- 2016年5⽉分機械受注 - ― 5⽉分の機械受注(除船電⺠需)前⽉⽐は▲1.4%と2カ⽉連続減少 ― ―機械受注(製造業)は4⽉分景気動向指数CI・DIの下⽅修正要因に ― ― 4〜6⽉期前期⽐⾒通し(3⽉末時点:熊本地震考慮せず)は▲3.5%― ― 4〜6⽉期前期⽐⾒通し達成に6⽉分前⽉⽐+27.7%必要。実績は⼤幅下振れに― 客員エコノミスト 宅森昭吉 コメント 受注統計の推移 機械受注・⺠需 27年 7〜9⽉ (実績) (▲6.5) 10〜12⽉ (実績) (2.6) 28年 1〜3⽉ (⾒通し) (6.4) 1〜3⽉ (実績) (6.7) 28年 4〜6⽉ (⾒通し) (▲3.5) 4〜6⽉ (同単純集計) - 28年 2⽉ 3⽉ 4⽉ 5⽉ (▲1.4) (▲9.2) (5.5) (▲11.0) (除く船舶・電⼒) ▲0.9 2.1 5.2 3.4 ▲6.4 ▲7.3 ▲0.7 3.2 ▲8.2 ▲11.7 製造業 (▲9.6) (▲3.0) (10.1) (13.7) (▲7.5) - (▲30.6) (19.7) (▲13.3) (▲6.4) ▲1.1 ▲3.1 6.5 4.3 ▲12.6 ▲13.6 ▲12.3 2.7 ▲14.8 ▲21.5 ⾮製造業 (除く船舶・電⼒) (▲4.9) (5.6) (4.6) (3.5) (▲1.5) - (10.2) (▲6.9) (▲3.9) (▲0.3) 代理店受注 外 需 建設工事受注 〃 (うち国内民間分) 〃 (うち公共機関分) ▲0.8 6.3 4.0 2.6 ▲2.6 ▲2.1 8.7 2.7 ▲3.0 ▲2.5 (6.0) (3.4) (1.7) (6.3) (1.0) - (▲1.8) (▲4.9) (▲3.9) (▲7.3) 5.1 7.2 14.9 17.3 14.8 12.6 16.2 16.4 3.5 8.9 (3.8) (9.1) (▲4.2) (▲26.6) (3.4) - (6.3) (28.5) (▲6.9) (▲14.8) 5.8 17.0 6.5 ▲18.8 ▲17.4 ▲12.6 ▲31.2 ▲0.4 ▲2.0 ▲20.8 (▲13.3) (7.6) - (▲6.2) - - (▲10.6) (31.2) (▲4.7) (19.8) ▲3.5 ▲1.8 - 2.4 - - ▲12.4 19.8 ▲16.9 34.5 (▲10.2) (▲2.6) - (▲4.7) - - (10.3) (8.8) (1.1) (40.6) 11.6 1.9 - ▲0.4 - - ▲11.8 20.1 ▲24.8 51.9 (▲20.9) (17.3) - (▲11.8) - - (▲27.3) (56.5) (29.4) (▲45.0) ▲13.1 ▲4.0 - 0.4 - - ▲17.8 13.7 8.6 ▲17.8 (注)上段:( )内前⽉(期)⽐、下段:前年同⽉(期)⽐、%。 (出所)内閣府、国⼟交通省 27年1⽉分は「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」に判断据え置き 2⽉分は「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」に判断据え置き 3⽉分は「機械受注は、緩やかな持ち直しの動きがみられる」に判断据え置き 4⽉分は「機械受注は、持ち直している」に4カ⽉ぶりに判断を上⽅修正 5⽉分は「機械受注は、持ち直している」に判断据え置き 6⽉分は「機械受注は、持ち直している」に判断据え置き 7⽉分は「機械受注は、持ち直しの動きに⾜踏みがみられる」に8カ⽉ぶりに判断を下⽅修正 8⽉分は「機械受注は、⾜踏みがみられる」に2カ⽉連続して判断を下⽅修正 9⽉分は「機械受注は、⾜踏みがみられる」に判断据え置き 