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(別添2)
平成28年度地域における化学物質の環境リスク低減支援業務
仕様書
1.業務目的
「特定化学物質の環境への排出量の把握等及び管理の改善の促進に関する法律」(以下化
管法という。)において、国及び地方公共団体は、広報活動等を通じて指定化学物質等の性
状及び管理並びに排出状況に関する国民の理解を深めるように努めることとされている。ま
た、平成19年度の中央環境審議会環境保健部会化学物質環境対策小委員会及び産業構造審
議会化学・バイオ部会化学物質政策基本問題小委員会の化学物質管理制度検討ワーキンググ
ループの合同会合の中間とりまとめに基づき、個別事業所ごとの PRTR データの開示請求
方式を改め、平成20年度より国による公表方式にすることになったが、それらの情報が地
域において十分活用されておらず、地域における環境リスク削減に向けた住民、事業者、行
政等の関係者間の相互理解や協働が図られにくい現状にある。地域において今後より効果的
な化学物質対策を進めるためには、PRTR データを活用した取組を一層促進することが重要
である。
本業務は、基礎情報として PRTR データや各種統計情報を利用し、化学物質の環境中へ
の排出量を地域別に判別できるようにデータを整備することで、地域での化学物質の環境リ
スクの削減に資することを目的とする。
2.業務内容
(1)PRTR データの整備
①届出外推計データのメッシュ別排出量推計方法の検討
化管法に基づき推計・公表された平成26年度の全国及び都道府県別の届出外排出量
1※及び平成26年度届出外排出量推計方法の詳細2※をもとに、市区町村別及びおおよそ
1km四方のメッシュ別排出量等の推計方法を検討する。対象の排出源は、別表1の排
出区分を対象とし、それぞれ対象となっている排出媒体毎(大気・公共用水域・土壌・
埋立)に推計方法を検討する。検討に当たっては、「平成27年度地域における化学物
質の環境リスク低減支援業務」
(以下「平成27年度業務」という。)報告書(環境省総
合環境政策局環境保健部環境安全課で閲覧可能)など、これまで環境省が行った検討結
果を踏まえることとし、また下記に準じた方法を採用することを原則とする。なお、メ
ッシュは地域メッシュ統計3※の基準地域メッシュと同等にする。
②届出外メッシュ別排出量の推計
地域メッシュ統計等を用いて、市区町村別及びおおよそ1km四方のメッシュ別のP
RTR対象物質排出量を推計し、データを作成する。
この際、(1)①で検討した推計方法に基づき、別表1に示す排出区分について全国
1※
URL:http://www.env.go.jp/chemi/prtr/result/todokedegaiH26/suikei.html
2※
URL:http://www.env.go.jp/chemi/prtr/result/todokedegaiH26/syosai.html
3※
総務省統計局の地域メッシュ統計の基準地域メッシュと同等にする。詳しくは以下の URL を参照のこと。
URL:http://www.stat.go.jp/data/mesh/m_tuite.htm
-1-
の市区町村別排出量を推計した後、以下ア)~キ)を含む各種統計データ及び報告書に
記載されているデータに基づき、排出量をメッシュに振り分ける。なお、データ作成の
基準は原則として平成26年度末現在とし、データ表示の基準となる時点は、平成27
年3月31日現在を最新として、GIS データ、行政コード等を整備すること。(ⅰ)地
域メッシュ統計(平成22年国勢調査)(世界測地系・2分の1地域メッシュ)、(ⅱ)
地域メッシュ統計(平成21年経済センサス‐基礎調査)(世界測地系)については、
環境省より貸し出すものとするが、その他の必要な統計データについては、請負者が用
意すること。
ア)化管法に基づき公表された平成26年度 PRTR データ(平成28年3月4日
公表)
イ)メッシュ別人口・世帯数、産業別事業所数・従業者数(地域メッシュ統計;平成
22年国勢調査、平成21 年経済センサス‐基礎調査)4※
ウ)市区町村別人口・世帯数データ(平成22年度国勢調査 第一次基本集計 都道府
県編、住民基本台帳)4※
エ)市区町村別産業別事業所数・従業者数(平成21年経済センサス‐基礎調査)
