ピロリン酸キット **2012年5月改訂(第7版) *2011年1月改訂 16 日本標準商品分類番号 874300 貯法遮光・2~8℃保存 調製後は、放射線を安全に遮できる 貯蔵設備(貯蔵箱)に保存 **有効期間:製造日から24箇月間 放射性医薬品/心疾患診断薬・骨疾患診断薬 承認番号 15300AMZ00530 薬価収載 1979年4月 販売開始 1978年5月 効能追加 1982年11月 テクネピロリン酸キット 処方箋医薬品注) Techne Pyrophosphate Kit 放射性医薬品基準ピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液 調製用 その他の副作用 【組成・性状】 0.1%未満 1バイアル中 ピロリン酸ナトリウム(結晶) 20mg 過敏症 添加物 塩化スズ(Ⅱ)二水和物 4mg 循環器 塩酸 適量 呼吸器 喘鳴 凍結乾燥された白色の粉末 消化器 嘔気、嘔吐 その他 発熱 外観 調製後注射液 ピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液 皮膚発赤、そう痒感 血圧低下、動悸、顔面紅潮 3.高齢者への投与 外観 無色澄明の液 pH 4.5~5.5 浸透圧比(生理食塩液に対する比) 約1 一般に高齢者では生理機能が低下しているので、患者の 状態を十分に観察しながら慎重に投与すること。 4.妊婦、産婦、授乳婦等への投与 妊婦又は妊娠している可能性のある婦人及び授乳中の婦 【効能又は効果】 1. 心シンチグラムによる心疾患の診断 2. 骨シンチグラムによる骨疾患の診断 【用法及び用量】 人には、原則として投与しないことが望ましいが、診断上 の有益性が被曝による不利益を上回ると判断される場合に のみ投与すること。 5.小児等への投与 小児等に対する安全性は確立していない(現在までのと ころ、十分な臨床試験成績が得られていない) 。 1.心シンチグラフィー 本品を冷蔵庫から取り出し室温に戻した後、日局「生理 食塩液」2~4mLを加え、よく振り混ぜた後、約半量を 被検者に静注し、約30分後に放薬基「過テクネチウム酸ナ トリウム (99mTc)注射液」370~740MBqを静注し、シン チレーションスキャナー又はシンチレーションカメラを用 いて静注直後より速やかにディテクターを体外より胸部に 向けて撮影することによりRIアンギオカルジオグラムを得、 またRIアンギオカルジオグラフィー終了後に撮影すること により心プールシンチグラムを得る。 2.骨シンチグラフィー 本品を冷蔵庫から取り出し室温に戻した後、放薬基「過 テクネチウム酸ナトリウム(99mTc)注射液」1~9mLを 加えよく振り混ぜた後、室温に5分間放置する。 調製されたピロリン酸テクネチウム(99mTc)注射液185 6.適用上の注意 :99mTc-in vivo赤血球標識法 投与時(心シンチグラフィ) 施行時、三方活栓の使用など99mTcO4-が被検者へ静注さ れる前にSn-ピロリン酸と接触すると、標識率の低下や 腎への集積を認めることがある1)。 :99mTc-ピロリン酸は静注後 撮像前(骨シンチグラフィ) 速やかに尿中へ排泄されるため、多量の水分摂取や頻回 排尿はシンチグラムに好結果をもたらす2)。 調製後:本品は調製後6時間以内に投与すること。 7.その他の注意 (社)日本アイソトープ協会医学・薬学部会放射性医薬品 安全性専門委員会の「放射性医薬品副作用事例調査報告」 において、まれに血管迷走神経反応(悪心、嘔吐など) 、 発熱、アレルギー反応(発赤、そう痒感など)などがあら われることがあると報告されている。 ~555MBqを被検者に静注し、1~6時間後にシンチレー ションスキャナー又はシンチレーションカメラを用いてディ テクターを体外より骨診断箇所に向けて走査又は撮影する ことにより骨シンチグラムを得る。 【使用上の注意】 【薬 物 動 態】 1.心シンチグラフィ Sn-ピロリン酸は赤血球表面に99mTcとの結合を可能とす る準備状態を作り3)、その後99mTcO4-を投与すると、30分 後には標識率は96%になり5時間経過しても標識率は低下 1.重要な基本的注意 診断上の有益性が被曝による不利益を上回ると判断され る場合にのみ投与することとし、投与量は最小限度にとど めること。 2.副作用 99m Tcの尿中への排泄は3時間後までで投与量の10%で あり、その大部分は初期に排泄される3)。 