというような状況。そういう風に見える ということがある。このようなことをいつまでも続けることのないよう。市民の視点、市民の立 場に立ってこのようなことはやめていただきたい。 【決算資料】複雑な計算をして出している消費税等の決算を審査するために必要な資料をあらか じめ提供していただいて、分かりやすく決算書類を作成いただくこと。 7 その他 【水質監視】トリクロロエチレン対策について。南吹田の地下水汚染について、トリクロロエチ レンの水源汚染が心配されている。泉所浄水所において年2回8本の井戸原水の調査などされて いるが、引き続き強い監視体制で臨むように求める。 【水質監視】市域全体に井戸が 100 か所あるが、この井戸というのは貴重なサンプルであり、デ ータが取れるということから、水質の調査等について積極的に自分たちの事業とも大きな関わり があるということを認識して努めていただきたい。 【PCの危機管理】来年4月にサポートが切れる WindowsXP は、市役所本体も更新を検討中で あり、本庁と連動している事務ナビを利用している水道部としても早急に更新するよう要望。
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