10⽉分は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」に判断を上⽅修正 11⽉分は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられるものの、11⽉の実績は⼤きく減少した」で実質的には判断据え置き 12⽉分は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」で判断据え置き 28年1⽉分は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」で判断据え置き 2⽉分は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」で判断据え置き 3⽉分は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」で判断据え置き 4⽉分は「機械受注は 、持ち直しの動きがみられるものの、4⽉の実績は⼤きく減少した」で実質的には判断据え置き 5⽉分は「機械受注は、⾜踏みがみられる」に8カ⽉ぶりに判断を下⽅修正 (出所)内閣府 ●5⽉分機械受注(除く船舶電⼒の⺠需ベース、以下、除船電⺠需と表記)の前⽉⽐は▲1.4%と2カ⽉ 連続の減少になった。⼤型案件は4⽉分で1件あったが、5⽉分も1件で同数だった。先⾏きの不透明さが企業 の投資マインドにブレーキをかけているような感じだ。 (次⾴へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 ●5⽉分機械受注(除船電⺠需)の⼤型案件は、⾮鉄⾦属で原⼦⼒原動機1件だった。 ●5⽉分の製造業の前⽉⽐は▲6.4%と2カ⽉連続の減少になった。製造業17業種中、7業種が増加で 10業種が減少だった。 ●5⽉分の⾮製造業(除船電⺠需)の前⽉⽐は▲0.3%と微減だが、3カ⽉連続の減少になった。⾮製造 業全体では前⽉⽐は+4.4%で3カ⽉ぶりの増加になった。電⼒業では⼤型案件が、4⽉分では⽕⽔⼒原動 機1件が、5⽉分はその他重電機1件だった。⾮製造業12業種中、5業種が増加で7業種が減少となった。 ●4⽉分の機械受注全体の⼤型案件は4件だったが、5⽉分の機械受注全体の⼤型案件も4件だった。⺠需 以外は官公需で1件、外需で1件だったという。内容は各々、鉄道⾞両と航空機だった。 ●5⽉分の外需の前⽉⽐は▲14.8%で2カ⽉連続の減少となった。なお、6⽉分が前⽉⽐0.0%でも4 〜6⽉期の前期⽐は+0.3%とプラスにはなるが、4〜6⽉期⾒通しの+3.4%を下回ることになる。 ●中⼩企業の動きを反映している部分がある代理店受注の5⽉分前⽉⽐は▲7.3%と4カ⽉連続で減少した。 1⽉分が⾼⽔準だった反動も出ているようだ。しかし、5⽉分前年同⽉⽐は+8.9%と10カ⽉連続で増加し、 ⾜元の中⼩企業の機械の設備投資が底堅いことを裏付けている。5⽉分有効求⼈倍率が1.36倍と⾼⽔準 で雇⽤環境が良い中、⼈⼿不⾜対策の設備投資も出やすい環境だ。昨年末放送の「下町ロケット」とNHK朝の 連続テレビ⼩説「あさが来た」が連続してドラマアカデミー賞最優秀作品賞を受賞したことや、「あさが来た」の平均視 聴率が23.5%で、2002年度前期放送の「さくら」の23.3%を抜いて今世紀最⾼を更新したこと、後 番組の「とと姉ちゃん」の視聴率が6⽉8⽇に24.6%と4⽉27⽇と並び最⾼タイを記録するなど引き続き⾼ いことと整合的だ。前向きな経営者を応援する⾵潮が、中⼩企業の設備投資を後押しすることを期待したい。 ●内閣府の基調判断は、15年7⽉分では「機械受注は、持ち直しの動きに⾜踏みがみられる」に8カ⽉ぶりに下 ⽅修正された。さらに8⽉分では「機械受注は、⾜踏みがみられる」へと連続して下⽅修正となった。8⽉には中国 発世界同時株安など企業⼼理を冷え込ませる状況が⽣じたからだ。