4※
オ)車種別交通量、道路延長(平成22年道路交通センサス等)
カ)市区町村別自動車保有車両数情報(自動車検査登録情報協会)
キ)平成27年3月31日現在の市区町村界(国土地理院発行国土地域地図1/2
5,000等を基に請負者が判断すること。)5※
③届出データのメッシュ別排出量データの作成
別途環境省が提供する平成26年度届出 PRTR データと平成26年度の届出事務所
の緯度経度情報を基に市区町村別及びおおよそ1km四方のメッシュ別に届出データ
の排出量データをそれぞれ対象となっている排出媒体毎(大気・公共用水域・土壌・埋
立)に作成する。
④届出・届出外合計データの作成
(1)②で作成した届出外データと(1)③で作成した届出データを基に、メッシュ
別の届出・届出外合計排出量を算定し、データを作成する。
(2)届出外メッシュ別排出量推計方法の改善手法の検討
平成27年度業務で実施した、上記(1)のメッシュデータ整備の課題に関する専門
家ヒアリングより得られた指摘事項、知見等をもとに、主に下記の排出区分について、
届出外メッシュ別排出量の推計方法の改善手法を検討し、検討結果に基づく届出外メッ
シュ別排出量の試算及び試算結果の検証を行う。検討を行うに当たっては、各排出区分
4※
URL: http://www.stat.go.jp/data/index.htm
5※
URL: http://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/gis/index.htm
-2-
における排出量の推計手法を留意すること。また、対象排出区分や具体的な検討方針に
ついては環境省担当官と協議の上決定するものとする。
(対象排出区分)
・漁網防汚剤(海面漁業に関する統計による精緻化の検討)
・汎用エンジン(刈払機・チェーンソー:実際に林業が行われていることがわかる統計
等による精緻化の検討)
・自動車(コールドスタート時の増分:自動車の出発・到着数を反映する指標の検討)
・漁船(在籍トン数を利用した配分の検討)
・ダイオキシン類(交通センサスの活動量を利用した配分の検討)
(3)報告書の作成
2.の業務実施内容をとりまとめ、報告書を作成する。
また、報告書にはデータ作成のフロー等データ作成工程が分かる内容を記載すること。
3.業務履行期限
平成29年3月31日まで
ただし、2.(1)の業務については、平成28年10月14日まで
4.成果物
(1)報告書
請負者は、業務実施内容について A4版、100ページ程度で取りまとめ、下記に定
めるとおり、提出するものとする。併せて、電子媒体(DVD-ROM)3式を提出するこ
と。なお、報告書及び電子媒体の仕様については仕様書別添による。
提出期限:平成29年3月31日
提出場所:環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
提出部数:10部(紙)
電子媒体3式(DVD-ROM)
(2)メッシュ別排出量データ
2.(1)の業務で作成したデータ(Access2010形式)については、電子媒体
(DVD-ROM)10式を納品すること。
提出期限:平成28年10月14日
提出場所:環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課
提出部数:電子媒体10式(DVD-ROM)
5.著作権等の扱い
(1)成果物に関する著作権、著作隣接権、商標権、商品化権、意匠権及び所有権(以下「著
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作権等」という。)は、環境省が保有するものとする。
(2)請負者は、自ら制作・作成した著作物に対し、いかなる場合も著作者人格権を行使し
ないものとする。
(3)成果物に含まれる請負者又は第三者が権利を有する著作物等(以下「既存著作物」と
いう。)の著作権等は、個々の著作者等に帰属するものとする。
(4)納入される成果物に既存著作物等が含まれる場合には、請負者が当該既存著作物の使
用に必要な費用の負担及び使用許諾契約等に係る一切の手続を行うものとする。
6.情報セキュリティの確保
請負者は、下記の点に留意して、情報セキュリティを確保するものとする。
(1) 請負者は、請負業務の開始時に、請負業務に係る情報セキュリティ対策とその実施
