農林水産部 News Release 農産食品課 農業技術課広域普及指導センター 担当:農産食糧係 小島、吉野 電話:(直通)076-444-3283 (内線)3905 農業技術課広域普及指導センター:岩田、高橋 電話:(直通)076-429-5042 平成 28 年 7 月 21 日 高温に伴う水稲の当面の技術対策について 今年の水稲は、気温が高く推移し、生育がかなり早回っていることから、本日開催し た県米作改良対策本部生産部会小委員会現地検討会で、次の対策の徹底を確認したとこ ろであり、別紙のとおり、指導機関に通知したので、お知らせします。 <水稲の当面の技術対策の概要> 1.「コシヒカリ」の活力の維持 稲の活力を維持し、高温に遭遇しても白未熟粒や胴割米の発生を低減するよう、次の 対策を徹底する。 (1)生育に応じた追肥による穂揃期の葉色の確保 ① 田植時に肥効調節型肥料(一発肥料)を施用した圃場 出穂 7~10 日前の葉色が淡い場合(葉色板で4.0未満(砂壌土4.2)) → 出穂 3~7 日前に窒素成分で 10a 当たり 1.0kg 程度の追加穂肥を施用 ② 分施体系の圃場(当初から基肥と穂肥を施用する計画の圃場) ・2 回目の穂肥は、出穂後の稲の活力を維持するため、1回目穂肥の7日後に、窒 素成分で 10a 当たり 1.5~2.0kg を確実に施用 (2)生育に応じた水管理の徹底 ・幼穂形成期から出穂期までは、飽水管理を行う(圃場が乾きすぎないように注意)。 ・出穂から 20 日間は、2~3cm 程度の水深を保つ(田面が露出しないように注意)。 ・フェーンが予想される場合は、事前に入水する。 2.斑点米カメムシ類の防除徹底(6 月 21 日斑点米カメムシ類発生注意報発令) ・ 早生品種(「てんたかく」等)は、穂揃期(出穂後 3 日頃)に加え、傾穂期(穂揃期 防除の 7 日後頃)の 2 回防除。 ・ 「コシヒカリ」は、穂揃期(出穂後 3 日頃)の防除。 ・ 防除後も、圃場内にカメムシ類の侵入が確認される場合等は、追加防除を行う。 平成28年7月21日 全農富山県本部 各農業協同組合 県農業共済組合 各農林振興センター 農林水産総合技術センター 御中 御中 御中 御中 御中 富山県米作改良対策本部 高温に伴う水稲の当面の技術対策について 気温が高く推移し、生育がかなり早回っており、特に「コシヒカリ」では、高温登熟による白 未熟粒等の発生が懸念されることから、次の対策を徹底し、高品質米が生産されるよう指導願い ます。 1 「コシヒカリ」の活力の維持 稲の活力を維持し、高温に遭遇しても白未熟粒や胴割米の発生を低減するよう、次の対策を 徹底する。 (1)生育に応じた追肥による穂揃期の葉色の確保 ① 田植時に肥効調節型肥料(緩効性肥料)を施用した圃場 出穂7~10日前の葉色が4.0(SPAD値32) 、砂壌土では4.2(SPAD値34)未満と淡い場合 → 出穂3日前までに窒素成分で1.0kg/10a程度の追加穂肥を施用 表1 表1 「コシヒカリ」の出穂前の追肥対応(肥効調節型基肥栽培) 「コシヒカリ」の出穂前の追肥対応(肥効調節型基肥栽培) 出穂7~10日前の葉色 4.0未満(SPAD値32未満) ※砂壌土は4.2未満(SPAD値34未満) 4.0以上(SPAD値32以上) ※砂壌土は4.2以上(SPAD値34以上) 追加穂肥対応 出穂3~7日前に 窒素成分で1.0kg/10a 地力の低いほ場は、 特に高温時に稲体の 活力が低下しないよう、 適正葉色に誘導 無し ② 分施栽培の圃場(当初から基肥と穂肥を施用する計画の圃場) 2回目の穂肥は、出穂後の稲の活力を維持するため、確実に施用 → 1回目穂肥の7日後に、窒素成分で10a当たり1.5~2.0kgを確実に施用 (2)水管理の徹底 ・幼穂形成期から出穂期までは、飽水管理を行う(圃場が乾きすぎないように注意) 。 ・出穂期以降20日間は、湛水管理を徹底(田面が露出しないよう2~3cm程度の水深を保つ) 。 ・フェーンが予想される場合は、事前に入水する。 2 斑点米カメムシ類の防除の徹底(6月21日斑点米カメムシ類発生注意報発令) ・早生品種( 「てんたかく」等)は、適期を逃さず、穂揃期(出穂後3~5日頃)と傾穂期の 2回防除を徹底する。 ・ 「コシヒカリ」および晩生品種では、穂揃期の防除を徹底する。 ・例年カメムシ類の発生密度が高い地域や、防除後も水田内のすくい取り調査で侵入が認め られる場合は、追加防除を行う。 平成 28 年度版 斑点米の混入ゼロを目指して 割籾の発生は平年並と見込まれますが、カメムシ類の発生密度が高いので、 確実に適期防除を実施しましょう。 ■斑点米をつくる主なカメムシ アカヒゲホソミドリ カスミカメ アカスジ カスミカメ ●体長 5~6 mm ●体長 5~6 mm ●寄主植物 イネ科植物 ●寄主植物 イネ科植物 (メヒシバ、ノビエなど) カヤツリグサ科植物 (メヒシバ、ノビエなど) (ホタルイなど) ■斑点米被害 平成 27 年県産米 1等米比率(%) 100 91.4 90 出穂時期が早く、 籾割れしやすい早生 品種で、特に被害が 大きくなります。 1,000 粒に斑点米が 2 粒以上混入すると 2 等以下に格落ちします! うるち玄米 2等以下の格付け理由 ①カメムシ類(47.1%) ②整粒不足(30.5%) ③心白・腹白(13.8%) 79.1 80 70 うるち てんたかく 割籾 (鉤合部に隙間) 鉤合部からの吸汁によって つくられた斑点米 ■畦畔等の雑草管理を徹底しましょう! ・カメムシが好むイネ科雑草の穂が出ないように(およそ3週間間隔)草刈り等を徹底し ましょう。 ※特に、アカスジカスミカメはイネ科雑草等の穂に産卵し、増殖します。 ・やむを得ず穂の出ている雑草を刈る場合は、本田の薬剤防除の直前に行いましょう。 ■適期の薬剤防除を確実に行いましょう ! ※詳細は、地域の営農情報等で 確認願います。 てんたかく など 早生品種 コシヒカリ 晩生品種 1回目 出穂3~5日後頃 (穂揃期) 基 本 基 本 2回目 1回目の散布から 7日後頃(傾穂期) 基 本 追 加 3回目 2回目の散布から 7日後頃 追 加 カメムシ防除 防除時期の目安 ●防除後もカメムシの侵入が認められる場合 ●水田内にノビエやホタルイなどの発生が認められる場合 ●雑草地や不作付地等に近接している場合 必要に応じて 行います 追加防除を行う 富 山 県 米 作 改 良 対 策 本 部 必ず 行います
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