9⽉分では判断据え置きだったが、10⽉分 では「機械受注は 、持ち直しの動きがみられる」に判断が上⽅修正された。11⽉分では「機械受注は、持ち直し の動きがみられるものの、11⽉の実績は⼤きく減少した」となったが、これは機械受注(除船電⺠需)前⽉⽐が ▲14.4%(当初)と2ケタの⼤幅な減少率なので、⾔及せざるをえなかったのだろう。12⽉分・1⽉分・2 ⽉分・3⽉分では「機械受注は、持ち直しの動きがみられる」で判断据え置きとなった。前回4⽉分では「機械受注 は、持ち直しの動きがみられるものの、4⽉の実績は⼤きく減少した」と11⽉分と同じ表現になったものの、持ち直し に重点が置かれていて、実質的に7カ⽉連続の判断据え置きになった。今回5⽉分では「機械受注は、⾜踏みが みられる」へと8カ⽉ぶりに下⽅修正となった。 (次⾴へ) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。 ●4〜6⽉期の機械受注(除船電⺠需)の前期⽐⾒通しは▲3.5%である。これを達成するには、6⽉分 が+27.7%伸びる必要がある。実際は下振れしそうだ。 機械受注(除船舶⺠需)⾒通しと実績 (前期⽐%) 実績(B) +0.4 ▲0.3 ▲10.5 ▲3.2 ▲3.1 ▲2.5 ▲11.8 ▲10.3 → → → → → → → → → +1.1 +7.1 +3.4 +10.3 +0.8 +8.9 ▲2.4 +0.6 +0.7 +7.4 +13.9 +13.5 +3.9 +11.4 +9.4 +10.9 21年4〜6⽉期 ▲5.0 → ▲4.9 +0.1 22年4〜6⽉期 23年4〜6⽉期 24年4〜6⽉期 25年4〜6⽉期 26年4〜6⽉期 7〜9⽉期 10〜12⽉期 27年1〜3⽉期 4〜6⽉期 7〜9⽉期 10〜12⽉期 28年1〜3⽉期 4〜6⽉期 +1.6 +10.4 +2.5 ▲1.5 +0.4 +2.9 ▲0.3 +1.5 ▲7.4 +0.3 +2.9 +6.4 ▲3.5 → → → → → → → → → → → → → +0.3 +2.5 ▲4.1 +6.8 ▲10.4 +5.6 +0.4 +6.3 +2.9 ▲10.0 +4.3 +6.7 ▲1.3 ▲7.9 ▲6.6 +8.3 ▲10.8 +2.7 +0.7 +4.8 +10.3 ▲10.3 +1.4 +0.3 年 13年4〜6⽉期 14年4〜6⽉期 15年4〜6⽉期 16年4〜6⽉期 17年4〜6⽉期 18年4〜6⽉期 19年4〜6⽉期 20年4〜6⽉期 ⾒通し(A) 差(B)-(A) (出所)内閣府 ●5⽉分景気動向指数・CI改定値で新たに改定値から加わる系列として、先⾏系列では実質機械受注(製 造業)がある。実質機械受注(製造業)の前⽉差寄与度は▲0.24程度とマイナス寄与になると予測する。 先⾏CI・改定値の前⽉差は▲0.2程度と速報値の0.0から下⽅修正になるとみた。また、先⾏DIでは 実質機械受注(製造業)の符号がマイナス符号で加わるので、60.0%程度と速報値の66.7%から下 ⽅修正になると予測する。他の指標の⼤幅下⽅修正がなければ、11カ⽉ぶりの景気分岐点50%超えは維持さ れそうだ。 (7⽉11⽇現在) 本レポートは、投資判断の参考となる情報提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。投資判断に 関しましては、お客様ご自身の判断でなさるようお願い致します。 このレポートに記載された内容は今後予告なく変更されることがあります。また、SMBCフレンド証券は、このレポートに記載 された内容に関し、正確性・完全性を保証するものではありませんのでご了承ください。
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