方法及び管理体制について環境省担当官に書面で提出すること。
(2) 請負者は、環境省担当官から要機密情報を提供された場合には、当該情報の機密性
の格付けに応じて適切に取り扱うための措置を講ずること。
また、請負業務において請負者が作成する情報については、環境省担当官からの指
示に応じて適切に取り扱うこと。
(3) 請負者は、環境省情報セキュリティポリシーに準拠した情報セキュリティ対策の履
行が不十分と見なされるとき又は請負者において請負業務に係る情報セキュリティ
事故が発生したときは、必要に応じて環境省担当官の行う情報セキュリティ対策に関
する監査を受け入れること。
(4) 請負者は、環境省担当官から提供された要機密情報が業務終了等により不要になっ
た場合には、確実に返却し又は廃棄すること。
また、請負業務において請負者が作成した情報についても、環境省担当官からの指
示に応じて適切に廃棄すること。
(5)請負者は、請負業務の終了時に、本業務で実施した情報セキュリティ対策を報告す
ること。
(参考)環境省情報セキュリティポリシー
http://www.env.go.jp/other/gyosei-johoka/sec-policy/full.pdf
7.その他
(1)請負者は、本仕様書に疑義が生じたとき、本仕様書により難い事由が生じたとき、あ
るいは本仕様書に記載のない細部については、環境省担当官と速やかに協議しその指示
に従うこと。
(2)
「平成28年度地域における化学物質の環境リスク低減支援業務」を行うに当たって、
入札参加希望者は、必要に応じて「平成27年度地域における化学物質の環境リスク低
減支援業務」及び「平成26年度地域における化学物質の環境リスク低減支援業務」に
係る資料を、所定の手続きを経て環境省内で閲覧することを可能とする。
-4-
資料閲覧を希望する者は、以下の連絡先に予め連絡の上、訪問日時及び閲覧希望資料
を調整すること。
連絡先:環境省総合環境政策局環境保健部環境安全課 馬込、齋藤、金子
TEL:03(5521)8260(直通) (内:6360)
mail: [email protected]
-5-
別表1 届出外の市区町村別、メッシュ別排出量の推計項目
排出区分
すそ切り以下事業者
農薬
殺虫剤
接着剤
塗料
漁網防汚剤
洗浄剤・化粧品等
防虫・消臭剤
汎用エンジン
備考
排出媒体
田
果樹園
畑
森林
家庭
ゴルフ場
その他の非農耕地
その他の非農耕地
家庭用殺虫剤
防疫用殺虫剤(自治体)
防疫用殺虫剤(防疫業者)
不快害虫用殺虫剤
シロアリ防除剤(業務)
シロアリ防除剤(家庭)
建築工事業(住宅)
建築工事業(非住宅)
家庭
土木工事業
建築工事業(住宅)
建築工事業(非住宅)
家庭
土木工事業
路面標示
海面養殖(有効成分)
海面養殖(溶剤)
定置網
界面活性剤:化粧品
同:身体用洗浄剤
同:洗濯・台所・住宅用等洗浄剤
同:業務用洗浄剤
同:肥料
中和剤等:洗濯・台所・住宅用等
同:トイレタリー
同:飲食店
同:建物サービス業
同:医療業
同:身体用
防虫剤
消臭剤
刈払機、チェーンソー
動力脱穀機
-6-
大気
公共用水域
土壌
埋立
土壌
土壌
土壌
土壌
土壌
土壌
土壌
大気
大気
公共用水域
公共用水域
土壌
土壌
土壌
大気
大気
大気
大気
大気、土壌
大気、土壌
大気、土壌
大気、土壌
大気、土壌
公共用水域
大気
公共用水域
公共用水域
公共用水域
公共用水域
公共用水域
土壌
公共用水域
公共用水域
公共用水域
公共用水域
公共用水域
公共用水域
大気
大気
大気
大気
注1
注1
注1
注1
注2
注2
注2
注2
注2
注2
注2
注4
注4
注4
注2
注4
注4
コンクリートミキサー大型コンプレッ
大気
注4
大気
大気
大気
大気
大気
大気
大気
大気
大気
大気
大気
大気
大気
注2
公共用水域
注4
漁船
大気
注4
漁船
公共用水域
注4
エンジン
大気
注4
ブレーキ等の摩耗
大気
注4
大気
大気
大気
公共用水域
大気
公共用水域
大気
公共用水域
大気
大気
大気
大気
大気
大気
大気
公共用水域
注3
注3
サ発電機
たばこの煙
自動車
二輪車
特殊自動車
船舶
鉄道車両
航空機
ホットスタート(車種別)
コールドスタート時の増分(車種別)
燃料蒸発ガス(車種別)
