生体模倣によるナノ粒子の ヘテロ多層構造形成法 (財)癌研究会 癌研究所 蛋白創製研究部 部長 芝 清隆 科学技術振興機構(JST) CREST 研究員 佐野 健一 1 発明の概要 無機材料結合ペプチドの持つ材 料結合能力とバイオミネラリゼー ション能力を交互に利用してナノ 粒子などの薄膜を形成させる。 ヘテロナノ薄膜を形成可能 2 drain current 多値化メモリー gate voltage ミネラル層としてはシリカ やチタニアが利用可能 太陽電池 ボトム・アッ方式のナノ構造形成 手法の重要なツールとなる 3 バイオ分野でも薬剤、サイトカイ ンなどの多層体を形成し、時間、 環境応答的に制御された徐放シ ステムが構築可能 4 従来技術とその問題点 既に実用化されているヘテロ多層膜形成法に は、積層分子の電荷を利用した交互積層法等 があるが、積層が積層分子の電気的性質に依 存する。また、高温や極端なpH条件を必要と する場合が多い。さらには、基板直上の、層間 拡散が問題となることが指摘されている。これ らの理由から、従来法では、ヘテロ多層膜形成 法の適応範囲が限られる。 5 新技術の特徴・従来技術との比較 • 従来技術の問題点であった、電荷性質の依 存性を改良することに成功した。 • 従来は高温や極端なpH条件を必要とする場 合が多かったが、室温、中性付近の温和な 条件での積層が可能となったために、積層で きる分子の範囲が広まった。 • 積層層間のミネラル層が分子拡散をおさえる ために、基板直上での多層膜形成が可能と なった。 6 想定される用途 • 本技術の特徴を生かすためには、電子デバ イス製造に適用することで、水溶液中でのボ トムアップなナノ構造体形成法として利用でき る。 • 上記以外に、バイオ分野においても、サイトカ イン、ドラッグなどを温和な条件で積層し、時 間制御的に複数の生物活性を発揮する多層 化薬剤徐放システムとして利用できる。 7 想定される業界 • 想定されるユーザー 電子デバイス製造メーカーのボトムアップ新技術を 開発している研究所等、また、製薬企業で、DDSの 新手法を開発している研究所など。 • 想定される市場規模 ナノ構造体形成の基板技術として利用されれば、半 導体産業の市場規模(北米数百億ドル)の大きさか ら考えて相当規模。DDS分野では、1つの製剤で数 十億〜数百億円規模。 8 実用化に向けた課題 • 現在、多値化メモリーや太陽電池についてが プロトタイプデバイスの作製に成功。動作特 性についての解析が必要。今後、 • また、サイトカインや薬剤担持ナノカーボン化 合物の積層化条件を検討中。今後、担持量 や徐放量の制御条件の確立が必要。 9 企業への期待 • ボトムアップ型のナノデバイス開発を進める 企業との共同開発を希望。 • 生物センサーなどの開発を進める企業との 共同開発を希望。 • ドラッグや生物製剤などのDDS(薬物送達シ ステム)開発を進める製薬企業との共同開発 を希望。 10 本技術に関する知的財産権 • • • • 発明の名称 :機能性材料の三次元構造体 出願番号 :特願2005-155438 出願人 :独立行政法人科学技術振興機構 発明者 :芝 清隆、佐野健一 11 お問い合わせ先 【技術内容について】 (財)癌研究会 癌研究所 蛋白創製研究部 芝 清隆 電話:03-3570-0489 FAX:03-3570-0461 E-mail: [email protected] 【技術移転について】 科学技術振興機構(JST) シーズ展開課 技術移転プランナー: 井上 治郎 電話:03-5214-7519 FAX:03-5214-8454 E-mail: [email protected] 12
© Copyright 2024 ExpyDoc