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A-V インパルス使用による血圧低下予防 第3弾
医療法人聖比留会セントヒル病院 腎臓センター 看護部1)、
医療法人聖比留会セントヒル病院 腎臓センター 泌尿器科2)、
医療法人聖比留会セントヒル病院 腎臓センター 腎臓内科3)
○長田千恵子1)、田中真貴子1)、岡村多美江1)、出見知子1)、高橋聡子1)、
大塚智明2)、藤井善蔵3)
当院では3年前に、血圧低下による透析困難症の患者に対して、その苦しみが患者自
身の治療への参加・自己管理への意欲も低下すると考え透析中の血圧低下予防に看護
の焦点をあて予防策を模索した。静脈血栓予防のA-Vインパルスは静脈環流を上げる
ことから透析中の血圧低下に効果があると考えA-Vインパルスを施行した。その症例
ではA-Vインパルスが血圧低下と自己効力感向上に有効性があることが示唆された。
その後、従来の血圧低下予防策を施行しても予防できなかった患者5名に対してA-V
インパルスを使用して同様の結果を得た。今回、透析中の血圧低下予防にアメジニウ
ムメチル硫酸塩(リズミック)を使用している患者8名で、A-Vインパルスの使用で
同等の効果が得られるか検証したので報告します。
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スチール症候群早期発見のための手指運動負荷 SPP 測定の
検討
医療法人聖比留会セントヒル病院 腎臓センター 看護部1)、
医療法人聖比留会セントヒル病院 腎蔵センター 泌尿器科2)、
医療法人聖比留会セントヒル病院 腎蔵センター 腎蔵内科3)
○三浦志津子1)、田中真貴子1)、宮崎亜希子1)、杉谷安紀恵1)、
岡 明美1)、藤里裕美子1)、大塚知明2)、藤井善蔵3)
2年前当院で初めて、スチール症候群を併発し手指の壊死に至った症例を経験した。
維持透析患者の長期化高齢化に伴い潜在的スチール患者は増加していると考えられ
た。アクセス術後長期に代償血行路の維持の為に手指の運動を考案し開始した。その
時、ハイリスク患者に透析中運動負荷後にSPP値低下する傾向があり、スチール症候
群の客観的評価法になることが考えられた。足の虚血病変の早期評価には、SPP測定
が指標になることが周知され患者の下肢切断の予防に繋がっているが、慢性血液透析
用バスキュラアクセスの作製および修復に関するガイドラインのスチール症候群の項
には手指血流の評価としてSPP測定はまだ推奨されていない。今回、当院外来維持透
析患者にて安静時手指運動負荷前後SPP測定・透析中手指運動SPP測定を行い、スチー
ル症候群早期発見のための手指運動負荷SPP測定について検討したので報告する。
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透析液ブドウ糖濃度 125mg/dl を長期使用した経過
医療法人社団 清和会 タカヤクリニック
○加藤光貴、黒木梨砂、松本和輝、太田祐策、三好大輔、松浦知紗、
川上敦司、木曽光則、原田和博、宮島厚介
【はじめに】
わが国の透析患者の38.1%は糖尿病性腎症が占めているが、透析液は、糖尿病・非糖尿
病患者に対し同一のブドウ糖濃度で治療が行なわれている。当院ではブドウ糖濃度
125mg/dlの透析液を長期に使用してきたが今回、ブドウ糖濃度がそれぞれに与える影
響について調査、検討したので報告する。
【対象・方法】
・糖尿病透析患者、非糖尿病透析患者60名(以下DM・非DM)
・血糖、グリコアルブミン、透析前後の血糖値の推移について調査した。
【結果】
期間内の調査においてDMでは血糖、グリコアルブミンの有意な変動はなかった。非
DMも血糖、グリコアルブミンの有意な変動はなかった。また内服・インスリン治療中
であっても透析前後の低血糖及び高血糖の増加は認めなかった。糖尿病治療薬使用中
で透析開始前の血糖が低値の症例では、透析治療中に改善を認め高血糖もみられなかっ
た。
【考察】
ブドウ糖濃度125mg/dlの透析液は、DM患者、非DM患者に対しても透析中の血糖管理
を長期に継続していくうえで安全な透析液であり合併症の予防に有効でと考えられた。
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当院における低容量シナカルセト塩酸塩の使用経験
医療法人社団 清和会 タカヤクリニック
○松本和輝、黒木梨砂、加藤光貴、太田祐策、三好大輔、松浦知紗、
川上敦司、木曽光則、原田和博、宮島厚介
はじめに
透析患者の二次性副甲状腺機能亢進症治療では従来VDによるパルス療法とPTXが主流であったが
シナカルセト塩酸塩が使用されようになりCa、Pの低下も期待できることから管理目標とする日
本透析医学会のガイドラインの基準値内で長期に維持管理することが可能になった。当院ではシ
ナカルセト塩酸塩を初期容量25mg/日で開始しint-PTHが基準値を下回ると12.5mg/日へ減量を
行っている。VDを減量させ良好な成績を得る事ができており今回、当院における低用量シナカル
セト塩酸塩の使用経験を報告する。
対象・方法
・ 当院の2HPTで治療中の維持透析患者16例
・25mg/日、12.5mg/日の内服期間でint-PTH値、VDの使用量の推移について調査した。
結果
シナカルセト塩酸塩初期用量25mg/日で開始し維持中にint-PTHが基準を下回ってくる3症例では
12.5mg/日へ減量したがその後も基準値内で維持管理が可能であった。早期治療介入による一例で
は静注VD5μg×3回/週を併用していたが4ヶ月後に2.5μg×2回/週へ減量できた。int-PTHは
ガイドラインの基準値内でコントロールできており、この間の消化器症状もみられなかった。
考察
int-PTHの管理目標値は透析患者の生命予後改善を指標とされており、シナカルセト塩酸塩をきめ
細かく用量調節することにより目標範囲内で安定してコントロールさせる事が期待できる。
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