乳癌外来患者に対する薬物相互作用チェック ○大谷 祐子、三輪 祐太朗、大谷 藤原 康浩、塩田 恵、兵頭 美奈子、大野 純子、藤原 真孝、高橋 知孝、大村 真砂美、 (兵庫県立加古川医療センター 薬剤部) 正幸、松本 敏明 【目的】がん化学療法の進歩により、外来で長期に渡り抗がん剤治療が継続されたり、点 滴であっても初回から外来で開始されるケースがある。入院患者に対しては、持参薬等服 用中の薬を把握し、薬剤管理指導業務において相互作用をチェックすることが可能である。 しかし、外来患者の場合、情報不足により他院での処方薬との相互作用チェックが十分行 なわれない場合がある。抗がん剤の場合、併用注意であっても、血中濃度上昇により、骨 髄抑制等の重篤な副作用出現に繋がる可能性がある。また代謝酵素CYPが関与する場合、 添付文書には薬剤名が省略されている等チェックがしにくい場合がある。今回、乳腺外科 の医師からの依頼もあり、外来患者に対する薬物相互作用チェックを開始したので報告す る。 【方法】従来のがん化学療法外来薬剤指導に組み込む形で業務を行なうこととした。対 象となる抗がん剤は5FU注、エピルビシン塩酸塩注、注射用エンドキサン、タキソール 注射液、タキソテール点滴静注用、ナベルビン注、ゼローダ、ティーエスワン、タイケル ブとし、指導時を抗がん剤開始決定時、変更時、新たに薬剤が他科、他施設で処方された 時に分け、業務の流れを作成した。また、相互作用チェック表とCYP関連薬の一覧表を 作成した。 【結果】従来のがん化学療法外来薬剤指導に組み込み、業務を行なう事で、スム ーズに対応できた。また、チェック表や一覧表を作成する事で、効率的にチェックが行な え、全部員で対応可能となった。 【考察】相互作用チェックには他施設での処方薬剤の把握 が重要である。そのため、お薬手帳携帯の推進も同時に行なう必要性がある。また、CY P関連等の相互作用は添付文書だけでは不十分な場合もあり、情報を収集し、判断する必 要がある。これらの課題を克服し、今後も薬剤師の専門性を活かし、安全ながん化学療法 の提供に貢献していきたい。
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