校訓 自主 融和 勤勉 「さわやかで、たくましく」の本当の意味 ~ つどい(7

学校だより
校訓 自主 融和 勤勉
神明中は「さわやかで、たくましく生きる生徒」の育成を目指しています
第12号
磐田市立神明中学校
平成28年7月11日発行
「さわやかで、たくましく」の本当の意味 ~ つどい(7/6の校長先生のお話) ~
私は今日一日「つどい」があるので、ピンクシャツを着て過ごしました。平野先生もピン
クシャツを着ています。今日はこのピンクシャツについてお話します。ピンクシャツは、「私
は『いじめ』をゆるさない」という意思表示です。「ピンクシャツ」がいじめ撲滅のシンボル
となったのは、カナダの学生が起こした行動がきっかけとなっています。2007年のカナダ・
ノバスコシア州のハイスクールであった実話です。ある日、9年生(日本では中3)の男子生徒
がピンク色のポロシャツを着て登校したことで、ホモセクシャルだとからかわれ暴行を受け、
耐えきれずに帰宅してしまいました。それを聞いた12年生(日本では高3)の男子生徒二人が、
「いじめなんてもううんざりだ!何かアクションを起こそう!」と考えました。そして、そ
の日の放課後、二人はディスカウントストアへ行き、ピンクのシャツやタンクトップを50
枚ほど買いこみ、その夜、クラスメートたちに学校のBBSやメールで呼びかけました。「明
日、一緒に学校でピンクシャツを着よう」と。翌朝、持ってきたピンクシャツを校門で配り
始めると、飛び込んできた光景に二人は驚きます。ピンクシャツを着た生徒たちが,次々と登
校してくる姿でした。ピンクシャツが用意できなかった生徒は、リストバンドやリボンなど、
ピンク色の小物を身に着けて登校してきました。2人の思いは一夜のうちに全校に広まり、
彼ら2人が呼びかけた人数より遥か多くの生徒たちがピンクシャツやピンク色のものを身に
付けて登校してきたことで、その日、学校中がピンク色に染まったそうです。後日、いじめ
られた生徒は、あのピンク色のポロシャツを再び着て登校してきました。以来、現在にいた
るまで、その学校でいじめを聞くことはないそうです。いじめに対抗しようと立ち上がった
学生たちは、言葉や暴力でなく、行動で意思表示をしました。この行動がきっかけとなり、
現在カナダでは毎年2月の最終水曜日をピンクシャツデ―とし、この日に、学校だけでなく
企業・個人など社会全体を巻き込んで賛同者がピンクシャツを着て「いじめ反対」のメッセ
ージを送っています。日本でも2013年頃から拡がりを見
せはじめ、磐周地区内の中学校でも生徒会を中心に取
り組む姿が出てきています。
もう一つ、1804年にできた会津藩校日新館の「什の掟」
を紹介します。会津藩(現福島県西部地方)では、10歳か
ら藩の学校に通います。藩校に通う前の6歳~9歳ま
で藩士の子供は10人前後で集まりを作り、この集まりを
什(じゅう)と言います。什には次のような掟がありまし
た。今とは文化や風習の違いから当てはまらないもの
もありますが、今もなお通じるものもあります。(抜粋)
一、年長者(としうえのひと)の言ふことに背いてはなりませぬ
一、年長者にはお辞儀をしなければなりませぬ
一、嘘言(うそ)を言ふことはなりませぬ
一、卑怯な振舞をしてはなりませぬ
一、弱い者をいぢめてはなりませぬ
一、戸外で物を食べてはなりませぬ
そして、どの什にもあった言葉…
「ならぬことはならぬものです」
実は、この掟は大人が考えたものではなく、子供たちが考えたものなのです。子供たちで
ルールをつくり、徹底的に守り抜く精神が会津藩を支えていたのです。毎日の終わりに年長
者が確認していたそうです。神明中学校には、どんな小さなことでも校長に報告してくれる
先生方がいます。不十分な情報や気付かなかったことも、知れば翌日までに知らせてくれる
スタッフに囲まれています。おかげで友達同士のトラブルや「いじめ」と受け取れる言葉、
態度があったことはいつ・誰がどこで・誰に何をしたか把握しているつもりです。この学校
のどこかで誰かがつらい思いをするのは終わりにしましょう。人間ですから、多少のいざこ
ざはあるでしょう。でも特定の人を長い期間、何人かの人で無視したり悪口を言ったり嫌が
らせをしたりすることは今後一切なくしたい、そして、許さないという強い思いを一人一人
がもってください。生徒同士、教師と生徒の間にもあってはなりません。だめなことは、ど
んな理由があってもだめなのです。自分がされて嫌だったことは他人にやってはなりません。
もし、見たり聞いたりしたら「そんなことは言うな、するな」と言ってください。まわりで
何もしないで見ているだけの人は、いじめを助けているのと同じです。神明中生が「真に福
祉の心をもっている」のならば、いじめみたいなことは必ず撲滅できると信じています。校
長や先生方ができること、それは、皆さんを信じることだけです。ダークサイドに取り込ま
れてはなりません。常に相手の立場に立って適切な判断ができる神明中生でいてほしいと思
います。「さわやかでたくましく」の本当の意味を考えて行動できる姿を期待しています。