光触媒材料の空気浄化性能に関する JIS 改正

資料2
光触媒材料の空気浄化性能に関する JIS 改正
−大気及び屋内環境改善用光触媒材料の普及を目指して−
平成28年7月20日
光を当てることにより空気の汚れを除去するなどの機能を持つ光触媒の用途が拡大しています。環境
浄化向け光触媒材料の更なる普及と性能評価における利便性向上のために、段階的に制定されてきた
空気浄化性能の試験方法他について見直し、国際規格との整合を図りました。
1.規格改正の目的・背景
我が国発祥の光触媒技術は、国際的な広がりをみせる一方で、十分に効果のない製品、いわゆる
「まがいもの」が市場に流通し、光触媒自体の信頼性を損なうことが起きてきました。そこで、性
能を正しく評価するために JIS が制定されました。
光触媒材料の空気浄化性能の試験方法は、2004 年に最初の JIS が制定されて以来、対象となるガ
スの多様化を経て、可視光応答形光触媒への対応等により合計 10 件の JIS を制定してきました。し
かし、
この間の多様化や技術の向上等により、
規格で使用されている用語や試験条件の変化もあり、
利用者の混乱の原因となっていました。
このため、光触媒材料の空気浄化性能試験方法 5 件(窒素酸化物、アセトアルデヒド、トルエン、
ホルムアルデヒド、チルメルカプタンの除去方法)について、利用者の使いやすさに主眼を置いた
見直しを図りました。
また、今回の改正では、国際規格(日本提案の ISO 規格)と整合させたことにより、海外ユーザ
ー向けに適用できるため、利便性が大幅に向上いたします。
2.規格改正の主なポイント
①規格群における重複項目の整理、国際規格との整合
利用者の利便を重視して、JIS R 1701-1∼5 で重複する項目を JIS R 1701-1 に整理・集約しま
した。また、対応する ISO 規格との整合を図り、合わせて用語等も見直しました。
②試験片の取扱い方法などを統一
他の試験条件と比べ必要以上に厳しく設定されていた試験片の寸法許容差を見直しました。ま
た、紫外線照射による有機物除去(24 時間未満)と水洗からなる前処理条件を統一しました。
③ガス流量測定用ガスの変更
ガス流量測定では水蒸気の体積を排除する乾きガス基準を採用していましたが、大気計測で一
般的に用いられている湿りガス基準に変更しました。
光触媒は太陽光や室内光などの光があたることにより、
表面に強力な酸化力が発生し、環境中の汚染物質や微生物
を分解する作用を発揮する物質です。
大気浄化・消臭・浄水・除菌・抗ウィルスなどの機能を
持ち、建築材料を始めとして種々の材料表面に用いられま
す。
光触媒分解メカニズム
【担当】経済産業省 産業技術環境局 国際標準課(03-3501-9283、内線 3426∼3427)
(課長)藤代 尚武
(補佐)渡辺 正志
経済産業省 製造産業局 素材産業課
(課長)茂木 正
(補佐)松谷 洋平