金属系超塑性材料の引張特性評価方法に関するJIS改正

資料3
金属系超塑性材料の引張特性評価方法に関するJIS改正
− より利便性の高い評価方法の普及を −
平成28年9月20日
通常の金属材料と比較して極めて大きな破断伸びを示す金属系超塑性材料の、引張特性(破断伸び、
変形応力)を評価するための規格を統合して国際規格との整合を図り、利便性を高めました。
1.JIS 改正の目的
この JIS は、通常の金属材料と比較して極めて大きな破断伸
び(数百から数千%※)を示す金属系超塑性材料(アルミニウ
ム系合金、チタン系合金等)を試験するための規格です。
今回の改正では、現行の JIS を統合し、修正を加えた国際規
格が制定されたことを受け、国際規格(日本提案の ISO 規格)
との整合を図りつつ規定内容をさらに明確化するため、規定を
見直しました。これにより利便性がより向上いたします。
※200∼1000℃に加熱された状態での引張特性を評価できる
ように、試験機には加熱装置が取り付けられています。
図 1 金属系超塑性材料の使用例
(出典:Furukawa-Sky Review No.7, 2011)
2.JIS 改正の主なポイント
①2種類の板状試験片を規定
1)変形部が平行なS型試験片
2)変形部が円弧形状のR型試験片
L:破断伸び評価範囲
L:破断伸び評価範囲
図 2 S型試験片の形状
R:くぼみ部分の半径
図 3 R型試験片の形状
②2種類の試験片の使い分けについて明示
1)変形部が平行なS型試験片
十分に長い加熱炉を用意し、簡便に測定を実施したい場合に適しています。
2)変形部が円弧形状のR型試験片
S型試験片に比べて、測定がやや複雑ですが、ひずみの大半が試験片の中心部近傍に集
中するので、十分に長い加熱炉を用意できない場合に適しています。
【担当】経済産業省 産業技術環境局 国際標準課 (03-3501-9283、内線 3426 ∼ 3427 )
(課長) 藤代 尚武
(補佐) 遠藤 修治
経済産業省 製造産業局 金属課
(課長) 山下 隆也
(室長) 坂元 耕三 (補佐) 佐々木 忠則