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<経済解析室ニュース> 平成28年7月21日
鉱工業とサービス産業の反動的な低下により5月の全産業活動指数は3か月ぶ
りの低下
平成28年5月の全産業活動指数は、指数値102.1、前月比マイナス1.0%と3
か月ぶりの低下となりました。このところ前月比の変化幅がやや大きくなっていますが、
指数値102~103の間で上昇・低下を繰り返す状態が続いています。
なお、全産業活動指数の平成28年1~3月期の指数値は、102.3でした。よって、
計算上では6月の季節調整済指数が101.9(前月比マイナス0.2%低下)以上とな
れば、4~6月期が前期比でプラスとなります。
5月の結果を産業別にみると、鉱工業生産と第3次産業活動(サービス産業活動)とも
に、前月比低下寄与マイナス0.5%ポイントと、珍しく影響度合いがほぼ揃っていまし
た。
鉱工業生産は、化学工業、はん用・生産用・業務用機械工業などが低下寄与となり、前
月比マイナス2.6%低下と3か月ぶりの低下となりました。事前の予測調査の結果から
すると想定外に大きな低下で、指数値は昨年の最低値を下回りました。
サービス産業活動は、前月4月に高水準となった対事業所サービスが反動的に低下した
ため、前月比マイナス0.7%と2か月ぶりの低下となりました。ただし、指数値は、今
月の水準を上回るのがリーマンショック前、消費増税前の駆け込み需要期と今年に入って
からの時期に限られ、比較的高いレベルにあり、水準的には堅調と言えそうです。
5月の建設業活動は、前月比1.5%と2か月連続の上昇となりました。
内訳業種の動きをみると、公共・土木の前月比上昇寄与が大きくなっています。公共・
土木は四半期でみると28年1~3月まで3期連続低下と弱い動きとはなっていましたが、
年度の切り替わった足下では2か月連続上昇と下げ止まっています。
このほか、民間・建築非住宅も2か月連続上昇と、建設全体に上昇寄与しています。公
共・土木と並ぶ建設業活動の主力である民間建築・住宅は前月まで4か月連続上昇のあと、
今月は前月比横ばいで上昇一服となっています。民間建築・住宅に関しては、先行性のあ
る住宅着工統計をみても、5月の新設着工統計が5か月連続の前年同月比増加と持ち直し
の傾向が続いています。
平成28年5月の全産業活動は、鉱工業生産とサービス産業活動の低下により、3か月
ぶり前月比低下となりました。
全産業活動は前月4月に指数水準103.1と消費税率引き上げ前の駆け込み需要期を
除いた平時としては高水準となったものの、5月は鉱工業生産とサービス産業活動の両方、
特に対事業所サービスが高すぎた4月の水準から反落した結果、引き続き一進一退の状態
から抜け出すことはありませんでした。
今年に入って、鉱工業生産もサービス活動も月々の振幅が大きく、動きが読みにくくな
っています。3か月平均で均してみると、昨年第4四半期から今年の第1四半期に低迷か
ら少し回復しているという感じになります。
◎全産業活動指数 結果概要
http://www.meti.go.jp/statistics/tyo/zenkatu/html/b2010_201605j.html
◎全産業活動指数の概要(1枚モノのちらし)
http://www.meti.go.jp/statistics/toppage/report/minikaisetsu/pdf/zenkatsu_gaiyou
.pdf
○問合せ先
経済産業省 大臣官房 調査統計グループ 経済解析室
Tel : 03-3501-1511(代表)
(内線 2854)
、03-3501-1644(直通)
FAX : 03-3501-7775
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