サブエンジン式機器
ホットスタート(車種別)
コールドスタート時の増分(車種別)
燃料蒸発ガス(車種別)
建設機械
農業機械(車種別)
産業機械(燃料種別)
貨物船・旅客船等
プレジャーボート
プレジャーボート
エンジン
補助動力装置
家庭(一般・集合別)
水道
工場
その他(需要分野別)
オゾン層破壊物質
(発泡剤・冷媒等)
ダイオキシン類
家庭用
事業所用
移動体
たばこの煙
対象業種
自動車外出ガス
低含有率物質
注4
注4
注2
注3
注4
注4
注4
注4
注4
注4
注4
注3
注3
注1:都道府県別排出量を業種に細分化した値として整理する。
注2:都道府県排出量をメッシュに分解した後、市町村別に積み上げて排出量を推測することも可能な項目。
注3:施設の所在地(市区町村)の情報を基に整理する。
注4:平成24年度業務において新たに推計を実施した排出源。
-7-
(別添)
1.報告書等の仕様及び記載事項
報告書等の仕様は、
「環境物品等の調達の推進に関する基本方針」
(平成 28 年 2 月2日閣
議決定。以下「基本方針」という。)の「印刷」の判断の基準を満たすこと。
なお、「資材確認票」(基本方針 204 頁、表3参照)及び「オフセット印刷又はデジタル
印刷の工程における環境配慮チェックリスト」
(基本方針 205 頁、表4参照)を提出すると
ともに、印刷物にリサイクル適性を表示する必要がある場合は、以下の表示例を参考に、裏
表紙等に表示すること。
リサイクル適性の表示:印刷用の紙にリサイクルできます
この印刷物は、グリーン購入法に基づく基本方針における「印刷」に係る判断の基準に
したがい、印刷用の紙へのリサイクルに適した材料[Aランク]のみを用いて作製してい
ます。
な お 、 リ サイ クル 適 性が上 記と異 な る 場 合は 環 境省担 当官と 協議の 上、基 本 方 針
(http://www.env.go.jp/policy/hozen/green/g-law/kihonhoushin.html)を参考に適切な表示
を行うこと。
英語サマリーについては、以下により作成すること。
(1)以下の対訳集等を参考に、ネイティブチェックを経ること。
① 環境用語和英対訳集(EIC ネット http://www.eic.or.jp/library/dic/)
② 法令用語については、日本法令英訳プロジェクトの標準対訳辞書
(http://www.japaneselawtranslation.go.jp/)
(2)海外で参照されることを念頭に入力は半角で行い、全角文字や全角スペースは使用し
ないこと。特に以下に注意すること。
・丸数字は使用不可。「℃」→「degrees C」又は「degrees centigrade」
・記号はすべて半角。例:「“ ”」→「" "」、「`」「’」→「'」、「-」→「-」
・化学物質は英文名+化学記号(半角の英数字)。1/4 文字にしない。二度目以降は化
学記号のみでも可。例:carbon dioxide (CO2)
・環境省の略称は「MOE」(大文字)
2.電子データの仕様
(1)Microsoft 社 Windows7 SP1 上で表示可能なものとする。
(2)使用するアプリケーションソフトについては、以下のとおりとする。
・文章;ワープロソフト Justsystem 社一太郎(2011 以下)、又は Microsoft 社 Word
(ファイル形式は Word2010 以下)
・計算表;表計算ソフト Microsoft 社 Excel(ファイル形式は Excel2010 以下)
・画像;BMP 形式又は JPEG 形式
(3 )(2 )に よる 成果 物に加え、「PDF ファイル形式」による成果物を作成すること。
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(4)以上の成果物の格納媒体は DVD-R とする。事業年度及び事業名称等を収納ケース及
び DVD-R に必ずラベルにより付記すること。
(5)文字ポイント等、統一的な事項に関しては環境省担当官の指示に従うこと。
3.その他
成果物納入後に請負者側の責めによる不備が発見された場合には、請負者は無償で速やか
に必要な措置を講ずること。
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