課題 4

流通論 A 課題4
学番
氏名
7/8, 7/15, 7/22, いずれかの授業時のみ EB1 のみで提出。
(この用紙は南川 HP にも有り。)
問1 ある商品を生産する独占的なメーカーがあり、それを
直接消費者に販売する「直接流通」を考える。メーカーの限
1
π R = mq =
β
界生産費用はゼロとする。この商品の小売価格を p 、需要量
(=生産量=販売数量)を q とするとき、この商品の市場需
要関数は、 p = α − β q と仮定する(α > 0 、 β > 0 )
。
このとき、独占企業の最適生産量(最適価格)を求めよう。
また、そのときの企業利潤、消費者余剰はいくらになるか。
利潤π (ここでは費用がゼロであるため、収入と同じ)
を、販売量 q だけを用いて表すと、
π = pq = (α − βq )q = − βq 2 + αq となる。 利潤最大
化条件
π′ = 0
q∗ =
最適販売量は
∗
格 p は、 p
より、− 2 β q + α
∗
企業利潤は、
消費者余剰は、
α
2β
= 0 これを解くと、
となる。したがって、最適価
α  α
= α − β q = α − β 
 =
 2β  2
2
 α  α  α
π ∗ = p ∗ q ∗ =    =
 2  2β  4 β
2
α   α  1 α
CS =   × 
 × =
2
2
β
  
 2 8β
1
β
β
m (α − w − m ) となる。
= ∂π R / ∂m = 0 より、
(−2m + α − w) = 0 となり、これを m について解くと、
m=
α −w
となる。この式は、先手であるメーカーが出荷
2
価格を w と付けてきたとするとき、それを見て小売業者は小
売マージンをこの水準に設定することが最適な戦略であるこ
とを示している。この式を、メーカーの w に対する小売業者
の最適反応戦略という。メーカーは、この式を前提として、
自己の利潤 π M = wq =
1
β
w(α − w − m) を最大化するよ
うに出荷価格 w を決定する。π M の式に最適反応関数を代入
して m を消去し、π M を w のみの関数として表して整理して
書くと、π M
=
1
β
w(α − w − m) =
となる。利潤最大化条件: π M
β
= dπ M / dw = 0 より、
(−2w + α ) = 0 となり、これを w について解くと、出荷
価格の均衡は
メーカーの限界生産費用はゼロとする。この商品の小売価格
を p 、需要量(=生産量=販売数量)を q とするとき、小売
段階の市場需要関数は、 p = α − β q と仮定する。メーカ
ーは自己の商品を小売業者に販売する出荷価格 w を決定する。
1
小売業者の利潤最大化条件: π R
1
問2 独占的なメーカーM と、その商品を仕入れて消費者に
販売する、独占的な小売業者 R がある。
( 間接流通。
)
m(α − p ) =
w=
α
と求められる。これを最適反応関数の
2
式に代入すると、小売マージンの均衡は m =
小売業者は、メーカーの出荷価格 w の値を所与としたもとで、
小売マージン m を決定する。したがって、小売価格 p は
p = w + m となる。小売業者の費用は、製品の仕入額とし
したがって、小売価格は
p = w+m =
均衡における需要量は q =
とする小売業者(後手)の2社をプレーヤーとする逐次手番
1
β
(α − p ) =
α
となり、均
4β
α2
=
8β
α2
、π R =
16β
のゲームを考え、後ろ向き推論法により、出荷価格および小
売マージンの均衡を求めよう。まず、小売業者は自己の利潤:
π R = pq − wq = mq
衡における各社の利潤は、
を最大化するように小売マージン
m を決定する。 p = α − β q 、すなわち、q =
を
1
β
(α − p )
π R に代入して q を消去し、π R を w と m のみの関数とし
て表すと、
と求められる。
4
3α
となる。また、
4
てメーカーに支払う w × q のみであるとする。出荷価格 w
を戦略とするメーカー(先手)
、および小売マージン m を戦略
α
πM
となる。これより、メーカーと小売業者の利潤の合計の値は
πM +πR =
である。この値は問1の企業利潤よりも
低い。
このときの消費者余剰 CS の値は
CS =
となる。