多職種連携ワークショップ

多職種連携ワークショップ
13:15 ~ 15:00 会場:5 号館 5 階 実習室
退院時の連携シートを作ろう
田中一正 1)、穂坂路男 2)
1)昭和大学富士吉田教育部 2)勝山診療所
現在の社会背景として、医療の在宅へのシフトが推し進められ、病院から在宅へ切れ目のない医療
が求められている。地域包括ケアシステムの稼働に伴い在宅への速やかなシフトが進捗するためには、
病院―在宅間の連携がなくてはならないことは明らかである。
高齢者が増加し、それに伴う疾病の変化において認知症など介護サービス関係者と医療関係職種と
の協働は欠かすことができない現実である。生活と療養の折り合いをつけながらその人らしい生活を
送るための情報とは何か、在宅に戻すためには病院から何を伝え、受け取り手である在宅関係職種は、
病院からどのような情報を得たいと思っているのか、退院を決めるにあたって、確認してほしい情報
とは何か、退院となる患者さんに対し、退院カンファレンスでも確認すべき、多職種に必要な退院時
の申し送り連携シートの内容を検討してみようではありませんか。
事例シナリオ H28.8.21 用 A さん 80 歳代 女性 身長 152cm 体重 39Kg
病名:胃癌末期、リンパ節・肺転移 骨転移(胸・腰椎)
薬剤:プレドニン 5mg 2 錠朝分 1 ネキシウムカプセル 10mg 朝分 1(エソメプラゾール:消化性潰瘍プロトンポンプ阻害剤)
フェントステープ 1mg/ 日 (一般名フェンタニルクエン酸塩:オピオイド鎮痛剤)
高カロリー輸液(フルカリック 2 号)
ボナロン 5mg 1 錠 / 日 (ビスホスホネート製剤:毎朝多くの水と服用後座位保持)
入院中の状況:要介護 4
移動:起き上がり介助 移動時息切れあり 支えられれば少しの間立位保持可能 車いす使用
酸素飽和度安静時 90%(空気呼吸下)
トイレ移動後 87%(空気呼吸下)
酸素1L鼻カニューレ吸入 94%
排泄:便意あり ポータブルトイレに移動 頻尿
清潔:シャワー浴 特に制限はない
入院中の経過
3年前に胃がんの手術を受ける。手術後しばらくは安定していたが、ここ数か月腰背部痛とともに
だんだん体力、食欲低下あり、嘔吐頻回のため入院となる。胃カメラの結果、吻合部再発による狭窄
と脊椎転移が認められた。
本人には病名告知なく、「手術の際に胃にポリープがあり、出血しているので手術しましょう」と
説明。再発については、「胃に負担がかかっていて消化できない状態。食べると吐いてしまうので点
滴をして、口からは少しずつ食べるだけにしましょう」と説明されている。内服薬は元気の出る薬、
骨を強くする薬、消化を助ける薬と話されている。張り薬は痛み止めと話されている。
朝の薬は大変飲み込みに時間が掛かっていた。入院後経口摂取不良のためポート造設。ポートから
高カロリー輸液と経口より A さんの好きな甘いお菓子類を摂取されていた。好んでいたキャラメル
はよく食べられていた。やせて入れ歯が合わなくなっており、
本人は入れ歯の調整を希望されていた。
臥床時に腰が痛いと訴えておられた。
全身状態が安定してきたため、家族が点滴の指導を受け、退院に向けての準備が開始され、退院時
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カンファレンスが行われることになった。
A さん・・入院前までは持ち家に一人暮らし。食べることが大好きであった。
退院後は娘と同居予定。無職年金生活(114000 円程度 / 月)
娘さん・・時々仕事をしていたが定職はない。Aさんの自宅で暮らすことになった。
弱音は吐かず「大丈夫です」といい、
思いを表出することは少ない。
(他に孫息子が同居)
主治医より3年前の手術時に告知を受けており、現在余命が僅かも知っている。
*全職種が完全に関われる情報としては不十分ですが、退院時カンファレンスに際し、今後どのよ
うな職種がどのように関われるか(参加者)を積極的にディスカッションし、退院時連携シート
に書くべき項目をあげてください。
退院時カンファレンスシート
病院から在宅・施設へ
在宅・施設から病院へ
安心して療養生活を継続するための支援
患者氏名
生年月日
開催日時
開始時間~終了時間
記載者
開催場所
参加者
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