2.骨シンチグラフィ Tc-ピロリン酸の集積は静注後正常骨部で3時間後に、 99m 承認前の臨床試験では、855症例(骨シンチグラム) 、283 また病変骨部で4時間前後にピークを示し、病変骨部は正 症例(心シンチグラム)中、副作用は認められなかった。 常骨部に比して緩やかに減少する2)。また正常骨部に対す 承認後の調査では、4,200症例中、副作用は認められな かった。 (再審査対象外品目) 以下の副作用は、自発的に報告されたものである。 注) せずかえって上昇する傾向が認められる4)。 注意-医師等の処方箋により使用すること。 る病変骨部の集積比は1.1~23.1の範囲である2)。 2.99mTcの核物理学的特性 【臨 床 成 績】 1.心シンチグラフィ 臨床試験の際、各種疾患患者の心シンチグラフィを行い、 明瞭なイメージが得られたものを有効例とした場合の有効 率(有効例数/症例数)は次のとおりである。 有効例数/症例数 有効率 狭心症 87/87 100% シャント疾患 30/30 100% 心筋梗塞 28/28 100% 弁膜疾患 15/15 100% 動脈瘤 12/12 100% 大動脈炎症候群 9/9 100% 脚ブロック 7/7 100% 高血圧症 7/7 100% 疾 患 名 2.骨シンチグラフィ 臨床試験の際、各種疾患患者に骨シンチグラフィを行っ 物理的半減期 主なγ線エネルギー 6.015時間 141 k e V(89.1%) 減衰表 経過時間 (時間) 残存放射能 (%) 経過時間 (時間) 残存放射能 (%) -3 -2 -1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 141.3 125.9 112.2 100 89.1 79.4 70.8 63.1 56.2 50.1 44.6 39.8 35.4 31.6 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 28.2 25.1 22.4 19.9 17.8 15.8 14.1 12.6 11.2 10.0 8.9 7.9 7.1 6.3 た場合、陽性率(シンチグラム陽性病巣数/病巣数)は次 のとおりである。 疾 患 【取扱い上の注意】 陽性率 陽性病巣数/病巣数 名 本品の調製は無菌的に行い、また適当な鉛容器で遮して 行うこと。 骨折 77/77 100% 炎症性関節炎 69/76 90.8% 無腐性壊死 21/22 95.5% 原発性良性骨腫瘍 16/19 84.2% 変形骨関節症 18/18 100% 歯肉腫瘍 14/14 100% 軟骨損傷 6/12 50.0% 2バイアル 骨髄腫 11/11 100% 10バイアル 肺癌骨転移 21/21 100% 乳癌骨転移 13/17 76.5% 前立腺癌骨転移 11/14 78.6% 1)橋晋一,ほか:核医学 1986;23:505-511 子宮頸癌骨転移 8/10 80.0% 2)仙田宏平,ほか:臨床放射線 1975;20:301-308 本品の調製の際、バイアル内に空気を入れないこと、また バイアル内を陽圧にしないこと。 【包 【主 要 文 献】 3)浅原 【吸 収 線 量】 朗:交通医学 1981;35:125-135 4)朝倉浩一,ほか:核医学 1978;15:943-951 MIRD法により計算した吸収線量は次のとおりである。 心シンチグラフィ 臓 全 身 肺 肝 脾 腎 睾 卵 臓 臓 臓 丸 巣 * 【文献請求先】 骨シンチグラフィ 臓 器 吸収線量(mGy/37MBq) 0.12 0.15 0.22 0.09 1.16 0.27 0.16 器 吸収線量(mGy/37MBq) 全 身 肺 肝 脾 腎 臓 臓 臓 骨 睾 卵 丸 巣 装】 0.15 0.12 0.21 1.22 1.40 0.15 0.59 0.38 富士フイルムRIファーマ株式会社 電話番号 製品情報センター 0120-50-2620 〒104-0031 東京都中央区京橋2-14-1 兼松ビル (自社データ) 【有効成分に関する理化学的知見】 1.ピロリン酸ナトリウム・十水塩 ・分子式 Na4P2O7・10H2O ・分子量 446.06 ・構造式 NaO ONa ONa P P O O ONa ・10H2O O 161504K1
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